さて、今回は劇場版マクロス「愛・おぼえていますか」の増尾作画です。なお御礼記事も兼ねています。私信ですが、いろいろとありがとうございました。

増尾昭一はこの作品で、作画監督補として参加されました。「超時空世紀オーガス」のメカとエフェクトについては一人原画でした。ですので、「愛・おぼ」に関しても、同じような役職、すなわち、メカニック・エフェクト作画の修正補助だったろうと思います。だいたい飯田史雄さん(「王立宇宙軍」作監、「ヤダモン」漫画)と一緒にやったんじゃないかな。


ちょっと調べてみるとこんなツイートがありまして(辻壮一さんは、元アニメ雑誌編集者で現在はKADOKAWA勤務)


まあ全て劇マクのことかは分かんないですけど



今回もすべてパートは推測です。1984年といえば、増尾キャリアにおいては初期です。ですので、金田調のタイミングを残しつつ板野調のフォルムへと変換されていった時代と捉えてもらえれば、おおよそ問題ありません。白コマとディテールの少ないフォルムが特徴です。

前後作品は
「超時空世紀オーガス」「幻夢戦記レダ」「メガゾーン23」「POPCHASER」あたり


総攻撃の直前
20180504095904

球形フォルムと、ショックコマ。ただ破片とディテールが少し増尾昭一っぽくない。
この時期は、まあキャリア初期なので、破片が多目ではありますが。
ややディテール多いので、微妙ですね。




ラスト付近ミンメイと1
20180504095903

この形状、白コマの入り、ディテールの入り方。増尾作画っぽい。
爆発表面上にほぼ模様なく、ブラシを輪郭に沿って使う。
で、下記のような(赤部分)、こういうディテールが多いです。
タイトルなし
爆発と爆発の間、おそらくそれが重なった際に発生するカゲを表現したものかな



あとはこの辺も気になる
09]

ちょうどオーガスのときにも、「独立した球形で作る煙」「球形が合わさって結果的にデコボコに見える煙」の2つがありました。まあ黎明期なんで、試行錯誤されていたことは間違いないですが。




ラスト付近ミンメイと2
20180504095902

これも同様に。爆発表面は、透過光がほとんどですよね。
ちなみに序盤でもこのカットはありますが、その際は白コマが入っている



ミンメイデート
20180504101820

白コマ入ってないのが微妙ですが、タイミングはこの時期の増尾昭一
オーガスの時と広がる速度が同じですねえ
しかし微妙です。修正がかかったのかも



以上です。作監補なので、あまり原画パートを断定するほどの材料はないのですが気になっていたので取り上げました。この時期はキャリア初期なので難しいですねえ。