クロスフィルターとは撮影効果の一つです。通常はイルミネーションだとか、夜景の美しさを表現するために使われます。あとはご飯の美味しさとかですかね。
*参考
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/201511_crosssoft.html
増尾昭一が普及させたものとして、中野フラッシュがあります。
*参考
http://sajiya.blog89.fc2.com/blog-entry-592.html
結論から先に言えば、これがクロスフィルターの発展型と組み合わさって(もしくは昇華して)、現状の表現(増尾さんが最後に関わった「エヴァQ」が顕著)になったと僕は思うんですね。
■ふしぎの海のナディア 39話(TV/1990):増尾作画

これがもっとも純粋なクロスフィルターの表現。クロスフィルターは基本的に、何本かのクロス光を重ねるようにして入れます。キレイに入ってますよね。
ちょっと昔を見てみると、
■戦え!!イクサー1 ACT.1(OVA/1985)

こんな感じ。これは光線の間隔が広いですね。

白コマとクロスフィルターの組み合わせが閃光を表現している
この時代は、こういった「ビームの前に発射する前の1段階」みたいな表現は山ほどあるとおもいます。どうなんだろうね、もっとすごいのもあるかも。
■魔法少女まどか☆マギカ(TV/2011)

これ微妙、というか回転クロス光ですね。もうちょい良いのがあると思ったんですけど、今のところ分かってなす。

この辺もカッコイイけどね~これは金田光だなあ、円と十字で形どっているので
んで、中野フラッシュとクロスフィルターが合わさったのが次の作画なんですよ。
■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012):庵野作画

原画集では、クロス光はなく指示も無かったとおもう。撮影部、デジタル部、もしくは増尾特技監督によるものでしょう。これほどタイミングが素晴らしいのは、なかなか作れない。
あとは綺麗なやつも載せておこう

グサーのところですね。遠方から近くに寄ってくる中野フラッシュが美しい。もはや、増尾フラッシュと呼称しても良いのではないかとおもう。

まあ、ここまで読んでくれたら言うことは特にないでしょう。キレイな増尾フラッシュですね
たとえば、大張さんの光表現だとか、グレンラガンの今石作画とか、とうぜんにツッコミどころはあると思います。そこら辺はまた後日、調べたいと思っています。詳しい人はコメントしていただきたい。本当は年末に上げたかったんですが、多忙をきわめておりました。
*参考
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/201511_crosssoft.html
増尾昭一が普及させたものとして、中野フラッシュがあります。
*参考
http://sajiya.blog89.fc2.com/blog-entry-592.html
結論から先に言えば、これがクロスフィルターの発展型と組み合わさって(もしくは昇華して)、現状の表現(増尾さんが最後に関わった「エヴァQ」が顕著)になったと僕は思うんですね。
■ふしぎの海のナディア 39話(TV/1990):増尾作画

これがもっとも純粋なクロスフィルターの表現。クロスフィルターは基本的に、何本かのクロス光を重ねるようにして入れます。キレイに入ってますよね。
ちょっと昔を見てみると、
■戦え!!イクサー1 ACT.1(OVA/1985)

こんな感じ。これは光線の間隔が広いですね。

白コマとクロスフィルターの組み合わせが閃光を表現している
この時代は、こういった「ビームの前に発射する前の1段階」みたいな表現は山ほどあるとおもいます。どうなんだろうね、もっとすごいのもあるかも。
■魔法少女まどか☆マギカ(TV/2011)

これ微妙、というか回転クロス光ですね。もうちょい良いのがあると思ったんですけど、今のところ分かってなす。

この辺もカッコイイけどね~これは金田光だなあ、円と十字で形どっているので
んで、中野フラッシュとクロスフィルターが合わさったのが次の作画なんですよ。
■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012):庵野作画

原画集では、クロス光はなく指示も無かったとおもう。撮影部、デジタル部、もしくは増尾特技監督によるものでしょう。これほどタイミングが素晴らしいのは、なかなか作れない。
あとは綺麗なやつも載せておこう

グサーのところですね。遠方から近くに寄ってくる中野フラッシュが美しい。もはや、増尾フラッシュと呼称しても良いのではないかとおもう。

まあ、ここまで読んでくれたら言うことは特にないでしょう。キレイな増尾フラッシュですね
たとえば、大張さんの光表現だとか、グレンラガンの今石作画とか、とうぜんにツッコミどころはあると思います。そこら辺はまた後日、調べたいと思っています。詳しい人はコメントしていただきたい。本当は年末に上げたかったんですが、多忙をきわめておりました。
「帝都物語」から見る、1990年前後の増尾作画の特徴
「ナディア」~「帝都物語」あたりの、1990年代前後は増尾作画の過渡期です。この時期は、過渡期ということもあり、さまざまな工夫が見て取れて面白いんですよ。パートは全て推測。
■帝都物語(OVA/1991)01.03.04話
01話:崩れ行く建物1
01話:崩れ行く建物2★★
この時期の代表作は、「ナディア」「クラッシャージョウ」など。で、この頃の増尾作画の特徴といえば、『デコボコ平面フォルム』と、『クワガタ・ムーンライン』の2つです。なに分からないと。21世紀の義務教育ですよ、ご説明しましょう。
★増尾作画フォルム・ディテール比較図
特徴を要素別に分けると、
・輪郭と煙内部の色は異なっている(※輪郭と内部で色分けされている)
・煙内部のディテールに「クワガタ」のような模様がある
・煙内部の中心にカゲは、ほとんど付かない
この3点が、この時期の増尾作画(増尾煙)の特徴です。
さて、これらを踏まえて以下のgifを見てもらいましょう。今までより、ずっと深く、増尾作画を理解できると思います。
03話:家ぐしゃあ
輪郭と内部は線で分けられており、煙内部にはカゲが付いていない。これでは平面的になってしまうはずなのに、立体感がある。なぜか。それは、これら平面的な煙を何層にも重ねているからです。オーガス以降、増尾作画の根幹をなしている部分です。
もう一つの主な特徴として、「爆発を2段階に分ける」というのがあります。
03話:大仏ドカン
最初は遠方で爆発させておきながら、あるていど時間が経つと急に目の前で爆発する。カットの終わりで、5枚ほどでドカドカと爆発するんですが、これも大きな特徴です。「ガンスミスキャッツ」「トップをねらえ!」などでも散見される。
03話:龍内部での爆発(※推測)
ディテール少なく、丸いフォルムのハイライトが入っている部分が重要。ぶっちゃけこれは微妙ですが、急速に伸びていくタイミングが増尾作画っぽい。
03話:ドッカン半球ドーム爆発 ★

増尾作画では、半球ドームがときどき(「彼氏彼女の事情」「旧劇」「RE:キューティーハニー」など)見られます。ディテールが少ない半球ドーム爆発は、タイミングが大きなポイントとなる。膨らんでから目の前に迫るまで、そのタイミングのセンスが光る。
04話:墓ビーム
04話は本当にさっぱり分からんかった。まあ、可能性があるとしたら、この辺でしょう。ナディアで見せたビームの膨らみ方/しぼみ方と似ている。あとはスミアのような、増尾(中野)フラッシュも判断材料ですが。ここでなかったら、瓦が浮きあがっていくところかもな~
「帝都物語」は豪華原画による作品ですので、やはり見極めるのが難しかった。特に、庵野合田松尾増尾が参加している話数は嬉しい一方で、判定のときには困ってしまうような。まあ、パート判定なんて正解することが目的ではありません。パート判定を通じて、その人の作画のどこに一体魅力があるのか、それを知ることが目的です。パートの正否はあまり重要ではないのです、間違っていたら直せばよいだけですから。「帝都物語」で増尾作画の別側面を知ることができた、それが作画のもつ楽しさの一つであります。
■帝都物語(OVA/1991)01.03.04話
01話:崩れ行く建物1

01話:崩れ行く建物2★★

この時期の代表作は、「ナディア」「クラッシャージョウ」など。で、この頃の増尾作画の特徴といえば、『デコボコ平面フォルム』と、『クワガタ・ムーンライン』の2つです。なに分からないと。21世紀の義務教育ですよ、ご説明しましょう。
★増尾作画フォルム・ディテール比較図

特徴を要素別に分けると、
・輪郭と煙内部の色は異なっている(※輪郭と内部で色分けされている)
・煙内部のディテールに「クワガタ」のような模様がある
・煙内部の中心にカゲは、ほとんど付かない
この3点が、この時期の増尾作画(増尾煙)の特徴です。
さて、これらを踏まえて以下のgifを見てもらいましょう。今までより、ずっと深く、増尾作画を理解できると思います。
03話:家ぐしゃあ

輪郭と内部は線で分けられており、煙内部にはカゲが付いていない。これでは平面的になってしまうはずなのに、立体感がある。なぜか。それは、これら平面的な煙を何層にも重ねているからです。オーガス以降、増尾作画の根幹をなしている部分です。
もう一つの主な特徴として、「爆発を2段階に分ける」というのがあります。
03話:大仏ドカン

最初は遠方で爆発させておきながら、あるていど時間が経つと急に目の前で爆発する。カットの終わりで、5枚ほどでドカドカと爆発するんですが、これも大きな特徴です。「ガンスミスキャッツ」「トップをねらえ!」などでも散見される。
03話:龍内部での爆発(※推測)

ディテール少なく、丸いフォルムのハイライトが入っている部分が重要。ぶっちゃけこれは微妙ですが、急速に伸びていくタイミングが増尾作画っぽい。
03話:ドッカン半球ドーム爆発 ★

増尾作画では、半球ドームがときどき(「彼氏彼女の事情」「旧劇」「RE:キューティーハニー」など)見られます。ディテールが少ない半球ドーム爆発は、タイミングが大きなポイントとなる。膨らんでから目の前に迫るまで、そのタイミングのセンスが光る。
04話:墓ビーム

04話は本当にさっぱり分からんかった。まあ、可能性があるとしたら、この辺でしょう。ナディアで見せたビームの膨らみ方/しぼみ方と似ている。あとはスミアのような、増尾(中野)フラッシュも判断材料ですが。ここでなかったら、瓦が浮きあがっていくところかもな~
「帝都物語」は豪華原画による作品ですので、やはり見極めるのが難しかった。特に、庵野合田松尾増尾が参加している話数は嬉しい一方で、判定のときには困ってしまうような。まあ、パート判定なんて正解することが目的ではありません。パート判定を通じて、その人の作画のどこに一体魅力があるのか、それを知ることが目的です。パートの正否はあまり重要ではないのです、間違っていたら直せばよいだけですから。「帝都物語」で増尾作画の別側面を知ることができた、それが作画のもつ楽しさの一つであります。
増尾作画いろいろ(1)/「ホンラン」「新海底軍艦」ほか
とりあえず、最近判明した増尾作画を
■「月光のピアス ユメミと銀のバラ騎士団(1991/劇場)」

燃えるときの炎と白コマがかっこいい。電撃もめっさ上手いですねえ。
(※そのうち、プラズマ・電撃系作画も整理したいNE)
■「新海底軍艦(1995/OVA)01話」※推測

「新海底軍艦」の増尾作画はまったく分からんわけですが、自分の見立てだと、ここしかないんですよね。2回目の爆発の後、煙の表面ディテールが少なくなっていることが分かると思う。この特徴は、「ダンガイオー」以降「アギト」まで続きますので。
■「紅狼(ホンラン/1993/劇場)」★★

この紅狼における爆発は、たぶん90年代で一番ではないかなあ。広がっていく際にカゲが2色あるのって珍しいんですよ、この時期では。
追加(2017/10/22)
■「スケバン刑事(1991/OVA)02話」

大匙屋さん提供。ディテール少なめの平面煙を重ねていくことで、奥行や立体感を出している。
■真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝(2008/OVA)

横からの爆発では透過光を全面に出し、タタキも入れている。爆発の臨場感/カタルシスを描写。
■銀色の髪のアギト(2006/OVA)

これMADに入れ忘れた分。レイアウトが上手いから、遠近がよく出る。

90~00年代はこんな感じのタイミング。一旦爆発する時に白コマがあり、画面手前に押し寄せてくる時に再度白コマを入れる。
あと、下の記事における、「AKIRA」の増尾作画もほぼ確定しました。
(※→仲さんのツイート)
AKIRAにおける増尾作画の推測と、王立庵野の影響について
http://royal2627.ldblog.jp/archives/47360550.html
戦車のとこですね、ヘリのカットは不明。
この時期は、やはり難しい。AKIRA・王立以降の90年台は増尾作画の過渡期で、まあ3種類ぐらい使い分けてると思うんですよね。すごく遠くの爆発は半球ドーム型で、近いとこだとお団子型/立体フォルム型になる。で、眼前ぐらいの距離だと、平面の煙を重ねる感じ。ディテールだけでも相当の試行錯誤が見られる。
「距離別にエフェクトを変えたい意志」が明確に伝わってくるのは、だいたいトップぐらいから。起因するのは、以前言ったとおり、王立とAKIRAだと思いますが。平面エフェクトは、どういった意図があるのか。それが気になる。焦点が合ってない感じとかを表現したいのかもしれない。
■「月光のピアス ユメミと銀のバラ騎士団(1991/劇場)」

燃えるときの炎と白コマがかっこいい。電撃もめっさ上手いですねえ。
(※そのうち、プラズマ・電撃系作画も整理したいNE)
■「新海底軍艦(1995/OVA)01話」※推測

「新海底軍艦」の増尾作画はまったく分からんわけですが、自分の見立てだと、ここしかないんですよね。2回目の爆発の後、煙の表面ディテールが少なくなっていることが分かると思う。この特徴は、「ダンガイオー」以降「アギト」まで続きますので。
■「紅狼(ホンラン/1993/劇場)」★★

この紅狼における爆発は、たぶん90年代で一番ではないかなあ。広がっていく際にカゲが2色あるのって珍しいんですよ、この時期では。
追加(2017/10/22)
■「スケバン刑事(1991/OVA)02話」

大匙屋さん提供。ディテール少なめの平面煙を重ねていくことで、奥行や立体感を出している。
■真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝(2008/OVA)

横からの爆発では透過光を全面に出し、タタキも入れている。爆発の臨場感/カタルシスを描写。
■銀色の髪のアギト(2006/OVA)

これMADに入れ忘れた分。レイアウトが上手いから、遠近がよく出る。

90~00年代はこんな感じのタイミング。一旦爆発する時に白コマがあり、画面手前に押し寄せてくる時に再度白コマを入れる。
あと、下の記事における、「AKIRA」の増尾作画もほぼ確定しました。
(※→仲さんのツイート)
AKIRAにおける増尾作画の推測と、王立庵野の影響について
http://royal2627.ldblog.jp/archives/47360550.html
戦車のとこですね、ヘリのカットは不明。
この時期は、やはり難しい。AKIRA・王立以降の90年台は増尾作画の過渡期で、まあ3種類ぐらい使い分けてると思うんですよね。すごく遠くの爆発は半球ドーム型で、近いとこだとお団子型/立体フォルム型になる。で、眼前ぐらいの距離だと、平面の煙を重ねる感じ。ディテールだけでも相当の試行錯誤が見られる。
「距離別にエフェクトを変えたい意志」が明確に伝わってくるのは、だいたいトップぐらいから。起因するのは、以前言ったとおり、王立とAKIRAだと思いますが。平面エフェクトは、どういった意図があるのか。それが気になる。焦点が合ってない感じとかを表現したいのかもしれない。
増尾爆発のタイミング
増尾爆発の最も天才的な部分、秀でた部分を上げるとするならば、それはタイミングである。増尾のタイミング、原画の流れといえば、白コマによって成り立っているように思う。
■「ふしぎの海のナディア」39話:増尾作画

クロスフィルター(十字光)→爆発
白コマがダダダッと入り、爆発がそれに合わせて展開していく。じっさい、これで伝わっていると思っていたが、思いの外、増尾作画のタイミングは伝わっていないようだ。今回はいい機会と思い、丁寧に説明することにした。
同スロー

まず、増尾の白コマには2種類ある。「閃光」の役割を果たす白コマと、「爆発の立体感」を出す白コマの2つである。
時代にもよるが、爆発した瞬間の白コマ(白コマAとする)は、おそらく「閃光」の役割として、2~3枚ほど入る。その後、爆発が広がっていく際にも、白コマ(白コマBとする)は見られる。この白コマBは爆発の間に入っていくが、これによって、あたかも一瞬で、目の前に迫りくるような爆発となる。つまり、白コマBは、「爆発の奥行・立体感」を示すためにあるのだ。
さて、ここからは、増尾作画の変遷の話になる。メンドウという人は、読み飛ばされたい。
「最初期の増尾爆発にあった金田系の要素は、ショックコマへと引き継がれた」という結論を2年ほど前に出した。この結論は変わらないままだが、もしかすると、金田系の中抜きによる爽快さを、ショックコマによって、増尾は発展させようと試みたのではないか。つまり、中抜きの発展(※つまり金田系の発展、今石作画みたいな)とは別系統で、ショックコマによる金田系の発展は増尾が行ったのではないか?今は、そのように考えている。
閑話休題。増尾氏が急逝してから、いろいろ見直した。中でもとりわけすごかったのは、「ふしぎの海のナディア」の39話である。この作品で増尾は”メカニック作画監督”というクレジットではあるが、増尾作画のエフェクトも多い。いや、ほぼ全てのエフェクト作画が増尾によるものであると言い切っても過言ではない。それくらい、ナディア39話は増尾密度の高いフィルムだった。
増尾作画に触れたいという人にとって、ナディアはうってつけの作品となるだろうと思う。
■「ふしぎの海のナディア」39話:増尾作画

クロスフィルター(十字光)→爆発
白コマがダダダッと入り、爆発がそれに合わせて展開していく。じっさい、これで伝わっていると思っていたが、思いの外、増尾作画のタイミングは伝わっていないようだ。今回はいい機会と思い、丁寧に説明することにした。
同スロー

まず、増尾の白コマには2種類ある。「閃光」の役割を果たす白コマと、「爆発の立体感」を出す白コマの2つである。
時代にもよるが、爆発した瞬間の白コマ(白コマAとする)は、おそらく「閃光」の役割として、2~3枚ほど入る。その後、爆発が広がっていく際にも、白コマ(白コマBとする)は見られる。この白コマBは爆発の間に入っていくが、これによって、あたかも一瞬で、目の前に迫りくるような爆発となる。つまり、白コマBは、「爆発の奥行・立体感」を示すためにあるのだ。
さて、ここからは、増尾作画の変遷の話になる。メンドウという人は、読み飛ばされたい。
「最初期の増尾爆発にあった金田系の要素は、ショックコマへと引き継がれた」という結論を2年ほど前に出した。この結論は変わらないままだが、もしかすると、金田系の中抜きによる爽快さを、ショックコマによって、増尾は発展させようと試みたのではないか。つまり、中抜きの発展(※つまり金田系の発展、今石作画みたいな)とは別系統で、ショックコマによる金田系の発展は増尾が行ったのではないか?今は、そのように考えている。
閑話休題。増尾氏が急逝してから、いろいろ見直した。中でもとりわけすごかったのは、「ふしぎの海のナディア」の39話である。この作品で増尾は”メカニック作画監督”というクレジットではあるが、増尾作画のエフェクトも多い。いや、ほぼ全てのエフェクト作画が増尾によるものであると言い切っても過言ではない。それくらい、ナディア39話は増尾密度の高いフィルムだった。
増尾作画に触れたいという人にとって、ナディアはうってつけの作品となるだろうと思う。
増尾昭一氏の急逝
増尾昭一さんが先日、7月24日に急逝された。
訃報 株式会社カラー
http://www.khara.co.jp/2017/07/26/15601/
関係者でもないヤロウが追悼するなど、どこかおこがましいと感じた。しかし、増尾作画に感動した事実があり、氏の作画や作品に没頭した日々は否定できない。誰よりも詳しいとは思わないが、この世で誰よりも増尾作画が好きではあると思う。僭越ながら、追悼する。
爆発にここまで興味を持ったのは、増尾さんがいたから、増尾作画が燦々と輝いていたからだ。エフェクトに没頭することなどなかった。言い出せばキリがないが、特に「銀色の髪のアギト」における作画は、素晴らしい。画面の前で、ただただ圧倒されるだけであった。増尾作画を見るたびに、様々な工夫や実験が垣間見れた。今のエフェクト作画の土台を築いた、と言っても過言ではないと思う。
そして、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」では特技監督を務められ、”エヴァ”の世界を支えた。特技監督としての増尾さんは、作画から撮影、CGと多岐に渡り、画面のクオリティアップをなされた。増尾特技監督抜きで、ヱヴァの画面は語れない。素晴らしいものをありがとうございました。
残念です。57年間に及ぶ人生、大変にお疲れ様でした。この個人の言葉は、余計な荷物とはせず、大事なものだけ抱えて、彼岸へとお旅立ちください。
訃報 株式会社カラー
http://www.khara.co.jp/2017/07/26/15601/
関係者でもないヤロウが追悼するなど、どこかおこがましいと感じた。しかし、増尾作画に感動した事実があり、氏の作画や作品に没頭した日々は否定できない。誰よりも詳しいとは思わないが、この世で誰よりも増尾作画が好きではあると思う。僭越ながら、追悼する。
爆発にここまで興味を持ったのは、増尾さんがいたから、増尾作画が燦々と輝いていたからだ。エフェクトに没頭することなどなかった。言い出せばキリがないが、特に「銀色の髪のアギト」における作画は、素晴らしい。画面の前で、ただただ圧倒されるだけであった。増尾作画を見るたびに、様々な工夫や実験が垣間見れた。今のエフェクト作画の土台を築いた、と言っても過言ではないと思う。
そして、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」では特技監督を務められ、”エヴァ”の世界を支えた。特技監督としての増尾さんは、作画から撮影、CGと多岐に渡り、画面のクオリティアップをなされた。増尾特技監督抜きで、ヱヴァの画面は語れない。素晴らしいものをありがとうございました。
残念です。57年間に及ぶ人生、大変にお疲れ様でした。この個人の言葉は、余計な荷物とはせず、大事なものだけ抱えて、彼岸へとお旅立ちください。
©GOMISTATION 2012-2020 All rights reversed