冴えカノ2期です

まあぶっちゃけ、ぼくは1期で満足しきっていて(彼らの旅路はこれから続いていくんだ的なエンドで良いと思った)、2期はいらない、必要ではない、蛇足じゃねえかなあと。そういう考えの元、2期を見たわけですが、必要かもしれねえ、いや微妙だなあっていうのが、今の率直な感想です。

先に言い訳しておきますが、考えながらに書くので、文章が長くなる。3行以上読めない人ばかりでしょう。だから、メイドラの記事と同じく、読み飛ばして良いです。たぶん面白くないんで。



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冴えカノの面白い部分は、ゲーム制作の中での衝突やその解決、まあそういった所だと思うんですが、2期1話でも結構、普段見過ごされがちな所に突っ込んで作ってますよね。



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1年前に、エリリは倫理くんに勧められて、霞詩子の「恋するメトロノーム」を読み感動した、そして作者にも敬意を抱いた。サインを欲しがり、本棚に丁寧に飾った。そのラノベも含めて倫理くんと語り合いと思う中で、屋上でイチャラブする女、詩羽先輩が登場し、彼女の存在にひどくイラつき、ドギツく当たるわけですが、なんと詩羽先輩は、作者、霞詩子その人であった。で、葛藤するわけです。


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エリリにとっては、作家としての霞詩子はサインを欲しがるほどに大好きだけれど、現実でトモヤとイチャラブされる詩羽先輩は嫌い。嫌いというか、私のトモヤを取るんじゃねえみたいな、嫉妬心がある。こりゃあ、「作者と作品の関係」について、よく踏み込んでるなと思う。

インターネットが発達し、SNSで作者が発信できるようになると、僕らはたびたび、幻滅しました。ドギツいネトウヨ発言を日々垂れ流すアニメの作画監督とか、五体不満足で、立派な本を出しといたくせに、不貞行為をしてネットでは言い訳を繰り返す人とか、まあ数知れません。こういったのは、ハロー効果っていいますね。



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で、エリリは、自分のプライドとして、詩羽先輩には頭を下げてまでサインをもらいたくない。「作品は好きだけれど、あいつは認めたくない」と。そんな中、詩羽先輩も、エリリの存在(私の倫理くんを困らせて!)に苛立ち、彼女の美術部の個人部屋へと赴きます。で、詩羽先輩もエリリが同人作家であることに気づく、いや、そんなことよりも衝撃だった、彼女のイラストの妙を認めざるを得なかったのは、イーゼルに立て掛けられていた、キャンパスの絵でしょう。



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詩羽先輩はそのとき、素直に感動してしまった。作者がいかに偏屈であっても、クズであっても、どうであれ、圧倒的なものを見せられて感動してしまえば、素直に認めざるをえない。「作者と作品は分ける」というよりも、「作品がすさまじければ、作家がどうとか関係ない」という風に判断をした。そして、1年後に、お互いにサインを求めた。これは、「作者と作品の関係」に対する一つの答えですよね、素直になれよと、それがよく描けていたと思う。

「冴えヒロ」と呟いた人を片っ端からブロックしていく、どっかの難ありキャラクターデザイナーも、僕は絵に惚れているので、まあ関係ありません。そういうことですよね。