■「亜人(2016)」11話
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1コマCG。これはそんな驚かなかった、それでも上手いけど。『楽園追放』とかと同じ方向性ですね。なるべく粒子数を減らして、全体の色数を細かくしすぎない。CGエフェクトってグラデーションとの戦い(無限に発生してしまうカゲを抑える)なんだけど、そこを上手く調整してる。


驚いたのは、次の2カット
見てて変な声出た

・ビル崩壊2
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うは。上手いとかそういうことより、びっくりですねコレは
下手な作画より断然いいっすね。タイミングもよく練られてる
CGエフェクトのブレイクスルーに後一歩のところまで来てると思う

2コマCG。煙の上と下の部分で、異なるタイミングにしてるのがgood
ここの噛み合ってないガチャガチャ具合がいいですね


で、特にヤバイのがここ

・ビル崩壊2-アップ ☆
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「は?」ってなった。え、なにこれ?って
左下からの煙の急速な隆起と、最初に発生した煙が後方でじんわりと伸びることによって、画面の奥行きがすさまじい。だから押し寄せてくるように感じる。このタイミングの弄くりは意図的にやっていますね。偶然こんなカットはできない。

CGエフェクトのこれから

タイミングに縛られなくなって簡単にいじられるようになったら、(センスいい人が担当するのは前提だけど)相当いいエフェクトが生まれると思う。後は色数の問題(図1参照)ですね。この2つがクリアされたら、CGエフェクトもすごく良くなる。



これ3コマだとどうなるのかな、流石にカクカクになんのかなあ。ちょっと3コマでやってみて欲しい気持ちもある。中割りするというよりは、元あるフル60FPS映像からコマ落とすという感じなんだろうから不可能ではないだろうし。3コマでも画面は持つと思う。



・3Kテスト
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勝手に3コマでやってみた(1コマCGから適当に抜粋して3コマにしただけ)
(※ここのカットを担当された方には大変失礼ですが、好奇心には勝てなかった。すみません)

意外といけそうと思ったと同時に、ああタメが無くなったなあとも思った
でも、素人がこんな雑にやって「いけそう」と思えるんなら、とっくの昔にできてるよなあ。ただ安易に3コマ打ちに変換してやるだけでは、CGエフェクトの良さ(緻密・綿密なフォトリアルさ)が失われて駄目ですね多分。ただもうちょいコマ抜きしたら、もっと良くなりそうな感覚がある。2コマフルじゃなくて、3コマで中割を後詰めにするとか。そういうので良くなりそう。


爆発だと、こんな風にガンガン抜いてるんですけどね
(※これは「楽園追放」でも同じだった)

・地下、奥からの連続爆発
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これは見事!ケチつけるとすれば手前にある倉庫の部品が取れるのが少し早いくらい
CGエフェクトの最も得意とする温度表現のリアルさと、アニメのタイミングが両立されてる
後半にかけて、ドンドドドンと加速度的に押し寄せてきている。画面いっぱいに広がった後に多くのコマを割いているところも、後ヅメっぽいじんわり感で素晴らしい。



CGエフェクトが日進月歩の勢いで進化してるのが、CG制作工程のシステマチックさを伺わせますね。システマチックな制作工程のおかげで、フィードバックしやすくなってるんじゃないのかな。「このエフェクトはなんでよく見えないのかな~」みたいなことの原因はすぐに突き止めやすいと思う。アニメーターの個性はあまり出ないだろうけど、全体的なレベルの底上げはCGの方が早そうだなあ。

いや、手書きのエフェクトdisってるわけじゃなくてね?どっちも競争して頑張って欲しい。トップの技術をいかに下の人に伝えられるかどうかにかかってると思うなあ。天才が一人輝いても仕方ないし。ただ、手書きの方は技術を伝えることに対する手段も暇も余裕もないですねえ。スーパー堤防もびっくりのレベルでアニメの本数は氾濫してますもん、現場はそれどころじゃないとおもう。