GOMISTATION

足が絡まっても、踊り続けて


■スロウスタート(OP.02.03話)

圧巻の野中作画もそうだけど、全体的にA-1とは思えない。なにがあったんだろう。


ジャーンプ:野中作画(※推測)
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カメラ左PAN+背景TUTB?→(ACつなぎ)→オバケ

パースが崩れず、違和感が全くないのが良い。力感なく、軽くジャンプするところに、運動神経の良さが表現されている。なんかに似てるな~と思ったらコレだった。


(「宇宙戦艦ヤマト2199(2012/劇場)」)
(※初代ヤマトにもあったと思うけれど、探しても出てこない)


Bパート身体測定~アイス食う前までは、野中作画でしょう。「エロマンガ先生」の野中作画でもあったけど、さいきんはオバケを多用している。「未確認で進行形」「マギ」「ゆるゆり」の頃(※2013-14あたり)は散見されましたが、近年は写実傾向にあったのか、あまり確認されず。


オバケいうんは、こういうヤツですね

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完全に離れている方が代表的だけど、まあこまけえこたあいいんだよ。


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(「エロマンガ先生(2017/TV)08話」:野中作画)

まあ、めっちゃ速い動きのときに使う残像と思ってください。今回は、このオバケが肝なんで。最近やけに多用しているんで、注目して見ていく。




ソフトボール投げ その1 ★★
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予備動作とフォロースルーのような写実的な動きに、ややデフォルメ・漫画チックな動きを入れる。簡潔に言うと、これが野中作画だ。

重心の傾きや、それに伴う髪の毛の移動、肘・肩など関節の動き、投げる瞬間に重心が一挙に前になる。まあ普段から言っているとおり、このへんが野中は上手い。


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ここだと、投げる前の準備(体全体の重心が後ろになって、肩を大きく引いているところ)が予備動作で、投げた後の動き(慣性)がフォロースルー。投げる直前に、オバケが入っている。




ソフトボール投げその2 ★★★
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02話ベスト野中作画。ドヘタクソなハナちゃんのソフトボール投げ。予備動作は、エイコちゃんと比べると、肩ではなく体だけを捻っている。肩はほとんど引いてない。両手で投げた後のフォロースルーに、オバケが発生する。オバケはさきほど軽く触れたが、ここでは「腕の振り」に当たる。


そんで、「ハナちゃんカットのオバケってなんであるんだろう?」と感じた。無くても良さそうじゃん。エイコちゃんのカットは、腕が振れている(※投げるのが上手い)のを表現するために、オバケを使っているのかなと。そうすると、ハナちゃんのカットには特に必要ではないんよね。


この場面のメインである、「ソフトボール投げ」はそもそも何なのかを考えてみる。ソフトボール投げにおいて、最も腕を強く振るのは、「ボールを投げる直前/瞬間」であると思う。少なくとも、ボールを投げた後ではないだろう。二人のオバケを比較してみようぜ。


★二人のオバケ比較
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同スロー
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(※オバケが2枚フォロースルーとなっているが、予備動作と脳内変換たのまい)

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運動神経が良いエイコちゃんは、投げる直前の予備動作にオバケが入っている。その一方で、ドヘタクソのハナちゃんは、フォロースルーにオバケが入っている。すなわち、エイコちゃんは、ボールを投げる直前/瞬間に、もっとも腕を振っていて、ハナちゃんはボールを真上に投げた後に、もっとも腕を振っていることが分かる。



つまるところ、運動神経の良し悪しを、オバケで表現している。だから、ハナちゃんのときにも、「変なところでめっちゃ腕振ってる」のを表すために、オバケがある。あとは、「ヘタクソな動き」って表現するのが難しいんですよ。かっこいい感じなのはナンボでも誤魔化せますけど。


あと、ドヘタクソなハナちゃんが辛く映らないのは、「キョトンとするハナちゃんの絵」が入っているから。これがそのままの絵だと、ちょっとシリアスになってしまう。僕らが深刻に受け取ってしまい、ネタにならない感じというか。デフォルメされたミッフィーみたいなハナちゃんの絵が入っていることで、なるほどハナちゃん可愛いなとなるわけ。ネタとして消化できる。


単純に体のねじり方や、肩の引き方を見るだけでも、上手いですよね。野中は良い。よく観察して自分の中で解釈しているのが、作画から伝わってくる人はそうそういない。野中作画は下に貼っているやつが分かりやすいので興味があれば是非に。




またそのうち、野中作画は体系化した記事を出します。「ゼロ魔F」~「バイブリーPV」あたりまでを、時代別に整理します。お楽しみに~

「このすば」から見る、アニメのテンポ 
映像における「テンポ」とは、割とこれで詰められた。2つポイントがあって、「予測」と「省略」でした。僕らが予測できる部分において、予想以上の映像が流れなければ、それはテンポが悪くなってしまう。逆に、上手いこと省略したり、予想以上の映像を流し込めば、それすなわちテンポが良くなっているということだろうと。


それで、「テンポが目に見える」例があるので紹介したい。

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これは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」という映画の中のいち場面です。まあこの物語は手っ取り早く言うと、親の離婚を認められずに、家出した主人公は食っていくために詐欺師になった。そんで、家族を取り戻すためにお金を貯めていたんだけれど、現実上手くはいかなかった。

この場面では既に刑事に捕まって飛行機に乗せられている。それで、刑事から父親が亡くなったと伝えられる。家族という関係が無理になってしまい、もう絶望して飛行機から脱走するわけです。尊敬していた両親なわけですから。そうなると、もうすることは一つで、母親の元に向かうしかないじゃないですか。親はもう母親しかいない。次のカットの入り方が凄い。

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何を伝えたいか明確でしょう。カットの繋ぎだけで言えば、飛行場から直に母親の家に来ている。どうやって警察の包囲網を掻い潜ったんだとか、整合性は取れないかもしれないけれど、そんなものは大きなメッセージの中では気にならない。アニメ・映画によくある無駄な回想シーンなんかは必要ない。実際、そこに至った時点で示せばいいんだから。

それで、彼の家族というものは、とうの昔にとっくに崩壊していた。その事実からずっと目を背け続けていた。無垢な少女と窓越しに話す中で、主人公はその事にやっと気付くわけです。それで、もうどこへでも連れて行ってくれとなる。見てる方は、間髪入れずにカットとお話が進むもんだから没入する。没入すれば、それはつまり、自然なテンポで流れていきますよね。呼吸がお互いに合っているというか。

突き詰めると、「テンポ」とは「冗長にする必要がないところはバッサリと切るか否か」、という事にほとんどは帰結すると思います。もう少し正確に言えば、「予測できる部分は省くか、予測を裏切る映像を作るか」です。誰だって長々としたお説教なんて聞きたくないわけですから。整合性の恐怖のために、いろいろ省けない映像が多い。あとは、極めて正確に伝えたいがために、回想や無駄なシーンが多い映像も多いなあというのが最近の映像に対する感想です。だからといって、回想省いて小刻みなカット割で必ずテンポが良くなるかと言うと、そうでもない。

クロスフィルターとは撮影効果の一つです。通常はイルミネーションだとか、夜景の美しさを表現するために使われます。あとはご飯の美味しさとかですかね。

*参考
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/201511_crosssoft.html


増尾昭一が普及させたものとして、中野フラッシュがあります。
*参考
http://sajiya.blog89.fc2.com/blog-entry-592.html



結論から先に言えば、これがクロスフィルターの発展型と組み合わさって(もしくは昇華して)、現状の表現(増尾さんが最後に関わった「エヴァQ」が顕著)になったと僕は思うんですね。


■ふしぎの海のナディア 39話(TV/1990):増尾作画
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これがもっとも純粋なクロスフィルターの表現。クロスフィルターは基本的に、何本かのクロス光を重ねるようにして入れます。キレイに入ってますよね。


ちょっと昔を見てみると、

■戦え!!イクサー1 ACT.1(OVA/1985)
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こんな感じ。これは光線の間隔が広いですね。



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白コマとクロスフィルターの組み合わせが閃光を表現している

この時代は、こういった「ビームの前に発射する前の1段階」みたいな表現は山ほどあるとおもいます。どうなんだろうね、もっとすごいのもあるかも。




■魔法少女まどか☆マギカ(TV/2011)
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これ微妙、というか回転クロス光ですね。もうちょい良いのがあると思ったんですけど、今のところ分かってなす。


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この辺もカッコイイけどね~これは金田光だなあ、円と十字で形どっているので







んで、中野フラッシュとクロスフィルターが合わさったのが次の作画なんですよ。


■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012):庵野作画
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原画集では、クロス光はなく指示も無かったとおもう。撮影部、デジタル部、もしくは増尾特技監督によるものでしょう。これほどタイミングが素晴らしいのは、なかなか作れない。





あとは綺麗なやつも載せておこう

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グサーのところですね。遠方から近くに寄ってくる中野フラッシュが美しい。もはや、増尾フラッシュと呼称しても良いのではないかとおもう。



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まあ、ここまで読んでくれたら言うことは特にないでしょう。キレイな増尾フラッシュですね



たとえば、大張さんの光表現だとか、グレンラガンの今石作画とか、とうぜんにツッコミどころはあると思います。そこら辺はまた後日、調べたいと思っています。詳しい人はコメントしていただきたい。本当は年末に上げたかったんですが、多忙をきわめておりました。

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