GOMISTATION

足が絡まっても、踊り続けて

カテゴリ: エフェクト作画


情報提供いただきました


■文豪ストレイドッグス(TV/2016)

10話:CG黒煙ゆらゆら
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透過光の入れ方に注目されたい。黒煙は、内部で熱を循環させながら、巻き上がっていく。それを表現するために透過光を黒煙表面に入れて、時間が経つと消えていく。ガヤのパーティクルも良い。あとは、煙が塊ごと(中心部と外側部分)では微妙にタイミングが異なっていてフォトリアル。

ちなみに、CGディレクターは太田光希さん。2009年頃からボンズ作品でCGを統括されているみたい。



15話:車ドカン ★
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富岡隆司作画(※推測)

爆発した瞬間から、ショックコマを挟んで一挙に広がる爆煙。それに伴って、衝撃波が手前へとやってくる。臨場感が出る。爆発中心はやはり高温度ということで、透過光に。破片は放射状ですね、衝撃が球形な感じなのかな。

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いろいろ言ったけど、いちばんは、広がる瞬間の大胆さが良い。フォルムがいきなり変わるけど、まったく違和なく繋がる。そこが気持ちいい。


富岡隆司AMV


富岡隆司さんは今回初めて知ったのですが、べらぼうに上手い人のようで。このMADだと、CANAANのシーンとか痺れた。ヘリが上昇しパースが刻々と変化しながら上がっていく中で、不安定な体勢から銃撃するカナンの描き方が良い。あと、アップになるとタイミングが大胆になる。




23話:床バウンド
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注目したいのは、それぞれの煙が、ぶつかったところで発生して広がっていくところ。床で発生した煙がまず広がり、壁で発生した煙とぶつかって勢いが和らぐ。これはラストの天井の煙まで続く。天井から落ちてきた破片とキャラによって、煙の形は変わる。キャラのときは包み込むようになってる。


劇場作品「GREY」における、エフェクト作画を追っていこうと思います。


■GREY デジタル・ターゲット(劇場/1986)


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(本編エフェクトその1):前島作監(※推測)

モコモコとした山のようなディテールを作り、タコ足煙を伸ばす。透過光はほとんど使わず、ハイライトで爆発の高温を表現する。前島作画・作監はそんな感じだと思う。



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(本編エフェクトその2):鈴木作画・作監(※推測)

その一方で、爆発同士をひとつの塊とみなし、ブラシを使ったカゲのディテールが見られるのが鈴木作画・作監でしょうか。タコ足も爆発に直接つながっている(※前島作画のように、爆発本体から独立したものとはなっていない)。破片はさほど差がない。クレジットを記載しておく。

エフェクト作監:前島健一、鈴木伸一
原画(抜粋):荒木英樹、山根まさひろ、南伸一郎、本谷利明、古橋一浩

このように、本編のほとんどのエフェクト作画は、作監である前島・鈴木さんによるものでしょう。クオリティ高く統一感が出ている。裏を返せば、統一感がないところが本谷利明パートと言えなくもない。まあ、消去法的でちょっとアレなんですが。


以下全て、本谷作画。もちろん推測なので、参考までに。


★戦闘機ぐしゃどかーん
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強烈なショックコマ+緻密な戦闘機の破壊描写。「メガゾーン」における本谷作画の緻密さを思い出すほど、破片が細かい。フォルムはわりと球形で、ディテール少なめ。ここは少し本谷作画とは異なるような気もする。中野フラッシュのようなショックコマは、おそらくメガゾあたりで知り合った増尾さんから模倣したんじゃないかなあ。


★立ち昇る煙
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カゲ2色のリピート作画ですが、密度が本編のそれと違う。だいたい分かってもらえたら良い。


★爆発ダブルアクション
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前島・鈴木両名はほとんど透過光を使わないように思います。ですので、このシーンは異質に映った。タコ足煙もただ伸びていくだけではなく、しっかりと重力に従って落ちていく。あとは「AKIRA」のタイミングにめちゃ似てるんですよね。



★ミサイルドカーン
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じゃっかんですが、タイミングが違っている。透過光や黒いカゲの使い方が、前島作画のそれとは異なって見える。まあこれは、本谷作画の前島作監修正かもしれません。


んで、80年代前半のエフェクト作画は、絶賛「金田系」祭りです。田村英樹などが代表的ですかね。どこかしら、金田作画を基調にしたものが多い。ということは、板野系(球形を中心とした爆発作画)などは必然的に目立ってしまう。初期の本谷作画は、球形を集めたもの(※メガゾ2あたりになると、フォルムが固まってくる)ですので、今回のようになったのかと思います。にしても、初期の本谷利明作画はぶっちゃけ分からんところが多いなあ。


「王立宇宙軍」には、シロツグの同僚たちがロケットの打ち上げ失敗ビデオ見ているシーンがあります。このシーンの爆発はとても見事なんですが、ある疑問があったので考えてみる。全部で3カット。



■「王立宇宙軍(劇場/1987)」/劇中ビデオ3カット

打ち上げ失敗その1:庵野作画(※推測)
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モノクロなので少し見にくいですね。じんわりと横に広がる煙、カゲ2色。当時の庵野作画とフォルムもタイミングも似ているし、まあこれは庵野秀明によるもの(作監修正の可能性も含む)と考えてよい。これは別に問題ない。作監の庵野がやっただろう。


打ち上げ失敗その2:増尾作画?(※推測)
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さっきのヤツとは、タイミングも煙の形もカゲも違っている。手前に進んでくる煙がめっちゃ良いんですが、増尾作画のように思います。助監督の増尾なら、これも問題ない。問題は次のカット。



★打ち上げ失敗その3:?作画
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これめちゃ上手いっすよね。劇中ビデオに使われているのがもったいないくらいに、爆発のタイミングといい、カゲの付け方といいキレイ。んで、疑問に思ったことなんだけど、なんでこんなキレイな爆発をここにもってきたのか。そういった点が引っかかったんですよ。こんなに上手い爆発を書ける人なら、ラストの戦闘シーンでもたくさん書いてもらった方が良いに決まっている。

でも、このようなフォルム・タイミングの爆発はラストのシーンでは見られないんです。当時、若手スタッフ主導で進めていた王立なら尚更書いてもらった方が助かるはずなのに。とすると、それができなかった理由があるのではないか。

その一つとして、これを書いたのは、作画から見て本谷利明さんではないかと思うんですよ僕は。


コントラスト調整版:本谷利明作画(※推測)
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そう、あの本谷利明です。この時期の彼の参加作品は、「AKIRA(1988)」「ヘル・ターゲット(1987)」という感じ。当時の本谷作画が緻密で写実的だったのは、言うまでもなく。カゲ2色で、ゆっくりとしたタイミングでタコ足煙が伸びていく。上の爆発と比較してみましょう。


ヘル・ターゲット(OVA/1987):本谷作画
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なんとなくわかりますかね。爆発のフォルムが大小入り乱れており、メインは大きな楕円となっている。煙と煙の間の濃いカゲの入れ方や、タコ足煙や滞留の感じが似ている。

王立ビデオパート検証

水色の円はトゲトゲの炎のディテールで、赤色は濃いカゲの部分ですね。トゲトゲディテールは意外と見過ごしていました、もしかしたら、この時期の本谷爆発の特徴かもしれない。

それで、この爆発が本谷さんだと思ったのは、もう1点あって。成人漫画家の森野うさぎさんによる本谷利明インタビューのこの部分を読んでもらいたい。

★お手数ですがいままでやられた作品を教えて下さい。
(中略)
森「アニメのほうは?」
本「これは多いから、じゃ、映画だけね。
「オネアミスの翼」原画。ちょっとだけしかやってない。プロデューサーとけんかしてすぐに辞めた。
パイロットフィルムの時の方が、カット数が多いくらいだ。ガイナックスと相性が悪いな、俺。
Gが頭文字の会社とはけんかばっかりしてるな。ガイナックスとかゲームアーツとか。」
http://www4.plala.or.jp/croh/gvdb/morino99dec26.html から引用
こういうソースを信用しすぎるのもあれなんですが、「鋼の鬼」「AKIRA」であれだけクオリティの高い煙や爆発を書いている本谷さんを、当時のアニメ演出家が使おうとしないわけないんですよ。これは間違いない。例外なく、ガイナックスも参加を打診したけれど、まあ途中でトラブルった。

――ここからはかなりの推測になりますが、ガイナが本谷へ参加を打診した。んで、王立で原画を何カットか書いている途中で、プロデューサーと揉めて辞退。本当はもっとガッツリやってもらう予定だった。こういう流れだったと推測。だとすると、この本谷原画ってガイナックスにとっては、「扱いにくいモノ」ではないですかね。本人は辞めちゃった、けど、すげえ上手い爆発の原画が残っている。辞退したからといって、これを処分するのはあまりにもったいない。活かしたい。そういうわけで、あの劇中ビデオシーンに使われたのではないかと思うのです。


まあ、とにかもくにも、こういったわけで、その3については本谷作画だと思います。王立宇宙軍の本谷パートがずっと気になっていたので、今回少し記事にしました。

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