GOMIstation

2025-1

2014年04月

遅くなりました。

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とうとう最終回。でも特に変わらないというアレ。
ウオミーとシノ、さらには他数名も巻き込んでのタカトシ彼女争奪戦。
ラブコメの、”ラブ”の部分が今回やっと出てきました。

何故かいるウオミーお姉ちゃん
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この作品って事実上のハーレム作品なのに、意外と叩かれませんよね。
多分それは、「生まれ持った才能」があるかないかだと思うんですよ。
「IS」とか「SAO」って、主人公オレツエーな作品じゃないですか、だけど、タカトシは基本的に頭はそんなに良くないし、運動も微妙、仕事は雑で、見かけもそんなイケメンでもない。
でも、スズを一例にして見てみると、最初は恋愛感情を抱いているはずもなく、お荷物程度に思ってるわけですが。だんだんと、タカトシの素直で一生懸命な優しさや思いやりに触れて、心をひらいていくようになったと思うんですね。

何を真剣に考えているんだ俺は。でも、本当に少しはあると思うなあ。
世界で唯一の男性IS操縦者とかをアニメで見ると、かけ離れすぎてあんま自己陶酔に行かないんじゃないのかと思います。(※IS自体は、何故かとんでもないコンテンツになっちゃってますが。)


スズと残り湯洗濯
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お風呂のお湯を取るホースがあるのに、何故かバケツ。
原作ではどうだったかなあ。確か無かったと思うんですが。


こたつとコトミ
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ここのこたつのシワがいい。もふもふ感でてますよね。


ふらんべ
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なかなかエフェクトキレイでした。
3枚リピートっぽいです。


謎実写恵方巻き
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本当に謎です。
何を持って、「現実」を視聴者に突き付けたのか。


生徒会役員共?
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ここは、結構踏み込んだシーンだなあと。
会長もマリアもいなくて、代わりにコトミがいる。 
最後は、時間軸を巻き戻して誤魔化しますが、ここはタカトシが3年生の時の描写。
(※つまり、2年時→3年時→1年時という風に時間軸が素早く変わっている。)
サザエさん時空かと思ったら、そのループにも終わりがあるんだよと、
リアリティあふれる描写をここでしてるわけです。 

ここで僕らは、作品に対する「終わり」を感じるんです。 
ああ、そういえば最終回なんだなあと。
フェードアウトすることで、余韻を出すカメラ。
これは、すごい上手く感じました。


おっぱいモミモミ
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これ、8枚リピートとかじゃない。
バンクを上手く使って、単純なリピート作画にしてないんですよ。
何のこだわりだよ。でもすげーよ。



という感じで、おしまい。 
「生徒会役員共*」お疲れ様でした。 

さて、「うる星サーカス」から大分経ちましたが、ようやくあのパートの結論が出せそうです。ホロホロさんコメントで色々と教えてもらって、本当にありがたかったです。A子とかイクサーとかナンジャラホイって感じだったので。この場を借りてお礼を。

まあ、もう本当に大分経ってしまって申し訳ないですが…
リンクも一応貼っておきます。

1、「うる星」庵野サーカス
2、増尾爆発と庵野爆発について
3、増尾パートを色々探検してきた 80年代編


まずは、「A子」の増尾パートを見ていくとします。

■「A子」増尾サーカス
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増尾爆発。まん丸球形の爆発+破片の細かさが際立っています。ペプシが飛んでたりしますが、今回は、関係ないので置いとく。ここでまずは、「POP」「イクサー」と比較して、増尾さんの特徴を画像で簡単に紹介。


増尾爆発の作画特徴集
増尾アウトライン比較

破片は細かく少なめ、独立した球体を描かない。これら2つは、前回の記事でも触れましたね。前回は、こっちの言葉足らずで、増尾爆発のフォルムの特徴の一つ「カエルの水かき」というのが分からなかったと思う。今回はバッチシ画像も用意したので、きちんと説明します。

増尾爆発の外のラインの描き方
アウトライン説明 増尾

こういう感じです。なんとなく分かるかなあ。
爆発の外のラインを1色で繋げたがるのが、増尾爆発(85-87)の特徴だと僕は感じる。外のラインを一色でつなぐエフェクトを全く描かないアニメーターはいないだろうけど、この時期の増尾さんは、この手法を頻繁に使ってるので特徴になります。


今回新しく発見したのは、爆発の球体の内側に、三日月状のカールしてる線(※以下、ムーンライン)があるということです。庵野さんも時々その線を描く時があるんですが、ちょっと違う。ホロホロさんのコメントの太さ細さもそうですけど、もっと根本的な違いがあります。

ムーンライン(増尾さんの場合)
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図2図3

上下で連動してるので、見比べてみてね。
ムーンラインを描く時は、三日月ドーナツ(参照:図2)か、細長い三日月カール(参照:図3)を入れる。(※もしくは、その両方を使って描く)

ムーンラインの具体例
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増尾さんは、こんな感じに描きます。


ムーンライン(庵野さんの場合)
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庵野さんは、さほど爆発にムーンラインみたいなディテールを加える人ではない、というのがまず最初にあります。描くとしても三日月ドーナツ(図2)の方であり、細長いムーンライン(図3)の方に関しては、ほとんど爆発の中に入れません。

もう一つの大きな違いとして、庵野さんが、ドーナツ三日月(図2)でムーンラインを描くときに、時々短くクワガタ状になるというものです。要するに、爆発の球体の中で、一部分だけにムーンラインを描くということです。(参照:図4)

庵野特有のムーンライン
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■「メガゾーン」庵野爆発
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また、このクワガタ三日月は、増尾さんのムーンラインと違い、爆発の中で動き回ります。
逆に言うと、こんな作画を増尾さんは絶対しません。ムーンラインを描くなら描くで、きちんと細長いヤツ(図3)を入れてきます。


■「A子」戦闘機の増尾爆発
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上のgifから抜き出した金田調のエフェクトカット
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そんでイクサーを調べている時は微妙だった、金田調のエフェクトカットについて。「POP」「イクサー」「A子」と3つの増尾さん初期参加作品で、ここまで多く見られると、この時期(85-87)増尾さんが金田系のカットインをエフェクトに使っていたことは確定のようです。


増尾爆発の金田調エフェクトカット集
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(「イクサーⅠ」より)

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(「イクサーⅢ」より)

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(「POP」より)


増尾、庵野爆発の個数比較
爆発球形個数 比較

また、この時期の増尾さんは、比較的爆発を描いても、球形の個数が少ないのも特徴です。
庵野さんが6、7個平気で描くのに対し、増尾さんは3個が一番多い印象があります。



以上の事を踏まえて、もう一度問題となった作画を見てみましょう。

■「うる星156話」サーカスと連続爆発
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問題の作画です。結局このパートは誰が描いたのか?


結論から言うと、庵野秀明だと思います。

当時、庵野さんは板野一郎の影響を受けて、リアルに傾倒していた時期です。とにかくリアルに、写実的な作画を目指していました。目指す途中で、細長いムーンライン(図2)みたいなものは、描きたくなかったのではと思います。その証拠に、「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」や「風の谷のナウシカ」の中で、庵野さんは爆発にディテール(ムーンライン等)を殆ど加えていません。

庵野作画 爆発集
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スナップショット - 37スナップショット - 663

これは僕の推測ですが、写実性を目指す中で一体どんな風に描けばいいのだろうかと、試行錯誤の時期だったように感じます。副産物として、大量の破片の描き込み、タイミングのセンス等が磨かれました。


■「メガゾーン23」庵野爆発
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■「風の谷のナウシカ」庵野爆発
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「王立」の時期になると、庵野爆発の写実は黄金期を迎え、爆発は細かくリアルに描かれています。 余計なディテールは、爆発をむしろデフォルメにしてしまうので、それを避けたかったのではないのかなあと。


つまり、「うる星サーカス」が描かれた1983.4年当時は、庵野爆発はまだ未完成であり、しかも写実にこだわったので、爆発を細かく描けなかった(※爆発に余計なディテールを足すことが出来なかった)時期だと思うんです。そういう理由で、このサーカスと連続爆発は、庵野秀明の作画だと思います。

スナップショット - 465

増尾さんだったら、この爆発内部にムーンラインを少なくとも一本は入れるだろうし、それをしないのならばドーナツ三日月をすると思う。こんだけ、中身スカスカにして描かない。


スナップショット - 475

後は、やはり破片の大きさですね。
こんなに大きな破片を、増尾さんが描くとは思えない。


Q、あの「金田っぽい」カットインは何だったのか?
スナップショット - 458スナップショット - 472

完全なる推測で申し訳ないんですが、これって作監とか演出の人が足したんじゃないのかなあと思います。(そういうことは、ありえるんですかね?)前回の記事で、この2枚を抜いても違和感無くみれることは明らかでしたね。80年代後半~90年代は、やっぱり金田作画イケイケの時代だったと思うんですよ。だから、演出の人が「この爆発は、金田さん(もしくは山下)みたいなカットにしろ」 とか言って、ああなったんじゃないのかなあと。全部推測ですよ!



今回ほぼゼロから増尾作画を調べて、スゴい苦労しました。(※gif作っちゃ見て確認、お仕事他に無いか確認、スクショしたのをWFVで見て確認とか…動研の人はすげえなあと改めて思ったよ…)けど、「お!なんだかこの人の作画の特徴が分かってきた!」 みたいな快感を得られるのが楽しくてですね、やってよかったなあと(*´∀`) 庵野爆発についても、分かりきってる感じだったんですが、全然知らないことばっかりで、むしろ覚えた方の事が多いですね。

こんな過疎作画ブログですけど、30人くらいは見てくれてるということで、この「うる星サーカス」一連記事については、お疲れ様でした。途中で、gifのサイズ変更とかで見難い箇所もあったかと思いますけど、そこは勘弁を。いろいろと試してるので…まあ本当にお疲れ様でした。

もうすぐ、「うる星サーカス」に関係する記事を出します。
その前に改めて、増尾さんについて少し整理をしたいと思ったのがこの記事です。

まずは、80年代後半(85~87)の増尾・庵野両者のワークスを再確認。

★両方とも参加
・「POPCHASER(OVA/1985) 原画」 
・「メガゾード23(OVA/1985) 原画」 
・「うる星やつら(TV/156話) 原画」
・「王立宇宙軍(劇場/1987)」
→庵野は、スペシャルエフェクトアーチスト、作画監督(共同)、原画
→増尾は、助監督、原画

★増尾昭一のみ参加
・「戦え!!イクサー1 Act.Ⅰ、Ⅲ(OVA/1985)」 
・「プロジェクトA子(劇場/1986)」 

★庵野秀明のみ参加
・「バース(OVA/1984)」(※ナウシカ、愛・おぼと同じ年) 
・ 「風の谷のナウシカ(劇場/1984)」
・「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(劇場/1984)」

という感じ。
増尾さんは、スタジオジャイアンツ出身。
このスタジオには、摩砂雪や鈴木俊二も同じく在籍していました。

増尾昭一は、庵野とくらべて、キャリアのスタートは少し早いです。庵野が、大阪芸大で自主制作をしている頃には、「六神合体ゴッドマーズ(TV/1981)」などに、既に参加してたりします。 
写実系のエフェクト・メカの作画を得意としている印象ですが、初期には金田調のカットインも目にすることもできます。

「愛・おぼ(劇場/1984)」で、庵野秀明と出会います。そして、大きな転機となったのは、おそらく「グラビトン」設立のとき。このスタジオの設立参加に、庵野を誘いました。同じ時期に庵野は、摩砂雪・大月P・樋口真嗣らと出会っているので、後の作品への影響を考えると、「グラビトン」は重要なスタジオなわけです。

ガイナックスの前身はよく、「DAICON FILM」と言われますが、実際には、グラビトンも大きく関与してると思います。アマチュアからの流れが、「DAICON FILM」だとすると、「グラビトン」は、プロ側の流れではないのかなあと。
(※とすると、スタジオジャイアンツはもっと重要なわけですが、キリがないので)

2000年以降は、デジタル・エフェクトの第一人者として、庵野監督を支えています。
というか、増尾昭一がいないと「新劇」はできていません。
それぐらい、重要な人物です。 

★王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987/劇場):庵野秀明 
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写実黄金期の庵野爆発&煙。
煙に対して4色を使用。破片も細かく。
地味に中央のハイライトがいい味を出している。


★プラネテス(2003/TV):橋本敬史
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OPでの橋本作画。橋本さんらしく、煙は少し写実的。
ノンクレ版あったかなあ。


★キルラキル(2013/TV):吉成曜(※推測)
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フォルムは完璧に吉成。もしかしたら、すしおかもしれない。
でも総作監だったら、こんなの描く余裕ないっすよね。
デフォルメ調なんだけど、タイミングは凄くリアルに。
最近のお気に入り。


★キャプテン・アース(2014/TV):柿田英樹
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一枚絵でも、柿田と分かる作画。
タイミングから作画まで、すんげーデフォルメ。
一回爆縮するときは、スゴい良いと思う。


後は、「FREEDOM」とかにあったような気がします。
確か、あれは橋本さんだったかなあ。 
探せば、こういう打ち上げシーンの煙はもっとあると思います。

OPで興味を持った次第。(※作画言及だけ見たい人は、後半を見てくれれば)
TVアニメ「CANAAN」公式サイト 


佐藤雅弘のOP作画を見てから、CANAAN自体に興味が湧いたので。 
個人的には、「SAC」と「フルメタ」を足した感じの作品でしたよ。
フルメタの要素としては、カナン本人。
SACの要素としては、社会的な利権の構造やら。
消えた村のビジネス利用とか、NGOおばさんの外交とか、そんなとこですね。

原案:奈須きのこ、構成、脚本:岡田麿里というフェイトSNタッグの脚本面。
作画面は、監督:安藤真裕。コンテ(3.5.7):岡村天斎。
そういや安藤姓もメーター多いですよね。
天斎コンテ回はやっぱいいですね。スピード感が違う。


感想ですが、もっとガンアクション、戦闘シーン多めの方が良かった。
#1,2見て、スゴい感動したんですよ。
うお、すげーこんな動いて、こんなアクション派手なのかと。 
したら、それ以降は説明パートが多くなっていっちゃって、
ほぼ三文字(※韓国・中国系のアニメの人)原画オンリーも2話ぐらいあったかなあ、 

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そんな悪くはないですけど、作画的には楽な方の回でした。
まあ、三文字オンリー原画とか今回初めて見たんですけどNE。
でも、このクオリティ保てるのはスゲーなあ。 



お話の方ですけど、三つ巴のような形に、利権が絡んだ少し複雑な説明が、
きのこ調の小難しいセリフとして乗っかってくるので、一見少し分かりづらい。
つーか分かりにくい。
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「カナン」「大沢マリア」「蛇(アルファルド)」、この3つを中心として、物語は展開されます。
ここに、NGOおばさんとか、サンタナサイドとか乗っかってくるので、ますますカオス。


最初は、事態を飲み込めないマリア目線でお話が進んでいきます。 
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だけど当然、見る側はマリアの目線だけではなくて、NGOおばさんとか、サンタナとか
色んな目線で見れるわけで、常にマリアの上に立って進行を見守れる。
そこに、置いてけぼりにされてない安心感を感じるわけです。
それでいて、謎はうまく隠して、見る側を食い付かせる。


まあそれでも、1クールでやるには大変じゃなかったのかなあ。
最終話まで見て分からなかったのは、マリアとカナンの過去ですね。

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二人がどんな風に出会ったのか、時を過ごしたのかの描写がもっと欲しかった。
描写はあるにはありますけど、流石に少なすぎる。
カナンがマリアに心を許したきっかけとか知りたいんですよ。

後は、カミングズらがいなくなった後の、「蛇」を描いて欲しかったですね。

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何か自然消滅的な感じで、それはないだろうと。
「ダイダラ社」という、隠れ蓑にも社員やら戦闘員やらはいるわけでして。
彼らのその後をきちんと描くべき。

原作は、チュンソフトのゲームということで。
wiki程度の知識なんですが、もっと原作は違うものみたい。
渋谷がメインの舞台だし、カナンとか出てきませんしね。
アニメはスピンオフな感じ。


テーマは、「目」ですね。これは間違いないと思う。
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共感覚を持つカナンには、全てが見通せます。
その人固有の色から、人の感情もすべて色で見える。
だから、カナンは全てを見通してるつもりなんだけど、
実はそうではないということが、8話で共感覚を一度失ってはじめて理解します。

「ありのままを見つめろ」というシャムに言われた言葉を思い出し、気付くわけです。


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その一方で、マリアも「カメラのレンズ」を通して色んなものを見る。
だけど、本当に嫌なことからは目を背けたりするんですね。
ウーアウイルスの感染者の死体とか。カナンの気持ちとか。
本当は見なきゃいけないことがあるのに、自分を騙したままで見ようとしない。
だから、アルファルドから「お前は欺瞞だ」と言われるわけです。 
最後には、アルファルドに写真を撮っていいか(=真実と向き合う)と聞くに至るまで
自分から逃げずに、正直になります。

カナンもマリアも見なきゃいけない現実、事実、状況に向き合うようになるんですね。


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皮肉にも、実はシャムが死んだ日から、いつも冷酷非情なアルファルドが
何も向き合って来なかったというのが、最後に判明します。
過去にすがることで、自分を騙していたんですね。
アルファルドがシャムを殺したのは、多分カナンへの嫉妬からなんでしょうが、
それも全部カナンに責任転嫁しようとする。防衛本能の合理化ですね。
お前があの場にいなければ、シャムは死ぬことは無かった、と自分の心を守ってます。


フラワーガーデン計画は、アメリカのCIAと「蛇」が行った人体実験です。
CIAとしては、ウーアウイルスが臨床実験がしたかった。
「蛇」は、第二のカナンを作り出したかった。
というわけで、両者の利害は一致してたわけです。
ですが、アメリカの外交にとっては、隠しておきたい事実でも当然あります。

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対テロ国際会議で、アメリカの大統領が「ラブアンドピース」と声高に主張した後に、
アルファルドが「対テロ国際はお遊び」と皮肉るのは、こういうわけがあるんですね。
結局、テロを利用したくせに、お前ら何言ってんだと。


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NGOおばさんがやってるのは、表ではカナンの依頼主ですが、
本当はアメリカへの脅しと、それによって外交を日本ペースでやることが目的です。
サンタナに餌をやり、消えた村事件(=フラワーガーデン計画)を表舞台に出すことで、
唯一抗ウイルス薬の開発に成功した製薬会社の大沢賢治の力をアピールする。
これで、抗ウイルス薬を武器に、アメリカに強く出れるというわけですね。

ここが、社会派アニメの代表作SACぽいたる所以です。
村井ワクチンが製薬会社の利権によって潰された事実を、笑い男が表に出そうとし、
利権の恩恵を受けている製薬会社、医師会は隠そう必死になる構造と同じなんですね。
SACでは、純粋にその事実に怒って笑い男は行動しますが。


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で、NGOおばさんは、外交の損得しか頭にありませんから、
アルファルドからボナー(ウーアに感染し、特別な能力を持った人)実験のデータをもらうと、
カナンらがいるのに、早々に「ファクトリー」の攻撃を依頼する
だから、実は劇中では一番利口かつ冷酷な人物で、アルファルドがかわいく見える。
エリート官僚おそろしや、といったとこでしょうか。

だけど、いかんせん、この利権と外交の構造が劇中ではわかりにくい。
神山監督の脚本とかシリーズ構成はスゲエうまかったんだなあと、改めて思います。

ウイルス利権をめぐる話題も、分かりやすいように説明するにはやはり少し尺が足りない。 
カナンとマリアの過去も含めて、2クールあれば…とは感じずにはいられないませんね。
でも、カナンに主題を置くのか、社会的な話題に主題を置くのかで、
物語のテイストは大分変わってくるので難しいですね。
そういう意味でも、SACはすんげえ上手いんだなあと。
キャラを立たせて、少し入り組んだ話も分かりやすく説明ってのは意外とすご技。
そういや、神山監督って今何してるんでしょうかね。



作画の方ですけど、良かったのは#1.2.5.7.11.13かなあ。
特に最初の二話は、前にも言ったようにスゴく良かった。

モブはこれでもかというぐらい手書きで動かすし、エフェクトもいい。
アクションカットや映像の情報量も多くて楽しい。
最初に異国の世界観をきちんと描写するので、スムーズに入っていける。


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今作の特徴の一つとして、CG処理された背景があります。
このコントロールルームのシーンは、パースは画面が引くにつれ、
ちょっと俯瞰になっていきます。
つまり、パースが変わってくるわけですね。
だから、普通の背景では対応できないので背景をCG処理します。
具体的には、パースが変わる所のテクスチャを何やかんやするらしいですが、
素人にはそこまで分からん。
まあとにかく、CG背景はめちゃ多いです。



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また爆発、煙といったエフェクトに関してもCGが多用されています。 
アルペジオみたいなオールCGではありませんが、エフェクトの9割はCGです。
ですが、少しまだ手書きには及ばないかなあという印象。
ぬるぬるしすぎてアニメで培われてきたタイミングとかが、どうしても出せない。
メカの方はそこそこ上手くいってる気がしますけど、
エフェクトのCGはまだまだ違和感ありますね。



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作画としては、このランランのビールを開けるシーン。
これが上手いなあと思ったので。
地味ですけど、細かい仕草が再現されててスゴい。
栓を抜いた後、手に栓が残っているのが分かるんですよね。
うおっ、細けえとこまでスゲーと。


後は、細かいディテールと各戦闘シーンですね。
ここはもう言うことなしで、素晴らしいです。

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(#7 戦闘機内部のディテール)

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(#7 戦闘機本体のデザインワークとエンジンのデジタル表現、爆弾のディテール)

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(#5 着弾時の煙、CGではない煙のうちの一つ)
 

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(#6.10タイトルカット きのこらしい当て字遊び。実は毎回エンドで出される)

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(#13 戦闘シーン)

後は、佐藤雅弘パートですね。(後でgif追加します)
アルファルドが輸送車から逃げるシーン。
これは良かった。アクションの申し子です。

SACとかフルメタが好きな人は楽しめるんじゃないのかなあ。
後は、フェイト・ゼロとかですかね。
見てなくて言うのもアレなんですが、多分これに近い。
きのこ調のセリフが嫌だと感じなければ、楽しめると思う。

まあそんな感じです。


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