2017年04月

どうも、便乗シリーズ第二弾です。「けものフレンズ」は3話が一番好きです。

あらかたの感想・批評は出たと思います。ロボやセルリアンのSF感や、ジャパリパークの不穏な感じとかはもう語り尽くされていると思うんで、僕は別の視点から言及したいと思う。



実際見たところ、よく言われる不穏さとかそういう事を僕は感じなかった。ロボについても、人がいない錆ついたジャパリパークについても、不穏な感じはさほど受けず、むしろ、誰もいない廃墟を、自分だけの世界として巡ることに、自由さ・開放感を感じていました。


そのけもフレで感じた手触りと似ていたのは、
「ドラえもん のび太の鉄人兵団」と「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」などです。 




鉄人兵団01鉄人兵団05

鏡の世界では、あべこべな事と無人以外は、元の世界と何も変わらない。何をしても全て自由な世界でした。買い物に行くシーンが良いんですよ。レジ通すんだけど、けっきょくみんなタダっていう。空き地で、焚き火しても怒られない。こんな風に自由だけれど、それにつきまとうものもある。


鉄人兵団03

それは、自衛という義務です。他の惑星から来たロボットたちはこの鏡世界を地球と勘違いし、攻め込んできますよね。ここで、ドラえもんたちは、自分の身を守らないといけない。だから、ロボット感知器みたいな線を引いたり、やまびこやまを置いたりして自衛する。



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「ビューティフル・ドリーマー」の『夢世界』も同じく、あたるたちは好き勝手に廃墟化した町で遊びまくります。ただ、食料の管理はあたる母の許可制と、規則を設けて義務としている。


要するに、これら2つは、自分の好きなように生きていい、そういう世界ですよね。そこには、自由さから生じる義務(自衛)や責任もあるけども、それを差し置いても、得がたい「自由さ」がある。


けもフレも、構造としては、これらとほとんど同じなんですよ。かばんちゃんとサーバルがいる。で、彼らは、何をしてもいい。かばんちゃんは自分が何のフレンズか分からないから、自分探しの旅へと出かけるわけですが、その道中もサバイバルですよね。やっぱり、自分の身は自分とサーバルで守りつつ、そして助けられつつという感じで、やはり構造は似ている。


けもフレの大ヒット、大人気の根底には、こういった自由さ・開放感があると思うんだけど、触れている文章がなかったので書きました。まあ、ぶっちゃけると、森恒二「自殺島」がもっとも「けものフレンズ」と近いんですよ。あのサバイバル感と、作者の自己体験を挿入するところとか、めっちゃ近い。気が向いたら続きを書くかも。



大人気ですね、けものフレンズ。このブームには便乗していこう

全編フルCGの拙さは各所で言われているとおりですが、エフェクト、特に炎に関しては、けっこう出来が良かったと個人的には思いますよ。



07話
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カレーを作る時の炎ですね。これは火が2個あるんだと思う、内炎と外炎は基本的には、同じ動きですから。ちぎれた炎が空中へと浮かんでいくんですが、それを細かいガヤで描写している。


12話
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05話と同じく、引っ張られて、ちぎれた炎の消滅を描写。あとは、さっきのもそうですけど、動き方がフォトリアルで好み。いいゆらぎ方なんすよ、あっちいってこっちいってという感じの動き方で。ここは特に大事なワンシーンだったんで、エフェクトにも力入れたと思います。


ロングショットの船上における炎も良かった

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あと、これは炎じゃないですけど、

05話
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ジャパリバスが再始動する時に、タイヤから生じた煙。CGにしては、珍しく2色で構成されている。フォルムが惜しい感じはするけれど、煙の発生や広がるタイミングはとても良い。



冴えカノ2期です

まあぶっちゃけ、ぼくは1期で満足しきっていて(彼らの旅路はこれから続いていくんだ的なエンドで良いと思った)、2期はいらない、必要ではない、蛇足じゃねえかなあと。そういう考えの元、2期を見たわけですが、必要かもしれねえ、いや微妙だなあっていうのが、今の率直な感想です。

先に言い訳しておきますが、考えながらに書くので、文章が長くなる。3行以上読めない人ばかりでしょう。だから、メイドラの記事と同じく、読み飛ばして良いです。たぶん面白くないんで。



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冴えカノの面白い部分は、ゲーム制作の中での衝突やその解決、まあそういった所だと思うんですが、2期1話でも結構、普段見過ごされがちな所に突っ込んで作ってますよね。



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1年前に、エリリは倫理くんに勧められて、霞詩子の「恋するメトロノーム」を読み感動した、そして作者にも敬意を抱いた。サインを欲しがり、本棚に丁寧に飾った。そのラノベも含めて倫理くんと語り合いと思う中で、屋上でイチャラブする女、詩羽先輩が登場し、彼女の存在にひどくイラつき、ドギツく当たるわけですが、なんと詩羽先輩は、作者、霞詩子その人であった。で、葛藤するわけです。


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エリリにとっては、作家としての霞詩子はサインを欲しがるほどに大好きだけれど、現実でトモヤとイチャラブされる詩羽先輩は嫌い。嫌いというか、私のトモヤを取るんじゃねえみたいな、嫉妬心がある。こりゃあ、「作者と作品の関係」について、よく踏み込んでるなと思う。

インターネットが発達し、SNSで作者が発信できるようになると、僕らはたびたび、幻滅しました。ドギツいネトウヨ発言を日々垂れ流すアニメの作画監督とか、五体不満足で、立派な本を出しといたくせに、不貞行為をしてネットでは言い訳を繰り返す人とか、まあ数知れません。こういったのは、ハロー効果っていいますね。



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で、エリリは、自分のプライドとして、詩羽先輩には頭を下げてまでサインをもらいたくない。「作品は好きだけれど、あいつは認めたくない」と。そんな中、詩羽先輩も、エリリの存在(私の倫理くんを困らせて!)に苛立ち、彼女の美術部の個人部屋へと赴きます。で、詩羽先輩もエリリが同人作家であることに気づく、いや、そんなことよりも衝撃だった、彼女のイラストの妙を認めざるを得なかったのは、イーゼルに立て掛けられていた、キャンパスの絵でしょう。



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詩羽先輩はそのとき、素直に感動してしまった。作者がいかに偏屈であっても、クズであっても、どうであれ、圧倒的なものを見せられて感動してしまえば、素直に認めざるをえない。「作者と作品は分ける」というよりも、「作品がすさまじければ、作家がどうとか関係ない」という風に判断をした。そして、1年後に、お互いにサインを求めた。これは、「作者と作品の関係」に対する一つの答えですよね、素直になれよと、それがよく描けていたと思う。

「冴えヒロ」と呟いた人を片っ端からブロックしていく、どっかの難ありキャラクターデザイナーも、僕は絵に惚れているので、まあ関係ありません。そういうことですよね。


◆中国アニメ「武塾」PV
http://www.bilibili.com/video/av9523138/


※詳細は以下サイト様より
中国のアニメスタジオ緑怪研による拳法学園アニメPV 「武塾」
(※中国アニメブログ ちゃにめ!様から参照・引用)

(※なんか話題になってますが、こちらのページは「中国アニメブログ ちゃにめ!」様の記事から、エフェクト作画だけを抽出した、すなわち、便乗しただけのゴミクズ記事なんで、SNS等で等で共有する際は、こちらではなく、上記サイト様の元記事の方をシェアしてください。心が助かります)




・キック後の煙
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煙の膨らみ、ハイライトも良いのですが、このPVでもっと面白いのは、煙の中のシルエットですね。


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煙の中にキャラがいる。そのキャラのカゲを、全身のシルエットとして映すのではなく、身体の右半分、とくに右肩から右腕あたりまでを濃く描くことで、煙が流れていく様子を丁寧に表現する。煙は、画面左から右へと、流れていく。ここで、やや右肩に引っ張られる形で、シルエットのカゲが移り変わっていく。こうすると、キャラの存在感は出るし、流れる煙じたいの爽快さも強くなる。


このシルエットの使い方は、別のカットでも見られました。


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これは机のシルエット。こういうの考えるのってたぶん、クソめんどいんですよ。煙の中にある、物体に対して、どういったカゲが付くのか、それを真摯に考えて、描いて挑戦している。


・急制動で煙ぶわあ
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[追記]原画:光学核心

キャラ作画(CGガイド)+エフェクト作画

キャラが速いスピードで入り込み、急制動。その結果として、煙が2つ発生している。最初の煙がブレーキの煙で、その後に、キャラクターを通過する煙が急制動のために起こった煙かな。ここの肝は、なんといっても、ダブラシの使い方。


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煙が手前にあるときは、ダブラシておいて、


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奥側に行った途端に、ダブラシはなくなっている。これで、はっきりと、「煙が身体を通過した」と分かるわけです。だいたいは、こういう場面って全部ダブラシでやっちゃうんですけど、明確な意図を感じますよね。この煙は、身体を通過してんだぞ、と。物体的じゃないんだぞ、と。

袖に引っかかってる煙も細かくていい。ディテールとは、単純にハイライトやカゲのような装飾だけではなく、こういった細部の丁寧さもあるんでしょうね。


この通過煙はスゴく良い。たぶん、新興エフェクトの理想の一つじゃないかなあ。煙を物体として描くことよりも、”現象”としての煙をもっと全面に出したい、そういうのが新興エフェクトを描く人たちの考えだと自分は思っていますが、これは巧みに現象をアニメに落とし込んでいる。


<参照・引用文献>
中国のアニメスタジオ緑怪研による拳法学園アニメPV 「武塾」


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