他にフリッカーねえかなあと思って探してた意外と見つかったのでちょっと。
(※それにしても、相変わらず守備範囲が狭すぎるNE)

・「世界征服~謀略のズヴィズダー~(2014/TV)」 02話

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ヴィニエイラ様のお食事タイム。かわいい。
逸花お手製のマズメシを恐る恐る食べようとしている、ケイトの腕の動きに注目。
恐る恐るなので、手が行ったり来たりしてるのが分かると思う。

これもガクガクして、ぎくしゃくした映像になっているから、フリッカーと呼んでええと思う。
間違ってたらゴメンチ。


・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012/劇場)」

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アスカがメットを引っかかりながら外すカット。
やや、顎の部分の画が往復していて、ガクガクとなっている。
ちょっとこれは微妙かなあ。それっぽいんですけどね。



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アスカ食いしばりカット。これはフリッカーを素晴らしく上手く使ってる。
「歯の食いしばり」を表現するために、歯茎(右下)をわざとチラッチラッと見せてて。食いしばる時は、歯よりも口周辺の筋肉が動くんだよね。原画枚数は増やさずに、その順番をズラして歪にリピートさせることで、その表現を達成している。



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ここも同じく。弐号機コード777(トリプルセブン)状態のシーン。
アスカがカメラに迫ってくるカットなんだけど、その迫り方がぎこちない。映像が滑らかに進まないことで、力の拮抗感を出している。

同スロー
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次の画に進んだと思ったら、前の画にひゅっと戻るのがこれで分かると思う。
歯の食いしばり方がまた良いですね。



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ここはCGだけど、ガタツキ方が似ていたので。
まあこれはブレとかガタツキの表現だけど、根底にはフリッカー作画に対しての意識というか参考というか、そういうのがあるかもしれないということで。ガタツキ方も一定じゃないんですよね、全部バラバラで歪にリピートしてる。




・「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 AIR/まごころを、君に(1997/劇場)」

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量産型が弐号機に刺されて、少し硬直した後にやんわりと力が抜けていくカット。
手が伸び切る前の場面での動きに注目。
3回ぐらいブレて痙攣している様子を表現してる。



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吉成作画。弐号機が量産型を2体ぶち抜いて、血しぶきブシャーのカット。
弐号機の腕と、量産型のもだえ苦しむ姿がフリッカーによって作画されている。
これめっちゃ良いフリッカー作画だと思う。素晴らしい。
舌出してる量産型の顔が、中央→下→中央→左とぎこちなく移動するのが特に上手い。



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上記のカットを受けての、アスカの描写。
ここでは弐号機とシンクロしてるので、同様にフリッカーさせている。
自分の全体重をかけて、弐号機の腕に伝えていて、見ているこっちにも力が入りますね。
肩にも力が入っていて、肩全体が前面にグッと出てきてるとこがまた上手い。

 
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弐号機が無理やり起き上がろうとしているカット。
口全体のガクガク感が良いですね、
限界でありつつも無茶に起動しようとしているのを画で描写している。




大体こんなとこかなあ


自分がフリッカー作画から感じていることは、次の3点。

1、エンジンの駆動・始動っぽい(ドルルンって感じ)
2、カットにおいて原画・動画が往復することによる、もどかしい感じ
3、目に引っかかり、印象に残りやすい

これらは、ジグザクな中割りっていう点で当たり前かもしんないんですが。
とても印象に残りやすい要因は、これが普通の映像じゃないから。普通のアニメーションって滑らかじゃないですか。今の商業アニメでは、原画をまず書いて動画をその間に(基本的には滑らかにするために)入れていきます。そのポーズトゥポーズにおいては、(カクカクしないで)滑らかになるというのはやはり必然であって。その中に、ある種「引っかかり」のような違和があるカットというのを入れてくると、やっぱりいい意味で浮いてきます。

となると、やはり見所で使おうと誰しも考えると思うんですよ。「ここを見て欲しい」と思うんなら、違和のある画(普段とは違う画)というのをぶち込んでくると俺は思う。じっさい前回や上で見た例も「ここぞ!」って場面で使われてるケースが多い。そんで、これだけ多用されているのは、何よりも負担はさほど増えず(少なくとも原画枚数は変わらないので)に見せ場の演出ができる、というのが大きい、と思う。

ちょっとこういう部分に注目して見ると、またアニメが面白くなるかもしれません。