ミチル過去回。
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(※今回から、少しタイトルに一言副題を追加。)


アバン:寝てるミチル

A:2人のミチル(上)
・死にたいと懇願するミチル
・埋められるミチル

B:2人のミチル(下)
・過去回想
・ホラーだった



作劇・脚本・構成
 
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ミチルの過去についてですが、展開早い割に上手い構成でした。最後のミチルの親友の自殺理由は、まあボロボロの服装で察してくれということでしょう。言うまでもなく、ミチルという親友ができたのに、それでも自殺を選ぶということは、レイプ・暴行をされたから。これは少し脚本的に巧かった。だって普通は、一度自殺から逃れた人が死ぬとなると、外部要因による病死とかでしょう。自殺を選ぶに至った人間が、再びちゃんと生きるというのは難しいという現実感があります。


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またツンデレ・ミチルが何故ツンデレの振る舞いをするようになったのか。それについての原因は分かりやすく描写されており、やはりただのツンデレではないことが分かってよかった。露骨な既存的・陳腐的なキャラ付けの裏には必ず意図があります。ツンデレに至った理由も説得力があり、納得できます。ここはバンクの使い方も効果的だった。


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ユウジの対応とミチルの葛藤の描写も良かったです。「お前の望みは叶えてやる」と言い、それを必ず遂行しつつも、素晴らしい先見性によって苦しんでいるミチルをようやく解放したことは、ユウジというキャラ付け(※それこそ「HAL9000」のような完全無欠な性質)にとって良かった。しかも、ここまでは弱点(※ギャップ)も見せていないのに、そこそこ魅力的な人物に見えているのは、素直だからでしょうか。いいですよね、素直さって。 




作画・画面設計・レイアウト

野中作監回。(ノット原画)ですが、さほど野中っぽさは無かったと思います。病院のシーンとかは少しそうだったかもしれないけど、一回の視聴では限界がありますね。また見直します。


・キャラ絵
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キャラ絵に関しては桂・渡辺コンビで今までの話数で一番良かったんじゃないでしょうか。アップも多かったけど、いい絵が多かった。後は4枚目のちょくちょくインサートされるデフォルメシークエンス。これ好きです。


・ホラーな三途の川
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これ怖くなかったですか。イメージBGと2枚セル(ぐしゃぐしゃのやつ)を重ねるだけでなのに。近年だと、こんなにアニメで怖く感じたのは久しぶりですよ。真面目に、これはホラーというかサイコしてる。アニメーションで、ヒッチコックに追いつけますよ。


後は、全体的に作画に負担がかかってないのに、面白いということはきちんとした演出がなされているからなんでしょうね。棺の中のミチルとか上記のホラー描写とか、本当上手い。こういうことはあんまり言うべきではないかもしれないけれど、少し「エヴァ」の香りがしました。残酷な描写(※悲しさ・エゴ)はきちんと演出し、想像力に任せる所もあるという部分がそう思わせるのかもしれません。


そんなとこです。 


後、野中目当てで見出したグリザイアですが、これ面白いです。けっこう楽しんで毎週待ってます。天鐘監督はいい演出家ですねえ。「きんいろモザイク」も早く見たいです。(※今はそんな余裕が全くない!)