GOMISTATION

沈む時期

カテゴリ: カメラ・演出・カット


山本沙代は、マッドハウス出身家の演出家です。昨年は「ユーリ!!! on ICE」を監督し好評を得ました。監督作品も素晴らしいのですが、今回はOP・ED演出について。

山本沙代の作るOP・EDは、どれもおしゃれでカッコイイ。なぜ、そう見えるのか。手がけたOPを見ていくと、2つの技法が気になった。それは、ワイプ密着マルチです。とうぜん、この2つを使わない演出家はいませんが、その組み合わせ方が独特だと思ったんですよ。以降、本編素材を使ったワイプを「素材ワイプ」と呼ぶ。


素材ワイプっていうのは、いわずもがな、こういうやつ

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(「ローゼンメイデン・トロイメント(TV/2005)」OP)

素材を使って場面を変える。これ単体は別に珍しくもなんともない。山本沙代のワイプが独特なのは、これと密着マルチを繋げるケースがあるから。繋げるとどうなるか、ご覧いただきたい。



素材ワイプ→密着マルチ

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(「進撃の巨人(TV/2013)」ED)

ワイプは画面に勢いを残すと思う。この例だと、素材ワイプの素材はナイフですよね。ナイフが画面左に消えていって、その勢いが密着マルチへと引き継がれる。ワイプの勢いをそのままに、画面が流れていくという感じ。けして、無理やり止まらない。スムーズに画面が流れていく。


以下、類似例

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(「ミチコとハッチン(TV/2008)」OP)

同スロー
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(「ローゼンメイデン・トロイメント(TV/2005)」OP)

キャラの手前と奥にbookを置いて、それぞれを逆方向にスライドさせる密着マルチのパターンが多い。


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(「PSYCHO-PASS(TV/2012)」OP)

これはカメラが高速に動いて回り込んでいるのかなあ


これが山本沙代のOP・ED演出の中では、最も特徴的な部分。大昔から普通にあれば、俺の無知ということで許してクレメンス。山本沙代さんは、密着マルチの使い方がべらぼうに上手いと感じる。「神撃のバハムート」「峰不二子という女」のOP・ED演出は、こりゃすげえやっていう感想しか出なかった。


他の特徴は箇条書きにしておく
<頻発>
・BLカゲや影なしによる、強いコントラスト
・ストロボの多用(近年)
・2段階QTB

<ちょいちょい>
・色マッチカット
・「目」を使ったトランジション
・シンメトリー


あとは、具体的な要素として、「水に関係する素材」を使うことが多い。

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完全にどうでもいい話ですが、この泡作画ええんよ。アトランダムって意外と難しいと思う。


こんな感じ。泡とか魚とか、波とか。好きなんだろうか。まあでも、ちょっと疑問だよね。「荒川」は作品的に関係あるから当然ですけど、「PSYCHO-PASS」「賭ケグルイ」「進撃の巨人」なんかでは、メインテーマではないよね。この疑問は読んでる人に考えてもらおう、うん、別にまとまらないとかそういうわけでは決してない決して。


割りかし前の記事が好評だったので、続きをば



・闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜 (2005/TV) ED02
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ツモ牌の強調、こういうのが入るだけで、グッとテンポが良くなる



・鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2期/2009/TV) OP03
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2回寄り、「手放したくないのは~」で示唆と強調

ポン寄りというのは、まあ見てもらうと分かる通り、対象(牌や花)の強調をします。普通のズームやTUと違い、一瞬で画面が(少しではあるけれど)変わるので、ちょっとしたインパクトがある。





で、近年の作品で、好きなOPがあるんですが、それが上手くポン寄りを使っていた。

★ガッチャマンクラウズ(2013/TV) OP



はじめクルッと
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ポン寄り+ACつなぎ、画面を退屈にしない


ルイくんクルッと
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ポン寄りの引くバージョン、ポンバックとでも呼ぶか
(※「ポン引き」は風俗客引きの意味合いが強いので…)

ここでは背景を大きく引いて、相対的にルイくんを小さく見せている


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こういった小刻みなカット割りが「ガッチャマンクラウズOP」には多い。ラプスや、カット割りの細かさによって、情報量は増していく。結果、視聴者は、ちょうどいい感じで理解が追いつかない。


着地
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QTB+ポン寄り QTBで画面が引き締まった後に寄る。この2カット上手いなあ



そんで、このポン寄り祭りの後に、次紹介するカットが来ると、異質に感じる。もっと正確に言うと、興奮する。

★OD腕ばさあ
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うつつちゃん見上げティルトアップ→クロス光→TB

撮影でガヤや雷を入れている以外は、ODのカットはTBだけ。なのに、すごく盛り上がる。ODかっけえなあ、強そうだなってなる。それは、おそらく、ここまで多用してきたポン寄りのおかげで、普通の技法が特別なものへと変化しているからだ、と思うんですよね。ここ一週間カレーパンだったのに、今日はカレーライスだ、なんか嬉しいみたいなノリ。


やっぱ、素晴らしいカットは何度見ても良いすね。このOPの印象が強く残っているから、12話のカッツェとのバトルも盛り上がり、カタルシスがある。ついに、変身するかODみたいな。


バレバレだけど、もはや記事のネタは尽きている



そうだ、カメラワークでごまかしていこう
撮影とか用語とか、間違ってたらすまんの指摘してくれ


★COPPELION 04話(2013/TV)
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TB+雲book密着マルチ+車Follow+建物密着

この1カットはスゴイ。紹介しよう~と思ってて一年漬けてた

カメラが戦闘機から引いて、主人公たちの乗る車まで寄っていくわけですけど、実写では困難なカメラワーク(電線を通過してるんで)だと思う。で、車に合わせてカメラがFollowしていく、BGと2つの建物bookの速度がそれぞれ異なっていて、ズレている。それが心地よい。

この雲(と空)、立体的なんですよね。そこがお気に入り。雲が空に漂っている感じ、多層的な感じがとても上手くて、何ともCGっぽい。だから、密着マルチだけではないかもしれない。密着だけだったら、どうやってんだろうか(上下左右にSLさせているからかな)。

いい作品でしたが、いかんせん時期が悪かったコッペリオン




・コードギアス 反逆のルルーシR2 21話(2007/TV)
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TB 
C.Cの目からTBする場面。ただのTBですけど、ややスローモーションで、その瞬間のC.Cの処理しきれない感情を表している。TB+スロモで、髪の毛がゆっくりと揺れていくのもまた良い。



・Memories 彼女の想いで(1995/劇場)
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TU
多分ただのTUなんですが、カメラの手前の花瓶がええんすわ。花の変化に気が取られていたら、もうキャラクターが目前に迫っている。そんで、引き込まれる。これテーブルはセル作画でやってんのかなスゲエな。




★Fate/stay night [Unlimited Blade Works] OP(2014/TV)
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TU(+PAN)→TBかな?微妙

ぶっちゃけ、どうなってんのかよく分からんけど、こういう立体的なカメラワークが大好き。ちょっと、右にもバインってなってますね、これはなんだろう(付けPANか、ただのPANか)。TBしていく時の、ピントが合っていく感じもとても良い。これはufotableですけど、ゴーハンズ作品にはこういうのが多いので好き。ぐるぐる回り込んだりもして、臨場感たっぷりのカメラワークがめっちゃ多い。

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