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(■僕のヒーローアカデミア[2017/TV/25話])

田中宏紀作画(※推測)

1カット目では立体的なフォルムで規模を伝える。2カット目はフィールドが高温になっていることを描写。だから、2カット目は(爆発そのものを誇張しすぎないように)、平面的になっている。


同一部スロー:赤味の変化
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んで、この爆発は、巻き込みも、タイミングもすげえ良いんだけど、それと同じくらい、赤色部分の処理もいいんですよ。だって、爆発表面の温度って様々ですから、単色で表すのは困難なのは明らか。赤色の中で、グラデつけることで、細かい温度が表現できる。その上、カゲの代わりにもなる(なんと、黄色の部分はカゲがない!なのに立体的に見える!やばい!)。これ考えたなーと思う。



田中宏紀って平面的な爆発・煙が多いじゃないですか、単色も多い。ただ、クソうまいから、立体的に書こうと思えば、1カット目みたいに書けるんですよ。だから、平面的な爆発が多いのは、意図的だということが分かる。なんで、田中宏紀って平面的に書くんだろう?と前から思ってた。

アニメの中で重要なのは、立体です。そうじゃなかったら、奥行を作るために、アホみたいにでかいマルチプレーンカメラなんか作らんだろうし、アニメなんて全てDLEで良いはず。平面的な単色煙が多い、田中宏紀もそれは同じと思う。たぶん、これで立体を表現したいんですよ。すげえ緻密に線を描き分けて、カゲつけて、ハイライトつけて、みたいなのも絶対できる。それだけの技量をもったアニメーターですから。

だけど、そういった方向とは違う、エフェクトを目指している。平面的な爆発の中でも、立体感は出せる。影やハイライトを極力使わない方向で、具体的にいうと、少ないディテールで立体的なエフェクトを描きたいと考えているのではないかと思う。だから、こういった処理になったと思うんですよね。赤色単色だと流石に浮いてしまうけど、線も入れたくない。じゃあ、撮影処理でグラデかけようと思ったのではないか。線の描き込みや色トレス以外の方法で、カゲを描いて温度を描き、立体を表現しようとしている。そう感じる。