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足が絡まっても、踊り続けて

カテゴリ: エフェクト作画


素晴らしい記事が伸びないことへの怨嗟と発狂のために、増尾記事を見直していたんですが、こういうことじゃねえのか?という発見があったのでご報告します。




結論から言うと、カメラからの距離でエフェクトを使い分けていたのではないか?
(※これどこかの記事で言うてる気がします)

カメラから遠い位置のエフェクトはとうぜん、その姿は明確ですが、カメラの眼前・寄りでは、ぼやけます。カメラ距離を考慮に入れたエフェクト表現をしていたのではないのかというのが推論です。

そういった目線で、先日の増尾記事のgifを検討してみましょう。

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[バンパイアハンター(1998/OVA)]

1カット目は球形爆発だが、2カット目以降は球形が溶けてくっついた感じになっている。2カット目以降は二号カゲを入れていない。


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[セレヴィ(2001/劇場)]

ご覧の通り、離れた位置にある爆発は立体を重視しており、カメラに近づくにつれディテールは少なく(平面煙に)なっていきます。平面煙というのは、「立体感を出さないように」ディテールを極力減らしている煙です。板野調のような、球形フォルム+ディテール少なめから、球形を抜き取った感じ。



序は微妙だけど、ややディテール薄くなっているような気がする


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[エヴァ序(2006/劇場)]

カメラ位置はさほど近くないのかも?
4個ほど煙ありますが、手裏剣ディテールとかには違いがありますよね。


<参考文献>
白組スタッフによる庵野総監督語録も!白組による「シン・ゴジラ」メイキングセミナー 


あとねー、増尾フォロワーがいないっていう話をしたけれど、あれは正確にはフォローできない、模倣ができないってことですね。彼のタイミングや、この記事で指摘したような部分は、表層的な絵面ではなく脳みそがいるものなので、簡単には模倣ができない。


増尾作画いろいろ(1)/「ホンラン」「新海底軍艦」ほか


Q、次の増尾昭一作画は、何年代のものか。次から選べ


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1、1990年台後半(1995~1999)
2、2000年代前半(2000~2004)
3、2000年代後半(2005~2009)
4、2010年代前半(2010~2013)

わかるかな?











まあこれ正解は、3番です。2009年に制作された「仏陀再誕」なので。


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[仏陀再誕(2009/劇場)]

ポイントとしては、クルミ状(デコボコ)フォルムですよね。これは2000年代じゃないと確認されてないので、3、4までは絞れたと思います。あとはタイミングで3番と決まります。90年代は、もっとドカドカするタイミングなんで、こういった滲み出てくるようなタイミング、ゆったりとしたタイミングは、00年代にならないと出てきません。まあ、何度も言ってることなので耳タコだね。

あと、どうでもいいですけど、カルト団体が作ってる映画だから、みたいな偏見とかありませんよ。映像がすべてなんで。良いものは良いし、逆も然り。そこに根拠を求めたらダメです。カルトはカルト、映像は映像です。今掛さんの作画なんかが語られない理由はこの辺にありそうですけどね。



脱線しました。元の話に戻るお!
同時期の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」でも、似たようなエフェクトがあります。


[ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007/劇場)]
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クルミ状の煙、手裏剣カゲディテール


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見返してて思ったけど、手裏剣ディテールを重視して見ると、この辺も増尾さんっぽい
いやめっちゃ推測ですけどね、ここパート判明してましたっけ?




[セレビィ 時を超えた遭遇(2001/劇場)]
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1997年頃~2000年初頭はおそらく増尾エフェクトは2種類あるのかなあと。
基本的にはクルミ状の煙をフォルム全体で動かしていく、手裏剣ディテールがある。


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ただ、このカットの画面手前の煙のように、平面フォルムの煙もあるんですよね
「ガンスミスキャッツ」とか90年代後半な感じ(説明さぼり


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セレヴィ増尾すげえなあ
増尾フォロワーって聞きませんが、ショックコマといい、タコ足煙といい、エフェクトアニメーターはけっこうな影響受けていると言っても間違いではないと思ってまう


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このカットは、2000年代の増尾タイミングの基礎な感じするねえ!
(※ルギア、YAMATO2520でも似たようなカットがあった)
一発目の着弾は段階的にガッガッガと膨らむでしょう。これが特徴的な部分や



[バンパイアハンター The Animated Series(1998/OVA)4話]
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フォルムはまったく違うんだけど、タイミングがばっちりだったので
タイミングは動画とか見て感覚で掴んでIKEA
(※この辺のフォルムは「AKIRA」Cパートの戦車爆発と似てる)
よくやるパターンは、真ん中爆発→(白コマ挟んで)画面外からドカーン



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セレヴィと同じ時期なのに、平面的なフォルムでしょう。
これだから増尾の90年代ラスト~00年代初頭は難しいんだ

整理しときました

増尾特徴90年代後期

要するに、この時代は過渡期だった。

2006年くらい、「銀色の髪のアギト」までにフォルムが固まるまでに、おそらく2種類のエフェクトを使い分けて試行錯誤していただろう。そのへんが90年代末期の増尾作画の判断の困難さを生み出しているものである。「メルティーランサー」「ルギア爆誕」などでも見られるので、「この時代の増尾作画はこれしかない!」と断定するのがそもそも変。この時代には、2種類の増尾エフェクトがあった、ということなんだよねえ、多分。


さて、今回は劇場版マクロス「愛・おぼえていますか」の増尾作画です。なお御礼記事も兼ねています。私信ですが、いろいろとありがとうございました。

増尾昭一はこの作品で、作画監督補として参加されました。「超時空世紀オーガス」のメカとエフェクトについては一人原画でした。ですので、「愛・おぼ」に関しても、同じような役職、すなわち、メカニック・エフェクト作画の修正補助だったろうと思います。だいたい飯田史雄さん(「王立宇宙軍」作監、「ヤダモン」漫画)と一緒にやったんじゃないかな。


ちょっと調べてみるとこんなツイートがありまして(辻壮一さんは、元アニメ雑誌編集者で現在はKADOKAWA勤務)


まあ全て劇マクのことかは分かんないですけど



今回もすべてパートは推測です。1984年といえば、増尾キャリアにおいては初期です。ですので、金田調のタイミングを残しつつ板野調のフォルムへと変換されていった時代と捉えてもらえれば、おおよそ問題ありません。白コマとディテールの少ないフォルムが特徴です。

前後作品は
「超時空世紀オーガス」「幻夢戦記レダ」「メガゾーン23」「POPCHASER」あたり


総攻撃の直前
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球形フォルムと、ショックコマ。ただ破片とディテールが少し増尾昭一っぽくない。
この時期は、まあキャリア初期なので、破片が多目ではありますが。
ややディテール多いので、微妙ですね。




ラスト付近ミンメイと1
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この形状、白コマの入り、ディテールの入り方。増尾作画っぽい。
爆発表面上にほぼ模様なく、ブラシを輪郭に沿って使う。
で、下記のような(赤部分)、こういうディテールが多いです。
タイトルなし
爆発と爆発の間、おそらくそれが重なった際に発生するカゲを表現したものかな



あとはこの辺も気になる
09]

ちょうどオーガスのときにも、「独立した球形で作る煙」「球形が合わさって結果的にデコボコに見える煙」の2つがありました。まあ黎明期なんで、試行錯誤されていたことは間違いないですが。




ラスト付近ミンメイと2
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これも同様に。爆発表面は、透過光がほとんどですよね。
ちなみに序盤でもこのカットはありますが、その際は白コマが入っている



ミンメイデート
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白コマ入ってないのが微妙ですが、タイミングはこの時期の増尾昭一
オーガスの時と広がる速度が同じですねえ
しかし微妙です。修正がかかったのかも



以上です。作監補なので、あまり原画パートを断定するほどの材料はないのですが気になっていたので取り上げました。この時期はキャリア初期なので難しいですねえ。

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