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一旦(小)休止

カテゴリ:原画マン > 増尾昭一


口を開けば、増尾増尾なブログもそうそう無いと我ながら思う。


さて、今回はアルペジオの増尾パートについて少し。

gifで注目してもらいたいのは、白コマ・黒コマ、いわゆるショックコマの入れ方。
これは多分一生変わらない増尾さんの普遍的な特徴と言えます。


■蒼き鋼のアルペジオ(TV/2013) 04話

臨海突破
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10]11]

増尾作画(※推測)。
Bパート終盤、ハルナが「縮退臨海」と言ってから「発射シークエンス停止、不能…」あたりまで(ミカサの下りを除いて)は増尾さんかなと。この辺は他のシーンとはすごくタイミングが異なっていて、すごく目立つ(※増尾さんは原画クレジットなわけですが、全編CG映像であるアルペジオにおいて原画マンの意図が最も反映されるのがおそらくタイミングだろうと、レイアウト+シート出しで後はCG処理かと思います)。

一度、大きく光った後に、パッパと白コマが入ってくるの分かりますかね。この一連のシークエンスにおける白コマの常在が、増尾タイミングの最大の特徴です。


侵食魚雷の突入
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これなんかも、黒コマ(全面黒の絵)の使用が印象的だよね。
2箇所に2コマずつ入れてる。


侵食魚雷の炸裂
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11]51]
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中野(昭慶)フラッシュ+黒コマからのミニブラックホール画→十字クロス光。
親倍直撃で、「御無礼(ニヤ」と言いたくなるような増尾パート。
このタイミングで増尾さんじゃなかったら、逆にサンジゲン内部の増尾愛は半端ないです。


合体艦隊の爆発
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この辺も、白コマがすごく顕著ですね。2回入ってるのが分かると思う。
後は、連続爆発のタイミング。
後半にかけての加速感、押し寄せる感じがすごく増尾さんっぽい。


こんな感じで、ショックについてはgifで見てもらうとそこそこ分かると思う。これは感覚的なものなので説明が難しいんだけど、増尾さんのショックの入れ方はタン・タンタターンみたいな感じ。パターンがあるように見えるんだけど、あんまり単調というか、パターン化されていないというか。




さて、お話変わりますが、増尾MAD2お待たせしまして。
先日までは疲れ果てていたので、匙屋さんに告知してもらいました。どうもどうも。小心者の心臓には大きすぎる賞賛もいただきまして動悸が止まらないです、はい。増尾タイミングに関しては、こっちを参考にしてもらうと凡そは分かるかなと思います。



割りかし時間がかかってしまったのは、色々あったから。それにしても半年はかかりすぎですね。この半年で、もう一生分の増尾作画見たと思うけど、『レインボーマン』とか『誘惑COUNTDOWN』とか見てないからまだまだ半人前と思う(※『レインボーマン』で、増尾さんが凄まじいパフォーマンスを発揮していたと北久保さんが発言されていたので、気になりますね。しかしwikiを見る限りではソフト化されていないらしく、非常に残念)。

もう少し色々見て入れたかったんだけど、言い出したらキリない(※アルペジオもこんだけハッキリしてるとは思わなかったんで、MADではスルーしてしまったし)。その辺はブログで補完していくつもり。

とりあえず言いたいことは、『銀色の髪のアギト』の増尾パートはこの上なく良いです。エフェクト作画の中で、最高の評価をしている『AKIRA』の本谷煙と並ぶくらいのエフェクトだったので是非見てもらいたい。


増尾エフェクトの大区分として、
初期(81-85)、中期(85-88)、AKIRA本谷・王立庵野以降(87.88-95)、エヴァ以降(95-07)
http://royal2627.ldblog.jp/archives/39581116.html

というのを、以前、設定しました。
今回はエヴァ以降の時代、特に1998~2005.6あたりに関して少し整理したいと思う。

この時代は、山下系であった初期や板野系のまん丸なフォルムを取り入れていった中期など、他の時期に比べるとインパクト薄いんですが、今現在の増尾エフェクトの形をなす前身の時期であり、楽しいです。「アギト」の時期になるともう殆ど完成されだすんですけど、「エヴァ旧劇」とか「メルティランサー」の時はまだ固まってない。

おさらいをしますと、この時代は、AKIRA本谷・王立庵野など立体的な煙を描こうとするムーブメントに影響を受け、それまでシンプルな球形であったフォルムが顕著に変化しています。具体的に言うと、ボコボコとした不規則なフォルムの煙。こんな感じ。

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(左:ジャイアントロボ 右:無敵王トライゼノン)

エヴァ以降の増尾エフェクトは、このようなボコボコとした不規則なフォルムになり、そのフォルムが小さくなったり、大きくなったりすることで煙の動きを作画しています。


今回は、このエヴァ以降の時代の一番特徴的な”フォルム”と”透過光”に分けて、ちょっと追っていきたい。


<1、フォルム(お団子煙)>

これは旧劇とルギアの比較でも述べたんだけど、あのボコボコ煙の中でもすごく一つ一つが立体的な球形で構成される、通称”お団子煙”です。

フォルム比較01
(増尾フォルム)

この時代の増尾エフェクトは、こういうフォルムで立体感を描写しようとしているのが多い。
ディテールはそれぞれ異なっていますが、一番外のライン、つまりフォルムの中心である輪郭線の形がまずボコボコしてるのが分かると思う。そんで、大小異なる球形をたくさん入れて作画してるんですね。これらをまとめて「お団子煙」とすると、分かりやすいのではないかなと。

ちなみに、全体のフォルムは橋本敬史に昇華されて、引き継がれているのではないかなあと思ったり。初期の橋本(「YAMATO2520」とか「ぼくらのウォーゲーム」とか、90年代後半あたり)とエヴァ以降の増尾のフォルムってすごいクリソツなんですよね、ホントに(※これについてはあんま聞いたことないから、常識レベルなのか分かりませんが…)。2人が一緒に参加されてる作品もそこそこ多いので、パート判定の時に苦労する。これはなんか庵野増尾の関係に似てますね。



<2、透過光の整理>

そんで次、爆発の強い光を表現するために使われる「透過光」の特徴について。比較的、増尾さんは爆発本体(爆発の内部)に装飾的に透過光を入れるタイプではなく、強い光については大抵「白コマ」か「板野光」(『幻夢戦記レダ』などで見られる、クロス光の回転と複数の点を透過光で光らせる手法)で表現するほうです。

そんな増尾さんにも透過光、90年代後半~2000年代前半にかけては、ちょっと特徴があって。次の図をご覧頂きたい。

透過光比較01
(増尾透過光)

こういう感じ。ほぼ全面の透過光が弧を描いて、その上に煙が乗っかっている。透過光の動きに合わせて、煙も一緒に動いていくという感じですね。簡易図を用意しました。サザエさんとか言ったら殴るぞ。

増尾90年代後半の特徴

(増尾透過光:図1)

こういう感じに巨大透過光の上に煙がくっついて、一緒に連動するみたいな。まあちょっとgifで見てみましょうか。

■劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕(2000)
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■YAMATO2520(1994-6) 01話
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こんな感じに透過光を使います。どっちもタイミングがいいですよね。すごく膨らんだところで一回止まって、タメを作ってから加速する。これもまた、増尾エフェクトの特徴でして、急制動・急加速のタイミングが面白いんですよね。初期らへんの橋本爆発との比較もいつか出来ればイイナー。そんな感じで終わり。 


久々の増尾爆発特集

まずは、この爆発を見てくれ こいつをどう思う?

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すごく良いです…
冗談はさておき、この爆発すげえ良いよね。巨大ビームからの全面透過光のじんわり爆発
じわあっと広がっていきながら、トゲっぽい触手煙も伸びてる

これはとある90年代後半の増尾爆発なんだけど、
なんで分かったかというと、旧劇エヴァの増尾爆発とクリソツだったんですよ



・「新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを君に(1997/劇場)」 増尾爆発
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これこれ 
戦略自衛隊がネルフ本部を攻撃をしているところの1カット
左PANしながらの爆発がいい。タタキとか白コマもすげえ上手く乗っかってる
(※ちなみに、旧劇はこれ以外も戦自がらみの所を多数やってると思う)

分かりやすいように、比較画像~(テッテレー

比較01


この時期(95-00前半)は、こんな風にお団子が一杯乗っかってる爆発フォルムが特徴ですね
後は白コマとタタキの多用が特徴的



 
で、一番最初に載っけた爆発、何の作品か分かりますかね
「マイナーなOVA作品?」「なんかのゲームのOP?」とか思うじゃないですか
これだけ世に出てないと

なんとですね、





これポケモン映画なんですよ!

「嘘つくな、夢でも見てんのか」と言われそうですが、
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なんとポケモン映画の2本目「幻のポケモン ルギア爆誕」の中に出てくるんですね~この爆発

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(※余談だけど、お話もめっちゃ良かった)


・「劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕(1999)」
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しかもね、このシーンは、ルギアがサトシを背中に乗せて飛んでる所に、
敵のおっさんの妨害があって、もがいてビームを放つので盛り上がるシーンで…

要するに、めっちゃ見せ場なわけです
すごくないですか 一番の見せ場のシーンに、こんなカッコ良い増尾爆発あるのよ!
増尾爆発ハンパねえ 全国のちびっ子に爆発を刻み込んでいる


ちなみに、ルギア増尾はこの辺もやってると思う

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ビーム発射からルギアが海に落ちるまで、くらいかなあ
この辺もすごく良い


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ナディアとちょっと比較
比較02

泡の影の付け方がすごい特徴的ですよね
外側の輪郭線に沿って付ける影が一番分かりやすいと思うんですけど
三日月っぽい影が何個も重ねられてる



「白コマ多用は、この時代の増尾爆発の特徴」と先ほど述べましたが、
かの有名な「ポリゴンショック」が1997年に起こっているので、
ポケモン映画では使いたくてもちょっと使えなかったのではないのかなと
(※その代わりに、透過光を全面に押し出して使ったかなと思ったりもする)

この増尾爆発はホントいい
ルギアと旧劇借りてきてみんな見よう! 


積み記事(約1年前)。
そういや公開するのを忘れてました。

まあ、なんかつらつらと増尾さんやエフェクト作画について色々書いてまう。
参考になれば(たぶんならない)


(1)作画

アニメーションにおける映像のこと。お固いwiki的には、動きを示す連続した一連の静止画らしい。ネット上では、原画の意味合いで使う人が多い。原画とは、アニメーションにおけるキーとなる絵のこと。この段階ではテレビで流されるような映像にはなっておらず、動画マンが原画のクリンナップ(清書)と中割り(原画と原画の間の絵)を描いて線画工程は完成する。(※作画監督の修正だとか仕上げとか色々ありますが、ここでは分かりやすいように簡略しています。)


(2)エフェクト、エフェクト作画
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エフェクトとは、広義には自然現象やビームなどの表現であり、狭義には爆発・炎・煙・水・光の映像表現を指す。エフェクトの範囲は広いので、使う人によって意味合いも大きく変わってくる。例えば、このブログでは爆発・煙に重点を置いているので、そういう意味でエフェクトという用語を使っているが、実際は水の表現、光の特殊効果、実写における特殊効果など様々な意味合いで使われる。

エフェクト作画とは、自然現象を作画して表現すること、極端に範囲を絞って言えば、爆発や煙を描くことです。このエフェクト作画(特に、爆発・煙)を得意とする人物は、『新世紀エヴァンゲリオン』を監督した庵野秀明やその師匠の板野一郎などがいる。後は、『咲-Saki-』の総作監である佐々木政勝とかが有名。当然、今回のメインテーマである増尾昭一もその1人。


(3)増尾昭一(ますおしょういち)
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(※画像では一番左)
今回のテーマアニメーター。スタジオジャイアンツ出身。『Gu-GUガンモ(1984)』後に同スタジオを辞め(※『劇場版マクロス』に参加したかったから辞めたという一説がある)、フリーのアニメーターが集まるスタジオグラビトンの設立に参加する。

その後は、『王立宇宙軍(1987)』の制作のためガイナックスにも参加し、現在はスタジオカラーに所属している。リアルなメカ・エフェクト描写で、80年、90年代のロボットアニメを中心に支えた。庵野秀明とは『劇場版マクロス 愛・おぼえていますか(1984)』のときからの知り合いで、庵野秀明作品にも多数参加している。現在は、『新劇場版シリーズ(07-)』において特技監督として映像面で大きく貢献している。 

爆発・煙などのエフェクト作画が上手い人です。完成画面には上手く出てこないときもあるけど、原画は本当に繊細、綿密。「爆発の増尾」という触書きで、札幌のアニメ学校で教鞭をとったりもした。庵野さんみたく人が描けないというわけではない。ロボットとかのメカニック、特に大型の戦艦、巨大艦を描くのもバリバリ上手い。『艦これ』がアニメ化されたら、きっとお呼ばれされるんじゃないのかと。『艦これ』が好きな人は、知ってて損はないと思います。(※なかったね…)


(4) アニメーター
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アニメーションにおいて、原画、動画を担当する役職。原画マン動画マン、動画検査、または3DCGアニメーターなどの事を指す。ちなみに海外では原画マンのことをKey Animator(キーアニメーター)、動画マンのことを単にAnimator(アニメーター)、もしくはinbetweener(インビトゥイナー)と呼んだりする。ネットでアニメーターという用語を使うときは、ほとんどの場合原画マンを指している。

簡単に言えば、映像の絵(線画)を書く役職。


(5)『エヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ』
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2007年からスタートした全四部作のシリーズ作品。庵野秀明による『新世紀エヴァンゲリオン(1995)』のリメイク。デジタル撮影、特殊効果、CGなどTV版のエヴァとはまた違った魅力で、従来のファンのみならず新規のファンも獲得している。2014年現在、三作目の『:Q』まで公開されているが、完結編の『シン』は公開日未定。当初は、映像面を中心に(2008年までに)全編に渡ってリメイクされる予定だったが、思いの外『:序』の興行成績が良かったので『:破』からプロットを大部分変更した。

いつ完結するんでしょうか…


(6) 『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
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1987年公開。山賀博之の初監督作品。『新世紀エヴァンゲリオン』や『トップをねらえ!』で知られるガイナックスは、元々この作品制作のためだけに作られたアニメスタジオである。興行成績は(制作費と比べて)振るわなかったが、映像作品としての評価は高く後述の『AKIRA』とともに当時映像的に極みを迎えた。 ちなみに、続編『蒼きウル』の制作凍結解除が昨年明らかになったことでも話題となっている。

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(■『蒼きウル』 ポスター)



(7)特技監督

基本的には、アニメ作品全体のエフェクト作画を統括する役職。エフェクト作監(原画で描かれるエフェクトを整える役割)は特技監督に内包されている感じ。増尾昭一が務める『新劇場版』の特技監督は、より広い範囲のエフェクトを統括している。セル、2DCG、3DCGに渡りエフェクトの監修を務め、自分で作画したエフェクト素材を足したり、火花や粉塵の追加をしたり、アニメーション経験の薄いCG部門への指導・アドバイスをしたりと多岐に渡る。詳しくは配信で。エフェクト作監については、以下のリンクで橋本敬史氏が詳しく述べているので参照してね。

■アニメーター・橋本敬史氏、エフェクト作監と他の作監との違い&エフェクト修正の裏技について語る。
http://togetter.com/li/322196


ゴタゴタ書いてるけど、新劇における増尾さんの役割というのは、結局は「自分で描くか」「CGなどのデジタルツールで足すか」という感じ。庵野秀明、鶴巻和哉ら監督から、「このカット、イマイチ迫力にかけるな~」となったら、増尾さんの出番。彼らの好みに合わせて、試行錯誤して完成画面になる。増尾さんは、撮影(※セルと背景を一枚の静止画に合成する人のこと)の人よりも監督と長い付き合いなので(嗜好が分かっているので)、試行錯誤の回数が少なくなる。つまり、撮影さんの負担が減る。増尾さんを通さないと、撮影⇔庵野監督という構図になり、何度も何度もリテイクを繰り返して、非常に効率が悪くなってしまう。



(8)『超時空世紀オーガス』
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1984年放映。『超時空要塞マクロス』の後作品。”時限振動弾”と呼ばれる爆弾により、時空がねじ曲がり、いろんな平行世界が存在する”混乱時空”となってしまった中、それを解決しようと歩む人々の営みや戦いを描いた重厚なSF作品。『初代マクロス』が慢性的な人手不足に悩まされたことは有名だが、この作品もその一因である。(※主要スタッフが、ごっそりこちらの『オーガス』にスライドした。)

画像に写っている先頭のかわいい女の子は”モーム”という。覚えておこう。(なんの役にも立たない)ちなみに、「モームはPTA的にあうあうじゃねーの?」「こんなのは、昔のアニメでは人気無かったんじゃないの?」って思った人もいるだろうけど、実際はミムジィという正ヒロインを差し置いて大人気だった。今も昔も、みんなロリコンだね!

増尾昭一は、スタジオジャイアンツとして高橋ナオヒトらとともに参加した。この作品における増尾の偉大さは、ロボットやエフェクトが多数出てくる戦闘シーンを、バンク(※一度使った絵を違うシーンで再利用すること)を使っているとは言え、ほぼ一人で描いたことにあり、しかもその作画は高いレベルで安定している。見どころとしては、板野サーカス(※ミサイルの高速移動を作画したもの、板野一郎氏が発明)、爆発、戦車やロボなどのメカニック作画がある。初期の増尾昭一参加作品の1つ。


(10)『ふしぎの海のナディア』
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1990年放映。庵野秀明のTVシリーズ初監督作品。科学好きの少年ジャンと少女ナディアをメインに描かれたSF作品。増尾昭一は、ノーチラスと呼ばれる万能潜水艦や、グラタン、レッドノアなどのメカを作画監督として監修した。同作品における増尾の魅力として、『ナディア』に代表されるメカニックの柔らかい表現、緻密なパース(遠近法)による戦艦作画などがある。

『ナディア』は、『未来少年コナン』と雰囲気が似ているという個人観。具体的には、NHKという放送局、名作劇場風に始まる序盤、終盤は重厚にSFが描かれる等、いろいろ相似点がある印象です。ちなみに、「未来少年コナン」が分からない人のために補足をしておくと、この作品は『風立ちぬ』で引退を表明した宮﨑駿の監督作。とっても面白いので、見たことがない人は是非レンタルしよう。


(11)『AKIRA』(アニメ劇場版)
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1988年公開。大友克洋監督作品。漫画原作とはストーリーは少し異なっているが、すさまじい映像美で様々な方面のクリエイターに多大なる影響を与えた。『王立宇宙軍』と同じく海外での人気も高い。エフェクトテーマとして、AKIRA本谷の煙を参照されたし。(※リンクは、このブログの記事)

 
(※動画は、1分42秒辺りから)


(12)『咲-Saki-』 
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2006年からヤングガンガンで連載されている、小林立の漫画作品。 2008年に初アニメ化。比較的ダーティーなイメージが強かった麻雀のジャンルに、美少女や青春ドラマという要素をプラスして若い世代を中心に支持を得た。アニメでは、美少女キャラの生死をかけた熱戦や、サンジゲンの3DCGや佐々木政勝総作監のエフェクトなどが見どころとしてある。2013年には、アニメ2期『咲-Saki-全国編』も放映された。

咲-Saki-ファンの人には改めて言うまでもないですね。二次創作も盛んで、SSやファンアートも多数作られていてファンの愛情を感じる。僕は、最近キャラが多すぎてよく掴めてないです。誰か準決のチームとメンバーの特徴を分かりやすく教えてください。ガチで。


先日書いた記事があまりに評判で、びっくりです。たくさんの方に見ていただいたのでお礼記事も兼ねて、今回は満員御礼みたいな感じで、「マップ兵器」的な表現をもう少しgifで紹介したいと思います。

まず、その前に「マップ兵器」という呼称について。これには多様な意見がありました。先日の記事、及びこの記事においては、分かりやすさを優先しこの呼称にしています。一本線ビームと、大量ミサイル、反応兵器など、多種多様な兵器群はあくまで「兵器」であり、その結果として描写される、複数の光球爆発が「マップ兵器(的)表現」と整理しています。「兵器群」について一対一対応で分類して定義するのは、非常に複雑になりますし、そもそもこの定義は元々それなりに曖昧なものでありますので、その「曖昧さ」を含んだ上で定義していいという風に判断しています。

簡単にわかりやすく説明するならば、マップ兵器表現とは、「個別にロックオンして狙うのではなく、多数の兵器や網羅的な攻撃範囲の兵器によって、その場所にいる敵を見境なく倒す表現」という感じですね。



・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(劇場/2007)」
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樋口コンテ。増尾特技監督。ラミエルたんのなぎ払いビーム。ここのカットは本当にレイアウトがよく出来てて、光球爆発の大小もあるんだけど、奥から手前に描写することで、画面全体の立体感と臨場感を出している。



・「コードギアス 反逆のルルーシュR2(TV/2008)」
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光球爆発を半分透過させてのマップ兵器表現。紅蓮の羽根を通って見える光球爆発の描写は、紅蓮自体の大きさや強さといったものを演出している。光球爆発と紅蓮が対比されていて、奥行きあるレイアウトになっている。



・「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-(劇場/2010)」
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これはマップ兵器表現と呼んでいいか微妙なんだけども、光球爆発が絡んでいるので。PANで勢いをつけてから、急停止させ慣性を感じさせるカメラワークは見事。どことなくガンダム00は、「トップをねらえ!」リスペクトを随所に感じる。ELSの大群とか。


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同作品。こっちはマップ兵器表現と呼んでいいだろう。光球爆発の消滅描写が特に良い。昔のゲームに出てくる爆発のリピート描写のように、球体に沿った線が残ることで、光球の消滅に立体感をもたらしている。



・「シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜(TV/2012)」 11話
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カメラワークと素材の動かしでの簡易的なマップ兵器表現。2カット目のジグザグカメラワーク、3カット目の光球爆発のスライドによって表現してますね。簡易的ではありますが、しっかりと表現されている。そして、ラストの爆発によって、それまでの記号的なマップ兵器表現に意味がもたらされているように感じる。(※描写は省略してるけど、各地でもこんな爆発が発生してるといった感じの意味。)



・「イナズマイレブンGO クロノ・ストーン(TV/2012-13)」  49話
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クロスフィルターっぽいものを散りばめてからのマップ兵器表現。光球爆発がアトランダム的で、写実さを発現させている。キラキラは現象(マップ兵器表現)の予兆になっている。



・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012)」
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増尾特技監督。(質量兵器の)マップ兵器表現。中野フラッシュからのCGで光球爆発を描く。ここでは、奥行きよりも臨場感を優先していて、あたかも眼前で起こっているかのようにインパクトのある画にしている。


そして、これは「POPCHASER(OVA/1985)」における、増尾作画にとても印象が似ている。

・「POPCHASER(OVA/1985)」
POP増尾昭一

増尾作画。タイミングとショックコマの使い方が何ともそっくりだ。特にタイミングの方が大きい。ショックコマ(黒コマ、白コマ)の使用によって画面にメリハリを出すのは、やはり増尾が大変に得意とするところと感じる。



・「機動戦士ガンダムAGE(TV/2013)」 31話
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ぶったぎりビームからの光球爆発。ここで、光球爆発は右から左にテンポよく発生していき、最後には光球の光が拡散していき爆発へと繋がる。この一連の流れがスムーズで、印象的になっている。



・「蒼き鋼のアルペジオ(TV/2013)」 11話
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これは光球爆発を使っていない、マップ兵器表現。サンジゲンCG。軽巡ナガラを攻撃し、煙の柱がドドドンと立っていくのをフォローで映した後、俯瞰アングルから全体を見せるカット割り。



・「革命機ヴァルヴレイヴ(TV/2013)」 11話
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ダブルアクション的なマップ兵器の表現。光球爆発の間々に、中野フラッシュが所々挿入されていて、印象的にさせようという工夫を感じる。各地戦闘の描写である他の光球との差別化のために、マップ兵器表現の方は、光球自体が爆発した後も消滅せずに描写されている。



これらのgifも合わせて見ると、記号的になった「マップ兵器」の表現に対し、新たな解釈、新たな工夫がなされていることが分かります。ただの模倣に留まるだけでなく、どうすればより魅力的になるかをしっかりと考えている。つまり、記号化された表現の再解釈です。これこそが、「記号的な表現」を新たに表現する際に最も大事なことです。模倣も必要ではありますが、それよりも元の表現に対する深い理解と自分なりの解釈の方が必要不可欠と考えます。それらが、表現を豊かにし、発展させていきます。

この考え方は、「記号的な表現」においてのみだけではなく、アニメーションそのものに対しても言えると思います。例えば、模倣の対象となるアニメーターの元の画が、どれほど魅力的なものであっても、その模倣が必ずしも魅力的になるとは限りません。それどころか、元の画に対する理解や解釈もせずに、表面的な部分だけをなぞり、とんちんかんな画を作ってしまう場合の方が多い印象です。試行錯誤、創意工夫、自分なりの解釈、これらがアニメーションを発展させていくために必要なのは間違いないことだと考えています。

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