GOMIstation

2025-1

2014年10月

楽しかった。
(※ご覧いただきありがとうございます。追記した部分には、ちゃんと日にちと入れますので、一週間程度、修正と追記を繰り返すと思いますが、よろしくお願いいたします。)

■上映作品

・ビクター ハイパー・ロボットコンポ CM(1987)
・夢幻戦士ヴァリス CM/PV(1987)
・アニメショップ 「パロディ」 CM/BATTLE MODE PV(1990)
・『炎の転校生』 特報(1991)
・LD Box 『ふしぎの海のナディア パーフェクトコレクション』 PV(1991)
・コイシイヒト 松たか子 PV(2001)
・アニメ店長 PV(2002)
・流星課長(2002)
・空想の機械達の中の破壊の発明(2002)
・映画『恋の門』劇中アニメ 『不可思議実験体ギバレンガー』 オープニング映像(2004)
・シュガシュガルーン オープニング/エンディング/新エンディング(2005)
・『監督失格』 特報(2011)
・館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技(2012)「巨神兵像」竹谷隆之作
・庵野秀明監修:円谷プロ作品 特撮映像集(2012)
・巨神兵東京に現わる 劇場版(2012)

追加上映決定!
・『キューティーハニー』 プレゼン用パイロット(2001)
・『まほろまてぃっく』 オープニング(2001)
・『空想の機械達の中の破壊の発明』 初稿画コンテ撮(2002)
・『Re:キューティーハニー』 オープニング(2004)
・『スカイ・クロラ』予告編祭り 庵野秀明監督バージョン(2008)上映作品
(引用元:http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=205


■雑感

「空想の~」のコンテ撮りの面白そうな感じや、ヴァリス、パロディ時代に感じるグラビトンの作風など色々と面白かったです。特に、この2つには増尾昭一が原画参加してそうなカットもあり、大変に良かった。「空想の~」は、駿バージョンだったのですが、これをずっと見たいと思っていたので見れて幸せでした。後は、既に見た「まほろOP」「Re:キューティーハニーOP」などもありますが、大画面で見ると迫力がやはり違いますね。

まあ、とにかく行ってまいりました。なるたけ丁寧には紹介しますが、もう疲れているので、正確ではない部分(要約してる部分他)も多々あるので、鵜呑みにしないで下さい。(※今回見に行かれた方で間違ってると思われた方は、遠慮なく仰ってください)時系列順です。(※後で画像等追加したり、修正します)



■「スキゾ・パラノ騒動」について

「スキゾ・パラノ」に関する、最近誤解を招いた記事があったことに対し、「インタビュー記事に加筆したという話が大げさに伝わってしまって申し訳ない。言葉が足りなかった。」と竹熊さん及び関係者への皆様への訂正と謝罪がありました。また、Twitterなどで流れている情報に対し、「書いてくれるのはありがたいが、間違っていることが多いので、その部分は気をつけてもらいたい。」と仰っていました。5日間の最終日ということもあり、氷川さんに「コミュニケーションって難しいですね。」とも話しかけていました。



■多方面の割に島本作品が多いことについて(追記11/1)

庵野:「多方面のわりに、島本のマンガを2個もやってるんですよね。(炎の転校生?)ナレーションは全部本人にやらせました。ボクも恥をかくんなら、お前も恥かけ(笑)ということで。」

氷川:「最近では、アオイホノオも実写化されましたが、ご覧になりましたか?」

庵野:「いえ見てないです。」


■ビクター ハイパー・ロボットコンポ CM(1987)

庵野:「会社(ガイナ)で受けた仕事。やったのは、コンテと光エフェクト。それ以外は、美術の佐々木さんがロトスコで、一枚一枚丁寧に仕上げてくれた。その時に初めて広告代理店の人に会ったけど、『ホイチョイ』という漫画に出てくる人そのまんまで、『ああ、ホイチョイのまんまだな。本当にこんな人いるんだ。』となりました。」



■夢幻戦士ヴァリス CM/PV(1987)

庵野:「商業作品では、初監督作品(※トップよりも前)です。スタジオ・グラビトン時代の仕事。グラビトンはフリースタジオで、家賃とか光熱費とかを各自が払って、その場所を維持していたスタジオ。」

氷川:「80年代には(フリースタジオが)たくさんありましたよね。」

庵野:「ありましたね。そしてあるときに、クーラーが壊れてしまって、これはいかんということで、クーラーのお金を集める(仕事して残ったお金で)ためにということで『ヴァリス』に参加した。原画はグラビトンのメンバーなので、とても豪華でよく出来ています。」



■アニメショップ 「パロディ」 CM/BATTLE MODE PV(1990)

庵野「当時、ナディアで赤字を出していた為に、その補填として大学の友だちから仕事の紹介をされた。ナディアは、『島編』の時期だった。コンテは摩砂雪で、ナディアのついでとしてやってもらった。鶴巻も原画で参加していて、2人でちょっと戦うシーンがあるんだけど、『摩砂雪さんのようにならない!』と苦労して、一番時間がかかった(※確か2週間たっても出来てなかった)。内容は、今見てもよく分かんない(笑)。何か憑依して、デカくなって…(笑)。『奈良だけが分かるようにしてくれればいい。』と言われたので、でもシカって書くの面倒くさいじゃないですか、だから五重塔にしました(笑)。」



■『炎の転校生』 特報(1991)

「これも、ガイナの仕事。ラッシュはすでにあがっていて、チェックのみ。(※多分、ラストの爆発は庵野さん。)OPは素晴らしいので、ご覧になったことが無い方は是非見て欲しい。」



■LD Box 『ふしぎの海のナディア パーフェクトコレクション』 PV(1991)

庵野:「他の人にやらせると微妙かなあと思ったので、それなら自分でやろうと思って。本編から一つ鷺巣さんの曲を使って、テロップと編集で作った。編集がリニア(※123456とあって、3が抜けた場合に自動的に上にずれない)だったため、アッセンブリーな作り方でしかできなかった。」

氷川:「極太明朝もう使ってますよね?」 

庵野:「明朝はいいですよ。タイポグラフィがいい。樋口も使ってて、そっちが使ったなら、今度こっちも使おうかみたいな感じで。清川(元夢)さんのところだけ色が着いてるのが、僕の愛情表現です(笑)。ああいう作り方(リニア編集、アッセンブリー編集)だったから、『先のカット無しにできますか?』ということをお願いするプレッシャーはありました。一からダビングし直しですからね。相手の人は、殺そうとする目で本当に勇気がいった(笑)。」 



■『キューティーハニー』 プレゼン用パイロット(2001)

庵野:「パイロットですね。企画が決まってから、3年待たされた。摩砂雪と一緒に、ビジュアルボードとサムネでつなぎあわせて編集した。スポンサーには、アニメっぽいものを作るよと。摩砂雪がほぼやっているんで。(未来少年)コナンの三角塔とか出しちゃって(笑)。彼はコナン大好きですからね。でも、すごいアニメーターです。」

氷川:「今回(TIFF)の予告も摩砂雪さん?」

庵野:「いやあれは僕です。摩砂雪は今回のイベントに全く関係してないです。」



■コイシイヒト 松たか子 PV(2001)

庵野:「これは、事務所からオファーが来てやってくれと。HEROの時ですね。撮影休憩で一日だけ松さんの予定が空いてるということなんだけど、実際は4.5時間だった。代々木の踏切でした。本当はもっと別の踏切でやりたかったんだけど、移動してると時間的に不可能だから。松さんにはネコを持って演技してもらった。」

氷川:「ネコというのはどこから来たんですか?」

庵野:「いや、僕が好きなだけです(会場笑)。そうなんですよ、ジャックに似てるんですよ(喜ぶ庵野さん)。CGはワイヤーフレームだけでやりました。僕は、CGの本質はワイヤーフレームだと思うんです。本当に感動したのがワイヤーフレームでした。後は、あそこは中々電車が来ないんですよね。だけど、きちんと踏切が下りていないといけないから、大変だった。松さんが入ってる画面を先に、もう撮りまくって。後で編集でつなげた。だから、最初の高架橋を煽るカットは(松さんが帰ってから)最後にスタッフと取りました。」



■『まほろまてぃっく』 オープニング(2001)

庵野:「これも会社の仕事ですね。スケジュールに間に合うように、作画もそんな負担がかからないようにコンてを切った。高村が1人で作監できるくらいには。ミサイルの所は摩砂雪です。(コンテについて)アニメでは、これだけの絵をこれだけのカットに入れちゃう、というのは無理と分かるんですよ。」 

氷川:「本編はご覧になりました?」

庵野:「見てないです。2話は鶴巻がやったので、見た気がします。」



■アニメ店長 PV(2002)

庵野:「オファーを頂いて。今石がやるんならいいよと。今石は島本大好きですから。今石コンテで走るのも原画やってましたね。背景は(描くのも大変だし、それなら)実景でいいじゃないかということで、実写合成しました。ぐるぐる回るカメラ(三脚立てて)、は摩砂雪もやってたと思う。」 

氷川:「金田アクション満載ですよね。」 

庵野:「そうですね。後は、ライダーのとこのナレーションだけ(島本が好きなので)演出しました。テープの上の方に、スプライシングのノイズを入れるのが最大の目標でした(笑)。基本的には、CDをもらっていたので、それに絵を合わせるという形で。少しセリフをカットしたりはしましたが。アニメイトには行ったことがないです。」


 
■流星課長(2002)

庵野:「漫画原作が好きだったから、やりたかった。お金無いなりにやってみようと。課長の家がミニチュアだったり、事実上は、これが僕の初の特撮作品ですね(笑)。成層圏を飛び出した後はCGなんですが、CGの人が動かそうとするんですね。でも、これは飛び人形(特撮関連)だから、トメでいいよと。フォトルック(写実)で追い込むと大変になるし、中途半端になったら嫌なので、ワイヤーフレームで全部やりました。八王子にある展示場に許可を取って、1両で行ったり来たりの合成をした。摩砂雪コンテなので、アクションが巧いですね。」 

氷川:「コマ撮りアニメっぽいですよね。」 

庵野:「そう。摩砂雪はコマ抜きもしてるから。アニメっぽく決まるように。キューティーハニーのプロトタイプですね。この頃は、マンガっぽく行きたかったんです。



■空想の機械達の中の破壊の発明(2002)

庵野:「当時ジブリで映像展示を2本作ってて、一つは宮さんがやってるんだけど、それにかかりっきりで、もう一つ作れるヤツがいないかということで呼ばれた。その頃、結婚することが決まってたから、結婚披露宴でスピーチしてくれるなら、これやりますと。仲人じゃなくて、スピーチなんです。バーター(交換条件)ですよ(笑)。でも、このスピーチが長かった。頼むんじゃなかった。やれ、『こいつは風呂に入りません、ゴキブリと一緒に生活していました。』なんて、親戚もいるのに(会場笑)。僕の方から、『宮さん、そろそろ止めてください』と(笑)。」 

コンテ撮りについて

庵野:「企画書を渡されてから、初めて作ったのがこのコンテなんですね。だけど、宮さんから『タイムボカンじゃないか!』とダメ出しされて、『でも、面白いからいいじゃないですか』と言ったんだけど、没になった。制作の女の子にナレーションを頼んで、今回作りました。(コンテ撮りと完成品を)比べてみたかったんです。」 

氷川:「(コンテ撮りからは)『下手な鉄砲も数打ちゃ当たる』の雰囲気も感じましたが。」

庵野:「そういう軸でよかったと思うんだけど、宮さんから『軸なんていらない』と言われてしまって(笑)。結果、(完成した)宮さんの方が大人でちょっと悔しいですね(笑)。宮さんの方が年上なんだから、当たり前なんだけど。完成している方は、宮さんのラフもありますが、基本的にはメカニックは僕です。それを山下(いくと)くんに原画に落としこんでもらって。ラストのピカーっとする爆発は自分です。」 



■『Re:キューティーハニー』 オープニング(2004)

庵野:「ほとんど今石の仕事です。総監督で、『ここは足りないんじゃないの』みたいな部分にチェックを入れたぐらい。OPはオリジナル+αで、(今石は)良いセンスだった。」



■映画『恋の門』劇中アニメ 『不可思議実験体ギバレンガー』 オープニング映像(2004)

庵野:「松尾さんコンテですね。お世話になっているので、引き受けました。松尾さんからは、『昔っぽく』と頼まれたので、できるだけ下手なアニメになるようにしたんですけど、難しいですね。制作に原画やらせたりしたんですけど、後から聞くとその子は昔アニメーターやってた(笑)。僕は走るところを下手になるようにやったんですけど、やっぱり難しい。走るといえば、『鋼鉄ジーグ』の走りは素晴らしい。」 

氷川:「音楽に関しては、何か参考にするものがあったんですか、ブ◯イガー的な感じ…」 

庵野:「それは言っちゃダメです(笑)スポンサーの方に、『これどうですか』と聞いてもらって。気に入ったら、じゃあその方向でと。」 



■シュガシュガルーン オープニング/エンディング/新エンディング(2005)

庵野:「OPは嫁(モヨコ)もコンテ書いてたので、共作という感じですね。だけど、その中でアニメ制作に間に合うようにコンテを描いた。平松(禎史)さんに作監頼んで。EDは、スポンサーに『最終回を迎えた後のイメージで少し大人びているので、ショコラの服の色はピンクから黒にしてください』と言いました。嫁も原画描いてて、良い物になりましたね。」

新エンディングについて

庵野:「線だけでね、これが一番原作に近いです。本編はあまり色がよくないから。『色』なんてアニメにいらないんじゃないのか、なんてことも思った。後は、編集もキューテック使って自分でやりました。こだわりましたね。やっぱり、ノンリニア編集じゃないと、こういうことはできないですね。」



■『スカイ・クロラ』予告編祭り 庵野秀明監督バージョン(2008)上映作品

庵野:「本編予告の他に、石井プロデューサーが他の監督に作ってもらうということで。エヴァやってる真っ最中だったんですが、これぐらいはと思って。奥田と一緒に編集しました。コレ見ると面白そうですよね?騙されたら駄目ですよ(会場笑)。これは、押井さんも少し褒めてた。そんなに、押井さんをディスる(原文ママ)気はないんですよ(笑)。」



■『監督失格』 特報(2011)

庵野:「実写初のプロデューサーでした。平野さんには由美香という奥さんがいて。本編も大変面白いので、是非見てください。平野さんには助けられた事があるので、作品が作れないというのであれば、経済的にも、精神的にもと。平野さんの執念が感じられます。モノづくりをしたいと思う人は見るべきですね。僕がやったのは、李さんと編集だけですね。後は平野さんだけで、やってくれることが重要だった。」 



■特撮について

庵野:「何度も言ってますが、もう特撮は終わりなんですよ。スタッフも技術も失われつつある。だけど、残せるものは残したいし、特撮に対して恩返しもしたい。そういうことで、鈴木プロデューサーに相談したら、現美(現代美術館)でどうだろうと。ある程度残せるシステムを作りたい。」 



■庵野秀明監修:円谷プロ作品 特撮映像集(2012)

庵野:「自分が好きなのを全部詰めました。特撮博物館における映像展示で、東宝、東映もあるんだけど、流石に時間的にムリだろうということで今回は円谷プロだけにしました。これを見て、特撮の魅力が伝わるかなあと。」

氷川:「マニアックですよね。全部分かったら、特撮博士みたいな(笑)」 

庵野:「すごくマニアックな内容です。ウルトラマンエイティの技術は今でも最高峰だと思ってます。ディテールがいいんですよ。小さい破片が飛ばないと、大きさが分からない。後はアクションもすごいですね。ダンチャク(服につける火薬)で、本当に痛そうですよね。そうなんですよ、僕の夢の一つは体全身ダンチャク。

氷川:「全身ダンチャクですか(笑)」 

庵野:「だって全身ダンチャクですよ!(喜ぶ庵野さん、会場笑)。とある作品のときに、ダンチャクしてもらったんですけど、一回目は血糊で、火薬の方のダンチャクもやってもらって。合計2回も。ありがたかったです。後、特撮は見るだけでもいいんだけど、現場に行って、参加するともっと良さが分かる。特撮博物館では、子どもがそういう事をできるスペースを考えてたんですけど。」 



■館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技(2012)「巨神兵像」竹谷隆之作(※CMのことです)

庵野:「僕は文言、BGM、編集をやりました。」

氷川:「入場者数が、29万6000人ぐらいになって、ヤマトと同じだなあと(笑)(※ガミラス星への距離は、片道14万8000光年で×2なので、29万6000光年となる)。」

庵野:「29万いくらぐらいしか知らなかった。今(ヤマト2199)は伸びてますが(笑)昔でも、近すぎると思うんですよね。まあ、ああいうのが良かったのかなあ。ちょっと、ブッチャン(出渕裕:『ヤマト2199』監督)はちょっとね(笑)。」 



■巨神兵東京に現わる 劇場版(2012)

庵野:「企画と脚本、アイデア出しをして、後は樋口組に頑張ってもらいました。この作品においては、プロデューサー的役割のほうが大きかったかなあと。樋口が『押井さんっぽくしたい』ということで、舞城さんを脚本に。(押井さんの作風は)よく分からないことを言ってはぐらかしたり、賢そうな感じになったり(笑)。押井さんをディスりたいわけではないですよ(笑)。ラッシュから舞城さんに参加してもらったんですが、違和感なくすごかったですね。さすが舞城さんという感じでした。」 

氷川:「光学作画については…」

庵野:「まあ、光線の作画をやりました。なぎ払いビームと光線ですね。実は、最初に打つ膨らむビームは『ヴァQ』からの流用なんですよ。」 

氷川:「作品を超えたバンクですか(笑)。」 

庵野:「使ってもいいやって感じでね。後はラスト正面の十字ビームについては、『ナウシカ』の時の巨神兵のレイアウトをそのまま(トレースして)使ってます。昔は(『ナウシカ』の作画のときは)、少し変えたから。ナウシカのときは、僕が『十字に光るのは、ルパンのシグマと同じじゃないですか』と言ったんですけど、『いいんだこれで!』と言われて(会場笑)。」 

劇場版と特撮博物館版の違い

庵野:「3Dの有無とディテールアップと、後は音がモノラルかどうかですね。音がステレオだと、音の一つ一つははっきり聞こえるんだけど、バラバラになっちゃうんです。そういえば、宮さんも『風立ちぬ』でモノラルでやってましたね。」



■Qと巨神兵

庵野:「Qで一杯一杯だったので、音については殆どお任せしました。」 

氷川:「『エヴァQ』と同時上映になったのは何か理由が?」

庵野:「鈴木プロデューサーから、『これ(巨神兵東京に現わる)がこのまま終わるのはもったいない。大きい画面で見せてあげればいい。Qの頭にくっつけてやればいいんじゃないか。』と言われて。その案もらった、という感じですね。通しで見ると、上手くいってたので良かったです。何かサード・インパクトみたいですよね。声も林原さんだから、繋がってる感じがある。」



■全体

庵野:「色々と妙なことをやってきたなあと。特に、特撮と嫁さんどんだけ好きなんだと(笑)。シュガシュガルーンとかよくやりましたよねえ。あのピースは、『魔女っ子メグちゃん』からの伝統という感じで…(ポーズを取る庵野さん、取材カメラをパシャパシャ)こんなとこに限って撮って!(笑)。後は、何で島本こんなにやってたんだとろうなあ。」 



■TIFF5日間終えて

庵野:「高2~54まで、僕が関われた作品をほぼ上映しまして、人1人の人生では、多いか少ないかは分かりませんが、よくやってたなあと。できるだけ同じことをしたくないという気持ちがある。前とは違うものを作りたい。それで少し、新しいものが入っていてよかった。作っては落ち込んでの繰り返しなんですが、次が作れる気分になれたのは良かった。」 

氷川:「個々の作品に対しては、何度も見てみたが、全貌に触れる機械は無かった。1人の人生の歩みとしてすごいと感じる。(庵野さんもおっしゃったが)同じに見えても、確実に違うものがある。新作も楽しみにしています。アニメ作家の代表の1人で、同じ人はいないだろうと。」 

庵野:「面白いものを作りたい。恩返しをしたい。今はこの2点ですね。


「庵野秀明の世界」監督(他)・庵野秀明(短編) レポ

マウスオーバーで画像が変わるってあるじゃないですか。
ちょっとこれやってみたいなと思い、試行錯誤中。


【素材元画像】
49]
53]


 
やり方分かりました。オッケーオッケー。
ちなみに、このCGはモーフィングです(メタモルフォーゼのデジタル表現)。
要するに、こういうことですかね。

<img onmouseout="this.src='A0102'" onmouseover="this.src='B0102'" src="A0102">
マウスオーバーした時に画像URLをそのままコピペするか、アップロードサーバーのファイル名から場所指定してやるかだけの話ですね。Aは初期状態、Bはオーバーマウスした状態。

こんなことに躓いてるのはぼくだけだと思う!
けど、これ面白いし便利ですね。
他にも画像系の属性があったら、また雑記で更新します。  

31]

戦闘の巧さはコマ数がおそらくそう思わせてる。


アバン:戦闘開始の前に(3話の続き)

A:教会前での戦闘~教会の綺礼まで
・ufotable巧い
・作画がずば抜けている、というわけではない
・特効、画面処理、撮影がいい

B:教会~墓地での戦闘
・作画リソースの配分が巧い
・碇谷さんすげえ描いてると思う
・CGとの融合



脚本・作劇・構成

21]29]
10]04]

Fateも4話。
お話の方で言うことは特になし。戦闘回ですし。イリヤとバーサーカーが攻めてきて、それとアーチャーとセイバーが共同戦線を敷いて戦う。それぐらいですからね。強いていうならば、士郎の性格というものがよく分かる回だったのではないでしょうか。自己への責任感・一貫性が強すぎるからこそ、凛の「逃げなさい」という忠告にも従わず、セイバーと共に戦おうとする。彼のキャラを装飾するには、十二分なほどよく描写されてたと思います。イリヤに関しても、ミステリアスさを保ちつつ、大人びた感じを描いてた。





作画・画面設計

51]39]
58]42]
34]08]

「作画がスゴイ」というよりは、「画面づくりがスゴイ」といった方が正確な気がします。碇谷、阿部さんの作画が良いのは分かるんだけど、それと同じくらいCGとの組み合わせで画面全体の密度(=画面の情報量)を増してる。これは、2話ぐらいで述べたと思うんだけど、ufotableの得意分野なんですね。作画とCGの融合、という点においては、多分ufotableが一番優れてる。


碇谷さんに関しては、おそらく墓場での戦闘シーン。
特にこの辺。

58]14]

阿部さんに関しては…正直分からん。CGエフェクトばっかだったし。
まあでも、やはり墓場での戦闘シーンなのかなあ、そこはよく分かんないです。




43]56]

後は、瞬間的な速さを出すための、1カットにおける計算されたコマのやり方ですね。瞬間的な速さ、というのは他だと3k(3コマ)ぐらい使うと思うんですが、ufotableの場合は1~2kでやってる。だから、戦闘自体が板野サーカス的な誇張された表現になっているのかもしれない。金田作画とはまた違うコントロールの仕方で、スッとした感じ、急速に移動する感じを表現してる。画像においては、2コマおいてスクショしてる。



10]12]
18]20]
22]23]

後は、アーチャーの宝具か何か分かりませんが、この飛んで行く弓矢の描写が上手かった。ちゃんと段階踏んで、瞬間的な時間のシーンを少し引き伸ばして見せ場にしてる。何かやけに丁寧でしたね。



ここからは、金田エフェクトについて(ほぼ趣味です)。こんなにガッツリ、どんな作品でもやってますっけ。金田光(広義)や板野光がやけに目に留まったので、色々とスクショして確認。金田光は、十字と丸で構成されるので、レンズフレアとかハレーションの誇張表現なのですが、まあ至る所にあったので、ufotableってそんな『グレンラガン』みたいなことすんのかなあって疑問に思った次第です。

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14]55]
29]39]
43]33]
39]01]

鍔迫り合いでも、魔術での爆発でも、弓矢の発射でも、凛の宝石魔術でも何でも見境なしに使ってますからね。ぼくがただ単に見てないだけで、最近のアニメでは(ごくふつうに)頻繁に使用されているのかもしれませんが。ちなみに、十字単体はクロスフィルター(典型的な例は、砂浜におけるキラキラシーン)の誇張表現かもしれないということです。推測で申し訳ないんですけど、CG班ってやっぱり撮影からの人も多いイメージ(カラーの瓶子さんとか)でして、こういったカメラ的な表現(ハレーション、レンズフレア、クロスフィルターなど)をアニメに落とし込もうとしてるのかな、なんて思ったりしています。ただまあ画面はキレイになりますよね。


そうそう!

28]34]

これは中野フラッシュと呼んでいいのか分かりませんが、まあそれっぽい奴が随所に使われていたりと。このシーンでは別にあってもなくても大丈夫ですからね、多分。撮影・CG班はやはり、こういうのが好きな人が多かったりするのかもしれません。


そんな感じです。

今までの話数の中では演出的には一番よくできてる、と思う。すごい。

08]

アバン:死についての会話(ミチルとユウジ)

A:宿舎でのそれぞれ、ミチル中心
・マグロマンでお腹痛い
・ミチル回
・雷と停電
・時々変なことをするミチル

B:ミチルの人格
・丘でミチルとユウジの会話
・二重人格ミチル
・キス
・その後ツンデレ・ミチルと接吻未遂
・口へのアプローチでの差異

C:黒猫の死
・アバン、Bからの伏線回収
・血のエフェクト上手い


脚本・作劇・構成

30]

グリザイアもとうとう4話。今回はミチル回。
そして、ミチルは二重人格者ということが判明したわけなんですけど、そこにおける描写の精密さが心地いい。「二重人格者」というキャラクターに必要な「パーツ」とか「要素」といったものは昔から存在していて、それが明らかな「静」と「動」によるものだったり、『妄想代理人』だと、外面的な姿見に依拠している。ミチルも、そういった基本的な二重人格のテンプレートは抑えつつも、「注目すべきポイント」を小粋に演出してるのが素晴らしかった。
 
00]30]
46]39]

ミチルを見分ける方法は(確実性に欠けるが)「口元」であり、これはおそらく意識的に作画も描画してる。ツンデレ・ミチルの時は、口元に色気がない。対して、悟った・ミチルの方は、口元にやけに艶があり、ツンデレ・ミチルとの比較対象となっている。 これ自体はなんてことは無いんだけど、この思考へ持ってくる演出がうまい。序盤から、「紙パックジュース」「フレーバー」という要素や、「キス」というシチュエーションによる、口元への視線・思考誘導が至妙だった。

後は、構成が巧いですね。1話で全体像を紹介し、2話はサカキ、3話は天音、4話でミチルと。それぞれのキャラに焦点を当てることで、「このキャラを掘り下げる」という考えが明確で分かりやすく、自然と画面へと没入しやすい。これと対極にあるのが、『天体のメソッド』ですね。





作画・画面設計

11]32]

クレジットを見るまでは、まさか全員3文字原画とは分かりませんでした。レベル上がってますね、驚きました。「ぎこちない動き」というのは強いていうならば挙げられる程度で、そこまで違和のある動き・キャラ絵というのは存在しなかったように思います。総作監・作監のおかげも当然あるでしょうけど、すごいですね。特に、Bのミチルの接吻未遂シーンあたりが上手かった。3コマ作画(非金田系)的なノリで。Aのツンデレ・ミチルが帰ってきた後の作画も良かった、ぬるんとしてた。



後、シネスコについてですが―

26]36]
57]54]

こういった画面を監督がやりたい為に、もしくはエロゲー画面の意識からシネスコを採用したのではないでしょうか、と思っています。ビスタだと2枚目みたいなのは、どうしても画面が詰まってしまうし、「隙間としての空間(余白的な空間)」というのを演出したいように感じます。


という感じでしょうか。
ちなみにエイトビットはサテライトからの派生スタジオで、今年5年目の新規スタジオです。 

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■公式サイト http://animatorexpo.com/ 

ニコ生(10/26)の発表(東京国際映画祭)より
・自由な場をまずは提供したい
・アニメーターに好きなようにやってもらう
・大体30話数ぐらいを予定
・1話数5.6分程度


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企画立案・エグゼクティブプロデューサー:庵野秀明
エグゼクティブプロデューサー:川上量生
プロデューサー:緒方智幸(カラー取締役、『巌窟王』制作デスク)


第1話「龍の歯医者」11/7

【監督】舞城王太郎
【アニメーション監督】鶴巻和哉
【キャラクターデザイン】小坂泰之
【アニメーションキャラクターデザイン・作画監督】亀田祥倫
【アニメーション制作】スタジオカラー
(引用元:http://animatorexpo.com/news/1) 


株式会社カラーと株式会社dwangoの共同事業(有限責任事業組合方式)。プラットフォームをニコニコ動画(ニコニコ生放送)として、毎週金曜日に無料配信する予定らしいです。 

さらに、作品監督と氷川竜介(明治大学大学院客員教授)による当該アニメ作品の解説も翌週月曜日に配信予定です。あれですかね、「BSアニメ夜話」的な感じでしょうかね。マッキーや亀田さんがニコニコ生放送に出るのかもしれないと考えるとワクワクしますね。


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ちなみにこのタイトルロゴは、題字:宮崎駿、()と棒人間の部分:庵野秀明という『風の谷のナウシカ(1984)』の巨神兵カットを思い出させるような共同作業となってます。色んなアニメーターの作品が見られるようで、増尾昭一作品ももしかしたら…などと少し期待をしております。
 

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