GOMISTATION

足が絡まっても、踊り続けて

カテゴリ: その他のアニメーション


どんな整理の仕方してんだ。まあ気になったので。
アニメ(ーター)見本市で公開された作品から、気になったエフェクトを紹介。

・「ME!ME!ME!」(第3話)
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サーカスっぽいビームの追撃からの爆発と爆煙。山下清悟さんかな。
([訂正]山下さんでは確実にないというコメントを頂きました。では誰かということなんですが、分かってないです。この人じゃないかなあというのがあれば、コメントで書いて下さい)

爆発が連続し画面に押し寄せてくるので、迫力がある。アトランダムなビーム、電撃はショック的な使用か。



・「ヤマデロイド」(第10話)
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大男のパンチによって立ち上る粉塵エフェクト。
原画は確か外国の方だったような、名前失念。後ヅメによる煙のタメが素晴らしい。影は1色だけど、タイミングと前述のタメが上手いのですごく立体的になっている。上手いです。



・「I can Friday by day!」(第19話)
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ポップなエフェクト。まるで絵本が動いているみたい。
強い気流によって煙が流されていくのも見所。クロス光からの爆発もタイミングが良い。


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後ヅメが効いてますね、タタキも画面に沿って少しポップなものに。水面への映り込みはディテール少なく影の広がりだけで表現。破片が散って、水柱が数本立っているのも細かい。



・「偶像戦域」(第21話)
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HLVシークエンス。
横に膨らむ煙の展開が上手い。特に右画面では、レイヤーを3つほど重ねることによって、打ち上げ場所からの煙の遠近を表現している。煙色は2色ほど使っている。ロングショットなので、ディテールはさほど細かくなくフォルムとタイミングのみで表現している。


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煙の消滅が美しいシークエンス。
爆発が起き煙が発生した後、たちまち煙が消滅している。右方向からの強い気流によって、左からスッと煙が消えているのが見事。



・「神速のRouge」(第24話)
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CGミサイルからの爆発。
爆発部分はおそらく手書き。特に1カット目の爆発は内部に巻き込まれながらを表現しており、そのディテールも上手い。2カット目は勢い重視だが、ガヤと透過光のタイミングが上手い。



・「ハンマーヘッド」(第25話)
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道路を掘削しながらの爆煙。
ガヤ(破片)がいい味出してる。原画でこの分量の破片は厳しいだろうから、おそらく撮影足し。これぐらい破片があると壮観。対して、最後の押し寄せる煙は破片少なく、地面の下を通って(強い気流の中を)来たからそういう風にしているのかなと。タイミングも良い。


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クロス光からの爆発と煙。村木さんっぽい。
若干後ヅメの時のタメの特徴で、これがあると煙にすごく目がいくというか。残像がよく残るというか。暗い路地裏で爆発させると、壁面がその影響で明るくなって目立ちますね。破片もグーです。



・「ヒストリー機関(第29話)」
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望遠の核爆発。
これは輪っかの広がりといい、その輪っかが中央部の熱影響を受けているのが分かるように強い光で照らしてるのも上手い。周囲の煙については、密着+ガラス波と当初思っていたんだけど、同トレスではデジタル動画で割ってるらしい。どうやってんだろうね、この煙のじんわり広がる感じはすごい上手い。


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絨毯爆撃による爆発。
カメラワークが良い。中央を撮影してたんだけど、爆発に気付いて右にクイックPAN。そんで、中央部の爆発にも驚き、カメラが反動で中央やや左寄りに戻ってくるのが上手い。温度表現も透過光→赤→黒と良い。ポイントとしては、赤色部分が少し遅く減少していく所か。



・「ザ・ウルトラマン」(第30話)
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ここはメロスよりも、煙に注目。
内部から煙が広がって、その後下に巻き込まれていく。


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ジャッカルの大爆発。上手い誰だろう。
飛沫のような破片によって、肉体の飛散を強調している。その後の爆発は一度目で少しタメて、 二度目でさらに大きな爆発を描いており、迫力が増す。ディテールは少ないが、爆発の展開の仕方が上手い。





といった所で終わり。
エフェクトという観点では、やや物足りない(失礼)シーズン1、2でしたが、シーズン3でたくさん良いエフェクトが見れて嬉しい。特に、「ザ・ウルトラマン」「ヒストリー機関」「ハンマーヘッド」のエフェクトは素晴らしいです。見本市らしくエフェクトにも多様性ありという感じ。

[図版等は、http://animatorexpo.com/から引用] 


「ドラえもん のび太のスペースヒーローズ(宇宙英雄記)」 
http://doraeiga.com/2015/ 


まあ、僕はそこそこなドラえもんファンなわけです。劇場長編は全部何回も見てるし(そのくせ細かいとこは忘れてる)、同時上映もそこそこ見てる。まあ全部VHSとDVDなんですけど。そんでもって、今の新ドラっていうのはオリジナルとリメイクを毎年交代交代にやるんですね。以前の日本GPの鈴鹿サーキットと富士スピードウェイみたいな関係で、まあ今回はオリジナルなわけです。35周年作品だし、ものっそい楽しみにしてた。本当に。爆発見直す為に3回見ようかなあウフフとかニヤニヤ考えながら、パンフ買ってたんですよ。映画が終わって劇場から出てきたら、それどころじゃないから困りましたよね、本当に。泣きそう。

 

(注:以下ネタバレを含みます。)

<あらすじ>
流行りのアニメに影響され、のび太たちはヒーロー映画の撮影を熱望する。そこでドラえもんは、「バーガー監督」という映画撮影道具を出し、バーチャル映像の中で映画を撮影する。そこに、偶然地球に不時着した「アロン」というポックル星からの住人が来るのだが、のび太たちはバーガー監督の演出と勘違いする。アロンはポックル星の危機を知らせ助けを求め、のび太たちはそれに演出だと思い応じる。そこから、のび太たちはポックル星に向かうのだが…

<寸評>
映像面はとても良かった。ところどころ、何でここでこのアングルなのだというのはあったけども、ほとんど違和感なくキレイな映像だった。作画に関しても、思い出せる限りでは、アクションシーンも芝居も高水準であったように思う。新ドラになってからは素晴らしいものが続くエフェクト作画も、爆発等は少なかったが良いものが多かった。それだけに、ストーリーの支離滅裂さ、ラストの解決方法が余計に悪く映る。「ひみつ道具ミュージアム」は、新ドラになってから最も良く楽しめる部分も多かっただけに、残念としか言いようがない。



<批評 - ストーリー>
前述した通り、今作の「スペースヒーローズ」はストーリーが良くない。アロンが不時着し出会う、そこまではすごく良かったのだけど、そこからは安易なギャグに走ってしまい、ドラえもん映画の持つ「子供映画の中のリアルな怖さ」を上手く出せていなかったように思う。

はっきりと言ってしまえば、『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』と『のび太の夢幻三剣士』、原作コミック第21巻収録の「行け、ノビタマン!」のストーリーを土台に据えたストーリーであり、目新しさはない。しかし、問題点はおそらくそこにはないだろう。 一番の問題点は、四次元ポケットの使用にある。

ドラえもん長編は、のび太たちがどう力をあわせるか、異世界人とどう交流するかに重点を置いていたため、ポケットや道具は序盤でなくなる、もしくは大事な曲面ではまともに使えないことが多い。そうして、普段使っている道具のありがたみを後半で感じつつも、それよりも大切な友情や勇気をのび太たちは感じる。わかりやすいのは、『のび太の魔界大冒険』における、「もしもボックス」の扱いだろう。世界を元に戻そうとするときに、ママがゴミ捨て場に捨ててしまった、そうして拾いに行くと、めちゃくちゃに壊されている。同様の展開は、『のび太と竜の騎士』における「どこでもホール」でも行われている。

さて、今回の作品において、その四次元ポケットと道具の使用がどうであったかというと、まずポケットはなくならない。そうして、道具であるバーガー監督は出ずっぱりで、ドラえもんがポケットにしまうことは一切なく、準主役のような格好で話は展開される。前述した通り、道具が制限されることにより危機感が生まれ、勇気や友情は発揮される。そうであるならば、道具を常に使えるようにしておくのは、危機感の意図的な欠如であり、結果的に友情や勇気に説得力は生まれない。アロンとのび太が友好を深めようとする描写は、いくつも見られるが、これが『宇宙開拓史』のロップルとの友情ほど力強くリアルに感じないのは、そこに起因する。

最初に宇宙海賊と戦闘した後、「のび太たちが本当のヒーローではない」ということがアロンに判明するシーンも同じである。アロンは、ここで「皆さんは僕にとってヒーローです」と語るが、その言葉には説得力がない。のび太たちは道具に頼りっぱなしで相手を倒すだけであり、道具に依らない彼らの魅力がそれまでに提示されていないからだ。画に暴力性はないが、この展開はすさまじく暴力的である。宇宙海賊との戦闘もどこか舞台やお芝居のように感じ、迫力にかける。

宇宙海賊の狙いは、ポックル星のエネルギーを使い、ポックル星にとっての太陽である惑星を壊し、その中にあるダイヤモンドとグラファイトの収集である。宇宙海賊の首領イカーロスは、その肉体の再生のためにグラファイトを求め、部下たちはダイヤモンドを求める。グラファイトに関しては、細かいことなので突っ込まないことにする。とにもかくにも、宇宙海賊がやり手の詐欺師であり、星をひとつ潰そうとしているのであるから、宇宙海賊の必死さや非道さをもう少し深刻に描かなければならない。

こんな宇宙海賊やグラファイトのことなど吹っ飛んでしまうのが、ラストの解決方法だ。終盤、宇宙海賊の目論見通りビームは発射され、太陽も破壊されてしまう。そこをドラえもんは、一旦カチンコチンライトで止める。百歩譲って、ここまではいい。ここからが問題。バーガー監督の巻き戻し機能によって、「発射されるビームと、破壊された太陽だけの時間を巻き戻す」というご都合主義的な解決方法なのだ。タイムパトロールさん、こっちですよ早く来いよ。過去を変えるっていうレベルじゃねえぞおい。自分たちの身を削らず、外から「間に合わない」と眺めるだけで、最後は道具の素晴らしい機能によって解決をする。地球上の誰がいったい、のび太たちに感情移入できるというのだろうか。約束された勝利の剣なんて、見ててもつまらんでしょ。

「魔界大冒険」では、ドラミちゃんが持ってきたもしもボックスによって一時解決したかのように思われるが、事態は平行世界(パラレルワールド)にまで発展しており、根本的な解決は親玉を倒すことしかないことが判明する。ここに、世界を作ったことに対する彼らの責任を感じることができ、自然と感情移入ができる。つまり、観客も一緒になって戦うわけだ。このおかげで、美夜子との別れも切ないものになっている。感情移入は、このように彼らが努力をする、身を削って戦う、嫌な事態から逃げないなどの、説得力ある描写がないと非常に難しい。努力の描写もなく何かすごい事ができるキャラクターに、僕らは感情を移入することは中々できない。彼には、そうなるだけの説得力がないのだ。



<批評 - のび太>
ドラ映画において言わずもがな大事なのは、のび太の存在である。「のび太と銀河超特急」においては、西部の星からその射撃の腕が描写され、最終局面でも活躍をみせる。このとき彼に与えられた武器は、ただの石鹸が出るだけのピストルであり、ここでも勇気が重視されている。

今回ののび太は、ただあやとりをしているだけに終わった。ラスト、イカーロスとの戦闘において彼がやったことは、あやとりで必死にもがくだけであり、そこから適当にビームを撃って終わりである。言葉にできない。あやとりというのは、のび太のもう一つの特技である。そこを取り上げたのはとてもいい。問題は、どうやってあやとりでポックル星を守るか、なのだ。その解決が「イカーロスに気分悪いこと言われたんで、ビーム出ました」なんてことであったら、納得などはできもしない。あやとりによって相手をがんじ絡めにしてもいいし、とにかくのび太が考える工夫を見せて欲しかった。何も分からないけども、紐を錬成できるのであるから、面白い工夫を描写するべきである。ここにも考えが見られない。 のび太がもう1つの特技である、射撃を思い出し、銃をあやとりで作るぐらいのひらめきはだれでも思いつくだろう。

あやとりは、アロンとの友好や友情においてその役割を果たしている。何万光年も離れた惑星同士で、あやとりを子供に教え平和に暮らしている。この点で、アロンとの繋がりが見える。しかし、これは今までの長編ドラとは似つかわしくない。映画序盤から中盤にかけては、なるたけドラえもんたちが戦闘を避けるのに対し、終盤においては身を削りながら戦闘によることが多い。「夢幻三剣士」において、一度死んでしまった後のボスとの戦い。「宇宙開拓史」における、一対一の撃ち合い。「海底鬼岩城」における、バギーの捨て身の特攻。これは、冒険活劇的な側面が大きいだろう。起因するところは何にせよ、とにかく身を削って戦うことが多い。

今回はのび太もボスも合理的でなく、戦闘は生ぬるい。ごっこ遊びのようだ。そこに従来の長編にあった真剣さはなく、生と死に直面しても目を背けない強さなど全くない。ただ、あやとりをしていたら、世界は平和になれる。という主題が僕にはうそ臭く感じて仕方ない。誰だって戦争は嫌だけれど、何かを救おうと思ったら死に直面しない平和などありえないと思う。



<批評 - キャラの特技> 
さて、スペースヒーローズではグレードアップライトと呼ばれるひみつ道具によって、それぞれの得意分野が強くなる設定があり、のび太は前述のとおり「あやとり」が強化されている。 他のキャラというと、これまた納得いかない部分が多い。しずかちゃんと言えば、彼女が得意、好きであるのは「バイオリン」である。この演奏の下手くそさは、原作コミックでも幾度と無く描写されてきた。ジャイアンといえば、ホゲーに代表される、あの音痴な歌である。しかし実際には、しずかちゃんはお風呂好きということで、水を自由自在に使えるようになり、ジャイアンに至ってはただの暴力である。ドラえもん、スネ夫の特技が、それぞれ石頭と機械いじりというのを考えると、しずかちゃんとジャイアンについてはもったいない。

話を広げやすいように作った、という印象を受ける。バイオリンや音痴では汎用性がなく、物語において活用しにくい面は当然ながらあるが、そこに工夫を投じることこそがドラ映画における1つの魅力ではないだろうか。「魔界大冒険」では、人魚の歌声によって洗脳されそうになるも、ジャイアンの歌によって皆の目が覚める。普段は使えないガラクタのようなものも、使い方によっては危機を救う。これは、ドラえもん映画の根幹でもある。 普段はグズでのろまなのび太が、ありったけの知恵と勇気で冒険にみんなと挑むところに魅力を感じる。つまり、バイオリンや音痴といった要素を扱いにくいものとし否定することは、のび太という主人公を否定していることとほぼ同義であるのだ。せめてどちらかは使うべきである。エンドクレジットで流れた、子どもたちの絵の方がよっぽどドラえもん映画をわかっている。



<批評 - ドラえもん> 
さて、最後にドラえもんについて。これはこの映画だけの話ではないかもしれないけども。新ドラになってから重視されていると感じる点は、ドラえもんとのび太の精神年齢が同じということである。確かに設定的には、ドラえもんの伸長は小学5年生の男の子の平均身長である。そういった点から、のび太と同じように遊び、同じようにアニメを楽しむなど、幼稚な面をやけに描写する。しかし、これはドラえもんの当初の目的を無視している。

ドラえもんは教育係として、未来から送られてきたロボットである。それゆえ旧ドラにおける、ドラえもんは保護者の感覚が強い。保護者たりうるように、精一杯自分の中で考え、教育しようとする。いわば、少し背伸びをしているのだ。その中にときおり垣間見える、童心がドラえもんというロボットに魅力を与え、人間さを生み出している。ただ、アホみたいにはしゃぐだけでドラえもんは形作られているわけではない。時に自分のことは棚に上げ、叱り、勉強をさせ、勉強できるように時間の流れをゆったりとする道具を出したりして支える。その上で、悪ふざけをのび太を一緒にするからこそ、ドラえもんらしさは作られるわけだ。今ある、ただ幼稚なことをするだけのロボットは、「藤子が描こうとしたドラえもん」ではないと強く言える。 



余談ではあるが、予告の出来はこの上なくいい。本編を見た上でも、まだ面白そうに感じるのだから、予告は本当に上手すぎる。絵や動きは素晴らしいだけに、全くもってもったいない作品であった。


さて、以前「取り留めのない雑記(19)」において、ほっけさんから意見を頂き、「話数単位で選ぶこと」に対する意義をとても深く理解することができた。確かにCMやNHKアニメ短編はその映像の短さゆえに、語られることも話題になることも、今日の情報過多社会ではあまり見られない。それを年のまとめとして、機会を設け、語る、というのは非常に大事なことと共感できる。

既に年は明けてしまったが、去年を中心にアニメーションによるCM、アニメーションが使われているCMを整理した。コマーシャル・アニメーションに潜む魅力が伝わり、何かの参考になれば幸いである。


■「南アルプスの天然水/サントリー(2013-14)」


アクリル絵具のような質感のアニメーション。「動き続ける絵画」と言えなくもない。これは「Wild Life(2011)」からのキャラクター引用で、新しく制作されたものだと思われます。「Wild Life」とは、カナダのアマンダ・フォービスとウェンディ・ティルビーによって制作された短編アニメーション。2012年のアカデミー賞において短編アニメ賞に輝いています。ちなみにオスカーもノミネート。

ここがやはり素晴らしい。

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水流表現。多分12枚リピート。ペットボトルがカチャカチャなってるのもいいよね。とにかく、ここは川の透明度と流れの表現が巧すぎる。「水の透明度」っておそらく表現が一番難しい部類だと思うんですけど、これ見事ですよね。ある一つの水の流れでは、石があって、それを乗り越えていっているのが分かる。障壁がないところは、スムーズに通っている。



■「東京ディズニーリゾート/ディズニー(2012)」


ディズニーランドを舞台に、人の一生を描く。カット割りのテンポ、明暗が特に良かった。最後の方は、お母さんになって、おばあちゃんになるんですが、画面のレイアウトが反転しているのがいいんですよね。時間の移ろいを感じる。未だに制作会社が明かされていないようですが、どうにもIGっぽいですよね。撮影的な意味で、少なくともマッドハウスとかこういうのはしなさそうです。同時期には、LED電球による東芝のCMでも「人の一生」を表現していたりと、伝播するものがあったんでしょうか。



■「ムーヴ カクカクシカジカ/ダイハツ(2008-2014)」


カクカクシカジカ自体は、記憶に新しい人も多いと思うが、この滑り込んだ後の作画について、特にエフェクト(煙・粉塵・砂埃)が素晴らしい。


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粉塵・砂埃が現れ消え行く、そのプロセスやタイミングが時間軸を表している。滑り込んだ直後は、スローモーション的な時間の流れ方だけど、セーフの後にスッと消えることにより、時間が現実に戻ったことをまさしく見事に表現している。



■「20代の部屋編/マイナビ賃貸(2015)」


これこの前見て、びっくりした。サラリーマンの男の子がカバンを引きずっていくところとか、自転車の挙動とかいいですよね。最後のカメラのじわ回りも(ちょっと手前の方が早過ぎる気もしますが)いい。

32]56]

「浅野先生が原画を担当!」と公式サイトに記載してあるんだけど、これ全部原画描いたのは流石に嘘やろ、と思う(※浅野先生全カット原画ならそれはそれで凄まじいですが)。どこが作って誰が描いてんやろね。



■「頭は使いよう。/クレディセゾン(2014)」

(みんな大好き)らっパル/山下清悟作画。

54]34]

衝撃波がなんとも絶妙な感じでいいですよね、こうぶわあっと。大地が割れて、石がずわあっと。やっぱり、らっパルさんとかってタイミングがこう上手いんですよねえ。女の子も可愛い。後は漫符が地味にアニメーションしているのがいい。



■「クロスロード/Z会(2014)」


新海誠作品。通信教育のZ会のCM。離島に住んでいる少女と、母子家庭と思われる少年の受験を描く。これが上手かった。一般的に、学校以外の教育と言えば、「塾」「予備校」でありますが、この作品に出てくる2人はそれが利用できない。少女は塾が近くないという距離的な問題で、少年は塾の費用が払えないという経済面の問題が原因です。それを解消するための通信教育ということで見事なコマーシャルになっている。さらに言うと、少年はその費用を捻出するためにアルバイトまでしているのが凄まじい描写で。また、家族や親戚に囲まれる少女に対し、最後まで少年側の親が映らないのは、やはり母子家庭の暗示だと思います。


映像としては(去年の最初にも触れたんですが)、やはりこの2カットが素晴らしい。


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おおっとなりますよね。試験をそれぞれのやり方で(深呼吸をする、すぐに取り掛かる、緊張から肩に力が入っているなど)、過ごしているのがいいですね。試験用紙のめくるタイミングもめくり方もみんな違う。こういった細部のディテールは画面の、ひいては映像全体の写実性をやっぱり増します。後は、差し込む光とパーティクルの効果がいい。現象としては空気中の埃が日光で照らされていて教室っぽいなあと。



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ここは年間エフェクトでも触れました。いいですよね、何度見てもいい。消え行く吐息(ダブラシ煙)はセクシーです。細かく髪とメガネを直しているのがまた(女の子らしい)仕草で良かった。



■「ワゴンR エネチャージ篇/スズキ(2012-14)」
 

これは一つ、CG部門として。渡辺謙さんが何か電気の超エネルギーみたいなもんを使ってますよね(笑)。これが当時見てて面白かった。放電エフェクトを作ったのが、「ガティット」というCG・アニメ制作会社。この会社は、アーティストのコンサート・ライブ映像であったり、コマーシャルのC.Iカットなんかも担当されています。



■「コニャラの歌/日清製粉グループ(2010-)」 


41]50]

近藤勝也さんによる作画。ジブリと矢野顕子タッグの有名なコマーシャル。やはり、アニメCMで馴染み深いものといったらこれだろうか。何と言っても最後に子猫が母猫寄って、毛並みがふわっとなるところが良い。「柔らかさ・安心・母性」といったものをこれだけの線で描写しているので凄いなあと。 




以上7選+αでした。

コマーシャルのようなショートフィルムには、物語性を持たせることが難しいです。その上、元々の商品の宣伝もしなければならないのですから、負担は単純に考えても2倍増です。それでもなお、これらのCMのように「作品」になり得ている映像が作られるのは、クリエイターの「手加減なし」を感じます。そこには、「コマーシャルだから、物語性の欠如を許そう」とかいう合理化もないんですよね。「あくまでCMであるけども、一つの作品を作ろう」としていることが、制限付きのショートフィルムにおける、瞬間的な魅力と拘束的な妙技だと思います。

これからは、アニメーションCM、CGが含まれるCMはより増加すると思います。個人的には、煙とかを中心に注目していきたいです。


<参考文献>
CM情報-サントリー天然水
コニャラ-日清製粉グループ
カナダのアニメーションデュオ、ウェンディ・ティルビー&アマンダ・フォービスのデザイン-17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード  
Wild Life by Amanda Forbis & Wendy Tilby, 
・CGWorld 180号特別付録
らっぱるさんのツイート  
マイナビ賃貸TOP / お部屋探しキャンペーン 

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