・「情報」とは
安倍政権の連日のひどさについて、ぼくが改めて言うことはありません。憲政史上最悪の権力暴走であり、50年後には教科書に載り100年後には常識になる。私利私欲のために、公文書改ざんにより「正常な情報」を破壊した。なぜ、情報公開は正常でなくてはならないのか。それを説明するためには、まず「情報」について考える必要があります。

要注意!一次情報と二次情報の取り扱い
https://www.enago.jp/academy/primary-sources-secondary-sources/

すごく簡単に言ってしまえば、一次情報とはオリジナルな情報です。たとえば、「あさごはんを食べて、めっちゃ旨かった」というツイートであるとか、政府統計であるとか、公式サイトのアナウンス、映画やアニメであるとか、これは一次情報です。対して、二次情報は、それらを新たに解釈したり整理したもの、と言えば簡潔でしょう。すなわち、マスメディアによるニュースや伝聞、二次創作だとか、または、まとめブログのような情報です。

この2種類の情報を、現在のぼくらは得ていろいろな判断をしています。二次情報にさほど信用性がないのは、なんとなく分かると思います。人間が情報を整理し直すときに、その人の意図が入らないことはありえません。その意図をもって情報を解釈し整理し直せば、それは一次情報とは性質がきわめて変わります。その解釈によって、一次情報とは正反対の内容にすらできます。「咲-Saki-」の新子憧ちゃんを思い描いてください。ほらね?

ですから、一次情報のほうが信用度は高いのですが、専門的な分野になるとぼくら一般国民は理解をするのに時間がかかってしまい現実的に困難です。そのため、基本的にぼくらは新聞などの二次情報を主に得て判断を下しています。ただ、これだけの情報氾濫社会になると、二次情報をさらに解釈した、もっと信用度の低い情報群が出てきます。ですので、自分の気になるトピックに対しては一次情報を用いる、というのが最も正確で確実です。好きなアニメの情報は公式サイトで集めるはずで、変なサイトの情報を鵜呑みにすることはないはず。ここまでは当然のことです。ただ、一次情報と二次情報というワードを使って整理しただけ。


本丸は、なぜ「公文書改ざん」と「情報」に関係があるか

「一次情報」である、財務省が出した「公文書」が一個人のために捏造されていた。これが大問題なのは、信用度の低い二次情報を使わず、信用度の高い一次情報を使う、ということが実質的に難しくなってしまったからです。どういうことか。

公文書改ざんや度重なる一次情報の不手際によって、いま現在、新型肺炎コロナウイルスの問題において、厚労省の出す統計データについて、ぼくらは疑心を持たざるを得ません。一次情報であるにも関わらず、まるで二次情報のように疑いの目をもって接してしまう。すなわち、政府の出す一次情報の信用度はきわめて低くなってしまった。

他の一次情報も同じです。あれだけのことがあっても、信用度が低いと分かっていても、ぼくらは財務省の情報を使うほかない度重なる一次情報のずさんな扱いによって、それには信用を持てない。だから、「公文書改ざん」というのは大きな問題なのです。



・失敗も喧嘩もしたくない「エセ現実主義な」人々

もはや現実主義というのは、くだらないイデオロギーになりつつあります。聞こえはいいけれど、それはただのカッコつけであり諦念的な現実主義です。このことについて、「希望をもたない現実主義者はたくさんいる」と端的に述べた人物がいます。みなさんはアニメばかり見て、もしくはくだらない事に時間を費やしているので誰が述べたのかすら知らないでしょうけど。まあ、宮崎駿なんですけどねコレ。

現実主義って目を反らしているだけなんですよ。その場しのぎの対応でしかない。この7年間で日本はどうなりましたか。現実主義的な保守政権(※まあ保守ではないよなあ)の安倍政権によって、とうとう2019/10-12の四半期別GDP速報値は年率換算で成長率-6.3%になりました。

2019年10~12月期四半期別GDP速報 (1次速報値)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2019/qe194/pdf/gaiyou1941.pdf
(※ちなみに一次情報です)

GDPが相対的な値とはいえ、東日本大震災やリーマンショック超えのマイナス成長。個人消費と民間設備は絶望的なマイナスの値、これは内需(国内の景気)がめっちゃ衰退傾向にあるってことです。国内の景気っていうのは、「国内の金回り」のことだと思ってもらえれば。新規設備に投資もしたくない、消費もしたくない、会社も個人も財布のヒモは堅いまま。ね、金回りが悪いでしょ?

くだらないイデオロギーと言いましたが、その考えは否定しません。考えているだけまだマシ。もっとヤバいのは、「無思考な安定志向」がきわめて高まっていること。安定したい気持ちは分かるけど、現実的にきわめて困難。

なんでかって、そりゃ人口問題よ。今の10,20代が40歳ぐらいになる2040年には65歳以上の高齢者が全人口において35%の割合を占めると予測されている。2015年時点では27%だヨ。他方、働き手となる、生産年齢人口はとうぜんグラフでは上にズレるので減少するよね。2015年時点では60%、これが2040年では54%まで落ちる。高齢者は8%増えて、働き手は6%減少するんだから、まあ細かいことはともかくとして直感的にヤバいよね。

2015年では1人の高齢者を2.4人の働き手で支えていましたが、これが2040年には1.5人の働き手で支えることになる。とんでもないよね。5年後は団塊世代がごそっと高齢者になります。これもヤバい。んで、こんな予測が出ている中で、「安定志向」なんてそれこそ幻想なんですわ

現実主義なら余計に困難だと考えるはずじゃね。どれだけの社会保障費がかかって、それを誰が補っていくのか。そんなん今の政府がやってくれるわけないですやん。コロナの問題に対して厚生労働委員会を1/24宮本徹などの野党議員が開けっつってるのに、開かない与党だよ。クソみたいなトートロジー答弁で、議会の進行を遅らせている内閣だよ。そんなのに安易にふわっとなんとかなるだろうと思っている。だから、脳みそ使ってない「無思考な現実主義」っていうのが妥当だなと。

喧嘩も失敗もしたくない、ということは行動しなきゃいいわけです。そういう人々がさいこうに増えている。過剰な利己主義で、脳足りんが増えすぎた。甘ちゃんだね。

マア、ぼくがいまんところ、最優先に求めるのは、
1)議会進行の正常化(議会論法の立法・成立)
2)情報の扱いと公開の正常化(透明化、正確化、行政文書5年保存の厳守)
3)二大政党制への尽力(権力暴走の措置)
4)現総理、および疑惑がある閣僚の逮捕と処罰

これくらい。まあ流石に先日の辻元質疑は痺れた。完璧な詰将棋だったね。
これでとりあえず、議論もできない地獄の政権は終わる。

<参考資料>
・https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_3.html
・https://www.jcer.or.jp/blog/miyamototaro20181017.html