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さむくてエモい時期です

2014年09月

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まあ知ってる人がいるか分かんない作品ですが、これは僕の昔からのお気に入りでして、今回改めて観直してみると、そのすさまじい映像は変わらずでした。

ドラミちゃん ミニドラSOS!!! Wikipedia



まずはあらすじから。

時は2011年。子どもの頃の、のび太が勝手に未来デパートに注文した「ミニドラ」が間違って、のび太の子どもの「のびスケ」に届く。それからミニドラとのびスケたちは遊ぶが、ドラミちゃんに返還を求められる。パパ(のび太)がよく話す「冒険」をしたい3人はドラミちゃんから逃げて、ミニドラの力を使おうとするが…


そうなんです、2011年なんですね。ドラえもんが誕生する100年前。だから、ドラえもんがいる時代の便利な道具というのはまだできていないわけですが、確実に未来は進歩しているわけです。今作では、その未来感が的確かつ程よい感じに、随所に盛り込まれていて、とてもいいSFアニメになっています。いやあ完璧です。これは原作漫画がないオリジナル作品なわけですが、本当にすごい。

監督は、「おねがいマイメロディ」などで知られる、森脇真琴さん。最近だと、「ミルキィホームズ」で知っている方が一杯いるのではないでしょうか。ちなみに、2014秋アニメでも「デンキ街の本屋さん」で監修を務めます。久しぶりのシンエイ関連のお仕事ですかね。

原画は木上さんの他にも、林・東海林・藤田さんなど、シンエイ実力者揃いの作品です。




木上作画として有名なのは、のびスケのビー玉シーン。
(※これはソースなんでしょうか。当時のアニメ雑誌とかですかね)

ビー玉
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で、まああんだけ上手い木上さんが他に描いてないわけもなく。
ここらへんが木上作画じゃないかなあと。



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ラスト2個は純粋に良いと思ったので、違う可能性大ですが。上から2つは、エフェクトのあのスッと消える感じとかが根拠っぽい根拠です。木上作画(エフェクト)はまだまだ少ししか見てませんが、破片の多さが目に留まりました。なので、この辺もかなあと。



ガラス破壊
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破片だけでなく、割れた本体のガラス部分の描き方も非常に上手い。重力には沿っていない(と思う)が、のびスケたちから見た「重さ・怖さ」を上手く表現してる。おもたい動きはそのため。後は水のエフェクトが、地味にこれまた上手い。この水エフェクトは、水圧で耐え切れなくなってきての水なんですが、シャシャっとした感じが木上さんっぽいですよね。

木上さんといえば、芝居メーターの感じが非常に強いのではないでしょうか。「けいおん」「涼宮ハルヒの憂鬱」「Canon」とかそういう感じですもんね。特に、手の芝居がすげえ上手い。グッと押し出す手のひらの表現とか、手首の動きとかいいですね。





その他、ちょっと回りこみにも関係するお話を少し。

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ここでは、「迷宮プラネタリウム」という道具を使っているので、スーパーが迷路のように巨大になっています。 原作コミックで言うと、「ホームメイロ」と同じ(※ただしホームメイロの場合は、その迷路内部で道具が使用できません)。まあ、とてつもなく広くなっちゃってるわけですよ。広大に。それを描写するための、180度回転回り込み背景動画の使用だと思います。

これによって、のびスケたちの目線で、僕らも、スーパーの変貌ぶりを感じることができる。これが、のびスケたちが困っている様子を俯瞰でTBをやるだけでは、多分僕らは彼らを可哀想としか思えない。子どもは、もっとダイレクトに映像を享受するので、これはすごくいい表現手法だと思います。



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この180度回り込み前面背景動画はこれもありますが、それは上と同じような使い方です。のびスケたちが理解できる範疇を超えた、未知なるものに大しての驚きとか呆然とした感じを表現してる。 



後、面白かったのは、これ。

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1カット目では、「のびスケに見つかった」という部分を強調するために、スネ樹がのびスケに付けた「ミニ雷雲」に焦点が行ってるわけですが、2カット目では、瞬く間にのびスケに対するジャイチビ・スネ樹の恐怖心を演出するために、少し俯瞰のアングルになってるんですね(のびスケを大きくみせるため)。しかも、TBしながら、カットを割ってるので面白い。



これぐらいかなあ。後は、ドラえもん作品だけど、絶対ドラえもんが出てこないとか、そこは分かってる。今だと、「ドラ泣き(笑)」だから、こんな作品だと最後にドラえもん出しちゃいますよ多分。出てこないで、「想像に任せる」、ということの重要性は分かっている人は少ないので。


まあ総合すると、とても面白い作品なので、未見の方は是非に視聴してみてください。




■野球 戦力外通告・引退・配置転換

◎セドン、石井、加治前
○野間口、星野、阿南
△矢野、隠善、セペダ

こんな感じ。セドンについては、ラストチャンスだった登板で結果を残せなかったので。石井は年齢的な問題と守備的な問題、そして横川の台頭ですね。お疲れ様です。加治前は、打撃で結果を残せていない。


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51]

調べ尽くしたい所存です。
(※念入りに調べましたが、各パートは推測です。)



■『まいっちんぐマチコ先生(1984)』 

おそらく本谷さんの初原画。(※初動画は『さすがの猿飛(1984)』)


75話

ガス爆発
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(※多少ショックの表現が目に悪いと思ったので、消しているコマがあります。ご了承してね。実際に見たい方は、本編で確認して下さい。)

爆発・煙のアニメーター、という認識が『メガゾーン』等で出来上がってしまっているので、爆発シーンがあるときは無条件で本谷さんだと思ってしまう。推測ですが、おそらくこのガス(おなら)爆発周辺が本谷さんではないかなあと。他には、煙のカットとかもありましたね。


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これは上記の一部切り抜きです。
これだけの物量。女の子も机も、破片もしっかり描いて動かしているのが分かります。
めっさ上手い。


突き破りドーン
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ここだけ見ると、「なんぞこれ」という感じですが。
まあ、おならで加速して壁を突き破ってます。
破片の細かさがポイントですね。散らせ方が丁寧です。



79話

メガネ泣いてるところ
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6枚リピート。
増尾さんもそうですが、エフェクト描かれる方は涙の作画もまた上手い気がします。
(※この辺りは、上野さんかもしれません。)


Bパート玄関
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ちょっとショック表現については、知人から情報を得まして。
『北斗の拳』でも使っているかもということを参考に、ここ辺りかなあと。


…と色々推測立てて見ましたが、
「まいっちんぐマチコ先生」は、正直全然分かんないです。
特に79話は全然ですね。



■『メガゾーン23(1985)』

これは、『メガゾーン』の1作目です。パート2(秘密ください)の方は本谷パートがとても有名ですが、こちらはどちらかと言えば庵野・山下パートが有名な作品ですね。

クレジット
(※緑はパート判明してる人、赤はそうでない、かつエフェクトを描く人)

正直増尾パートもよく分かってないんですが、警察署前の戦闘あたりかなあと増尾配信のときにありまして。福島さんに限っては、全然分かってない。となると本谷さんパートは、2作目や『オーガス』と比べながら調べる他なく。これに絞り込んだんですが、正直微妙なところです。 


タンクローリー爆発、メカ落下
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一面の透過光や、ショック表現が特定箇所。全体的なメカの重力感や、煙のじんわりとした感じで判断しました。そうそう忘れちゃいけない、後は破片ですね。コンクリ破片の崩れ方と落下の仕方が、すごくゆっくりで写実的になってる所も大きい。本谷パートは、この後に起き上がるとこのダブラシ煙ぐらいまでじゃないかと。

ここじゃなかったら、後はパトカー潰す所かなあ。あそこのガラス破片はよく似ている気がしますが…福島さんのような気もします。



■『大魔獣激闘 鋼の鬼(1987)』 


ケーブル暴れ
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突如巻き上がるケーブル。無理やり引っこ抜かれたような格好で、周囲にはその破片が広がる。ケーブルの先に重そうな機械類がくっついているのは、その「無理やりさ」を演出するため。その機械類が崩壊していく様も、また作画密度の高さに圧巻される。一瞬ピンと張るケーブルは、伸長の限界を示していて、それを超えた後の開放感にも似たケーブルの暴れ方が素晴らしい。



ケーブルの落下と煙
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立ち上がる化け物に引きずられる形で、ケーブルは穴へと吸い込まれる。重量感ある立ち上がりと同時に、煙も発生しているため、中の部分が削れて粉塵となっているという表現なのだろう。2コマの煙の上には、破片(ガラス+石)と電気のエフェクトが走り、情報量を増す。ここでは、ちっちゃい破片(ガラス)と大きな破片(削られた石の一部)を使い、画一的な画面にならないように設計されていると感じる。


本谷作画は、この辺りかなあと推測しました。ハルカが取り込まれて、ケーブル引っこ抜く辺りとか、ガラスが割れるところとかですね。ケーブルの挙動っていうのは、『王立宇宙軍』でも『AKIRA』でもあったけど、これだけ上手く描くにはやっぱ上手な人でないと描けないと思います。

また共通事項として、これらのgifで見られる破片は、『メガゾーン23』などで見られた破片とよく似ています。それも推測の根拠の一つですが…AKIRA以前は、「破片などで情報量を増やし、写実的にする」と前も述べましたが、それは変わらず、この「鋼の鬼」でも発揮されているように感じます。


今回は以上です。

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そういえば、没にしたヤツもあったり。
何かもったいないので紹介。

■『中二病でも恋がしたい!戀(2014)』 OP

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これは後半部分のロングバージョン。
回転台座のタイプ。
パラパラと光るエフェクトがいい味出してる。


■『蟲師 続章(2014)』 

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紹介し忘れ。
大パノラマ!ローアングルを保つカメラがいい。
一部背動で、砂浜を細かく描く。
大群の鳥と合わさって、画面密度が濃くなってます。


■『言の葉の庭(2013)』 

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記憶からすっぽり抜けてた。ラストシーン。
新海ならではの、情景描写。後は想像にお任せ、というとこがいい。
ロングに引きながら回り込むのは、何か独特な感じがしますね。



また思い出したら記事にすると思います。

まあこういうね、慣れ親しみすぎて意識しないと気づけ無い表現だと思いますが。
そこそこに、アニメ見るときに意識するのは損ではないと感じますよ。



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ちょいちょい別の記事のために見ていく内に発見したり、教えてもらったりしたので。


■『ワルキューレロマンツェ(2013)』

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俯瞰からのアングルでスタートし、ピタッと止まる部分がありますよね。
そこから、バレットタイム開始。
やや煽りの角度を保ちつつ、ぐるんぐるんとカメラが水平方向に回る。

この後は、普通のコマスピードに戻ります。
反動で、いつもよりスピード感・疾走感が増す。



■『未確認で進行形(2014)』 MV
 
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ちょいと連番振ってみました。
カメラは90度回転。

これは『マッハGOGOGO』とかと同じタイプですね。
静止したキャラを、細かく角度別に描いてる。輪切りタイプ。



復習になりますが、

1、キャラの静止状態orスローモーション状態
2、それを「細かい角度別」、もしくは「輪切り」のように描いてつなげる
3、結果的に、カメラは高速度撮影になる(※必須ではない)
4、立体的なカメラワークが存在している



という感じの要件を2、3満たしていれば、バレットタイムだと考えています。
1、2は必須ですね。3、4はあればよりバレタイっぽくなるということです。
まあこれは僕が考えただけなので、参照ぐらいに考えてください。 

12]

まだまだいい爆発というのは眠ってるものです。



■『Under the Dog(2014)』 ティザー映像

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伊藤秀次爆発。
表面温度のリアルさもあるけど、中から爆発してる感じが出ててスゴイいい。爆発した後、爆発の現象が終わった表面が中心部に吸い込まれていくみたいな。



 ■『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(1989)』 5話

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磯爆発。
ピンと張っていた糸が切れるような脱力感あふれる爆発表現が上手い。これは多分、反応兵器(核兵器)だと思うんですけど、他のエフェクトアニメーターとは大分違ってる印象を受けました。庵野・本谷といった写実派は、吹き戻しであるとか、建物から煙が出る描写を(現実の現象をそっくりそのまま)緻密・精巧に描くという感じなんですが、0080磯は何か違うなあと。

この辺りの影の付け方が印象的です。

15]22]



0080磯は、西洋絵画における印象派の感じがします。決して(写実派ほど)細部まで描き込まれてるわけではないのに、そこに写実派とは違うリアルを感じてしまう。写実性というものが存在していながら、緻密なディテールは存在していない。「磯は理論派」という意味が、段々と分かってきたような気がする。

庵野・本谷が数学者だとすると、磯は物理学者みたいな。前者の論理性には飛躍がないんだけど、後者は部分的に飛躍が見られる。数学っていうのは、やはり階段を上がるように丁寧に記述していくんだけど、物理学というのは比較的その丁寧さが少ないという感じで、ある種感覚的というか。そこら辺の違いで、映像そのものに受ける印象が変わってくるんだと思う。まあ、完全なる推測ですが。



■『メガゾーン23(1985)』

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本谷作画(※推測)
ロボの上半身の崩れ方と、一面に広がる透過光ショックが見どころ。4カット目(gif2個目)の高架橋のコンクリが崩れて、瓦礫が散らばるシーンもかっこいい。こうぐわあっと、ゆったりと落下していくんだよね。リアル。



■『クレヨンしんちゃん 爆発! 温泉わくわく大決戦(1999)』

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木上作画(※推測)
全体的に、モクモク煙。じんわりとした煙と、橋のガレキの落ち方も重力にしたがっている感じが素晴らしく堪らん。ガレキがゆっくりと落ちていくんだよね。その後には1コマショックもある、爆発(gif3個目)。これはレイアウトが上手いのかなあ、押し寄せる感じがある。4個目は、右足の勢いで煙がブワッと従うのがいいよね。



■『ブラック・ブレッド(2014)』 1話

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おそらく吉成兄作画。
基本2コマなのに、それ以上にぬるぬるに感じる。これは、CGベースの作画なんすかね。すごいよね。じわじわくる煙の感じとか、これ作画なのかなあ。『ヤマト2199』とかのCG爆発ってまだちょっとアレじゃないですか。メカは「CGでもいけるかも」っていうのが僕の中ではあるんですけど、爆発・煙・炎系統のゆらぎがあるエフェクトはまだ難しい。でもこのエフェクトはいい感じですよね。



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黒田結花作画(※推測)
突っ込むエンジュと煙、そして破片。ゆっくりと立体的に広がる煙には、目を見張る。上手いなあ。そんな書き込んでもないのにね。写実性バリバリ。画面右上、左に散らばる破片は地味ですが、これまたいい感じに散らばしてるし、破片の動きが丁寧でいい仕事してる。



■『ロボットガールズZ(2014)』 4話(実質2話)

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黒田結花作画(※推測)

爆発から3コマで。画面を縦横無尽に動き回る破片が心地いい。煙自体もレベルが高く、政勝タイプの煙。最近は書き込み多めの煙と爆発だらけですが、これは写実的で素晴らしいです。

上のブラブレの煙、とっても気に入ってまして。そんでロボガをふと見る機会があったんですけど、そうすると似てる煙があるじゃないですか。もうウキウキになりまして、両者比較してみたんですよ。そうすると、カゲの入れ方の度合い・付け方は、けっこう似てると思うんですよね。フォルムもそこそこ似てるし。

(確定したらですが)この方の作画は注目していきたいと思います。 

ちょっと驚いた。

■『四月は君の嘘』 カバーソングCM第2弾(「鱗(うろこ)」ver.)30秒
 





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「エヴァ」ほどセル主張してないし、他のアニメで出てくる電柱ほど背景に溶け込んでるか浮いちゃってるわけでもない。これは多分CGですね。グラフィニカという、前身がゴンゾのデジタル部の会社なので、コンポジットとか撮影後の特効とか、そういうのが得意なのかもしれない。

グラフィニカ http://www.graphinica.com/ 

まあそれだけなんですけど、この電柱見た瞬間にうおっとなりまして。この驚きに近いのは、「言の葉の庭」の冒頭PVを見たときですね。あれは、AE等の多用なんですけど、凄まじくインパクトがあった。そこまでじゃないけど、少し驚きました。面白い電柱だなあと。

何か特に更新もできないので、雑記の積んでたネタを。
多分8月終わり頃に書いたと思う。


■物語、ストーリーへの関心の欠如

ゲームにしてもアニメにしても、どういうわけか、脚本・ストーリーといった事に、子供の頃からさほど興味が無い。「ストーリー性がない作品」というものは、駄作の烙印を押されがちで不思議にいつも思ってる。例えば、ゲーム「ロックマンエグゼ」「戦国無双」「マリオRPG」「クラッシュ・バンディクー」など色々好きなのはあるけど、どれも中身には興味がなくて、そのゲームシステムをいかに効率よく利用して(※時には浪費したりもして)、クリアしていくかにしか興味が無い。(※だから、やり直すたびにストーリーを思い出す(笑))最速タイムで倒す方法とか、より簡単にクリアする方法とか、こういうことしたらキャラはどうなるんだろうかとか、そういうものに興味があって、そういうやり方でしか多分ゲームというものをしたことがほとんどだと思う。だから、「ダブルキャスト」とか「かまいたちの夜」みたいなノベルゲームには一切の興味がなくて、やれと言われたら、お金をもらわないと多分出来ない。それぐらい、ストーリーメインなゲーム・アニメは好きでない。

衒学的(思わせぶりな)映像とか、トリッキーなシーン、映像的なギミックとかは大好きなんだけど、「これこれこうだから、こうなってこうなる」みたいなストーリー・展開にさほど興味が無い。だから、単純にインパクトのある映像とか、緻密に積み重ねられていく映像表現(今敏的な)がよく出てくる作品が好きなのかもしれない。

ストーリー性とか物語性、もっと言えば作家性みたいなモンは、全てを(お話だけでなく)通して出てくるものであって 、ストーリーだけでは測れないと思う。いやこれは、僕が作家性がある作品というものを見たことがないからかもだけど。だから、「映像から作家性が滲み出る」という意味では、『メガゾーン23』『ズヴィズダー』 『キルミーベイベー』『エヴァンゲリオン』『千年女優』なんかは、僕にとっては全部同列の存在になる。

もっと言うと、お話なんてものは全てフィクションだから、全部お芝居に見えてしまうのかもしれない。だから、そこに無理矢理に作家性を染みこませようとする脚本を要求することは求めてないと思う。求めるべきでないとも思う。最初から開き直って、「これには、テーマもなんにもありません」と銘打っている脚本、もしくは映像を積み重ねる内に作家性が滲み出る映像作品を求めている気がする。



■映像の享受の仕方:「破」

狂乱さ、熱中さ、夢中さ、みたいなモノは全然許容範囲であって、そういうのは別にどうでもいいんだけど(※純粋に、映像を享受しているということだから)。クッソ寒いネタ(リツコ太鼓ネタとか)を、何年やり続けてんだよ、しつけーよアホどもと思うことが多い(※しつこい人は大抵面白くない)。これは自分のTL見てだけの話だけど。やっぱね、そういう人って偏見でも何でもなく、「映像を見る」ということが苦手なんだと思う。見尽くしたと思っても、映画とかアニメは、意外と思わぬ(※自分が思い込んでいて、視野に入らない)ところから、色んなものが再発見できるはずなのに、何故かそういう姿勢を捨ててネタに走るのは、非常にもったいないし面白くもない。

でも、ああいう姿勢が評価されたりするのは、何かね、腑に落ちないというか。作品の周辺で語って、なんにも実にならないことをやってんのにね。「お前にとって「破」ってどんな作品なんだよ」、って聞いたら、コピペ通りの回答しか返ってこないんだよ、これが。「リツコ太鼓でしょww」「ここまでは良かった」「シンジさんだった」みたいな、何か感想を言ってるようで、抽象的な事言って誤魔化してる人は非常に多い。そうじゃねえよ、おめえは、コレ見てどう思ったんだよっていう。

この前、旧劇が流れた時に、「分かったようで、わからん」って感じにつぶやいてた人がいるんだけど、ああ見栄張ってなくていいなあってスゴく感動してた。オレも一部は分かっても、全然分かんねーもん(笑)で、他の奴らは、グロシーン・サブリミナル的なシーンがカットされてることに怒ったり(※多分、知識的に優位性を保ちたい姿勢が原因)、くっだらねえ事言いまくってんのに、もうその人だけは純粋に旧劇を作品として見てんの。本来、こうあるべき映像の享受の仕方が、例えれば、学校の英語の授業で正しく発音してもクスクス嘲笑されるように、村社会的な構造で下に見られてるんだよね。あいつ何真面目にやってんの、アホっぽいみたいな。前も言ったと思うけど、どんなに拙くても意見・感想はオリジナリティに溢れていれば、素晴らしいもんだと思う。当然、真剣に考える上で、結果的に他の人の意見の模倣になるのは悪いことでは全然ないけど、自分の意見というものはもう少し尊重してもいいと思う。



■「破」

「破」という作品は、僕にとっては、「とてもぎこちないけど、とても面白い作品」になる。「ぎこちない」っていうのは、コンテや映像の繋がりとか滑らかさとかなんだけど、それが凄まじくひどい。映画として下手したら破綻するんじゃねーのかってぐらいひどいんだけど、圧倒的な映像美で補完してて、ちゃんとエンタメ映画になってるとこがスゴイ。

ストーリなんて無いってぐらい開き直ってるわけでもない。ストーリーは存在してるようにやってる。全集とかで、脚本は相当苦しんだって確かあったんだよな。マリの出し方とか、絡め方、終わり方とか、もう本当コンテぐっちゃぐちゃなのよ。本当は、Bパートで初登場するはずだったのにとか、アバンがAパート行ったりとか。もうホント、よくこの形に出来たなって今でも思う。これは脚本の構成に起因するものなんだろうけど。(※だからテレビでカットされても分からないことが多い)

これは、全集を読んだからっていうわけでもなくて、劇場で見た後から思ってた。んーなんか継ぎ接ぎな感じがするなあと思ったら、まずコンテが多すぎる。「船頭多くして船山に登る」じゃないけども、これは流石に上手く溶接できねえよって。元を辿れば、脚本で悩みまくったのが原因なのは間違いなくて、確か合宿で榎戸が最終的には、ああいうラストにしたらいいんじゃないの的にまとめたんだよね。だけど、榎戸がばっさばっさTV版の脚本切っていったから、結果的にはシーンの欠落しちゃう感じも出てしまって、同時に「ぎこちなさ」にも繋がったんだと思う。


後はね、「トップ」「ナディア」に顕著に見られたカット割りが、存在してて面白い。「ナディア」では、ガーゴイルとネモが言い争うシーンは、毎回距離離れてんのに意思疎通しあってるじゃん。(合理性を求める人にとっては、NGなシーンだろうけど(笑))そういった合理性を僕はさほど求めないので、面白い表現だと思える。なおかつ何の装置も出さずに会話を演出できる表現だから、便利だよね。あれは、ある種のマクガフィンといってもいいのかな、ああいうのが実は「破」にもあって面白い。日常シーンでは、シンジと綾波は普通に交流するわけだけど、マクガフィンとしてDATが使われる。

シンジが捨てる→綾波が拾う→(ゼルエルと戦う)綾波の太もものDATにカメラが寄る→最後抱き合うシーンでDATに寄る みたいな感じで、すげえ感情移入・没入しやすい。このDATという装置の重要性というものが、いかんなく表現されているから、Cパートは神がかってる。当然、シンジはDATを綾波が拾ったとか最後に知るわけずじゃない。視聴者は、DATが出るその度に情報は得てるから、それなりに事実や一部の心情は拾っていけるんだけど、完全にシンジの心情と同期するのは最後(※あの真っ白シーン)にならないと出来ない。この構成に関しては、相当気を使ったと思ってて、すごいと思ってる。

後は、CGエヴァとか違和感ない。モデリング小林と本田のおかげ様様。今日見直して思ったのは、ワンダースワンを持って座るところのアスカ作画うめえなあって思ったりした。後は橋本祭りで(多分3割ぐらい書いてる)カッコエエ爆発も多いですね。僕は、津波のシーンが橋本作画ではナンバーワンなんだけど、一番のお気に入りシーンは、疾走するエヴァが電車とか街とかをぶっ壊していくところ。あれはすげえいい。コマ送りでgifにしたいってぐらい良いシーン。ジャンプして空中を滑走するシーンもいいけど、あれは劇場バージョンの方が良かったような気がいつもしてる。


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前回は、背景動画を中心に見てきました。
今回はデジタル&CGを利用した表現がメイン。やはり、表現の幅が広がります。

流れる時間は、回り込まれる(被回り込み)キャラのためにあるのか、それとも別の所にあるのか。ということを、意図的にやっていることに注目すべきです。前者は当然、主観的な時間、後者は、別のキャラであったり、視聴者であったり様々です。


 ■『戦姫絶唱シンフォギアG(2013)』
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カメラが右に動きながら、1人のキャラのところでTUしていくわけですが、もったいないですよね。完全に書いて欲しいカットは、この後なのに、と。これは、主観的な時間ですから、なおさら。

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これが2カット目。1カット目とこの間が主観的な時間を表現するベストポイントじゃないのかと思うんですが、キャラの顔に最後までTUしなかったのは、作画の関係なんでしょうか。


■『翠星のガルガンティア(2013)』 1話
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流れるのは男の子の主観的な時間。比較的分かりやすい多段構造での背景(BGとbook2個)で、ジオラマ的に遠近感を出している。男の子の動揺を表現してるのがよく分かる。


■『フォーチュン・アテリアル(2010)』
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当然、これは女の子の主観的な時間です。ところで、回り込みって、さっきのシンフォギアみたく「ああ!この肝心なところが作画されてない!」ってなることも、しばしばあるんですが。これは全部描いてますね。カメラがキャラの後ろから入ってきて、キャラの顔を細かく角度別に描いていく。


■『進撃の巨人(2012)』 22話
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これは、一見、被回り込みキャラの女型の巨人の時間っぽいが違う。リヴァイ兵長のスゴさを見つめる、ミサカの主観的な時間です。CG背景を利用した回り込み表現。女型の巨人のスケールさを表しつつ、リヴァイ兵長の俊敏で広範囲な攻撃を描写してる。透過光の入れ方がセクシー。


■11話 
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ミサカの主観的な時間が流れる。江原作画。ミサカがくるっと一回転する所に少しカメラが回り込む。CG背動だから、回り込みしようと思えば多分何処でも出来るけど、いい入れ方だし、作画も良いですよね。背動しつつも、少しエキセントリックな感じ。

■25話
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巨大エレンの高速パンチの回り込み。これだけカメラのスピードが速いのは、当然エレンの攻撃の速さを表現してるのもありますが、それとは別に女型巨人の主観の時間が入ってるという要素もある。つまり、これは第三者的な視点なんだけど、回り込んだ後に女型のカットを入れることで、その女型の主観的時間をシークエンス自体に含ませてる。


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これも同じく25話。第三者的(作品内の他の人)の時間に、巨人が割り込んでくる形。カメラは、(レール引いてんのかって思うぐらい)綺麗な弧を描いて動きます。大量の破片や人間、店を配置することで、ここで巨人との比較対象としてる。そのおかげで、より特撮的なアクションになる。


■『中二病でも恋がしたい!』 9話
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これは、もう2人のための主観的・独占的な時間です。ローアングルでパノラマ的なカメラ。360度全部入れようとしてるから、当然校舎は歪む。いやースゴく奇怪な画面です。意図はなんでしょうねえ。夕焼けをメインに見せたかったのかなあ。夕焼けのカットを挟んで、情景描写みたいなのは一杯ありますけど、1カットでは見ないですね。


【2014/09/08 追記】
そういえば、この中二病に似た、画面を広角で歪めてるやつの類似がありました。

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(『まいっちんぐマチコ先生』 75話)

あくまで、これは止め絵ですけど。右から光源が差し込んできてるのが分かりますよね。やっぱり、空の状況を画面に入れたいがために、広角にしたりパノラマにしたりすんでしょうか。


「回り込み」と簡単に言いますが、そのシーン・カットで流れている時間は誰のものなのか、ということは作品の理解においても重要で、例えば古典や現代評論で言えば、主語が分からないと文脈はメチャクチャになりますよね。それと同じで、主観的な時間なのか、それとも別キャラの視点なのか、はたまた別の目線なのかを考えるのは見方として楽しいかもしれない。とにかく、「このカットを何で回り込みにしたのか」という意図を探してみる意義はあります。まあ、これは回り込みに限った話ではありませんが、全部やろうとすると大変なので、「回り込み」のシーンだけ考えてみる、というのがいいのかもしれません。

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