GOMI→STATION

さむくてエモい時期です

2015年08月

増尾エフェクトの大区分として、
初期(81-85)、中期(85-88)、AKIRA本谷・王立庵野以降(87.88-95)、エヴァ以降(95-07)
http://royal2627.ldblog.jp/archives/39581116.html

というのを、以前、設定しました。
今回はエヴァ以降の時代、特に1998~2005.6あたりに関して少し整理したいと思う。

この時代は、山下系であった初期や板野系のまん丸なフォルムを取り入れていった中期など、他の時期に比べるとインパクト薄いんですが、今現在の増尾エフェクトの形をなす前身の時期であり、楽しいです。「アギト」の時期になるともう殆ど完成されだすんですけど、「エヴァ旧劇」とか「メルティランサー」の時はまだ固まってない。

おさらいをしますと、この時代は、AKIRA本谷・王立庵野など立体的な煙を描こうとするムーブメントに影響を受け、それまでシンプルな球形であったフォルムが顕著に変化しています。具体的に言うと、ボコボコとした不規則なフォルムの煙。こんな感じ。

21]45]
(左:ジャイアントロボ 右:無敵王トライゼノン)

エヴァ以降の増尾エフェクトは、このようなボコボコとした不規則なフォルムになり、そのフォルムが小さくなったり、大きくなったりすることで煙の動きを作画しています。


今回は、このエヴァ以降の時代の一番特徴的な”フォルム”と”透過光”に分けて、ちょっと追っていきたい。


<1、フォルム(お団子煙)>

これは旧劇とルギアの比較でも述べたんだけど、あのボコボコ煙の中でもすごく一つ一つが立体的な球形で構成される、通称”お団子煙”です。

フォルム比較01
(増尾フォルム)

この時代の増尾エフェクトは、こういうフォルムで立体感を描写しようとしているのが多い。
ディテールはそれぞれ異なっていますが、一番外のライン、つまりフォルムの中心である輪郭線の形がまずボコボコしてるのが分かると思う。そんで、大小異なる球形をたくさん入れて作画してるんですね。これらをまとめて「お団子煙」とすると、分かりやすいのではないかなと。

ちなみに、全体のフォルムは橋本敬史に昇華されて、引き継がれているのではないかなあと思ったり。初期の橋本(「YAMATO2520」とか「ぼくらのウォーゲーム」とか、90年代後半あたり)とエヴァ以降の増尾のフォルムってすごいクリソツなんですよね、ホントに(※これについてはあんま聞いたことないから、常識レベルなのか分かりませんが…)。2人が一緒に参加されてる作品もそこそこ多いので、パート判定の時に苦労する。これはなんか庵野増尾の関係に似てますね。



<2、透過光の整理>

そんで次、爆発の強い光を表現するために使われる「透過光」の特徴について。比較的、増尾さんは爆発本体(爆発の内部)に装飾的に透過光を入れるタイプではなく、強い光については大抵「白コマ」か「板野光」(『幻夢戦記レダ』などで見られる、クロス光の回転と複数の点を透過光で光らせる手法)で表現するほうです。

そんな増尾さんにも透過光、90年代後半~2000年代前半にかけては、ちょっと特徴があって。次の図をご覧頂きたい。

透過光比較01
(増尾透過光)

こういう感じ。ほぼ全面の透過光が弧を描いて、その上に煙が乗っかっている。透過光の動きに合わせて、煙も一緒に動いていくという感じですね。簡易図を用意しました。サザエさんとか言ったら殴るぞ。

増尾90年代後半の特徴

(増尾透過光:図1)

こういう感じに巨大透過光の上に煙がくっついて、一緒に連動するみたいな。まあちょっとgifで見てみましょうか。

■劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕(2000)
20150730005731


■YAMATO2520(1994-6) 01話
20150825012057


こんな感じに透過光を使います。どっちもタイミングがいいですよね。すごく膨らんだところで一回止まって、タメを作ってから加速する。これもまた、増尾エフェクトの特徴でして、急制動・急加速のタイミングが面白いんですよね。初期らへんの橋本爆発との比較もいつか出来ればイイナー。そんな感じで終わり。 

■gifの作り方(参考例)

[フリーソフト]
MPC-HC (「エムピーシー」:画像スクショ用)
Ralpha (「ラルファ」:画像リサイズ)
GIAM (「ギアム」:gif作成用)

openAviToGif (「アビトゥージフ」:動画からのgif作成)


gifを作るときは、基本的に後述する2つの方法が主流と思う。


一つ目は、スクショした画像をgif作成ソフトにぶち込む方法。

(1)画像をスクショして、(2)リサイズ(画像の縮小)して、(3)gifを作る

1のスクショはそのまんま、スクショできたら何でもいいけど、MPCが非常に直感的で使いやすいのでおすすめ。スクショした画像は、そのままだと1920*1080とかなので、ファイルのデータが大きくなってしまう。データが大きいと、サイトが重くなる可能性が高い。そこで、ラルファくんで画像を小さくしてあげる。これが2のリサイズ工程。最後の3は、ギアムにリサイズした画像をぶち込んでタイミング弄って、完成の工程。

スクショのやり方は、1コマずつ取るか、もしくはコマが動いたら取るかの2択。スクショしたやり方によって、ギアムでのタイミングが少し違うけど、そこは「習うより慣れろ」精神で。これは慣れればそんな難しくはない。MPCもキーコンフィグの設定とかを済ませれば、すごい使いやすい。ギアム・ラルファはちょー簡単。直感的でUIも分かりやすい。

二つ目は、動画データ(もしくは動画URL)から直接gifを作る方法。

youtubeのURL指定をしてgif化するWebサイトとかもあるけど、これだとあまり細かい調整ができない。フリーソフトの「アビトゥージフ」が調整しやすい上、そんな難しくもないのでおすすめ。動画ぶち込んで、ちょっと設定して後はソフトがやってくれる。この記事が分かりやすい。

フリッカーのgifを作る時は、一つ目の方法で全然うまく行かなかったので、こっちでやった。5回ぐらい失敗すれば、大体わかります。でもあんまり使う機会ないかなあ。


■WORKING!!! (◎)

安定。ど安定。ギャグテイストとシリアスを上手い具合にやってる。3期ではシリアス目になると思うんだけど、そこのコントロールが初監督とは思えないほど上手いっすね。絵も良い。2話だったと思うけど、シワ良かった。ちょっとディテール凝り過ぎてるかもしれない、もうちょっと抜いても全然良い。


■GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

そこそこファンタジーな自衛隊戦記。いろいろ言われてるが、そこまで悪くない(※「エルフっすよエルフ!」みたいなTogetterまとめがあったけど、あれは酷い。面白くないのはわかるが、話の展開をねつ造するんじゃねえ)。しかし、描写不足が目立つ。特に1話から2話にかけては「俺1話飛ばしったっけ…?」と思うぐらい、描写の不足を感じた。ただ、エフェクトを中心に絵(特に黒田煙)はすごく良い。それだけにもったいない。

「きんいろモザイク」見て心の中で謝罪したけど、やっぱ浦畑に全体構成任すの良くないと思う。「ブラック・ブレッド」も所々描写不足だったし。でも、「アカギ」とか「咲-Saki-」は脚本上手いんだよなあ。もしかすると、浦畑に責任はないかもしれない。浦畑さんじゃなかったら、誰がこんなに削ってんだろうか。やっぱ演出かなあ。


■干物妹!うまるちゃん

ちょっとガチで不快だったので視聴を断念した。これは「心底クズな宮沢雪野の話」と思う。ゆきのんが不快でないのは、彼女の能力が血が滲むような努力によって発揮されていると分かるから。「うまる」の場合は、あくまで天才設定でお話を展開させるんだけど、それだとちょっと痛い目(お兄ちゃんがガチで怒って飯が食えないとか、これからあるかもしれないけれど)を見ないと中々納得ができない。少女漫画のイケメンって大抵すごく辛い目にあうから、バランス取れてると思う。


■監獄学園 (◎)

今季ナンバーワン。これは良い。エロコメディ友情アニメ。漫画まで買ってしまった。これはエロメインと思われそうなんだけど、本質はそこじゃないんだよね。本質は、青春群像劇。添え物としてきちんと男子高校生的な目線からエロを描いているのが良い。「このエロあるあるだよね」みたいな、共通言語がすごく良い。原作もいいんだけど、またアニメにも違った良さがある。


■のんのんびより りぴーと

1期そんな真剣に見てないけど、面白い。これは時間感覚がとてもゆったりで上手い。彼女たちの世界(描かれる世界)と、舞台世界の大きさがほとんど一致してて、そのために時間感覚がゆったり(※テンポが悪いとは思わなく)に感じると思う。定規遊びのとこにアカギのサントラ流して遊んでたら、謎シリアスになって面白かったです。 


■それが声優

2話ぐらいまでしか見てないけど、続きを早く見たいとは正直あんま思わない。画は劇中劇のアニメといい、すごい良い。そもそも、5分アニメだと思ってた。佐々木政勝をこれに起用していることについては、もう語らない。だけど、EDだけは今季の中でも一番だと思う、このEDはよく出来てる上手い。


☆気になってるヤツ
・GANGSTA


大体こんなとこ。視聴意欲の沸かせ方って何かありますかね。募集したい。急募。

■GATEはいまだ正確に論評されていない

GATEの感想といえば、政治思想がどうのこうの、描写の正確性・精緻性がどうのこうの、これは正しくないのではないかいやこっちが正しいのだどうのこうの、すったもんだの言葉(思想)遊びをしている状況と思う。

僕としては、描写の正確性、整合性にこだわるべきではなく、むしろその描写によって何を伝えたいのか、何を視聴者に分かって欲しいのかという点をまず第一に考えるべきだと思う。これは再三言ってきた、「画面を純粋に、実直に、素直に受け取る」ことであり、たやすい。画面にバイアス(個人的な政治思想、嗜好、その他諸々の不純物)なるものを入れるのを出来うる限り避け、その体験をなるべく純粋にしてやるべきだ(どうやったってバイアスは「筆者」が存在するの時点で入るものだけれど)。

政治的なお話とか、自衛隊の描写の真偽とか、そういった「作品外」の話はその体験の後でようやっと考えるべきことである。そういった行いを、映像の初体験に含ませてしまう事は、その作品・事象に対して侮辱的な行為になりうる(特に未見の人々に向けて必要でないバイアスを生む)、と今回のGATEを取り巻く状況を鑑みるに僕は改めて思う。

体験はいつも出来うる限り純粋であるべきだ、と思う。その後で、しかるべき解釈をすればいい。


WORKING!!!公式サイト http://www.wagnaria.com/

人気シリーズ第3期、監督の鎌倉由美はこれが初監督作品
制作はA-1 Pictures、キャラデ・総作監に足立慎吾

これWebの猫組時代から読んでまして、アニメをさほど見ない自分が実は1期から全部見てる貴重なTVアニメ作品だったりします。何やら、猫組の方は今度本として出版されるそうで。すごいコンテンツになりつつある。

<OP>

(絵コンテ・演出:大畑清隆)


1期から続いていますが、大畑OPホントいいですね。
ポップにカラフルで楽しい。 

大畑OPの特徴といえば、
音楽に合わせた小気味いいカット割り、記号的な背景、シルエット影、の3つです。
特にこのシルエット影の存在がでかいと思うのだけど、何でかは分からん



ココらへんの、山田の小刻みな動きも良かった。
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(OP 山田決めポーズ)



#01
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26]

#01アバンは、ぽぷらの目線で描かれていて面白かった
POV煽りアングルは、キャラ紹介にとても効果的と思う。


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(#01 17:00頃 ウザ山田が楽しく走って行くシーン)

ここの作画激ウマだった
ぐわあっと横切るんで、画面の奥行きがヤヴァイ
地味に髪とスカートのリアクションも良い 



後は、この辺も良かった
22]
(山田皿運びシーン 足首グキー)

「あっあぶねえ」みたいに思わせるタイミングが上手い


お話は…
面倒くさいほぼキャラ紹介だったので割愛


お話を忘れている方々は、

・轟と佐藤の恋が微速前進していること
・山田兄は小鳥遊にとってそこそこうざい存在であること
・山田はうざい

ぐらい押さえておけば、多分見れます



にしても、

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(OP 店長ホームラン)

巨人に来て欲しいぐらいの強打者スイング。フォロースルー綺麗すぎる
おそらくバレンティン・エルドレッドあたりのスイングを参考にしたに違いない


まあということで、ワーキンもぼちぼち感想書きますが、
そんなに期待しないでね 

マップ兵器表現に久々に触れたいと思いますが、
そもそも「マップ兵器表現」ってなんだよという人は下記のリンクを参考に…

3人のアニメーターが完成させた、「マップ兵器」表現の変遷とその影響
最近の「マップ兵器」表現と、”記号的”に対する大事な考え方  

読むのが('A`)マンドクセな方のために概要を書いておくと、「クラスター爆弾のような広範囲、網羅的な攻撃による戦闘描写を、丸爆発で記号化した」という感じです。



まずは、おさらい的に少しマップ兵器表現を眺めて見ることにします。


■真!!ゲッターロボ 世界最後の日(1998/OVA) 13話 「閃光!!進化の果て!」
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トマホークブーメランによるなぎ倒し描写。光球爆発の大小による遠近感が上手く、奥行きが出ている。マップ兵器前のカットで少し右PANしているのがポイント。この遠心力あふれるカメラワークによって、その後のブーメランの動きが綺麗に見える。


■DOG DAYS"(2015/TV) 02話
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メルヘンチックなマップ兵器表現。もふもふ感があって良い。クロス光からのなぎ倒しビームで一閃して、それから煙になってる。これはビームの動きがすごく上手いです。画面を遮っているので、臨場感が増している。


■ガンダムビルドファイターズトライ(2014/TV) 25話
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伸びていくビームが良い。光球爆発は、大小様々で奥行きが上手く出てる。タイミングもうちょい早くてもいい気がする。ちなみに、同話はこの他にもたくさん良いマップ兵器表現がある。


■翠星のガルガンティア 〜めぐる航路、遥か〜(2014/OVA)
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丸爆発ではないマップ兵器表現。いやあこれは上手い爆発です。内部に巻き込まれていくように爆煙が展開していく。温度表現のための、色の移り変わりのタイミングが素晴らしい。こういう表現の意図がしっかり伝わってくるカットは、良いですね。


■トップをねらえ!2(2004/OVA) 05話
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これを紹介したかった。
白コマ多用のドドドンとしたマップ兵器表現。トップ2のマップ兵器は、とにかくタイミングがずば抜けて上手い。後、丸爆発が登場するときにぱぱぱっと光るんですよね。これも良い。増尾抜きとは思えないほど、白コマのタイミングが素晴らしい。


20150803021309

ノノがマイクロブラックホールの作るシーン。ここは爆発ではないので、白コマ等、画面のアクセント使用はない。その変わりに、緯線(赤いやつ)みたいなものを入れて立体感を増していることが分かる。ぷるぷる震えてるのがまた面白い。


20150803021310

ここはレイアウトの勝利。奥側からドドドンと光球爆発を展開させることによって臨場感が増している。変量重力源の表面の亀裂に遅れる形で、光球爆発が追い付いてくるのが時間差を感じさせて良い。

トップ2はこの他にも04話05話で多数マップ兵器表現が見られたり。
後日追加予定。



<「消滅」の要素とは>

さて本題に入っていきたいと思う。マップ兵器の原点である、「トップをねらえ!」の増尾昭一作画を何度も見直していると、この丸爆発って実は消えていくことに気が付きました。消滅していくんですね。


20150225200304
(トップをねらえ!#05)

このように丸爆発がその場でフェードアウトし消えていく。この消滅がマップ兵器の本質っぽいんですけど、重視している作品は意外と無い。「キルラキル11話」とか「ダブルオー劇場版」とかでは少し見られるんですけど、丸爆発が完全に消えてるのは少ない。


この「消滅」の要素が分かりやすいのは、この「ICE」03話の増尾昭一パート。

■ICE(2007/OVA) 03話
20150802230648

増尾作画。中野昭慶フラッシュがあふれるキレイなカット。(※本当は白コマ満載だったんだけど、目に大変悪そうだったので外してる)。これが上手いのは、光球が消えていっているところ。薄くなって、フェードアウトしていってますよね。


そんで、最近のだと、これがすごく良かった。


■結城友奈は勇者である 11話
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敵を一掃した後に、きちんと丸爆発の大群が消滅していくのがわかると思う。「多数の敵を攻撃した、そして敵は撃墜した」のが分かるように、丸爆発が光って消えていく。「光る」部分まではやっている作品が多いのですが、「消えていく」部分までをやっているのはあまり見ない。この消滅がとてもリアルでして、見ていて気持ちがいい。画面も何というか、一掃されてキレイになりますよね。

記号的な丸爆発が真に画面に映えるためには、桜じゃないですけど、散った後の枝を映すことが必要というか。丸爆発がない状態の画面が大事というか。そんな気がしています。

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