あまりのひどさに腹を立てていたが、今記事でもう終了。賭ケグルイの全貌を明かす。


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温度によってジュースカードの模様が変化する。で、トイ少女の趣味は、生爪マニキュア集めなので、これを使わない手はない。この時点で、マニキュアをオチに使わないのは、自分にはクエスチョンマークでしかないわけですよ。マニキュアということに何か伏線を敷いているべき、とまでは思わないけれど、第一印象で派手なマニキュアを描いたのであれば、何か関係があって欲しい。少なくとも、俺だったら、そうする。生爪コレクションだから狂気を感じるやろなんていう、ただのグロテスクな描写で狂気を表現できるのは浅はかに思う。まあ、この辺は個人的な願望なんで、どうでもいいです。

それより、もっと大きな問題点があります。原作からして、「イカサマや気付きをなるべく描写せずに隠そう」という感じなんですけど、これが致命的な失敗点ですね。ギャンブル漫画というのは、コナンくんみたいなミステリーのジャンルに近くて、要は謎探し推測ゲームなんですよ。「こいつイカサマしてるかも?」というのと同じように、「こいつが犯人かも?」と僕らが思うのには、何か怪しい行動があるからですよね。怪しい行動には、逆算的な動機があるんですよ。

これ書いてて思い出したんですけど、
名探偵コナンには「山荘包帯男殺人事件」という回があります。これで、「賭ケグルイ」を中心に巡った、ギャンブル漫画についての俺の言いたいことは伝わると思うので、説明する。

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蘭とコナンは、園子の映研同窓会に招待されて別荘にやってきた。そんで、例のごとく、殺人事件が起こるわけなんですが、その過程で、なぜか蘭が執拗に狙われるんですね。3回ぐらいは命を狙われたはず確か。ここで、まず「犯人が蘭に執着している」という、”怪しい行動”が分かりますよね。


<怪しい行動の逆算>
犯人が蘭に執着している

蘭が命を狙われるだけの理由がある

でも蘭には、命を狙われる理由が分からない+恨みを買っていない

蘭は、無意識的に「犯人の弱み」を握っている←これが動機


という風な流れになるんです。キレイでしょ?


ネタバレに移りますが、「包帯男」が女性を森の中でバラバラにして殺害します。包帯男は標準的な体型だったために、真犯人である肥満体型の男は、誰も疑わなかった。犯人が蘭に固執したのは、別荘に着いた時に、「自部屋がわからずに、蘭が他の人の部屋を開けて見た」という行動に起因するんですよ。その時に、肥満体型の男の着替え(本当は痩せている)のを偶然見てしまった。この体型マジックは、犯人の肝だった。だからこそ、これが「犯人の弱み」であり、犯人が蘭を執拗に狙う理由であり、劇中における伏線になっているわけです。

「蘭が着替え中の犯人を見た」「執拗に犯人が蘭を狙う」という伏線があってこそ、最後に明かされる、「お腹のスペースに、生首入れてました」というトリックにより大きな衝撃を感じるんです。それは最後の結果を見て、「ああ、だから、犯人はあれほどまでに蘭に執着していたのか」と、合理的に納得できるからなんですね。


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ここまで言えば分かると思いますが、「賭ケグルイ」も同じです。ミステリー漫画における「怪しい行動」の描写に相当する、「怪しい言動」の描写がまったくないんですよ。投票ジャンケンであれば、蛇喰の観察や言動の描写、ダブル神経衰弱であったら、ジュースカードへの気付きという伏線描写を設けないと、読者からは「蛇喰がいつ、どうやってそのイカサマを看破し、いつから逆手に取ろうとしていたのか」がわからず、消化不良になってしまう。結果を見ても、イカサマを看破した手段も瞬間も分かってないわけですから、納得ができない。「天才だから見破ったんだね」という強引なロジックで済まされるので、面白くないと感じるわけです。