GOMISTATION

足が絡まっても、踊り続けて

カテゴリ:2014年アニメ > 四月は君の嘘


12話「トゥインクル・リトルスター」
絵コンテ:神戸守
演出:福島利規


アバン:クライスラーの「愛の悲しみ」について

A:イマイチ
・ピアノと母親
・今とこれから

B:良かった
・プールでの溺れかけ
・三池くんかわいそう



脚本・構成・演出・作画

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さて毎報コンクールの余韻も終わりに近づき、ガラ・コンサートへの練習が始まる。宮園が選んだのは、「愛の悲しみ」で有馬は何度も拒否をする。有馬にとっては、母親との思い出深すぎる曲であるため、露骨に嫌がる。毎報コンでは、宮園かをり1人のために弾いたが、小学生時代には母親のために弾いていたので、構造的には変わってないことが分かる。「誰かのため」という依存性がなければ、彼は今ピアノが弾けぬのだ。



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「この曲は母さんの匂いがしすぎるんだよ」というセリフに至るまでの描写。ここはあまり良くなかった。音声1つとっても映像に与える影響は大きく、(音声が)あまりにくどすぎるために、なかなか有馬に同情・同化できない。つまり、第三者の想像力が入り込む隙間を排除してしまっている。「お前なんか死んじゃえばいいんだ」という1シーンを無音声にすることで、想像は少しばかりでも広がるのになあと。



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日常における「祭り」と、ガラコンへ向けての「ピアノ」というのは、関連性が全くなく、それゆえに水と油のように、有馬の日常にピアノが強調される。これは舞台装置として非常に効果的で上手い。コンクールや学校を描くだけでは、彼らの日常、生活、世界観を読み取ることが難しいし、何よりもピアノ自体も印象的でなくなってしまう。しかし、全く関係のない場所でピアノというものを描くことにより、コンクールのときよりも格段にピアノの話に注目ができる。



10]12]

2枚目。ここは引きの画ではなく、寄りの画ではないのかと考えてしまった。寄れば当然、彼らだけの世界になるし、星空も輝くと思うのだけど。引いたのは、おそらく星空を見せるためなんだろうけど、それならばアングル自体はもっとアオリの方がいいような。



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このシーンでは、音楽とデフォルメどっちもカレカノ意識を感じた。が、BGMぶつ切りは何となくもったいない気がする。シーン全体にデフォルメをかければいいのではないかなあ。



さて一転。Bパートは非常に良かったので、追いかけて見ていく。

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そうそう、柏木さんはこのぐらいブスがちょうどいいです。もっとブスでもいい。説教っていうのはね、ブスがしないと意味ないんですよ。現実世界にいそうな女の子って大抵そうでしょ(ひどいこと言ってる)。少なくとも想像上の世界では、嫌な役回りの子っていうのは姿見も相対的に悪くならないと、何か筋が通らないんですよ。あいつイケメンなのに、偉そうに講釈たれてるぜみたいな。もちろんそれが魅力の場合もあるんだけど、基本的にはバランスを取るというか。



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このレイアウトはすごく興味がある。今から記すことは全て推測なんだけど、ここでの主役は宮園と渡、傍観者は有馬と柏木、そして椿の役割はおそらく、「逃避」だと思う。前述のとおり、柏木さんはすごく客観視するキャラクターであって、有馬も現実を素直に受け止める努力をしてる。だけど、椿だけは未だに有馬が宮園に惹かれていることを認めたくないという感じで、逃避してしまっているような印象を受けた。



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プールに飛び込んでからの、「音に束縛されない」シーンの描き方は見事の一言。水中に祭りでの描写をオーバラップさせることで、有馬の思考が重層している感じを出している。溺れていることから、ピアノの音が聞こえないことをショック的に想い出し、そこから祭りでの会話を想い出し、そして水中で演奏しようとする(音が鳴らないピアノを弾こうとする)。この一連の流れは素晴らしかった。


今回は以上です。


10話 「君といた景色」
コンテ:中村章子
演出:原田孝宏



脚本・構成・演出

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33]39]

正直なところを言うと、今回はさほど良い演出ではなかったと思う。有馬のピアノに対するもがき苦しみ、そこからの脱出とピアノに対する思考の転換。これが、この毎報コンクールにおいて最も重要な要素であると思うんだけど、そこが上手く出ていなかった。つまるところ、「宮園のために弾く」という思考に至るまでをもっと事細かく刻むべきだった。これでは足りない。宮園との思い出をたくさん出すべきであり、そのことで映像の7割が構成されてもいい。それぐらい、「独占的で・自分勝手な演奏」を演出しなければ、有馬の思考の転換は描写ができない。


後、細かいことを言っていく。

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こういったみんなの個性の演出をもう少し何とかして欲しかった。09話と同じであり、無味に感じる。個人的な要望を言えば、バンクを上手く使うべきだと思った。


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有馬が「ありがとう」を重ねるシークエンス。宮園に対する感情、何を考えても浮かぶのは宮園であるならば、これまた同じく、バンクで回想を紡ぐべきだった。もっと短くフラッシュカットに近い形で。後は、「アゲイン!」のセリフは必要では無かったと思う。あれは蛇足。音にしなくても分かるし、想像させて欲しかった。


10話に関してボロクソに言ってますが、あまり良くない演出だけかと言ったら、そうではなく当然良い点もあった。

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例えば、この時間の演出。これは素晴らしい。たったこれだけの短い時間、瞬間的な時間にあるにも関わらず、観客、視聴者にとっては、とても長く時間を感じる。それだけ、有馬の演奏が濃密であったことがとても伝わってくる。


12]07]

後は、同じレイアウトでの撮影効果による変化の入れ方。これも良かった。同じ絵だけども、全く違う意味を持たせている。前者は、コンサートでの暗い描写であり、後者は練習中の描写。この対比は良かった。


57]

10話に関しては僕は否定的なんだけど、この一枚のカットで全てを許容できてしまう気もする。有馬のイメージ、有馬の一途な思いがコンサートホールを包んでいく、この桜が舞うレイアウト。これは本当に素晴らしい。ここだけは、絶賛してしまう。すごい。


もの凄くハードルの高いことを要求してると思う。原作既読のせいもあって、ここはこうあるべきという確固たる思いが芽生えている。演奏を止めるシーンの有馬の無力感や、再び演奏を始める時の有馬の思考を上手く演出するのは難しいことだろうけど、2014-15を代表するような作品になりうるのだから、頑張って欲しいという気持ちが大きい。





作画・レイアウト

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西井さん1人原画。西井さんをさほど、というか全く知らないので、あれですけど、煽りのアングルが特に上手い。相座兄の先生や有馬の煽りアングルでの作画はとても上手く、コンサートホールや10話全体に立体感を持たす効果があったと思う。


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後、こういったイラスト調のカットも良かった。いいですよね、ちょっと抽象的になってふんわりする。優しい絵作りになってる。


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「ピアノが響かない」という描写で、手が崩壊していくのも良かった。体全体で響かそうとしているんだけど、それが出来ないのが伝わってくる。



10話に関しては、こんなとこです。


緊張感あって、良い回だったと思う。

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09話「共鳴」 
コンテ:神戸守 演出:黒木美幸

アバン:井川の過去
A:井川演奏と有馬の演奏前(緊張感あった)
B:有馬演奏


脚本・構成

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45]16]

毎報コンクールにおける、有馬の演奏回。前回のコンクールは殆ど宮園に引っ張られる格好であったけど、今回は有馬の決意がある所が異なる点であり、重要な点でもあります。未だピアノの音は聞こえないわけですが、それでもステージへと向かっていく。失敗やミスの不安は、08話において描写されており、それを自覚した上での演奏です。つまり、非凡であった有馬が凡人の思考を辿っているんですね。今まではただ譜面しか気にしていなかったけど、「音が聞こえなくなった」ということを転換点に、必死にもがいている中で見えてきた風景であるわけです。


11]09]

その必死にもがいている最中に、再び不安が襲いかかる。これまでの話数では、母親や小学生時代は抽象的なイメージが多かったですが、今回はダイレクトに映像で示されています。虐待とも呼べる母親のレッスン、容赦の無い嫉妬、母親の死。「音が聞こえなくなった」のは必然だということが伝わってきます。これを有馬は罪である(母親に対する酷い言葉に対して)と、合理化してピアノを弾かない理由にしている。そんで、有馬曰くの「罪」が襲いかかってくる。


これは本当に勝手な推測なんだけど、有馬は母親の死を認めたくないのではと思う。嫌なのイメージ・思い出を繰り返し顧みると、その人物の死は自分にとって些細なことであり、大したことではないと言い聞かせているような感じ。死んでしまった人に対し楽しかったイメージを持つと、死んだことを認めてしまうような気がするんですよね。まだ彼の中に、母親は生きているし、やはりまだ生きていて欲しいと願っている様子。





作画・レイアウト

39]

作見としては、やはりアバンのジャングルジム井川でしょうね。ここが大変に上手かった。滑り落ちる感じ、危うい感じ、「銀河鉄道999劇場版」における金田パートのような、「ああっ!」と声が出てしまうほどリアルな描写。上手かった。


03]

これは、相座兄とレイアウトまんま同じで僕はあんま好みではないです。変化が欲しいですね。井川であるなら、有馬に対して強い感情を持っているのだから、それをぶつけるようなレイアウトにして欲しかった。極端に言えば、口元・手元アップだけでも十二分にその感情は表現できると思う。


43]51]

スクワッシュ&ストレッチの表現。元になっている物体をAとすると、スクワッシュしたAダッシュは輪郭線がびよーんと伸びます。ディズニーでお馴染みの誇張表現ですね。後、ここらへんの母親の喋る作画良かった。すげー嫌なオバサンな感じがバンバン出てますよね。


09]16]

抜けていく鍵盤。鍵が外れたピアノとかピアニカってスゴイ不気味ですよね、それと綺麗な桜のミスマッチ感が上手く表現されてた。ここはCGと撮影が特に力を入れたと思う。これ大変ですよね。


08]11]

01話の流血描写があるからこそ引き立つ、この一滴の血の表現。ドバドバ出てたら大変とかそういうことじゃないんだよね。この一滴には、小学生有馬の今までの思いが全て詰まってる。だから、やっぱり01話の流血描写は必要ですし、オカシクもない。




09話に関しては、こんなとこです。 

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