勝手気ままに集団制作しました。制作期間は約1ヶ月半。
尺は1分30秒ぐらいです。
以下の埋め込み動画、もしくはこちらのリンク先で視聴できます。
■「7 BALL(ななぼーる)」: アニメーター見本市OP
【企画・原案・監督】伊秋秀治
【絵コンテ・作画】アイラン 伊秋秀治 エルザ Kyogo ゴッソ 堀矢田朗 ルクス
【管理・編集】伊秋秀治
(※ここからは制作の経緯を色々と記載していますので、まず作品をご覧になってから読んで頂ければと思います。変な先入観が出来てしまうと、良くないと思いますので。)
以下、制作の経緯をつらつらと。
<制作の流れ>
約一ヶ月前の11月中旬に、自分が見本市のコンテを遊びで書いてまして。この段階では、複数人で作ろうとは夢にも思ってなかったし、自分で作ろうとも半分ぐらいしか思ってなかったんですが、とある方から「本当にやるんなら作画さんを集めた方がいいよ」とアドバイスを受けまして、そこから今のメンバーの方を中心に参加の打診をさせてもらいました。それでオッケイをもらったのが上記の方々です。いやあ本当にありがとうございます。ここまでの作品になるとは想定してなかったです。
制作の経緯ですが、基本的にはSkypeとDMで打ち合わせを重ねていきました。大体な流れとしては、12月頭に全体の構成が決まり、その後一週間後ぐらいでコンテも決まって本格的に作画作業に入っていったという感じです。いやあ大変でした。自分は4本ほどコンテを描いたんですが、どれも陳腐な感じでして(笑)。それならいっそ、テーマは「自由」なんだし、それぞれが欲望を剥き出しに描いてもらった方がいいと思って今の形になりました。コンセプトとして想定していたのは、テーマでもある「自由」ということで、作画方法も、BGの有無も問わず、フルカラーでも白黒でも、線画のみでもという感じで、作画する内容等も全て作画さんにお任せしました。企画者として頼んだのは、「ボールを渡していく」というカットの繋ぎだけでしたので、自由度は高かったと思うんですが、反面いざ「自由にやっていいよ」と言う時に、具体的なことを言えなかったために、作画さんの負担は大きかったと思います。その部分は、自分の力及ばずという感じで、申し訳なかった。
上記ではトントン拍子で事が運んだかのように描いてますが、実際の打ち合わせ・議論は流石にすらすらとは進行しませんでした。紆余曲折ありましたね。最初は、「きまぐれオレンジロード」の3つ目のOPみたいにやろうかと提案したんですが、流石に作業期間が足りないだろうということで没に。次に、「バッカーノ」「デュラララ」OPのように、各パートの継ぎ目がシチュエーション的に繋がる案と、「アニメーター見本市」の文字でそれぞれ繋いでいく(※「ア」に画面が寄って次の人、みたいな)案の2つが出ました。これらについては自分も色々と考えたんですが、後者は、全体のまとまりに欠けてしまうという可能性がありました。前者は、作画スケジュール的にキツイなと思った部分と、それぞれのシチュエーションで繋いでいくなら、後者ほどでは無いにせよ、やはり作品全体の構成的な繋がりが弱くなってしまうのではと感じていました。せっかく集団制作をしているんだから、もっと「1つの作品」にしたいなあと思っていた時に、ちょうどゴッソさんとお話をしていまして、「ボールを渡していってもいいですね」というのにピンと来たんですね。これならいけるんじゃないのかと。作画さんは自分のパートで好きなことをやってもらいつつも、全体としては「1つの作品」になるんじゃないのかと感じたんです。
作画担当の方々には、「ボールを大事に次の人へ渡していく、バトンリレーのような感じ」と最初にお伝えしました。そうすると、やはり『DAICONⅢっぽいですね』という指摘をされまして(笑)。後は、りょーちもさんの『トラボルタ。』とかも類似例として挙がっていました。実はですね、僕としては、『課外授業 ようこそ先輩(庵野回)』の方が頭に浮かんでました。あの番組の中では、庵野さんが小学生の子どもたちに向かって、「1人ずつ丸から始まって丸で終わるアニメーションの制作」を課題として出してるんですね。作画に関わってもらった方々には言ってなかったんですが、実はこれを強く意識していました(※結局、一部の方にはバレてしまいましたが(笑))。「丸から始まり、丸に終わる」というのは、アニメーションの基礎的・原始的な部分でもあるし、これが僕にとっての「自由なアニメーション」という思いが強かったので、最終的にはこれでと決断しました。
<「自由」の追求と、その理由>
そもそも、アニメーションにおける「自由」というのをここまで強く追い求めたのは、作画さんからの、「(今回の投稿作品にかぎらず)ウェブでの作画gif・動画は、似たり寄ったりのものが多い」という意見を聞いてからでした。みんな自由にやっているとはいうけれど、ちょっと何かに縛られてるんじゃないのかと。『DAICON』の権威とか様式に引っ張られてるんじゃないのかと(※つまり、あれが絶対的な基準になっているのではないのかと)。僕の最初のコンテも、とんでもなくテンプレート的で、陳腐でしたね。最初は、ターくんとTORくんが戦うストーリーだったんです(笑)。もう何処にでも転がってて、見ている人も食傷状態になるコンテでした。だから、今回は本当に複数人でやって良かったと思います。1人だと、こういった考え方は出てこないと思うので(※仮に出てきても自分で黙殺する)。とにかく複数人でやれたのは良かった。
いやしかし、最初の打ち合わせでは正直「これちゃんと固まるんだろうか。難しくないだろうか。」という焦燥感を覚えるぐらい、方向性がふわふわしていましたね。最初の打ち合わせから1~2週間ぐらいは心労が凄かったです。2回目でようやっと形が見えてきて、3回目でやや固まった(※映像が見えてきた)という感じですね。僕個人としては、3回目で固まると思ってなかったです。もうちょっと打合せを重ねないと固まらないと感じていたので、その点では良い作画さんの方々に恵まれたのだと思います。初対面にもかかわらず、積極的に意見を発言してもらって、幸運でした。 その後もSkypeでの打ち合わせを重ねまして、雑談も交えながら、カット繋ぎや色々な意見を発言してもらったり、作画の違う見方を教えていただいたのも自分にとってはすごくいい経験になりました。
<制作期間の話と、謝意>
制作期間自体は、1ヶ月半という短くも長くも捉えられる期間でしたが、仕事やリアルとの兼ね合いもある中で、作画担当の方にはとても頑張って頂きました。本当にもう語彙が少なくて、申し訳ないんですが、感無量です。自分でも作画を描いてたり何かしてた時期はあったんですが、あまりにセンスないなと思うことが多かったのでアニメーションの制作に携わることは諦めていました。それが、今回こういった企画で集まって頂いて、映像作品の中に少しでも自分のやりたいことを落とし込めたのは、作画担当の方を筆頭に今回ご協力頂いた方々のおかげです。おそらく自分の最初で最後の監督作品ですが、自分の思いが作品に少しばかりでも反映されていれば、幸いです。
ここまでお読み頂きありがとうございます。ルクスさん、Kyogoさん、堀矢田さん、アイランさん、エルザさん、ゴッソさん、この1ヶ月半は大変なこともありましたが僕としては楽しかったです。本当に1ヶ月半、Skypeや作画作業お疲れ様でした。こんなに濃いメンバーで集まって作ることは、そうそう無いと思いますので、とても良かったと思います。本当に、参加して頂いた方には、感謝の言葉以外ありません。ありがとうございました。そして作品を見て頂いた方、相談に乗ってもらった方、皆々様、ありがとうございます。
伊秋秀治(イアキ)
尺は1分30秒ぐらいです。
以下の埋め込み動画、もしくはこちらのリンク先で視聴できます。
■「7 BALL(ななぼーる)」: アニメーター見本市OP
【企画・原案・監督】伊秋秀治
【絵コンテ・作画】アイラン 伊秋秀治 エルザ Kyogo ゴッソ 堀矢田朗 ルクス
【管理・編集】伊秋秀治
(※ここからは制作の経緯を色々と記載していますので、まず作品をご覧になってから読んで頂ければと思います。変な先入観が出来てしまうと、良くないと思いますので。)
以下、制作の経緯をつらつらと。
<制作の流れ>
約一ヶ月前の11月中旬に、自分が見本市のコンテを遊びで書いてまして。この段階では、複数人で作ろうとは夢にも思ってなかったし、自分で作ろうとも半分ぐらいしか思ってなかったんですが、とある方から「本当にやるんなら作画さんを集めた方がいいよ」とアドバイスを受けまして、そこから今のメンバーの方を中心に参加の打診をさせてもらいました。それでオッケイをもらったのが上記の方々です。いやあ本当にありがとうございます。ここまでの作品になるとは想定してなかったです。
制作の経緯ですが、基本的にはSkypeとDMで打ち合わせを重ねていきました。大体な流れとしては、12月頭に全体の構成が決まり、その後一週間後ぐらいでコンテも決まって本格的に作画作業に入っていったという感じです。いやあ大変でした。自分は4本ほどコンテを描いたんですが、どれも陳腐な感じでして(笑)。それならいっそ、テーマは「自由」なんだし、それぞれが欲望を剥き出しに描いてもらった方がいいと思って今の形になりました。コンセプトとして想定していたのは、テーマでもある「自由」ということで、作画方法も、BGの有無も問わず、フルカラーでも白黒でも、線画のみでもという感じで、作画する内容等も全て作画さんにお任せしました。企画者として頼んだのは、「ボールを渡していく」というカットの繋ぎだけでしたので、自由度は高かったと思うんですが、反面いざ「自由にやっていいよ」と言う時に、具体的なことを言えなかったために、作画さんの負担は大きかったと思います。その部分は、自分の力及ばずという感じで、申し訳なかった。
上記ではトントン拍子で事が運んだかのように描いてますが、実際の打ち合わせ・議論は流石にすらすらとは進行しませんでした。紆余曲折ありましたね。最初は、「きまぐれオレンジロード」の3つ目のOPみたいにやろうかと提案したんですが、流石に作業期間が足りないだろうということで没に。次に、「バッカーノ」「デュラララ」OPのように、各パートの継ぎ目がシチュエーション的に繋がる案と、「アニメーター見本市」の文字でそれぞれ繋いでいく(※「ア」に画面が寄って次の人、みたいな)案の2つが出ました。これらについては自分も色々と考えたんですが、後者は、全体のまとまりに欠けてしまうという可能性がありました。前者は、作画スケジュール的にキツイなと思った部分と、それぞれのシチュエーションで繋いでいくなら、後者ほどでは無いにせよ、やはり作品全体の構成的な繋がりが弱くなってしまうのではと感じていました。せっかく集団制作をしているんだから、もっと「1つの作品」にしたいなあと思っていた時に、ちょうどゴッソさんとお話をしていまして、「ボールを渡していってもいいですね」というのにピンと来たんですね。これならいけるんじゃないのかと。作画さんは自分のパートで好きなことをやってもらいつつも、全体としては「1つの作品」になるんじゃないのかと感じたんです。
作画担当の方々には、「ボールを大事に次の人へ渡していく、バトンリレーのような感じ」と最初にお伝えしました。そうすると、やはり『DAICONⅢっぽいですね』という指摘をされまして(笑)。後は、りょーちもさんの『トラボルタ。』とかも類似例として挙がっていました。実はですね、僕としては、『課外授業 ようこそ先輩(庵野回)』の方が頭に浮かんでました。あの番組の中では、庵野さんが小学生の子どもたちに向かって、「1人ずつ丸から始まって丸で終わるアニメーションの制作」を課題として出してるんですね。作画に関わってもらった方々には言ってなかったんですが、実はこれを強く意識していました(※結局、一部の方にはバレてしまいましたが(笑))。「丸から始まり、丸に終わる」というのは、アニメーションの基礎的・原始的な部分でもあるし、これが僕にとっての「自由なアニメーション」という思いが強かったので、最終的にはこれでと決断しました。
<「自由」の追求と、その理由>
そもそも、アニメーションにおける「自由」というのをここまで強く追い求めたのは、作画さんからの、「(今回の投稿作品にかぎらず)ウェブでの作画gif・動画は、似たり寄ったりのものが多い」という意見を聞いてからでした。みんな自由にやっているとはいうけれど、ちょっと何かに縛られてるんじゃないのかと。『DAICON』の権威とか様式に引っ張られてるんじゃないのかと(※つまり、あれが絶対的な基準になっているのではないのかと)。僕の最初のコンテも、とんでもなくテンプレート的で、陳腐でしたね。最初は、ターくんとTORくんが戦うストーリーだったんです(笑)。もう何処にでも転がってて、見ている人も食傷状態になるコンテでした。だから、今回は本当に複数人でやって良かったと思います。1人だと、こういった考え方は出てこないと思うので(※仮に出てきても自分で黙殺する)。とにかく複数人でやれたのは良かった。
いやしかし、最初の打ち合わせでは正直「これちゃんと固まるんだろうか。難しくないだろうか。」という焦燥感を覚えるぐらい、方向性がふわふわしていましたね。最初の打ち合わせから1~2週間ぐらいは心労が凄かったです。2回目でようやっと形が見えてきて、3回目でやや固まった(※映像が見えてきた)という感じですね。僕個人としては、3回目で固まると思ってなかったです。もうちょっと打合せを重ねないと固まらないと感じていたので、その点では良い作画さんの方々に恵まれたのだと思います。初対面にもかかわらず、積極的に意見を発言してもらって、幸運でした。 その後もSkypeでの打ち合わせを重ねまして、雑談も交えながら、カット繋ぎや色々な意見を発言してもらったり、作画の違う見方を教えていただいたのも自分にとってはすごくいい経験になりました。
<制作期間の話と、謝意>
制作期間自体は、1ヶ月半という短くも長くも捉えられる期間でしたが、仕事やリアルとの兼ね合いもある中で、作画担当の方にはとても頑張って頂きました。本当にもう語彙が少なくて、申し訳ないんですが、感無量です。自分でも作画を描いてたり何かしてた時期はあったんですが、あまりにセンスないなと思うことが多かったのでアニメーションの制作に携わることは諦めていました。それが、今回こういった企画で集まって頂いて、映像作品の中に少しでも自分のやりたいことを落とし込めたのは、作画担当の方を筆頭に今回ご協力頂いた方々のおかげです。おそらく自分の最初で最後の監督作品ですが、自分の思いが作品に少しばかりでも反映されていれば、幸いです。
ここまでお読み頂きありがとうございます。ルクスさん、Kyogoさん、堀矢田さん、アイランさん、エルザさん、ゴッソさん、この1ヶ月半は大変なこともありましたが僕としては楽しかったです。本当に1ヶ月半、Skypeや作画作業お疲れ様でした。こんなに濃いメンバーで集まって作ることは、そうそう無いと思いますので、とても良かったと思います。本当に、参加して頂いた方には、感謝の言葉以外ありません。ありがとうございました。そして作品を見て頂いた方、相談に乗ってもらった方、皆々様、ありがとうございます。
伊秋秀治(イアキ)