GOMISTATION-α

気楽な秋

2017年07月

増尾昭一さんが先日、7月24日に急逝された。

訃報 株式会社カラー
http://www.khara.co.jp/2017/07/26/15601/

関係者でもないヤロウが追悼するなど、どこかおこがましいと感じた。しかし、増尾作画に感動した事実があり、氏の作画や作品に没頭した日々は否定できない。誰よりも詳しいとは思わないが、この世で誰よりも増尾作画が好きではあると思う。僭越ながら、追悼する。

爆発にここまで興味を持ったのは、増尾さんがいたから、増尾作画が燦々と輝いていたからだ。エフェクトに没頭することなどなかった。言い出せばキリがないが、特に「銀色の髪のアギト」における作画は、素晴らしい。画面の前で、ただただ圧倒されるだけであった。増尾作画を見るたびに、様々な工夫や実験が垣間見れた。今のエフェクト作画の土台を築いた、と言っても過言ではないと思う。

そして、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」では特技監督を務められ、”エヴァ”の世界を支えた。特技監督としての増尾さんは、作画から撮影、CGと多岐に渡り、画面のクオリティアップをなされた。増尾特技監督抜きで、ヱヴァの画面は語れない。素晴らしいものをありがとうございました。

残念です。57年間に及ぶ人生、大変にお疲れ様でした。この個人の言葉は、余計な荷物とはせず、大事なものだけ抱えて、彼岸へとお旅立ちください。



脚本・演出・作画


28]

これまでの中で最も面白かった。まあギャンブルにはもう何も言わないと先週決めたので、内容を追っていくことはしないけれど、夢子の煽りブラフ、煽り耐性ゼロの糸目おばさんの描き方が良かった。煽りブラフってそうだよ、これがギャンブルアニメだよなあと思い出した。煽って煽って、相手を挑発して、実はただのブラフでした、挑発に乗った相手が後から気付いて、ハッとするタイミングが良い。ただ、「様子見とけ」と生徒会から言われたにも関わらず、安易に挑発ブラフに乗っちゃって案の定負けちゃうのは、生徒会役員の強さ、ひいては会長のラスボス感を増幅させるのには繋がらないのでは?

だいたいなんだよ、「生と死と」って名前はよおダセえんだよ、ギャンブルアニメっていうのは、こうもっと、ギャンブルの名前からカッコイイもんなんだよ剣の刺さる位置が任意で決められるのは百歩譲るけどそれがなんで二十四だったかってまさかの西洞院だったからなの?そんなダサい理由で何のひねりもなく本当に決めたとしたら頭おかしいと思うし勝算なくてもいいとか言い張ってんのになんでラストバトルは二十四に刺さってるのが確定的に扱われてんだよとかおかしいだろお前さWeb漫画続けてたほうがみんな幸せになってONE先生みたいにちゃんと自分の漫画がアニメ化されたんじゃねえのかキャラクターじゃなくて作者のほうがよっぽど短絡的すぎねえかお前牛乳先生時代のほうが



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やっぱり…映像は最高やな!ここのシークエンスは相当かっこいい痺れた


三点透視+3D背景(広角気味?)+剣にフォローPAN


あと、糸目おばさんの吐息

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まさか賭ケグルイでエフェクトが見られるとは予想外。ちょっとぼかしかかってるかな。このじんわり感、ああ腹の底から、夢子への憎悪が詰まっている感じがして良い。フォルム見ると政勝さんぽいね。


そうそう!Aパート序盤の早乙女の動きめっちゃ良かった。

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ちょっと右に身体預けて、反動で踵を返して部屋から出ていく。呆然自失の早乙女の足元がおぼつかない感じをうまく表現してる。俺もパチンコで5万ぐらい負けたらこんな感じになるからよくわかる。だれが書いたかは分からんな~



レイアウト

23]

パースが効いて奥行きが出ている画面。安定感がある。なんか良いですよね、なんでだろう。なんか良いけど、パースが効いてる、で終わらすとちょっとアレじゃん。もうちょっと踏み込みたい。画面左、屏風あたりの空間が気になる。


写真の構図-三角構図
http://space.geocities.jp/kawananoriyuki001/kouzu.html#sankaku


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なんかこじつけっぽくて、これで良いのか悩んだけど、3人が安定しているからかなと。じゃあ、左側の空間はなんのためにあるんだよとか思ったんだけど、これは消失点の問題かなと思う。消失点は、糸目おばさん付近にあって、糸目おばさんを中心にすると、空間が大体同じになる。だから安定してるのかなーと思いました。いろいろ読みましたが、ぶっちゃけ、よく分かんないです。



あまりのひどさに腹を立てていたが、今記事でもう終了。賭ケグルイの全貌を明かす。


32]

温度によってジュースカードの模様が変化する。で、トイ少女の趣味は、生爪マニキュア集めなので、これを使わない手はない。この時点で、マニキュアをオチに使わないのは、自分にはクエスチョンマークでしかないわけですよ。マニキュアということに何か伏線を敷いているべき、とまでは思わないけれど、第一印象で派手なマニキュアを描いたのであれば、何か関係があって欲しい。少なくとも、俺だったら、そうする。生爪コレクションだから狂気を感じるやろなんていう、ただのグロテスクな描写で狂気を表現できるのは浅はかに思う。まあ、この辺は個人的な願望なんで、どうでもいいです。

それより、もっと大きな問題点があります。原作からして、「イカサマや気付きをなるべく描写せずに隠そう」という感じなんですけど、これが致命的な失敗点ですね。ギャンブル漫画というのは、コナンくんみたいなミステリーのジャンルに近くて、要は謎探し推測ゲームなんですよ。「こいつイカサマしてるかも?」というのと同じように、「こいつが犯人かも?」と僕らが思うのには、何か怪しい行動があるからですよね。怪しい行動には、逆算的な動機があるんですよ。

これ書いてて思い出したんですけど、
名探偵コナンには「山荘包帯男殺人事件」という回があります。これで、「賭ケグルイ」を中心に巡った、ギャンブル漫画についての俺の言いたいことは伝わると思うので、説明する。

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蘭とコナンは、園子の映研同窓会に招待されて別荘にやってきた。そんで、例のごとく、殺人事件が起こるわけなんですが、その過程で、なぜか蘭が執拗に狙われるんですね。3回ぐらいは命を狙われたはず確か。ここで、まず「犯人が蘭に執着している」という、”怪しい行動”が分かりますよね。


<怪しい行動の逆算>
犯人が蘭に執着している

蘭が命を狙われるだけの理由がある

でも蘭には、命を狙われる理由が分からない+恨みを買っていない

蘭は、無意識的に「犯人の弱み」を握っている←これが動機


という風な流れになるんです。キレイでしょ?


ネタバレに移りますが、「包帯男」が女性を森の中でバラバラにして殺害します。包帯男は標準的な体型だったために、真犯人である肥満体型の男は、誰も疑わなかった。犯人が蘭に固執したのは、別荘に着いた時に、「自部屋がわからずに、蘭が他の人の部屋を開けて見た」という行動に起因するんですよ。その時に、肥満体型の男の着替え(本当は痩せている)のを偶然見てしまった。この体型マジックは、犯人の肝だった。だからこそ、これが「犯人の弱み」であり、犯人が蘭を執拗に狙う理由であり、劇中における伏線になっているわけです。

「蘭が着替え中の犯人を見た」「執拗に犯人が蘭を狙う」という伏線があってこそ、最後に明かされる、「お腹のスペースに、生首入れてました」というトリックにより大きな衝撃を感じるんです。それは最後の結果を見て、「ああ、だから、犯人はあれほどまでに蘭に執着していたのか」と、合理的に納得できるからなんですね。


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ここまで言えば分かると思いますが、「賭ケグルイ」も同じです。ミステリー漫画における「怪しい行動」の描写に相当する、「怪しい言動」の描写がまったくないんですよ。投票ジャンケンであれば、蛇喰の観察や言動の描写、ダブル神経衰弱であったら、ジュースカードへの気付きという伏線描写を設けないと、読者からは「蛇喰がいつ、どうやってそのイカサマを看破し、いつから逆手に取ろうとしていたのか」がわからず、消化不良になってしまう。結果を見ても、イカサマを看破した手段も瞬間も分かってないわけですから、納得ができない。「天才だから見破ったんだね」という強引なロジックで済まされるので、面白くないと感じるわけです。



愚痴多め、もう来週からは作画言及だけでいいや。


脚本・構成
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「この人には恐怖ってものがないのか!?」
「そんなこと人間に可能なのか…?」
「全てのカードを覚えていたのか…?」

狂気」というものは言葉で説明すればするほど、絵面としてはダサさを帯びていく。狂っている様なのだから、言葉では本来説明できないものであり、それを上記のようなセリフで補おうとすると、ますます「狂気」の説得力がなくなっていく。


ギャンブルは、もういいよ不満しかない。これなら、蛇喰と早乙女が20分間ずっとストッキングを脱ぎ履きする映像の方がマシ。

・ツメかけて2000万奪い返したのに、それ以上吹っ掛けない
・ジュースカードに気付いた描写いっさいなし
・トイ少女べらべら全部ネタバラシ
・蛇喰は、それ以上の(「致命的なミスしとるで!」的な)説明せず
・家業を攻めたはいいけど、現実的な妥協点を突きつけない(というかボヤかしたよね)
・そもそも、ギャンブルをする目的が見えない


なんなのコレ?視聴者はヤムチャ視点なの?
駆け引きしないギャンブル漫画とか、ただのリンチじゃん。


相手「イカサマするやで~」

蛇喰「(はい分かった余裕)ニコニコ」

相手「こいつカモやな、もう一回仕掛けるで~」

蛇喰「ダメで~すwwwイカサマバレとるで~www」

相手「イカサマばれたんご…(こいつ強すぎ…狂ってる)おわりで…」

蛇喰「もっとお金かけようよ!ギャンブラーならさあ!」

周り「蛇喰は狂ってる…」

このパターンしかねえじゃねえか。駆け引きも読み合いも、心理戦もない。
なんなのこれ、ストッキングだけ見とけってことなの?




作画・画面構成


カードの質感
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(ここ何でポン寄り風にしたんだろう?赤同士だからミスがわかりにくい)

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ペロンとめくれて、反動で少し上に跳ねる。カードアクションはめっちゃ良かった。


Bパートラスト

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やや煽りのアングルから、迫ってくる蛇喰。髪の毛を空中で乱舞させ、顔を前のめりに描くことで、抑えきれない興奮を表す。それにしても、この顔の影はすごい付け方だなあ。

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しだれる髪の毛。これどういうアングルを想定しているんだろう。顔のパーツが立体的に浮き上がっている。そういや、田中宏紀のエフェクトはだいたい分かったけど、キャラの方はよく分かってなかった。けっこうパーツが際立つように描くんかな?


ああ、そういえば、Aパートのこのへんも良かった。

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ミケと化した早乙女。髪の毛がややボサボサなのが、やつれていてグー



ギャンブル漫画において、僕らが快感を抱く、面白い、すげえと思う部分とはどこなのか。

そのほとんどって、賭けに勝って大金を得たことより、主人公の思考・行動が勝利に至る過程なんですよ。小さな観察を何個も積み重ねて、勝てるように絞りに絞っていくけれども、それでもどっちに転ぶか分からない選択肢がある。そこで初めて、「何かに賭ける」という行為になる。この過程をすっ飛ばして、最初から賭けるのはただの運否天賦であり、ギャンブルジャンキーです。

この構造は、「嘘喰い」における「ハングマン編(廃坑のテロリスト編)」が分かりやすいと思うんで、順を追って説明していきたいと思います。


1、ギャンブルの説明
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ハングマンにおいては、ババ抜きが採用された。ババに書かれた数字だけ、ハングマン(首吊り機)の工程(全11工程)が進んでいく。当事者同士に発覚しないイカサマは不問。





2、思考の流れ/状況を、いろいろな角度から描写する


Ref01、先手後手を決めるじゃんけんの描写
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何かに違和感を感じる獏の姿を描写する。その一方で、第三者の視線として、梶の感想を入れる。



Ref02、ミスリードを誘う、第三者の描写


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(第5巻、最初のババ抜きで負けた直後の嘘喰い側陣営)

ギャンブルの当事者だけではなく、第三者からの思考も入れて、ミスリードを誘う。ここでは、梶の考え=獏の考えのように見せかける。獏の狙いは、まだ分からない。読み手側に色々と考えさせる。梶を通して描写することで、「ここは獏にとって重要な行為」ということを気付かせる。隠さない。



Ref03、繰り返し
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(画像右:3連敗し後がない状況の獏の手)

指でトントンする描写を何度も繰り返す。繰り返すことによって、それがただの苛つきではないと印象付ける。ただ、これが「何をしているか」までは分からない。絶妙な塩梅の描写加減。



Ref04、敵陣営の思考描写
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(同5巻:2戦連続、獏が勝った後の敵陣営)

敵の思考が混乱している様子を描写する。全ては、まだバラさない。「アレ」や「コイツのおかげで…」とぼやかすことで、何のことを指しているか不明瞭にする。ヒントは出すが、答えは出さない。それが、読み手に「何のことについて言っているのか?」を考えさせ、没頭させる。



3、ネタバラシ

ここまで書いといてなんですが、やっぱ読んでもらいたいので、ネタバレしない笑。全ての描写が大事であって、こんなちょっとした引用では伝えきれない。「ハングマン」においては、2段階のネタバラシでした。一度目は、勝負中に堂々とネタバラシをし、ああ、そういうことだったのか、でも、どうやってそれを可能にしているのか、まではバラさない。そして、勝負が終わった後に、全貌のネタバラシを行う。

読み直すと、「この描写も、あの描写も全て結びついていた」となるのが気持ちいいんですよ。勝つために何を行っているのか。イカサマをしている方は、それがバレないようにどのように振る舞っているのか。それが、ネタバレにならない程度の範囲で描き、読者にある程度の情報を把握させ推測させる。

全て分かってしまうように情報を描写しては冗長になるし、まったく描写しないのは後付になる。情報の小出しは、ギャンブル漫画の要ですが、こと「嘘喰い」においては、それが大胆なときがある。全て描写されているのに気付かない、しかも、それがミスリードやブラフだったりする場合がある。ここが「嘘喰い」において、最も感嘆するところです。


同じような構造は、「銀と金」や「カイジ」などでも見受けられます。ギャンブルの説明を行い、主人公が、それにもとづいて観察を行い行動をする。何かに気付いたときには、それをコマに入れて、描写する。主人公に、少し遅れてついていくぐらいの描写加減。で、最後に、ネタバラシをする。これが、まあ、一般的というか、自分が読んできて面白かったギャンブル漫画の流れです。

とにかく言えることは、まず1つは、主人公が観察している、何かに違和感を感じている、それらの描写がないと最後のネタバラシには意味がありません。2つに、この塩梅が非常に重要です。全て開陳してしまえば、もはや読者にはそれ以降の展開が手に取るように分かり、退屈になってしまう。まったく描写しなければ、意味不明、後付のように感じる。

以上の2点が、ギャンブル漫画において、まず最も重要と考えています。


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