今回は火花と破片について。ややニッチ。


・ノンナVSうさぎさんチーム
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この場面では「火花があること」は安心材料(押し合っていると撃たれない)なので、離れて火花が無くなってしまうと一気に危機感が増す。



・着弾、地面をえぐり飛ぶ破片
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CG破片+CGエフェクト
地面を抉った後、空中に飛んで行くCG破片は、TV版も良くできてた(01、03話あたり)。画面奥で舞い上がった破片が、手前に落下するタイミングが上手い。



・突っ込むノンナ ☆
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首振りPAN。画面を覆ってしまうほどの激しい火花。ここで「ああ高度な戦いをしていたんだなあ」ということに気付きます。どちらも卓越した技術で走行していたけども、あんこうチームが一枚上手だった。



・ローズヒップ被弾
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これは作画かなあ。砲弾がはじけた感じを全方位火花でかっこ良く。



・急制動+急旋回
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激しい火花とボロボロになった車体も映すことで、試合のクライマックスを盛り上げる。突っ込むノンナのシーンもそうですが、場面転換の役割もありますね。「こっから最終決戦や!」というシーンへ移り変わっていく。



・カール着弾、飛び交う破片
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1カット目もチラホラ見えるが、2カット目カチューシャの周りを飛ぶ破片が分かりやすいか。破片の嵐の中を抜けるカチューシャの身を案じてしまうほどに、臨場感がすごい。



・ジェットコースターその1
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疾走感・臨場感の演出


・ジェットコースターその2
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ジェットコースターのフレームを無理やり走っているので、チョビ子車両よりも多くの火花が発生。大量の火花によって、大学選抜メンバーの必死さが伝わる。



・T28 パージシーン ☆☆
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これを紹介したかった。めっちゃカッコいい。ジグザグ左右に火花が散っていく、そして、一瞬間を置いて装甲が外れる(その後、少し車体が浮くのも地味ウマ)。この流れが最高。劇中のカットの中で一番痺れました。






ひゃっほう!火花・破片は最高だぜぇ!

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<おわりに>

破片・火花といった、パーティクル(粒子表現)の表現は画面のクオリティを左右するどころか、今やアニメーションの画面に必要不可欠なものになりつつあります。「画面のリアルさ・正確さ」を追求する風潮は留まることを知らず、多くのスタジオにおいて撮影(1*)の役割は大きなものになりました。

リアルさを追求するのは、決して悪いことではありません。問題は、そのリアルさが似通ってしまっていて個性がないことです。もう、現実のカメラに嘘をつけなくなってきている。いかに嘘をつくことがアニメーションという表現媒体の本質であるのに、カメラをコントロールするどころか、カメラに振り回されている。アニメでしか出来ない表現を待っているのに、実際はそうではない。表現したいこととは別に、関係のないしがらみに怯えた映像になっている。

ガルパンは近年では珍しく、(他に比べ)撮影が少なめの作品です。それでいて演出したい部分には力を入れるので、はっきりとした意図が感じられる。「ここはこんな風に見せたい」という意図があるからこそ、画面は多様性を失わず、見ていても飽きないものとなりうる。だからこそ、ガルパンの画面は良いのだと思います。