GOMIstation

2025-1

2014年12月

とある所で議題に上がっていて、知らない人も多かったので。

「劇場版新世紀エヴァンゲリオン(デスリバ)」の途中まで出来上がったヤツ(※量産型が宙を舞いつつ終わるカット)、つまり「春エヴァ」のエンドクレジットに流れる明朝がいいんですよ。これです、これ。

■「春エヴァ(DEATH編途中まで)(1996)」EDクレジット
46]52]
58]17]



極めつけがこれです。これが大好き。

06]

このマティスUBを使い、縦に圧縮した極太明朝!カッコイイ以外の言葉が見つからない。もうあと少し油断をすれば、線と線がくっついて字が潰れてしまう限界まで行ってますよね。これが凄まじく好きなんです。

ちなみに、テレビ版のマティスよりも太字のフォントを使用しているらしいです(※テレビ版はマティスEB)。詳しいフォント考察をしていらっしゃる方がいたので、詳細はこちらのサイト様もご覧ください。素晴らしい内容です。どちらも、「市川崑のタイポグラフィ」の書評なのですが、見方が三者三様あり、面白いです。

2010-07-26 小谷充『市川崑のタイポグラフィ』と「エヴァ明朝」(uakira様)
エヴァ、鬱くしき明朝体 - 書評 - 市川崑のタイポグラフィ (PSYCHEDELEDGE様)

※パートは全て推測です。
※とりあえず、原画回のみ。後から追記で作監回の部分を記載します。


OP
20141213232329

この走り作画だと思う。後は、バスケしてる後のモブの所とか。でも正直分からない。ゲームの方のグリザイアOP見ましたが、原画は渡辺、フミオさんだけでクレジットは不明瞭。橋本敬史も参加してるんですが、どこで明らかになったのか…(※ゲームクリア後のスタッフロールに載ってんのかなあ)。



#01
20141108080457


20141108080458

1話に関しては完全に推測。引きのカットでは、細かい仕草に合わせた関節の動きが上手い。教科書しまうときの腕の感じとか、椅子から立つ時の頭の動きとか。アップのカットでは、喋る動きに連動して肩や首が動いているのが素晴らしく上手い。そこらへんが、野中っぽいかなあと。



#02
20141213225640


20141213225641


20141213225642

2話に関しては、アバン。走りながらカッターを出す、このシーンは走りと共に作画される肩の動きが良いばかりでなく、振られる腕の関節が柔らかい感じもまた素晴らしい。転んでしまいかけた後に、2回体全体が下に落ちるのが良い。頭の部分が落ちる重力に引っ張られて、他の部分(上半身・足)が連動しているのがいいんですよ。特に2回目の体の沈み込みが素晴らしい。ここは野中作画で確定だと思う。後は、Bパート明けてからの最初のカッターサカキ(gif3つ目)。ここも少し野中作画っぽくて、何でかというと、野中がキャラをフェード・アウトさせるときの作画は、こんな風にスッと消えるから。まあ大島作画の可能性も十分あります。


#03
20141213225643

20141213225644


20141213225645


20141213225646

3話は、アバンのあのシーン。ベッドでくんずほぐれつをする前のそろーり歩きもやってますね。ここが上手い。肩に力が入ってる(※驚かせようと思って)のを表現してて、ユウジの部屋を物色する作画もキョロキョロ感が出てて良い。枕に顔を埋めて身悶えるカットは、顔の動き方が凄まじく良い。押し付けて少し離れて、匂いを嗅いでが伝わってくる。画面外の上半身も動いている感じがして良いんですよ。この後の足を組み替えたりするカットがベッドシーンでは一番だと思うんですが、エロは消されるような気がして載せてません。あそこ上手い。



#06
20141213225647


20141213225639

6話もアバン。野中、アバンばっかすね。1個目はグリザイア野中のベストカットだと思う。右肩から出て行く自然な歩きのスタート、そして下半身しか見えてないのにビシバシ感じる重心移動。すげえ上手い。プリーツスカートの揺れ方もまた凄く柔らかくていいですね。2個目は同級生の小走り作画。一歩目の少し大きくストライドを取って、その後は歩幅を狭めて歩み寄っていくのがめっちゃ良い。ここも一歩目の時に、少し上半身が沈み込んでる。俯瞰アングルでも分かるのは凄いですね。

後はお墓参り後の、サカキの笑ってる作画もやってるかも。ここは別記事でも触れたとおり、大島縁さんの可能性も大有り。ちょっと話逸れますが、大島作画って少しコミカルなんだけど、やっぱ上手いですね。#01の大島パートもめっちゃいい。


という感じですね。
作監回に関してはまた後日、この記事に追記します。

久々のエフェクト記事で、こころぴょんぴょんしてます。
(※一期です)

■『ソードアート・オンライン(2012)』#19
20141205151554


20141205151555

黒田結花っぽいなと思ったんだけど、エンドクレジットで確認できず。(佐々木)政勝調のディテール少なめな感じの煙と爆発で胸躍った(こころぴょんぴょんした)。こういった、写実感ある爆発を見たのは久々な気がします。まずデフォルメの代表として、橋本・柿田作画というものがあると思うんだけど、それと政勝系作画どう違うのかというと、爆発・煙内部の線がぐおんぐおんと動くんですわ。あくまで、橋本・柿田作画は、全体のフォルムを動かすんであって、内部のディテールは高密度になるか、模様付け程度で終わるんだけど、政勝系作画って前回紹介した黒田結花みたいに内部の線が縦横無尽に動き回るんですね。それもただ動いてるんじゃなくて、爆発における「膨張」と「収縮」をきちんと内部の線で描いてるんですよ。それが格好いい。作画されたのは、柳隆太(『SAO』作監・原画)さんらしい。(※一応言っておくと、デフォルメ系は劣っているとかそういうことを言いたいわけではない。ただ単に、比較としてデフォルメ系のエフェクトを出してるだけですので。)


同#19
20141205151557

これなんかは色合いが完全に、アレだよね。言わずもがな、80年代後半の庵野秀明(『風の谷のナウシカ』『王立宇宙軍』)にそっくりなんですよね。初見は真面目にびっくりしました。でもこの色合いは王道的でいいですね。最近のエフェクト作画は、爆発はピンク・紫、もしくは濃いオレンジが、煙は灰色が主流だと思うんですけど、やっぱ赤黒と透過光って最高ですよね。さっきも言ったけど、「膨張」と「収縮」をフォルムの動きというよりは、内部の線の動きで表現してる。新しい爆発も追加してドンドンという感じで作画されてるから、パッと見は二次元的ですよね。濃い黒カゲがあるから、全体を通して見ると立体的になってる。


同#19
20141205151556

これは今回注目した人とは、また別の人だと思うんだけど(少なくとも1カット目は)、一瞬橋本作画かと思ってしまった。橋本敬史という人はフォルムで動かすと先ほど説明したと思うんだけど、他の特徴としてエフェクト内部のディテールは楕円形のカゲを多く入れるんですね。『機動戦士ガンダムUC(2010)』とか、最近だと『アルドノア・ゼロ(2014)』が分かりやすいと思う。

『機動戦士ガンダムUC』は橋本作画にかかわらず、全体的に橋本調の煙が多い印象。SNIPESこと、小林冬至生さんは、この『UC』でエフェクト作監を務められているんですが、橋本作画からの影響があったりするのかなあと思ってみたりしています。





#20
20141206141840


20141206141843


20141206141842

お話を『ソードアート・オンライン』のエフェクト作画に戻しましょう。#19のエフェクト作画は、柳隆太らしいということは分かりましたが、#20には参加してない。だから、このカッケエ煙と爆発はまた別の人ということになります。初見時は、(#19と)同じ人じゃないかなあと思ってましたが、今見ると結構違いますね。まあ、政勝系には変わりないんですが。特に、2個目が良かった。内部からぶわあっと盛り上がること(※内側から外側に向かって出て行く感じ)で、爆縮を上手く表現してる。

で、まあ調べていく内に鹿間貴裕さんの作画と判明しました(※gif3個目は確定的、1.2個目は微妙)。鹿間さんは個人的な印象としてアクションが上手い方、という感じなんですが、そういう人はエフェクトをあんまりフォルムで描かないんでしょうかね。ちょっと気になってくる。かの有名な井上俊之もさほどエフェクトをフォルムで描かないじゃないですか(※フォルムでガリガリ押さない)。まあ、あれはまた別の次元の問題なのかな…分かんないや。





オマケ#20
20141206141841

で、エフェクトついでにこりゃうめえという作画あったのでご紹介。キリトがリーファの腰の剣を取った後に、リーファが剣を探しているシーン。乳揺れまである。突然の事態に困惑しつつも剣を取り出そうとするけども、肝心の剣が無くて驚く描写が上手い。特に左腕の作画。剣を取り出そうとする、手の動きに方と肘が自然と連動していて上手い。『アイシールド21(2005)』で脚光を浴びた、石田慶一さんによる作画。

■時計じかけのオレンジ 監督:スタンリー・キューブリック

怖くて見れませんでした。
今度はちゃんと見ます。


■ゼイリブ 監督:ジョン・カーペンター

宇宙人によって、地球の経済活動などが支配されているという物語。サングラスをかけると、宇宙人の発している特殊な電波を遮り「本当の世界」を見ることができる。特権階級は、文明的にもはるかに進んだ宇宙人との付き合いを優先し、そのため格差が開いていたのだった。

主人公のキャラが最後までふわふわしていたのが、もったいない。彼という人物が何処から来て、何処へ行くのか、何が目的なのかということは最後まで明示されず、ただ「この世界を宇宙人から守るある1人の人間」 としか描かれず(つまり彼である必要性がない)、出来事優先の物語であったことは否めない。

しかし、サングラスをかえた時、雑誌、広告、ポスターに「従え」「消費しろ」「考えるな」と白バックに黒字で描いてある映像は見事だった。まさしく、消費社会への痛烈な風刺であることには間違いない。この作品がもっと世の中に浸透していない理由は前述の主人公の描き方と、ストーリーの展開の仕方だろう。 それでも、特権階級に属し、今の生活を守りたいと願うホリーの表現は素晴らしくエゴイストで良かった。





■サイコ 監督:アルフレッド・ヒッチコック

サスペンス映画の金字塔。おそらく後続作品の、二重人格者や精神障害者をモチーフとした作品で影響を受けていない作品は無いだろうと思うぐらい古典的演出が多い。特に、『レッドドラゴン』はリスペクトに近いものを感じる。鏡を使ったトリック、不安を煽る高めのキーの音楽、残酷描写を見せずして、恐怖を感じさせる等々。 

しかしこの作品で一番こわいのは実は主人公の女の人だと思うんだよな。4万ドルって大金に目が眩んで、逃走を図ろうとしたり、考えがまとまらず焦って中古車を買ったり、旧道に入ったことすら分からないぐらい焦燥を感じていたりするのに、モーテルに着くと大金の隠し場所を変えるという冷静さを取り戻しているんだから。



■めまい 監督:アルフレッド・ヒッチコック

ジョン刑事がとある事件をきっかけに高所恐怖症になって警察を辞めるところから物語は始まる。結局、造船業に逆玉の輿を成功させた友人の妻殺しにまんまと利用され、その偽物である女性に好意を抱くが、あの悲しいラスト。何も言えない。

めまいと冠されているように、高所恐怖の表現は面白く、パースが伸び縮みするような画面が展開される。これは、後年のヒッチコック作品でも多分に使われる演出手法。それから、サイコとも関係するけど、ヒッチコックの絵コンテすんげー上手い。アメコミチックなんだけど、シャワーシーンの倒れる女の人の描写は素晴らしい。



■裏窓 監督:アルフレッド・ヒッチコック

足を骨折したカメラマンは、窓から住民の生活を覗くことを動けない生活の中での楽しみにしていた。真正面の夫婦は喧嘩が絶えず、ある日、その妻の方がいなくなってしまったことをきっかけに、推理モノとして発展していく。まず、カメラは殆どFIXでした。FIXで、PANするだけなのに、こんなに面白い映画があるとは知りませんでした。そして、残酷描写なしなのに、想像だけで恐怖を喚起させるのは素晴らしいの一言ですね。その失踪事件の解決だけではなく、裏窓から覗いていた住民の生活やらが移り変わっていくのも面白い。ミスロンリーが幸せになっているところとか、時間経過を上手く表現してるなと。

後は、ミニチュア・箱庭感が凄かったです。これどうやって撮ってんのかなあ。真面目にミニチュアっぽいんだけど、建物4つぐらいのカットはミニチュアで、カメラが寄ると実際の建物で撮ってるのかな。それにしても、ラストはフィルム早回しも相まって、緊張感高いフィルムになっていました。追い詰められた時、何でもいいから、使おうとするのは人間の本能っぽさが出てていいです。カメラのフラッシュなんて、どうせ無駄だ、なんて考えだったら、多分助かってないだろうし。



『裏窓』以外は11/17で書いたまま、アップし忘れていました。いやあ面白い洋画は一杯ありますね~。今はリドリースコット監督の「グラディエーター」が気になっています。

確実に更新が遅くなっている
(※ちょっとこれから内容薄めになるぞい!その代わり、話数感想とはまた別に特集記事を組むのでご心配なく。年明けると思いますが…) 


アバン:士郎とアーチャーの色々

A:ワカメ殴りたい
・美綴さん救出(これ大丈夫なの?)
・ワカメ氏ね

B:士郎デレとキャスター
・デレ方が上手い
・キャスター登場



脚本・作劇・構成

03]47]
30]55]

同盟を結んで、学校に仕掛けられた呪刻を解く2人。そして、ワカメのウザさ。満を持してのキャスターの登場。アーチャーかっけえ、という感じの回でした。(※ごめん、正直2週間ぐらい前に見たから、もう記憶がほぼない。)ちょっと脚本だらだらしてる感じがありますよね、すごいゆったりと時間が流れてる。これは多分、分割2クールの後半に怒涛の展開をしたいという意図だと思いますが。今回は少し会社の絡みで見ていく。

ufotableとしては、「Fate/zero(2011)」 とこの新Fateによって、「ああ、Fate作ってる会社だよね」という印象を植え付ける狙いが当然あります。つまり、「型月コンテンツといえば、ufotableだよね」という風にしたいのです。そりゃあ、「月姫」だとかアニメ化するコンテンツは豊富にあり、ここで強い印象を植え付けておかない理由はないのです。

何が言いたいのかというと、ここでufotableが手を抜いても得が全くないわけです。「DEENの方とそんな変わらんなあ」となってしまえば、型月(きのこ)との繋がりは強靭なものではなくなってしまうわけで(※これはファンから見た目線での繋がりです)。だから、大真面目にやってる。このずっとダレ場な感じの(※悪く言うと退屈な)脚本も、ガチでやってると思うわけです。後半に怒涛の展開が待っている、そのためのタメのようなものだというわけです。今はちょっとだらだらしてますが、後半は凄いモンが待ってるのではないかなあと。





作画・画面構成


これは演出の範疇だと思うけど、士郎のデレ方、セイバーを前にして集中できない描写が良かった。 

07]24]
22]17]

「士郎、集中を欠いているのではないですか」というセイバーのセリフに対し、与えられた画面が2つ目の画像からラストの画像まで。これは士郎の視線のキョロキョロ感を上手く出してるんですわ。最初は何処に目をやったらいいか分からないから、お腹辺りを。次に、(顔全体は見られないから)こちらを見ているであろう目だけ(顔の一部分)を見て、最後に発声している口へと視線が移るわけです。

で、最後のカット。目から上が画面外で、唇が強調されています。艶やかさが特に強調されて、士郎がセイバーのことを「異性」として対象化していることが分かると思います。ここが上手いなあと。特に唇のカットは古典的な方法なんだろうけど、この3枚の連続した細かいカットが良かったのかな。



後は、キャスターにとらわれて目覚めるまでのフラッシュカットとアーチャーの弓カットも良かった。

47]13]
14]16]
18]

最初は、アーチャー目線なんだけど、途中からキャスター目線に変わるのがいいんですよね。臨場感が増すというか。



そんなところです。 

↑このページのトップヘ

©GOMISTATION 2012-2023 All rights reversed