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keep the faith

愚痴多め、もう来週からは作画言及だけでいいや。


脚本・構成
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「この人には恐怖ってものがないのか!?」
「そんなこと人間に可能なのか…?」
「全てのカードを覚えていたのか…?」

狂気」というものは言葉で説明すればするほど、絵面としてはダサさを帯びていく。狂っている様なのだから、言葉では本来説明できないものであり、それを上記のようなセリフで補おうとすると、ますます「狂気」の説得力がなくなっていく。


ギャンブルは、もういいよ不満しかない。これなら、蛇喰と早乙女が20分間ずっとストッキングを脱ぎ履きする映像の方がマシ。

・ツメかけて2000万奪い返したのに、それ以上吹っ掛けない
・ジュースカードに気付いた描写いっさいなし
・トイ少女べらべら全部ネタバラシ
・蛇喰は、それ以上の(「致命的なミスしとるで!」的な)説明せず
・家業を攻めたはいいけど、現実的な妥協点を突きつけない(というかボヤかしたよね)
・そもそも、ギャンブルをする目的が見えない


なんなのコレ?視聴者はヤムチャ視点なの?
駆け引きしないギャンブル漫画とか、ただのリンチじゃん。


相手「イカサマするやで~」

蛇喰「(はい分かった余裕)ニコニコ」

相手「こいつカモやな、もう一回仕掛けるで~」

蛇喰「ダメで~すwwwイカサマバレとるで~www」

相手「イカサマばれたんご…(こいつ強すぎ…狂ってる)おわりで…」

蛇喰「もっとお金かけようよ!ギャンブラーならさあ!」

周り「蛇喰は狂ってる…」

このパターンしかねえじゃねえか。駆け引きも読み合いも、心理戦もない。
なんなのこれ、ストッキングだけ見とけってことなの?




作画・画面構成


カードの質感
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(ここ何でポン寄り風にしたんだろう?赤同士だからミスがわかりにくい)

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ペロンとめくれて、反動で少し上に跳ねる。カードアクションはめっちゃ良かった。


Bパートラスト

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やや煽りのアングルから、迫ってくる蛇喰。髪の毛を空中で乱舞させ、顔を前のめりに描くことで、抑えきれない興奮を表す。それにしても、この顔の影はすごい付け方だなあ。

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しだれる髪の毛。これどういうアングルを想定しているんだろう。顔のパーツが立体的に浮き上がっている。そういや、田中宏紀のエフェクトはだいたい分かったけど、キャラの方はよく分かってなかった。けっこうパーツが際立つように描くんかな?


ああ、そういえば、Aパートのこのへんも良かった。

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ミケと化した早乙女。髪の毛がややボサボサなのが、やつれていてグー

ギャンブル漫画において、僕らが快感を抱く、面白い、すげえと思う部分とはどこなのか。

そのほとんどって、賭けに勝って大金を得たことより、主人公の思考・行動が勝利に至る過程なんですよ。小さな観察を何個も積み重ねて、勝てるように絞りに絞っていくけれども、それでもどっちに転ぶか分からない選択肢がある。そこで初めて、「何かに賭ける」という行為になる。この過程をすっ飛ばして、最初から賭けるのはただの運否天賦であり、ギャンブルジャンキーです。

この構造は、「嘘喰い」における「ハングマン編(廃坑のテロリスト編)」が分かりやすいと思うんで、順を追って説明していきたいと思います。


1、ギャンブルの説明
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ハングマンにおいては、ババ抜きが採用された。ババに書かれた数字だけ、ハングマン(首吊り機)の工程(全11工程)が進んでいく。当事者同士に発覚しないイカサマは不問。





2、思考の流れ/状況を、いろいろな角度から描写する


Ref01、先手後手を決めるじゃんけんの描写
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何かに違和感を感じる獏の姿を描写する。その一方で、第三者の視線として、梶の感想を入れる。



Ref02、ミスリードを誘う、第三者の描写


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(第5巻、最初のババ抜きで負けた直後の嘘喰い側陣営)

ギャンブルの当事者だけではなく、第三者からの思考も入れて、ミスリードを誘う。ここでは、梶の考え=獏の考えのように見せかける。獏の狙いは、まだ分からない。読み手側に色々と考えさせる。梶を通して描写することで、「ここは獏にとって重要な行為」ということを気付かせる。隠さない。



Ref03、繰り返し
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(画像右:3連敗し後がない状況の獏の手)

指でトントンする描写を何度も繰り返す。繰り返すことによって、それがただの苛つきではないと印象付ける。ただ、これが「何をしているか」までは分からない。絶妙な塩梅の描写加減。



Ref04、敵陣営の思考描写
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(同5巻:2戦連続、獏が勝った後の敵陣営)

敵の思考が混乱している様子を描写する。全ては、まだバラさない。「アレ」や「コイツのおかげで…」とぼやかすことで、何のことを指しているか不明瞭にする。ヒントは出すが、答えは出さない。それが、読み手に「何のことについて言っているのか?」を考えさせ、没頭させる。



3、ネタバラシ

ここまで書いといてなんですが、やっぱ読んでもらいたいので、ネタバレしない笑。全ての描写が大事であって、こんなちょっとした引用では伝えきれない。「ハングマン」においては、2段階のネタバラシでした。一度目は、勝負中に堂々とネタバラシをし、ああ、そういうことだったのか、でも、どうやってそれを可能にしているのか、まではバラさない。そして、勝負が終わった後に、全貌のネタバラシを行う。

読み直すと、「この描写も、あの描写も全て結びついていた」となるのが気持ちいいんですよ。勝つために何を行っているのか。イカサマをしている方は、それがバレないようにどのように振る舞っているのか。それが、ネタバレにならない程度の範囲で描き、読者にある程度の情報を把握させ推測させる。

全て分かってしまうように情報を描写しては冗長になるし、まったく描写しないのは後付になる。情報の小出しは、ギャンブル漫画の要ですが、こと「嘘喰い」においては、それが大胆なときがある。全て描写されているのに気付かない、しかも、それがミスリードやブラフだったりする場合がある。ここが「嘘喰い」において、最も感嘆するところです。


同じような構造は、「銀と金」や「カイジ」などでも見受けられます。ギャンブルの説明を行い、主人公が、それにもとづいて観察を行い行動をする。何かに気付いたときには、それをコマに入れて、描写する。主人公に、少し遅れてついていくぐらいの描写加減。で、最後に、ネタバラシをする。これが、まあ、一般的というか、自分が読んできて面白かったギャンブル漫画の流れです。

とにかく言えることは、まず1つは、主人公が観察している、何かに違和感を感じている、それらの描写がないと最後のネタバラシには意味がありません。2つに、この塩梅が非常に重要です。全て開陳してしまえば、もはや読者にはそれ以降の展開が手に取るように分かり、退屈になってしまう。まったく描写しなければ、意味不明、後付のように感じる。

以上の2点が、ギャンブル漫画において、まず最も重要と考えています。

「投票ジャンケン」は、その投票状況にもよりますが、最終戦で夢子がチョキを引ける確率は、約27%ぐらい。つまり、普通のじゃんけんとほぼ変わらないところまで、持ち込めた、というわけです。この確率の絶妙さには感銘しましたが、これを描写していないことで全てが台無しになっている。描写すれば、ああ、これぐらいは引いて当然とも思えるものなのに、なぜ描写していないのか。




アニメ制作スタッフに起因するのか、それとも原作から、このような仕組みなのかを知りたくて、1、2巻だけ購入しました。結論から言うと、原作がギャンブル漫画に必要な描写をしてない。

で、そもそも、ギャンブル漫画には何が必要なのか?
大雑把に以下のような描写が必要と思う。



1、ギャンブルの説明
2、最善手に迫るための伏線描写
→(a)キャラの思考
→(b)観察
→(c)行為
3、最善手のバラシ(ネタバラシ)


1は当然として、本題は2から。最善手とは「どのような手を使えば、勝てる勝算が大きくなるか」みたいなものだと思ってください。今回のケースだと、「手の偏りを知ること」ですよね。最善手に至るまでは、夢子は周りを観察していないように描写される。たとえば、投票状況を伺ったり、投票場を見つめたりする描写がない。そして、思考の描写も少ない。とうぜん、キャラの思考をすべて描くことは、ネタバラシですので、ありえません。ですが、「(敵味方どちらも)何を考えて、この手に至ったのか?」という思考を描いておかないと、3のネタバラシが効果的に働かない。夢子は「投票ジャンケン」の間、ずっと笑顔のままです。これは早乙女からすれば、やや不気味に写るはず。まあ、これぐらいは、早乙女が調子こいてたから、見過ごしたということで理解できる。ただ、夢子本人の思考が、独白や行動どちらでも、まったく描写されないのは、もはや伏線を張れていない状態と同義です。

最善手へと至る思考の過程(ミスリードにしろ)を描かない、伏線を貼らない。これは、ギャンブル漫画を放棄していると言ってもいい。同作者のドミニウム第一編のほうが、伏線をきちんと貼っている。

ドミニウム


2巻のインディアンポーカーにも言いたいことあるんですよ。2枚インディアンポーカーであった必要性はあるのかなあ。イカサマ合戦になってしまって、そもそもこの設定必要だったのか、と感じざるを得ない。イカサマ合戦じたいになるのはいいんですけど、元のゲーム性をガン無視で進行していくというのは、もうなんか、それを選んだ意味がない。

最初に言いましたけど、最後に夢子がチョキを持ってこれる確率が30%あるというのは、本当に絶妙なんですよ。そんなにないと読者も早乙女も思い込んでいますから。これが活かせないのは、もったいないとしか言いようがない。

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