■時計じかけのオレンジ 監督:スタンリー・キューブリック

怖くて見れませんでした。
今度はちゃんと見ます。


■ゼイリブ 監督:ジョン・カーペンター

宇宙人によって、地球の経済活動などが支配されているという物語。サングラスをかけると、宇宙人の発している特殊な電波を遮り「本当の世界」を見ることができる。特権階級は、文明的にもはるかに進んだ宇宙人との付き合いを優先し、そのため格差が開いていたのだった。

主人公のキャラが最後までふわふわしていたのが、もったいない。彼という人物が何処から来て、何処へ行くのか、何が目的なのかということは最後まで明示されず、ただ「この世界を宇宙人から守るある1人の人間」 としか描かれず(つまり彼である必要性がない)、出来事優先の物語であったことは否めない。

しかし、サングラスをかえた時、雑誌、広告、ポスターに「従え」「消費しろ」「考えるな」と白バックに黒字で描いてある映像は見事だった。まさしく、消費社会への痛烈な風刺であることには間違いない。この作品がもっと世の中に浸透していない理由は前述の主人公の描き方と、ストーリーの展開の仕方だろう。 それでも、特権階級に属し、今の生活を守りたいと願うホリーの表現は素晴らしくエゴイストで良かった。





■サイコ 監督:アルフレッド・ヒッチコック

サスペンス映画の金字塔。おそらく後続作品の、二重人格者や精神障害者をモチーフとした作品で影響を受けていない作品は無いだろうと思うぐらい古典的演出が多い。特に、『レッドドラゴン』はリスペクトに近いものを感じる。鏡を使ったトリック、不安を煽る高めのキーの音楽、残酷描写を見せずして、恐怖を感じさせる等々。 

しかしこの作品で一番こわいのは実は主人公の女の人だと思うんだよな。4万ドルって大金に目が眩んで、逃走を図ろうとしたり、考えがまとまらず焦って中古車を買ったり、旧道に入ったことすら分からないぐらい焦燥を感じていたりするのに、モーテルに着くと大金の隠し場所を変えるという冷静さを取り戻しているんだから。



■めまい 監督:アルフレッド・ヒッチコック

ジョン刑事がとある事件をきっかけに高所恐怖症になって警察を辞めるところから物語は始まる。結局、造船業に逆玉の輿を成功させた友人の妻殺しにまんまと利用され、その偽物である女性に好意を抱くが、あの悲しいラスト。何も言えない。

めまいと冠されているように、高所恐怖の表現は面白く、パースが伸び縮みするような画面が展開される。これは、後年のヒッチコック作品でも多分に使われる演出手法。それから、サイコとも関係するけど、ヒッチコックの絵コンテすんげー上手い。アメコミチックなんだけど、シャワーシーンの倒れる女の人の描写は素晴らしい。



■裏窓 監督:アルフレッド・ヒッチコック

足を骨折したカメラマンは、窓から住民の生活を覗くことを動けない生活の中での楽しみにしていた。真正面の夫婦は喧嘩が絶えず、ある日、その妻の方がいなくなってしまったことをきっかけに、推理モノとして発展していく。まず、カメラは殆どFIXでした。FIXで、PANするだけなのに、こんなに面白い映画があるとは知りませんでした。そして、残酷描写なしなのに、想像だけで恐怖を喚起させるのは素晴らしいの一言ですね。その失踪事件の解決だけではなく、裏窓から覗いていた住民の生活やらが移り変わっていくのも面白い。ミスロンリーが幸せになっているところとか、時間経過を上手く表現してるなと。

後は、ミニチュア・箱庭感が凄かったです。これどうやって撮ってんのかなあ。真面目にミニチュアっぽいんだけど、建物4つぐらいのカットはミニチュアで、カメラが寄ると実際の建物で撮ってるのかな。それにしても、ラストはフィルム早回しも相まって、緊張感高いフィルムになっていました。追い詰められた時、何でもいいから、使おうとするのは人間の本能っぽさが出てていいです。カメラのフラッシュなんて、どうせ無駄だ、なんて考えだったら、多分助かってないだろうし。



『裏窓』以外は11/17で書いたまま、アップし忘れていました。いやあ面白い洋画は一杯ありますね~。今はリドリースコット監督の「グラディエーター」が気になっています。