GOMI→STATION

さむくてエモい時期です

カテゴリ: その他のアニメーション

初見で見た時は、これCGなのかと目を疑った。
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カセットガール - アニメ(ーター)見本市第35話


CGの技巧が優れてるのは言うまでもないんだけど、特に流れるような金田アクションと、作画に引けをとらないエヘクト。この2点が特筆すべき点かなあ。金田系アニメーターの摩砂雪はコンテでも金田アクション随所に盛り込んでくるんですが、今回も自然に放り込んでて上手い。


爆風ふっとばされアクション
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爆風で吹き飛ばされた後、空中に放り出されて雪の上に着地までのアクションです。これの何処がスゴイかと言うと、CGでサバサバした金田アクションをやってるとこですね。しかも上手く決まっている。普通のCGIだったら、もっと女の子が空中にいる時間は長いです。こんなに短い上、破綻していないのは偉業と思う。カラーデジタル部はコマ落としを多用したんじゃないのかな、摩砂雪はアニメでも特撮でもよくやるし。


おっとっと
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観直した中で一番良かったアクションはこのシーン。
板がずれて後ろに動いたために重心も一緒に動いて、女の子は体が前のめりに。その後、真正面からの風に押されてしまい上半身は後ろへと傾く。この間、下半身は固定されたままなんで、殆ど動けないんですが、最初の方では抵抗しようと内股になってたり、後半の風に姿勢を持って行かれて、少し開いちゃってる。いやあ、細かいとこまでちゃんとコントロールしてやろうというのが伺えます。




レンタル屋爆発
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2回閃光した後の爆発。
一回目の煙はタイミングがいい、じんわりタメてます。その後は、ガヤも混じりながらの全面煙。ある程度勢いで押してるのと、2色という色数でセルルックにやってるのが良いです。ここはリアルと漫画が混ざった感じですね、一回目の煙は少しリアルなんだけど、2回目の煙はちょっと漫画っぽくド派手に。


どっかーん着地
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カメラに衝撃波が届く瞬間にショック表現として、ビデオのノイズを使っているのもまた良いですねえ。エフェクト本体は4色程度かな。煙自体の展開や、煙が冷えていく描写を色と透過光でコントロールしてますね。舞い上がって消える破片も綺麗だ。後は、前の方にニョキッと出てくる煙かな。この煙のタイミングがものっそい良いですね、煙全体のじんわり感を上手く演出してると思う。 



総括すると、アクションについては挑戦的な表現で、しかも金田アクションとの親和性が高い点に驚きました。なんとなく、「金田系」と「CG」は両極端に位置していると思っていたので。ある種到達点とも思う。エフェクトは破片、瓦礫も含めて、総合力が高い。2色の煙は下手なアニメーターが書くより断然素晴らしいです。タイミングもそうですけど、画面を何とかコントロールしようとしている工夫と試行錯誤が伝わってくる。面白かったです。

カセットガール - アニメ(ーター)見本市第35話

世界の国からこんにちは」は、片山一良による万博パビリオンぶち壊し映像作品です。この作品では良いエフェクトが山ほど見られたが、これは見本市の作品の中で一番優れていると言ってもいいだろう。


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日本ロボが着地してからの煙。
影は2色使われており、立体的である。左右に流れていくタイミングも見事。


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ビームからの連続爆発。
爆発が生えるタイミングが素晴らしい。連続で速いタイミングながらも、上手く繋いでいる。温度表現は黄色のみだが、これまた内部に巻き込んでいくタイミングが上手い。この人はタイミングが非常に上手いですね。後ヅメも完璧。対して2カット目は、ややゆっくり目で透過光が効いている。


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格納庫が爆発していく、スペクタクルな絵面。
先ほどの爆発とは真反対に、爆発は内部から展開する。色使いが独特ながら、白コマの使用も的確。


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空中からのビームによる連続爆発。高瀬さんだろうか。
透過光を全面に押し出した後で、風船のような煙の膨らみを表現している。もう少し多めの枚数で見たいところではあるが、やや勢いで魅せるシーンということを考えるとこれでいいのかもしれない。


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交錯するビームが海に流れ弾のように突き刺さった爆発。
シンプルなフォルムであるが、煙の間の炎によって迫力が増す。また、煙と同じタイミングで広がる波の表現も上手い。押し寄せる波と上部に膨らむ煙、見事である。


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パビリオンの一角にぶつかる爆発。
内部で動くディテールに注目。これが温度表現の役割を担っている。赤色の楕円的ディテールが一度消えかけた後、再び広がるのが斬新で面白い。


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巻き上がる破片、シャギー(トゲトゲ)な煙。鴨川さんによる見事なエフェクト作画。
シャギーの形で発生した煙は、丸くじんわりと(後ヅメを効かせて)展開する。その後、落下した後に怒る水しぶきは、最初に落下した地点で大きく上がり、次第に小さくなる。そして最後に水中で大爆発をし、巨大な水しぶきを上げる。


メカ作画もさることながら、今回の作品ではエフェクトアニメーションの良さが際立っていた。その上、画一的でなく様々な多様性あふれるエフェクトが見れたのは、まさしく見本市という企画において素晴らしいことであろう。

 
[図版は、http://animatorexpo.com/ragnarok/から引用]

新世紀いんぱくつ。」は日本アニメーター見本市で公開された映像作品です。これはカメラワークが非常に良く出来てまして。特に前半部分。氷川言及あり(http://animatorexpo.com/news/125)。

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アヤコを見送るシーン。ここではカメラは客観位置。第三者的な立ち位置。


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これはイズミの主観POV。自動販売機でコーヒーを買ってハルカに渡そうというシーンなんだけど、バストショットを映さないことでコーヒーを握るイズミが緊張感を持つことを示す。


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☆ハルカの主観POV。ここでカメラに手ブレが入る。これがハルカの視線で、有している不安・恐怖というものをカメラで間接的に表している。


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その後は、客観位置のカメラが続く。イマジナリーラインは跨がずに、ここではハルカを主に取り上げる。画像2では、不安の大きさをハルカのキャラ自体の大きさで演出し、逆に画像3では彼女を画面の下部に設置することで、その小ささ(不安)を強調する。会話の内容自体は日常に溢れているけど、郷愁や哀愁が感じられるのはカメラに起因する。

 
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画像1:ハルカ「どんどん人減っちゃうな…」を受けて、画像2ではイズミの目線で葛藤を表す。言わなくてはいけないが、疎開することを発言することは序盤のアヤコを見送る描写に現れている通り、ハルカを悲しくさせるものであり、イズミはそれを理解した上でためらっている。


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☆ここからが上手い。
画像1でアヤコはハルカに疎開する意図を伝える。これはハルカにとって予期せぬ事態であり、画像2の主観んPOV画面(画像1のポン寄り)は手ブレする。ハルカの動揺をカメラ越しに伝えているのだ。予期せぬ事態に動揺する口元を画像3で映した後、画像4から客観位置にカメラは戻る。客観位置に戻ると、会話の中でハルカは気丈に振る舞う。しかし、ハルカの動揺は彼女では制御できず、画像5のハルカ主観POVになると、すぐさまブレてしまう。彼女が友達に心配をかけまいと努力しながらも、やはり心の底では不安と不服があり、暗示をかけるように「仕方ないよね…」を繰り返す。画像6になると再びカメラは客観(ややハルカなめて)位置に戻る。ここでは、そのハルカの意志をイズミが察しており、ハルカよりも画面上部に位置することで精神的な優劣を表している。


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カメラは完全な客観位置へ。彼女たちではどうにもならない外部環境による選択の無さ、どうしようもない状況で立ち尽くすしかない様子を明確に表している。ここがエヴァ本来のニュアンスと通じる。エヴァパイロットは、搭乗することへの拒否権がほぼ無いに等しい。


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二人は幸せなキスをして終了(大嘘)。使徒の襲来による不安・恐怖に対してはどうしようもない状況であり、彼女たちに出来ることはこれ以外になかったのではないのかなと。世界の決定に対する、子供のささやかな抵抗である。


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後半パート、曲が始まってからの手ブレ・ピンぼけは、彼女たちの持つハンディカムによるものであり、前半で見た演出的なブレとは異なっている。彼女たちが歩んできた、疎開前までの平和な日常を表しており、前半部の陰鬱さを少し吹き飛ばす。


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しかし、ラストは客観カメラによって、無情・非情なまでにハルカの孤独が強調される。結局のところ、使徒や使徒による戦闘とは無関係でいられない。安保法案、シリア難民等の世相も反映しているような感じがする。今までは対岸の火事であった「戦争」や「貧困」「飢餓」が、これからは他人事では済まされない領域があることを示している。


新世紀いんぱくつ。 -日本アニメ(ーター)見本市第32話

どんな整理の仕方してんだ。まあ気になったので。
アニメ(ーター)見本市で公開された作品から、気になったエフェクトを紹介。

・「ME!ME!ME!」(第3話)
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サーカスっぽいビームの追撃からの爆発と爆煙。山下清悟さんかな。
([訂正]山下さんでは確実にないというコメントを頂きました。では誰かということなんですが、分かってないです。この人じゃないかなあというのがあれば、コメントで書いて下さい)

爆発が連続し画面に押し寄せてくるので、迫力がある。アトランダムなビーム、電撃はショック的な使用か。



・「ヤマデロイド」(第10話)
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大男のパンチによって立ち上る粉塵エフェクト。
原画は確か外国の方だったような、名前失念。後ヅメによる煙のタメが素晴らしい。影は1色だけど、タイミングと前述のタメが上手いのですごく立体的になっている。上手いです。



・「I can Friday by day!」(第19話)
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ポップなエフェクト。まるで絵本が動いているみたい。
強い気流によって煙が流されていくのも見所。クロス光からの爆発もタイミングが良い。


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後ヅメが効いてますね、タタキも画面に沿って少しポップなものに。水面への映り込みはディテール少なく影の広がりだけで表現。破片が散って、水柱が数本立っているのも細かい。



・「偶像戦域」(第21話)
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HLVシークエンス。
横に膨らむ煙の展開が上手い。特に右画面では、レイヤーを3つほど重ねることによって、打ち上げ場所からの煙の遠近を表現している。煙色は2色ほど使っている。ロングショットなので、ディテールはさほど細かくなくフォルムとタイミングのみで表現している。


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煙の消滅が美しいシークエンス。
爆発が起き煙が発生した後、たちまち煙が消滅している。右方向からの強い気流によって、左からスッと煙が消えているのが見事。



・「神速のRouge」(第24話)
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CGミサイルからの爆発。
爆発部分はおそらく手書き。特に1カット目の爆発は内部に巻き込まれながらを表現しており、そのディテールも上手い。2カット目は勢い重視だが、ガヤと透過光のタイミングが上手い。



・「ハンマーヘッド」(第25話)
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道路を掘削しながらの爆煙。
ガヤ(破片)がいい味出してる。原画でこの分量の破片は厳しいだろうから、おそらく撮影足し。これぐらい破片があると壮観。対して、最後の押し寄せる煙は破片少なく、地面の下を通って(強い気流の中を)来たからそういう風にしているのかなと。タイミングも良い。


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クロス光からの爆発と煙。村木さんっぽい。
若干後ヅメの時のタメの特徴で、これがあると煙にすごく目がいくというか。残像がよく残るというか。暗い路地裏で爆発させると、壁面がその影響で明るくなって目立ちますね。破片もグーです。



・「ヒストリー機関(第29話)」
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望遠の核爆発。
これは輪っかの広がりといい、その輪っかが中央部の熱影響を受けているのが分かるように強い光で照らしてるのも上手い。周囲の煙については、密着+ガラス波と当初思っていたんだけど、同トレスではデジタル動画で割ってるらしい。どうやってんだろうね、この煙のじんわり広がる感じはすごい上手い。


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絨毯爆撃による爆発。
カメラワークが良い。中央を撮影してたんだけど、爆発に気付いて右にクイックPAN。そんで、中央部の爆発にも驚き、カメラが反動で中央やや左寄りに戻ってくるのが上手い。温度表現も透過光→赤→黒と良い。ポイントとしては、赤色部分が少し遅く減少していく所か。



・「ザ・ウルトラマン」(第30話)
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ここはメロスよりも、煙に注目。
内部から煙が広がって、その後下に巻き込まれていく。


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ジャッカルの大爆発。上手い誰だろう。
飛沫のような破片によって、肉体の飛散を強調している。その後の爆発は一度目で少しタメて、 二度目でさらに大きな爆発を描いており、迫力が増す。ディテールは少ないが、爆発の展開の仕方が上手い。





といった所で終わり。
エフェクトという観点では、やや物足りない(失礼)シーズン1、2でしたが、シーズン3でたくさん良いエフェクトが見れて嬉しい。特に、「ザ・ウルトラマン」「ヒストリー機関」「ハンマーヘッド」のエフェクトは素晴らしいです。見本市らしくエフェクトにも多様性ありという感じ。

[図版等は、http://animatorexpo.com/から引用] 

「ドラえもん のび太のスペースヒーローズ(宇宙英雄記)」 
http://doraeiga.com/2015/ 


まあ、僕はそこそこなドラえもんファンなわけです。劇場長編は全部何回も見てるし(そのくせ細かいとこは忘れてる)、同時上映もそこそこ見てる。まあ全部VHSとDVDなんですけど。そんでもって、今の新ドラっていうのはオリジナルとリメイクを毎年交代交代にやるんですね。以前の日本GPの鈴鹿サーキットと富士スピードウェイみたいな関係で、まあ今回はオリジナルなわけです。35周年作品だし、ものっそい楽しみにしてた。本当に。爆発見直す為に3回見ようかなあウフフとかニヤニヤ考えながら、パンフ買ってたんですよ。映画が終わって劇場から出てきたら、それどころじゃないから困りましたよね、本当に。泣きそう。

 

(注:以下ネタバレを含みます。)

<あらすじ>
流行りのアニメに影響され、のび太たちはヒーロー映画の撮影を熱望する。そこでドラえもんは、「バーガー監督」という映画撮影道具を出し、バーチャル映像の中で映画を撮影する。そこに、偶然地球に不時着した「アロン」というポックル星からの住人が来るのだが、のび太たちはバーガー監督の演出と勘違いする。アロンはポックル星の危機を知らせ助けを求め、のび太たちはそれに演出だと思い応じる。そこから、のび太たちはポックル星に向かうのだが…

<寸評>
映像面はとても良かった。ところどころ、何でここでこのアングルなのだというのはあったけども、ほとんど違和感なくキレイな映像だった。作画に関しても、思い出せる限りでは、アクションシーンも芝居も高水準であったように思う。新ドラになってからは素晴らしいものが続くエフェクト作画も、爆発等は少なかったが良いものが多かった。それだけに、ストーリーの支離滅裂さ、ラストの解決方法が余計に悪く映る。「ひみつ道具ミュージアム」は、新ドラになってから最も良く楽しめる部分も多かっただけに、残念としか言いようがない。



<批評 - ストーリー>
前述した通り、今作の「スペースヒーローズ」はストーリーが良くない。アロンが不時着し出会う、そこまではすごく良かったのだけど、そこからは安易なギャグに走ってしまい、ドラえもん映画の持つ「子供映画の中のリアルな怖さ」を上手く出せていなかったように思う。

はっきりと言ってしまえば、『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』と『のび太の夢幻三剣士』、原作コミック第21巻収録の「行け、ノビタマン!」のストーリーを土台に据えたストーリーであり、目新しさはない。しかし、問題点はおそらくそこにはないだろう。 一番の問題点は、四次元ポケットの使用にある。

ドラえもん長編は、のび太たちがどう力をあわせるか、異世界人とどう交流するかに重点を置いていたため、ポケットや道具は序盤でなくなる、もしくは大事な曲面ではまともに使えないことが多い。そうして、普段使っている道具のありがたみを後半で感じつつも、それよりも大切な友情や勇気をのび太たちは感じる。わかりやすいのは、『のび太の魔界大冒険』における、「もしもボックス」の扱いだろう。世界を元に戻そうとするときに、ママがゴミ捨て場に捨ててしまった、そうして拾いに行くと、めちゃくちゃに壊されている。同様の展開は、『のび太と竜の騎士』における「どこでもホール」でも行われている。

さて、今回の作品において、その四次元ポケットと道具の使用がどうであったかというと、まずポケットはなくならない。そうして、道具であるバーガー監督は出ずっぱりで、ドラえもんがポケットにしまうことは一切なく、準主役のような格好で話は展開される。前述した通り、道具が制限されることにより危機感が生まれ、勇気や友情は発揮される。そうであるならば、道具を常に使えるようにしておくのは、危機感の意図的な欠如であり、結果的に友情や勇気に説得力は生まれない。アロンとのび太が友好を深めようとする描写は、いくつも見られるが、これが『宇宙開拓史』のロップルとの友情ほど力強くリアルに感じないのは、そこに起因する。

最初に宇宙海賊と戦闘した後、「のび太たちが本当のヒーローではない」ということがアロンに判明するシーンも同じである。アロンは、ここで「皆さんは僕にとってヒーローです」と語るが、その言葉には説得力がない。のび太たちは道具に頼りっぱなしで相手を倒すだけであり、道具に依らない彼らの魅力がそれまでに提示されていないからだ。画に暴力性はないが、この展開はすさまじく暴力的である。宇宙海賊との戦闘もどこか舞台やお芝居のように感じ、迫力にかける。

宇宙海賊の狙いは、ポックル星のエネルギーを使い、ポックル星にとっての太陽である惑星を壊し、その中にあるダイヤモンドとグラファイトの収集である。宇宙海賊の首領イカーロスは、その肉体の再生のためにグラファイトを求め、部下たちはダイヤモンドを求める。グラファイトに関しては、細かいことなので突っ込まないことにする。とにもかくにも、宇宙海賊がやり手の詐欺師であり、星をひとつ潰そうとしているのであるから、宇宙海賊の必死さや非道さをもう少し深刻に描かなければならない。

こんな宇宙海賊やグラファイトのことなど吹っ飛んでしまうのが、ラストの解決方法だ。終盤、宇宙海賊の目論見通りビームは発射され、太陽も破壊されてしまう。そこをドラえもんは、一旦カチンコチンライトで止める。百歩譲って、ここまではいい。ここからが問題。バーガー監督の巻き戻し機能によって、「発射されるビームと、破壊された太陽だけの時間を巻き戻す」というご都合主義的な解決方法なのだ。タイムパトロールさん、こっちですよ早く来いよ。過去を変えるっていうレベルじゃねえぞおい。自分たちの身を削らず、外から「間に合わない」と眺めるだけで、最後は道具の素晴らしい機能によって解決をする。地球上の誰がいったい、のび太たちに感情移入できるというのだろうか。約束された勝利の剣なんて、見ててもつまらんでしょ。

「魔界大冒険」では、ドラミちゃんが持ってきたもしもボックスによって一時解決したかのように思われるが、事態は平行世界(パラレルワールド)にまで発展しており、根本的な解決は親玉を倒すことしかないことが判明する。ここに、世界を作ったことに対する彼らの責任を感じることができ、自然と感情移入ができる。つまり、観客も一緒になって戦うわけだ。このおかげで、美夜子との別れも切ないものになっている。感情移入は、このように彼らが努力をする、身を削って戦う、嫌な事態から逃げないなどの、説得力ある描写がないと非常に難しい。努力の描写もなく何かすごい事ができるキャラクターに、僕らは感情を移入することは中々できない。彼には、そうなるだけの説得力がないのだ。



<批評 - のび太>
ドラ映画において言わずもがな大事なのは、のび太の存在である。「のび太と銀河超特急」においては、西部の星からその射撃の腕が描写され、最終局面でも活躍をみせる。このとき彼に与えられた武器は、ただの石鹸が出るだけのピストルであり、ここでも勇気が重視されている。

今回ののび太は、ただあやとりをしているだけに終わった。ラスト、イカーロスとの戦闘において彼がやったことは、あやとりで必死にもがくだけであり、そこから適当にビームを撃って終わりである。言葉にできない。あやとりというのは、のび太のもう一つの特技である。そこを取り上げたのはとてもいい。問題は、どうやってあやとりでポックル星を守るか、なのだ。その解決が「イカーロスに気分悪いこと言われたんで、ビーム出ました」なんてことであったら、納得などはできもしない。あやとりによって相手をがんじ絡めにしてもいいし、とにかくのび太が考える工夫を見せて欲しかった。何も分からないけども、紐を錬成できるのであるから、面白い工夫を描写するべきである。ここにも考えが見られない。 のび太がもう1つの特技である、射撃を思い出し、銃をあやとりで作るぐらいのひらめきはだれでも思いつくだろう。

あやとりは、アロンとの友好や友情においてその役割を果たしている。何万光年も離れた惑星同士で、あやとりを子供に教え平和に暮らしている。この点で、アロンとの繋がりが見える。しかし、これは今までの長編ドラとは似つかわしくない。映画序盤から中盤にかけては、なるたけドラえもんたちが戦闘を避けるのに対し、終盤においては身を削りながら戦闘によることが多い。「夢幻三剣士」において、一度死んでしまった後のボスとの戦い。「宇宙開拓史」における、一対一の撃ち合い。「海底鬼岩城」における、バギーの捨て身の特攻。これは、冒険活劇的な側面が大きいだろう。起因するところは何にせよ、とにかく身を削って戦うことが多い。

今回はのび太もボスも合理的でなく、戦闘は生ぬるい。ごっこ遊びのようだ。そこに従来の長編にあった真剣さはなく、生と死に直面しても目を背けない強さなど全くない。ただ、あやとりをしていたら、世界は平和になれる。という主題が僕にはうそ臭く感じて仕方ない。誰だって戦争は嫌だけれど、何かを救おうと思ったら死に直面しない平和などありえないと思う。



<批評 - キャラの特技> 
さて、スペースヒーローズではグレードアップライトと呼ばれるひみつ道具によって、それぞれの得意分野が強くなる設定があり、のび太は前述のとおり「あやとり」が強化されている。 他のキャラというと、これまた納得いかない部分が多い。しずかちゃんと言えば、彼女が得意、好きであるのは「バイオリン」である。この演奏の下手くそさは、原作コミックでも幾度と無く描写されてきた。ジャイアンといえば、ホゲーに代表される、あの音痴な歌である。しかし実際には、しずかちゃんはお風呂好きということで、水を自由自在に使えるようになり、ジャイアンに至ってはただの暴力である。ドラえもん、スネ夫の特技が、それぞれ石頭と機械いじりというのを考えると、しずかちゃんとジャイアンについてはもったいない。

話を広げやすいように作った、という印象を受ける。バイオリンや音痴では汎用性がなく、物語において活用しにくい面は当然ながらあるが、そこに工夫を投じることこそがドラ映画における1つの魅力ではないだろうか。「魔界大冒険」では、人魚の歌声によって洗脳されそうになるも、ジャイアンの歌によって皆の目が覚める。普段は使えないガラクタのようなものも、使い方によっては危機を救う。これは、ドラえもん映画の根幹でもある。 普段はグズでのろまなのび太が、ありったけの知恵と勇気で冒険にみんなと挑むところに魅力を感じる。つまり、バイオリンや音痴といった要素を扱いにくいものとし否定することは、のび太という主人公を否定していることとほぼ同義であるのだ。せめてどちらかは使うべきである。エンドクレジットで流れた、子どもたちの絵の方がよっぽどドラえもん映画をわかっている。



<批評 - ドラえもん> 
さて、最後にドラえもんについて。これはこの映画だけの話ではないかもしれないけども。新ドラになってから重視されていると感じる点は、ドラえもんとのび太の精神年齢が同じということである。確かに設定的には、ドラえもんの伸長は小学5年生の男の子の平均身長である。そういった点から、のび太と同じように遊び、同じようにアニメを楽しむなど、幼稚な面をやけに描写する。しかし、これはドラえもんの当初の目的を無視している。

ドラえもんは教育係として、未来から送られてきたロボットである。それゆえ旧ドラにおける、ドラえもんは保護者の感覚が強い。保護者たりうるように、精一杯自分の中で考え、教育しようとする。いわば、少し背伸びをしているのだ。その中にときおり垣間見える、童心がドラえもんというロボットに魅力を与え、人間さを生み出している。ただ、アホみたいにはしゃぐだけでドラえもんは形作られているわけではない。時に自分のことは棚に上げ、叱り、勉強をさせ、勉強できるように時間の流れをゆったりとする道具を出したりして支える。その上で、悪ふざけをのび太を一緒にするからこそ、ドラえもんらしさは作られるわけだ。今ある、ただ幼稚なことをするだけのロボットは、「藤子が描こうとしたドラえもん」ではないと強く言える。 



余談ではあるが、予告の出来はこの上なくいい。本編を見た上でも、まだ面白そうに感じるのだから、予告は本当に上手すぎる。絵や動きは素晴らしいだけに、全くもってもったいない作品であった。

さて、以前「取り留めのない雑記(19)」において、ほっけさんから意見を頂き、「話数単位で選ぶこと」に対する意義をとても深く理解することができた。確かにCMやNHKアニメ短編はその映像の短さゆえに、語られることも話題になることも、今日の情報過多社会ではあまり見られない。それを年のまとめとして、機会を設け、語る、というのは非常に大事なことと共感できる。

既に年は明けてしまったが、去年を中心にアニメーションによるCM、アニメーションが使われているCMを整理した。コマーシャル・アニメーションに潜む魅力が伝わり、何かの参考になれば幸いである。


■「南アルプスの天然水/サントリー(2013-14)」


アクリル絵具のような質感のアニメーション。「動き続ける絵画」と言えなくもない。これは「Wild Life(2011)」からのキャラクター引用で、新しく制作されたものだと思われます。「Wild Life」とは、カナダのアマンダ・フォービスとウェンディ・ティルビーによって制作された短編アニメーション。2012年のアカデミー賞において短編アニメ賞に輝いています。ちなみにオスカーもノミネート。

ここがやはり素晴らしい。

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水流表現。多分12枚リピート。ペットボトルがカチャカチャなってるのもいいよね。とにかく、ここは川の透明度と流れの表現が巧すぎる。「水の透明度」っておそらく表現が一番難しい部類だと思うんですけど、これ見事ですよね。ある一つの水の流れでは、石があって、それを乗り越えていっているのが分かる。障壁がないところは、スムーズに通っている。



■「東京ディズニーリゾート/ディズニー(2012)」


ディズニーランドを舞台に、人の一生を描く。カット割りのテンポ、明暗が特に良かった。最後の方は、お母さんになって、おばあちゃんになるんですが、画面のレイアウトが反転しているのがいいんですよね。時間の移ろいを感じる。未だに制作会社が明かされていないようですが、どうにもIGっぽいですよね。撮影的な意味で、少なくともマッドハウスとかこういうのはしなさそうです。同時期には、LED電球による東芝のCMでも「人の一生」を表現していたりと、伝播するものがあったんでしょうか。



■「ムーヴ カクカクシカジカ/ダイハツ(2008-2014)」


カクカクシカジカ自体は、記憶に新しい人も多いと思うが、この滑り込んだ後の作画について、特にエフェクト(煙・粉塵・砂埃)が素晴らしい。


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粉塵・砂埃が現れ消え行く、そのプロセスやタイミングが時間軸を表している。滑り込んだ直後は、スローモーション的な時間の流れ方だけど、セーフの後にスッと消えることにより、時間が現実に戻ったことをまさしく見事に表現している。



■「20代の部屋編/マイナビ賃貸(2015)」


これこの前見て、びっくりした。サラリーマンの男の子がカバンを引きずっていくところとか、自転車の挙動とかいいですよね。最後のカメラのじわ回りも(ちょっと手前の方が早過ぎる気もしますが)いい。

32]56]

「浅野先生が原画を担当!」と公式サイトに記載してあるんだけど、これ全部原画描いたのは流石に嘘やろ、と思う(※浅野先生全カット原画ならそれはそれで凄まじいですが)。どこが作って誰が描いてんやろね。



■「頭は使いよう。/クレディセゾン(2014)」

(みんな大好き)らっパル/山下清悟作画。

54]34]

衝撃波がなんとも絶妙な感じでいいですよね、こうぶわあっと。大地が割れて、石がずわあっと。やっぱり、らっパルさんとかってタイミングがこう上手いんですよねえ。女の子も可愛い。後は漫符が地味にアニメーションしているのがいい。



■「クロスロード/Z会(2014)」


新海誠作品。通信教育のZ会のCM。離島に住んでいる少女と、母子家庭と思われる少年の受験を描く。これが上手かった。一般的に、学校以外の教育と言えば、「塾」「予備校」でありますが、この作品に出てくる2人はそれが利用できない。少女は塾が近くないという距離的な問題で、少年は塾の費用が払えないという経済面の問題が原因です。それを解消するための通信教育ということで見事なコマーシャルになっている。さらに言うと、少年はその費用を捻出するためにアルバイトまでしているのが凄まじい描写で。また、家族や親戚に囲まれる少女に対し、最後まで少年側の親が映らないのは、やはり母子家庭の暗示だと思います。


映像としては(去年の最初にも触れたんですが)、やはりこの2カットが素晴らしい。


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おおっとなりますよね。試験をそれぞれのやり方で(深呼吸をする、すぐに取り掛かる、緊張から肩に力が入っているなど)、過ごしているのがいいですね。試験用紙のめくるタイミングもめくり方もみんな違う。こういった細部のディテールは画面の、ひいては映像全体の写実性をやっぱり増します。後は、差し込む光とパーティクルの効果がいい。現象としては空気中の埃が日光で照らされていて教室っぽいなあと。



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ここは年間エフェクトでも触れました。いいですよね、何度見てもいい。消え行く吐息(ダブラシ煙)はセクシーです。細かく髪とメガネを直しているのがまた(女の子らしい)仕草で良かった。



■「ワゴンR エネチャージ篇/スズキ(2012-14)」
 

これは一つ、CG部門として。渡辺謙さんが何か電気の超エネルギーみたいなもんを使ってますよね(笑)。これが当時見てて面白かった。放電エフェクトを作ったのが、「ガティット」というCG・アニメ制作会社。この会社は、アーティストのコンサート・ライブ映像であったり、コマーシャルのC.Iカットなんかも担当されています。



■「コニャラの歌/日清製粉グループ(2010-)」 


41]50]

近藤勝也さんによる作画。ジブリと矢野顕子タッグの有名なコマーシャル。やはり、アニメCMで馴染み深いものといったらこれだろうか。何と言っても最後に子猫が母猫寄って、毛並みがふわっとなるところが良い。「柔らかさ・安心・母性」といったものをこれだけの線で描写しているので凄いなあと。 




以上7選+αでした。

コマーシャルのようなショートフィルムには、物語性を持たせることが難しいです。その上、元々の商品の宣伝もしなければならないのですから、負担は単純に考えても2倍増です。それでもなお、これらのCMのように「作品」になり得ている映像が作られるのは、クリエイターの「手加減なし」を感じます。そこには、「コマーシャルだから、物語性の欠如を許そう」とかいう合理化もないんですよね。「あくまでCMであるけども、一つの作品を作ろう」としていることが、制限付きのショートフィルムにおける、瞬間的な魅力と拘束的な妙技だと思います。

これからは、アニメーションCM、CGが含まれるCMはより増加すると思います。個人的には、煙とかを中心に注目していきたいです。


<参考文献>
CM情報-サントリー天然水
コニャラ-日清製粉グループ
カナダのアニメーションデュオ、ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービスのデザイン-17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード  
Wild Life by Amanda Forbis & Wendy Tilby, 
・CGWorld 180号特別付録
らっぱるさんのツイート  
マイナビ賃貸TOP / お部屋探しキャンペーン 

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■公式サイト http://animatorexpo.com/ 

ニコ生(10/26)の発表(東京国際映画祭)より
・自由な場をまずは提供したい
・アニメーターに好きなようにやってもらう
・大体30話数ぐらいを予定
・1話数5.6分程度


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企画立案・エグゼクティブプロデューサー:庵野秀明
エグゼクティブプロデューサー:川上量生
プロデューサー:緒方智幸(カラー取締役、『巌窟王』制作デスク)


第1話「龍の歯医者」11/7

【監督】舞城王太郎
【アニメーション監督】鶴巻和哉
【キャラクターデザイン】小坂泰之
【アニメーションキャラクターデザイン・作画監督】亀田祥倫
【アニメーション制作】スタジオカラー
(引用元:http://animatorexpo.com/news/1) 


株式会社カラーと株式会社dwangoの共同事業(有限責任事業組合方式)。プラットフォームをニコニコ動画(ニコニコ生放送)として、毎週金曜日に無料配信する予定らしいです。 

さらに、作品監督と氷川竜介(明治大学大学院客員教授)による当該アニメ作品の解説も翌週月曜日に配信予定です。あれですかね、「BSアニメ夜話」的な感じでしょうかね。マッキーや亀田さんがニコニコ生放送に出るのかもしれないと考えるとワクワクしますね。


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ちなみにこのタイトルロゴは、題字:宮崎駿、()と棒人間の部分:庵野秀明という『風の谷のナウシカ(1984)』の巨神兵カットを思い出させるような共同作業となってます。色んなアニメーターの作品が見られるようで、増尾昭一作品ももしかしたら…などと少し期待をしております。
 

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まあ知ってる人がいるか分かんない作品ですが、これは僕の昔からのお気に入りでして、今回改めて観直してみると、そのすさまじい映像は変わらずでした。

ドラミちゃん ミニドラSOS!!! Wikipedia



まずはあらすじから。

時は2011年。子どもの頃の、のび太が勝手に未来デパートに注文した「ミニドラ」が間違って、のび太の子どもの「のびスケ」に届く。それからミニドラとのびスケたちは遊ぶが、ドラミちゃんに返還を求められる。パパ(のび太)がよく話す「冒険」をしたい3人はドラミちゃんから逃げて、ミニドラの力を使おうとするが…


そうなんです、2011年なんですね。ドラえもんが誕生する100年前。だから、ドラえもんがいる時代の便利な道具というのはまだできていないわけですが、確実に未来は進歩しているわけです。今作では、その未来感が的確かつ程よい感じに、随所に盛り込まれていて、とてもいいSFアニメになっています。いやあ完璧です。これは原作漫画がないオリジナル作品なわけですが、本当にすごい。

監督は、「おねがいマイメロディ」などで知られる、森脇真琴さん。最近だと、「ミルキィホームズ」で知っている方が一杯いるのではないでしょうか。ちなみに、2014秋アニメでも「デンキ街の本屋さん」で監修を務めます。久しぶりのシンエイ関連のお仕事ですかね。

原画は木上さんの他にも、林・東海林・藤田さんなど、シンエイ実力者揃いの作品です。




木上作画として有名なのは、のびスケのビー玉シーン。
(※これはソースなんでしょうか。当時のアニメ雑誌とかですかね)

ビー玉
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で、まああんだけ上手い木上さんが他に描いてないわけもなく。
ここらへんが木上作画じゃないかなあと。



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ラスト2個は純粋に良いと思ったので、違う可能性大ですが。上から2つは、エフェクトのあのスッと消える感じとかが根拠っぽい根拠です。木上作画(エフェクト)はまだまだ少ししか見てませんが、破片の多さが目に留まりました。なので、この辺もかなあと。



ガラス破壊
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破片だけでなく、割れた本体のガラス部分の描き方も非常に上手い。重力には沿っていない(と思う)が、のびスケたちから見た「重さ・怖さ」を上手く表現してる。おもたい動きはそのため。後は水のエフェクトが、地味にこれまた上手い。この水エフェクトは、水圧で耐え切れなくなってきての水なんですが、シャシャっとした感じが木上さんっぽいですよね。

木上さんといえば、芝居メーターの感じが非常に強いのではないでしょうか。「けいおん」「涼宮ハルヒの憂鬱」「Canon」とかそういう感じですもんね。特に、手の芝居がすげえ上手い。グッと押し出す手のひらの表現とか、手首の動きとかいいですね。





その他、ちょっと回りこみにも関係するお話を少し。

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ここでは、「迷宮プラネタリウム」という道具を使っているので、スーパーが迷路のように巨大になっています。 原作コミックで言うと、「ホームメイロ」と同じ(※ただしホームメイロの場合は、その迷路内部で道具が使用できません)。まあ、とてつもなく広くなっちゃってるわけですよ。広大に。それを描写するための、180度回転回り込み背景動画の使用だと思います。

これによって、のびスケたちの目線で、僕らも、スーパーの変貌ぶりを感じることができる。これが、のびスケたちが困っている様子を俯瞰でTBをやるだけでは、多分僕らは彼らを可哀想としか思えない。子どもは、もっとダイレクトに映像を享受するので、これはすごくいい表現手法だと思います。



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この180度回り込み前面背景動画はこれもありますが、それは上と同じような使い方です。のびスケたちが理解できる範疇を超えた、未知なるものに大しての驚きとか呆然とした感じを表現してる。 



後、面白かったのは、これ。

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1カット目では、「のびスケに見つかった」という部分を強調するために、スネ樹がのびスケに付けた「ミニ雷雲」に焦点が行ってるわけですが、2カット目では、瞬く間にのびスケに対するジャイチビ・スネ樹の恐怖心を演出するために、少し俯瞰のアングルになってるんですね(のびスケを大きくみせるため)。しかも、TBしながら、カットを割ってるので面白い。



これぐらいかなあ。後は、ドラえもん作品だけど、絶対ドラえもんが出てこないとか、そこは分かってる。今だと、「ドラ泣き(笑)」だから、こんな作品だと最後にドラえもん出しちゃいますよ多分。出てこないで、「想像に任せる」、ということの重要性は分かっている人は少ないので。


まあ総合すると、とても面白い作品なので、未見の方は是非に視聴してみてください。

「Under the Dog」というアニメが、今制作資金の募集中です。
公式サイト
公式 キックスターター  

監督は、アクションアニメが好きな人で知らぬ人はいないであろう、安藤真裕。
原作・脚本は、「428~封鎖された渋谷で~(canaan原作)」などで知られる、イシイジロウ。
キャラクターデザインは、ゲームなど多方面で活躍されている、コザキユースケ。

【OTAKON 2014】イシイジロウ氏原作SFアニメ『UNDER THE DOG』Kickstarterプロジェクトが始動!コザキ氏、由良氏と共に「OTAKON 2014」へ登場
安藤真裕、コザキユースケら参加──SFアニメ『UNDER THE DOG』始動  

この2つの記事が、全体の情報がまとまってるかな。

ちょっと上記のリンクから引用を。 

由良浩明(引用者注:プロデューサー。録音監督等で活躍)さんは「製作委員会方式はクリエイターを制限する側面がある。制限をなくしてつくりたいと思ったときに、Kickstarterで出資を募ろうと思った。新しいアニメの作り方、クリエイターにとって自由な場をつくりたい」と熱く語り、『UNDER THE DOG』にかける想いが並々ならぬものであることが伝わってくる。
ということで、「吉成アカデミア2」よろしく、製作委員会方式をとらずに、クラウドファンディングで制作資金を調達する方式です。この時点で、賞賛したい(※もちろん、これだけで作品の内容を全肯定するわけではない)。まあ、安藤真裕さんのネームバリューとかあるんだろうけど、ゲーム業界方面からこういうのが始まるっていうのが何か色々と感じます。

9月8日まで、制作資金の募集は続けており、2014/08/24現在は24万ドル(約2400万円)。後2週間で、半分ですね。そんで、パイロット映像というか、ティザー映像があって、なかなか見応えがあるものになってます。

■『Under the Dog ティザー映像』


制作は、キネマシトラスとオレンジ(CG)。『ブラック・ブレッド』等の体制と同じ。key animator(原画マン)というクレジットになってるのは、佐藤雅弘と石井百合子と伊藤秀次さん。全員、安藤監督作品の常連ですね。

この映像においては、多分佐藤雅弘がメインのアクションで、伊藤秀次は爆発と他キャラのような気がする。石井百合子さんは序盤の女の子とかですかね。(※初見では、爆発は阿部望かと思ったけど、タイミング全然違った。言い訳ですけど、この2人の爆発ちょっと似てる気がする。)


空から銃を撃ちながら、降りてくる主人公
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空中において、下半身(太ももや足先の)微妙なバランスを取りながら降下しているのがすごく伝わってくる。上手い。空気を足で掴んでいる感じが、ものっそい良い。足の広げ方の多少の差が、それを表現してる。


着地と敵キャラの落下
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画面にスッと入ってきて、鉄骨に着地。画面動もいい感じですが、やっぱ髪の毛がいい。遅れてくる髪の毛のリアクションは、『canaan』でも触れたとおり、やはり重心の移動がビジュアル的に分かりやすい。後は頭部の動きも同じく。また、敵キャラの崩れ方・落ち方も自然かつ、しつこい感じがしなくて良い。


壁を使い避けて攻撃するアクション
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銃弾を避けるために壁伝いに走り、体をねじって敵の方へ。壁から壁に移るときが、すごい。画像を見て分かる通り、この2枚で(壁から壁への)移動を表現してる。キャラの背中が全面に映るような作画がもう1枚要るような気がしてならないけど、それは多分蛇足で、この2枚でシーンは綺麗に繋がっている。後は、敵を蹴る時の無駄の無い機敏な動きとか、連鎖的に敵が殲滅されるのは『canaan』とよく似ている(※安藤真裕が、単純に好きなのか)。そして、敵を蹴る時に若干無理をしたので、着地の時に重心が若干ズレている描写もまた非常にスゴイ。(※佐藤雅弘を分析的に見たのは「canaan」のみなので、ここは的外れかもしれない。)


首切りアクション
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スッとジャンプして、倒立し首を掴んでから、切り裂くまで一瞬。最近だと、『黒塚』を思い出したりします。倒立状態になってから、切り裂くまでずっとキャラは敵の方をしっかりと見たままで、プロの傭兵感がバシバシと出ている。野球で言うと、最後までボールから目を離さないのと同じ。


CGバイクと爆発
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爆発するタイミングに一面デジタル効果の光エフェクトが広がって、衝撃波のように爆発のスケールやその爆発の瞬間自体を誇張している。爆発表面の温度表現(白→黄→赤→黒)も素晴らしく、また破片も(これはCG込みかもしれないけど)、画面の情報量的に良い感じ。後、一発目の爆発の後の破片は、画面右下に流れるように散ってる。これは多分、主人公のバイクが後退する場所に焦点がいくように計算されていて、画面に集中できると共に、その集中・没入のおかげで次の爆発がいきなり来るように感じられる。


ヘリ爆発
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これも上と同じく。破片は伊藤秀次っぽく、長方形とやや正方形の組み合わせで。画面に押し寄せる爆発は、言うまでもなく臨場感を増し(※対岸の火事であったモノが、あっという間に目前に広がる)、しかもデジタル的な撮影処理のおかげで、ダブラシ煙がいい感じに爆風を表現してる。ここは画面のレイアウトもよく、手前のビル内部がセルに移り変わる時も違和感は全くといっていいほど無い。爆発と熱風でねじ曲がるの描写しているであろう、ビル内部の描写もいい。(※余談ですが、「Q」で判明していなかったカッケエ爆発は、伊藤秀次であると今は思った。)


かっこいい。キネマシトラス+オレンジ制作ということで、当然CGにも期待できるだろうし作画も良さそう。一応暇があれば、キックスターター公式サイトも訳したい。(※まあ、CIA的には市場は日本には無いという事なんだろうけど。バイオ4とかのゲームが海外で大ヒットするように、やはりキックスターターの対象は海外の人でしょうけど。)

最初にも貼ったけど、一応もう一度キックスターター(制作資金を送れる)のページも貼っておく。 
『サイコパス』とか、ガンアクションやSFが楽しめる人には合うと思う。

公式 キックスターター 

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こちらの記事へ頂いた、熱いブコメへの返答です。(※ブコメはこちらから引用)

wow64
なんでニコニコにはレターボックス付けてシネスコで上げなかったんだ?そっちの方が気になる。
確かに、一理ありますね。シネスコで上げてれば、こんな事は起きなかったですし。まあ理由としては、ちょっとでも映像的なネタバレを防ぎたかったんじゃないのかと。「Q冒頭」も、同じくビスタですし。ネタバレ回避が理由として、最も近いかと。

ricenoodles
あいかわらず作画クオリティどうのこうのはつまらない話。アニメそのものよりその周辺で何を語れるかっていう80年代的文脈の焼き直し
前半は同意です。えっ80年代はそんな話ばっかだったんですか?僕としては、むしろ00年代の方がそういうイメージが強いんですが。初めて知りました。


underd
連続するアニメーションの中から一枚を切り取って指摘する事自体がナンセンスとは思っていますが、それを前提として比較画像を見ても違いがわかりませんでした。全く変わらず鼻は長く見えます
まあ色々と誤解されてるんで、結論言っちゃいますね。鼻が長く見えるかどうかは、主観的な問題であり、水掛け論にしかなりませんので、どうでもいいんです。鼻が少し長かろうが、その1カットを拡大解釈することで、公開前・放映前に「作画崩壊している」という風潮を流すのはダメだろうという意見です。ちょっと文意が伝わりにくかったでしょうかね、ごめんね。


eteru
陰謀論要素が加わっている分、青二才くんよりやばそう。まとめブログを嫌っているようだか、その周辺で見かけるいわゆる「ネトウヨ」「鬼女」と似た印象をうけた 
青二才さんを知らないので、何とも言えませんが、もう一度文章をよく読んでください。あなたが思い違いしている「陰謀論要素」なんてモノはありません、存在しておりません。コンテクストをしっかりと追っていけば分かるはずです。それでも理解できなければ、それは僕の文章力の無さに帰結しますのでどうしようもないですが。それは、ごめんね。あなたには、全く責任はありません。


haruways
まるで小姑のような記事
「まあ、こんなトコにホコリたまってるわあっ!ちょっとあなた~」みたいな感じですかね。ごめん、言いたいことが正直良くわかんないです。ブコメの人は、文章力ありますね。僕には読解できないので、申し訳ないですけど。



何か思う所があれば、コメント欄でお願いします。何なら、ツイッターでもいいです。会話ができれば、何でもいいですよ。ブコメは双方向性が欠如しているので。 

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