マップ兵器表現に久々に触れたいと思いますが、
そもそも「マップ兵器表現」ってなんだよという人は下記のリンクを参考に…
3人のアニメーターが完成させた、「マップ兵器」表現の変遷とその影響
最近の「マップ兵器」表現と、”記号的”に対する大事な考え方
読むのが('A`)マンドクセな方のために概要を書いておくと、「クラスター爆弾のような広範囲、網羅的な攻撃による戦闘描写を、丸爆発で記号化した」という感じです。
まずは、おさらい的に少しマップ兵器表現を眺めて見ることにします。
■真!!ゲッターロボ 世界最後の日(1998/OVA) 13話 「閃光!!進化の果て!」
トマホークブーメランによるなぎ倒し描写。光球爆発の大小による遠近感が上手く、奥行きが出ている。マップ兵器前のカットで少し右PANしているのがポイント。この遠心力あふれるカメラワークによって、その後のブーメランの動きが綺麗に見える。
■DOG DAYS"(2015/TV) 02話
メルヘンチックなマップ兵器表現。もふもふ感があって良い。クロス光からのなぎ倒しビームで一閃して、それから煙になってる。これはビームの動きがすごく上手いです。画面を遮っているので、臨場感が増している。
■ガンダムビルドファイターズトライ(2014/TV) 25話
伸びていくビームが良い。光球爆発は、大小様々で奥行きが上手く出てる。タイミングもうちょい早くてもいい気がする。ちなみに、同話はこの他にもたくさん良いマップ兵器表現がある。
■翠星のガルガンティア 〜めぐる航路、遥か〜(2014/OVA)
丸爆発ではないマップ兵器表現。いやあこれは上手い爆発です。内部に巻き込まれていくように爆煙が展開していく。温度表現のための、色の移り変わりのタイミングが素晴らしい。こういう表現の意図がしっかり伝わってくるカットは、良いですね。
■トップをねらえ!2(2004/OVA) 05話
これを紹介したかった。
白コマ多用のドドドンとしたマップ兵器表現。トップ2のマップ兵器は、とにかくタイミングがずば抜けて上手い。後、丸爆発が登場するときにぱぱぱっと光るんですよね。これも良い。増尾抜きとは思えないほど、白コマのタイミングが素晴らしい。
ノノがマイクロブラックホールの作るシーン。ここは爆発ではないので、白コマ等、画面のアクセント使用はない。その変わりに、緯線(赤いやつ)みたいなものを入れて立体感を増していることが分かる。ぷるぷる震えてるのがまた面白い。
ここはレイアウトの勝利。奥側からドドドンと光球爆発を展開させることによって臨場感が増している。変量重力源の表面の亀裂に遅れる形で、光球爆発が追い付いてくるのが時間差を感じさせて良い。
トップ2はこの他にも04話05話で多数マップ兵器表現が見られたり。
後日追加予定。
<「消滅」の要素とは>
さて本題に入っていきたいと思う。マップ兵器の原点である、「トップをねらえ!」の増尾昭一作画を何度も見直していると、この丸爆発って実は消えていくことに気が付きました。消滅していくんですね。
(トップをねらえ!#05)
このように丸爆発がその場でフェードアウトし消えていく。この消滅がマップ兵器の本質っぽいんですけど、重視している作品は意外と無い。「キルラキル11話」とか「ダブルオー劇場版」とかでは少し見られるんですけど、丸爆発が完全に消えてるのは少ない。
この「消滅」の要素が分かりやすいのは、この「ICE」03話の増尾昭一パート。
■ICE(2007/OVA) 03話
増尾作画。中野昭慶フラッシュがあふれるキレイなカット。(※本当は白コマ満載だったんだけど、目に大変悪そうだったので外してる)。これが上手いのは、光球が消えていっているところ。薄くなって、フェードアウトしていってますよね。
そんで、最近のだと、これがすごく良かった。
■結城友奈は勇者である 11話
敵を一掃した後に、きちんと丸爆発の大群が消滅していくのがわかると思う。「多数の敵を攻撃した、そして敵は撃墜した」のが分かるように、丸爆発が光って消えていく。「光る」部分まではやっている作品が多いのですが、「消えていく」部分までをやっているのはあまり見ない。この消滅がとてもリアルでして、見ていて気持ちがいい。画面も何というか、一掃されてキレイになりますよね。
記号的な丸爆発が真に画面に映えるためには、桜じゃないですけど、散った後の枝を映すことが必要というか。丸爆発がない状態の画面が大事というか。そんな気がしています。
そもそも「マップ兵器表現」ってなんだよという人は下記のリンクを参考に…
3人のアニメーターが完成させた、「マップ兵器」表現の変遷とその影響
最近の「マップ兵器」表現と、”記号的”に対する大事な考え方
読むのが('A`)マンドクセな方のために概要を書いておくと、「クラスター爆弾のような広範囲、網羅的な攻撃による戦闘描写を、丸爆発で記号化した」という感じです。
まずは、おさらい的に少しマップ兵器表現を眺めて見ることにします。
■真!!ゲッターロボ 世界最後の日(1998/OVA) 13話 「閃光!!進化の果て!」
トマホークブーメランによるなぎ倒し描写。光球爆発の大小による遠近感が上手く、奥行きが出ている。マップ兵器前のカットで少し右PANしているのがポイント。この遠心力あふれるカメラワークによって、その後のブーメランの動きが綺麗に見える。
■DOG DAYS"(2015/TV) 02話
メルヘンチックなマップ兵器表現。もふもふ感があって良い。クロス光からのなぎ倒しビームで一閃して、それから煙になってる。これはビームの動きがすごく上手いです。画面を遮っているので、臨場感が増している。
■ガンダムビルドファイターズトライ(2014/TV) 25話
伸びていくビームが良い。光球爆発は、大小様々で奥行きが上手く出てる。タイミングもうちょい早くてもいい気がする。ちなみに、同話はこの他にもたくさん良いマップ兵器表現がある。
■翠星のガルガンティア 〜めぐる航路、遥か〜(2014/OVA)
丸爆発ではないマップ兵器表現。いやあこれは上手い爆発です。内部に巻き込まれていくように爆煙が展開していく。温度表現のための、色の移り変わりのタイミングが素晴らしい。こういう表現の意図がしっかり伝わってくるカットは、良いですね。
■トップをねらえ!2(2004/OVA) 05話
これを紹介したかった。
白コマ多用のドドドンとしたマップ兵器表現。トップ2のマップ兵器は、とにかくタイミングがずば抜けて上手い。後、丸爆発が登場するときにぱぱぱっと光るんですよね。これも良い。増尾抜きとは思えないほど、白コマのタイミングが素晴らしい。
ノノがマイクロブラックホールの作るシーン。ここは爆発ではないので、白コマ等、画面のアクセント使用はない。その変わりに、緯線(赤いやつ)みたいなものを入れて立体感を増していることが分かる。ぷるぷる震えてるのがまた面白い。
ここはレイアウトの勝利。奥側からドドドンと光球爆発を展開させることによって臨場感が増している。変量重力源の表面の亀裂に遅れる形で、光球爆発が追い付いてくるのが時間差を感じさせて良い。
トップ2はこの他にも04話05話で多数マップ兵器表現が見られたり。
後日追加予定。
<「消滅」の要素とは>
さて本題に入っていきたいと思う。マップ兵器の原点である、「トップをねらえ!」の増尾昭一作画を何度も見直していると、この丸爆発って実は消えていくことに気が付きました。消滅していくんですね。
(トップをねらえ!#05)
このように丸爆発がその場でフェードアウトし消えていく。この消滅がマップ兵器の本質っぽいんですけど、重視している作品は意外と無い。「キルラキル11話」とか「ダブルオー劇場版」とかでは少し見られるんですけど、丸爆発が完全に消えてるのは少ない。
この「消滅」の要素が分かりやすいのは、この「ICE」03話の増尾昭一パート。
■ICE(2007/OVA) 03話
増尾作画。中野昭慶フラッシュがあふれるキレイなカット。(※本当は白コマ満載だったんだけど、目に大変悪そうだったので外してる)。これが上手いのは、光球が消えていっているところ。薄くなって、フェードアウトしていってますよね。
そんで、最近のだと、これがすごく良かった。
■結城友奈は勇者である 11話
敵を一掃した後に、きちんと丸爆発の大群が消滅していくのがわかると思う。「多数の敵を攻撃した、そして敵は撃墜した」のが分かるように、丸爆発が光って消えていく。「光る」部分まではやっている作品が多いのですが、「消えていく」部分までをやっているのはあまり見ない。この消滅がとてもリアルでして、見ていて気持ちがいい。画面も何というか、一掃されてキレイになりますよね。
記号的な丸爆発が真に画面に映えるためには、桜じゃないですけど、散った後の枝を映すことが必要というか。丸爆発がない状態の画面が大事というか。そんな気がしています。