エフェクトひさびさ

現在YouTubeにおいて、新劇序・破・Q3作すべて無料配信中、ということで、ひさびさのエフェクト記事にあわせて、ひさびさのエヴァのエフェクトについて触れたい。


エヴァを象徴するクロス光とは言わずもがな
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こういうヤツ

「トップをねらえ!」「エヴァシリーズ」を見て分かるとおり、「風の谷のナウシカ」に参加してからずっと庵野秀明はクロス光を多用してきた。エヴァが攻撃する際はもちろん、使徒の攻撃の結果もクロス光になってたりしますよね。破の水柱とか、序のサキエルが攻撃した後のジオフロント内に広がるものだったり。

なにが言いたいかというと、庵野さんはずっと作品内でこれを使ってきていた、それも大変な愛着をもって。敵味方の攻撃など関係なく使ってきたわけですが、「シン・エヴァ冒頭10分」ではそのクロス光に大きな変化がありました。衝撃的だったのに誰も触れていないので、驚きました。


変化したクロス光;マリ殲滅シーン
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特報からあったカット。ここまでの流れを踏まえると、割と分かりやすいかと思う
なんじゃとわからない?それでは、以下の図を見てください、すべてまるっと理解できます

説明

そうです。中心の「球体」の有無が大きな変化だったのです。Qまでのクロス光は、ほぼ直線だけで構成されていました。刺々しさやビームの強さを表現したかったのかどうかは分かりませんが、とにかく直線だけでクロス光は形どられていた。それがこんなに変化してるんですよ!衝撃を受けない方がおかしい。


マリ殲滅その2
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美しい・・・マズルフラッシュと交じるように、球体ありのクロス光が連続して発生している。


それで、これをどこから使おうかと思ったのか、つまり着想については、おそらく「エヴァQ」の庵野爆発からじゃないかなあと。あ、Q冒頭の改2号機が回転する爆発全原画のところじゃないですよ。改2VSマーク9の戦闘シーンのラスト、自爆シーン。


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q|庵野パート
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これ過去に言及したんですが、やはり庵野作画だと思う。決め手はディテールの少ない球形爆発であること。こんな板野調を現代アニメでやるのは、故・増尾昭一か庵野秀明しかいない。増尾昭一のディテールやショックコマとはわずかに異なっている。よって、庵野秀明作画だろうと。

直線ばっていた他のクロス光に比べて、このシーンのクロス光はややなめらかになっていますよね。そこから、なんやかんやあり(マズルフラッシュを真似たとか)中心に球体を足したんじゃないかなあと。その辺は微妙ですが、どうでもいいことだ。とにかく、この「球体ありクロス光」は衝撃も衝撃。いやあ、カッコいい。もう進歩はないと思われたクロス光が、まだ進化していく。そこが凄い。