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守りに入るな、自信満々に失敗しろ

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初見で見た時は、これCGなのかと目を疑った。
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カセットガール - アニメ(ーター)見本市第35話


CGの技巧が優れてるのは言うまでもないんだけど、特に流れるような金田アクションと、作画に引けをとらないエヘクト。この2点が特筆すべき点かなあ。金田系アニメーターの摩砂雪はコンテでも金田アクション随所に盛り込んでくるんですが、今回も自然に放り込んでて上手い。


爆風ふっとばされアクション
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爆風で吹き飛ばされた後、空中に放り出されて雪の上に着地までのアクションです。これの何処がスゴイかと言うと、CGでサバサバした金田アクションをやってるとこですね。しかも上手く決まっている。普通のCGIだったら、もっと女の子が空中にいる時間は長いです。こんなに短い上、破綻していないのは偉業と思う。カラーデジタル部はコマ落としを多用したんじゃないのかな、摩砂雪はアニメでも特撮でもよくやるし。


おっとっと
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観直した中で一番良かったアクションはこのシーン。
板がずれて後ろに動いたために重心も一緒に動いて、女の子は体が前のめりに。その後、真正面からの風に押されてしまい上半身は後ろへと傾く。この間、下半身は固定されたままなんで、殆ど動けないんですが、最初の方では抵抗しようと内股になってたり、後半の風に姿勢を持って行かれて、少し開いちゃってる。いやあ、細かいとこまでちゃんとコントロールしてやろうというのが伺えます。




レンタル屋爆発
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2回閃光した後の爆発。
一回目の煙はタイミングがいい、じんわりタメてます。その後は、ガヤも混じりながらの全面煙。ある程度勢いで押してるのと、2色という色数でセルルックにやってるのが良いです。ここはリアルと漫画が混ざった感じですね、一回目の煙は少しリアルなんだけど、2回目の煙はちょっと漫画っぽくド派手に。


どっかーん着地
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カメラに衝撃波が届く瞬間にショック表現として、ビデオのノイズを使っているのもまた良いですねえ。エフェクト本体は4色程度かな。煙自体の展開や、煙が冷えていく描写を色と透過光でコントロールしてますね。舞い上がって消える破片も綺麗だ。後は、前の方にニョキッと出てくる煙かな。この煙のタイミングがものっそい良いですね、煙全体のじんわり感を上手く演出してると思う。 



総括すると、アクションについては挑戦的な表現で、しかも金田アクションとの親和性が高い点に驚きました。なんとなく、「金田系」と「CG」は両極端に位置していると思っていたので。ある種到達点とも思う。エフェクトは破片、瓦礫も含めて、総合力が高い。2色の煙は下手なアニメーターが書くより断然素晴らしいです。タイミングもそうですけど、画面を何とかコントロールしようとしている工夫と試行錯誤が伝わってくる。面白かったです。

カセットガール - アニメ(ーター)見本市第35話
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世界の国からこんにちは」は、片山一良による万博パビリオンぶち壊し映像作品です。この作品では良いエフェクトが山ほど見られたが、これは見本市の作品の中で一番優れていると言ってもいいだろう。


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日本ロボが着地してからの煙。
影は2色使われており、立体的である。左右に流れていくタイミングも見事。


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ビームからの連続爆発。
爆発が生えるタイミングが素晴らしい。連続で速いタイミングながらも、上手く繋いでいる。温度表現は黄色のみだが、これまた内部に巻き込んでいくタイミングが上手い。この人はタイミングが非常に上手いですね。後ヅメも完璧。対して2カット目は、ややゆっくり目で透過光が効いている。


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格納庫が爆発していく、スペクタクルな絵面。
先ほどの爆発とは真反対に、爆発は内部から展開する。色使いが独特ながら、白コマの使用も的確。


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空中からのビームによる連続爆発。高瀬さんだろうか。
透過光を全面に押し出した後で、風船のような煙の膨らみを表現している。もう少し多めの枚数で見たいところではあるが、やや勢いで魅せるシーンということを考えるとこれでいいのかもしれない。


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交錯するビームが海に流れ弾のように突き刺さった爆発。
シンプルなフォルムであるが、煙の間の炎によって迫力が増す。また、煙と同じタイミングで広がる波の表現も上手い。押し寄せる波と上部に膨らむ煙、見事である。


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パビリオンの一角にぶつかる爆発。
内部で動くディテールに注目。これが温度表現の役割を担っている。赤色の楕円的ディテールが一度消えかけた後、再び広がるのが斬新で面白い。


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巻き上がる破片、シャギー(トゲトゲ)な煙。鴨川さんによる見事なエフェクト作画。
シャギーの形で発生した煙は、丸くじんわりと(後ヅメを効かせて)展開する。その後、落下した後に怒る水しぶきは、最初に落下した地点で大きく上がり、次第に小さくなる。そして最後に水中で大爆発をし、巨大な水しぶきを上げる。


メカ作画もさることながら、今回の作品ではエフェクトアニメーションの良さが際立っていた。その上、画一的でなく様々な多様性あふれるエフェクトが見れたのは、まさしく見本市という企画において素晴らしいことであろう。

 
[図版は、http://animatorexpo.com/ragnarok/から引用]
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新世紀いんぱくつ。」は日本アニメーター見本市で公開された映像作品です。これはカメラワークが非常に良く出来てまして。特に前半部分。氷川言及あり(http://animatorexpo.com/news/125)。

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アヤコを見送るシーン。ここではカメラは客観位置。第三者的な立ち位置。


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これはイズミの主観POV。自動販売機でコーヒーを買ってハルカに渡そうというシーンなんだけど、バストショットを映さないことでコーヒーを握るイズミが緊張感を持つことを示す。


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☆ハルカの主観POV。ここでカメラに手ブレが入る。これがハルカの視線で、有している不安・恐怖というものをカメラで間接的に表している。


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その後は、客観位置のカメラが続く。イマジナリーラインは跨がずに、ここではハルカを主に取り上げる。画像2では、不安の大きさをハルカのキャラ自体の大きさで演出し、逆に画像3では彼女を画面の下部に設置することで、その小ささ(不安)を強調する。会話の内容自体は日常に溢れているけど、郷愁や哀愁が感じられるのはカメラに起因する。

 
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画像1:ハルカ「どんどん人減っちゃうな…」を受けて、画像2ではイズミの目線で葛藤を表す。言わなくてはいけないが、疎開することを発言することは序盤のアヤコを見送る描写に現れている通り、ハルカを悲しくさせるものであり、イズミはそれを理解した上でためらっている。


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☆ここからが上手い。
画像1でアヤコはハルカに疎開する意図を伝える。これはハルカにとって予期せぬ事態であり、画像2の主観んPOV画面(画像1のポン寄り)は手ブレする。ハルカの動揺をカメラ越しに伝えているのだ。予期せぬ事態に動揺する口元を画像3で映した後、画像4から客観位置にカメラは戻る。客観位置に戻ると、会話の中でハルカは気丈に振る舞う。しかし、ハルカの動揺は彼女では制御できず、画像5のハルカ主観POVになると、すぐさまブレてしまう。彼女が友達に心配をかけまいと努力しながらも、やはり心の底では不安と不服があり、暗示をかけるように「仕方ないよね…」を繰り返す。画像6になると再びカメラは客観(ややハルカなめて)位置に戻る。ここでは、そのハルカの意志をイズミが察しており、ハルカよりも画面上部に位置することで精神的な優劣を表している。


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カメラは完全な客観位置へ。彼女たちではどうにもならない外部環境による選択の無さ、どうしようもない状況で立ち尽くすしかない様子を明確に表している。ここがエヴァ本来のニュアンスと通じる。エヴァパイロットは、搭乗することへの拒否権がほぼ無いに等しい。


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二人は幸せなキスをして終了(大嘘)。使徒の襲来による不安・恐怖に対してはどうしようもない状況であり、彼女たちに出来ることはこれ以外になかったのではないのかなと。世界の決定に対する、子供のささやかな抵抗である。


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後半パート、曲が始まってからの手ブレ・ピンぼけは、彼女たちの持つハンディカムによるものであり、前半で見た演出的なブレとは異なっている。彼女たちが歩んできた、疎開前までの平和な日常を表しており、前半部の陰鬱さを少し吹き飛ばす。


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しかし、ラストは客観カメラによって、無情・非情なまでにハルカの孤独が強調される。結局のところ、使徒や使徒による戦闘とは無関係でいられない。安保法案、シリア難民等の世相も反映しているような感じがする。今までは対岸の火事であった「戦争」や「貧困」「飢餓」が、これからは他人事では済まされない領域があることを示している。


新世紀いんぱくつ。 -日本アニメ(ーター)見本市第32話
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