エヴァ8話の増尾作画記事のときに、エフェクトアニメーターの村木靖、鴨川浩の特徴をそこそこ調べたので、ついでに載せておこう。



<村木靖の煙>

村木靖-エフェクト-煙001
(※参照画像はすべて「劇場版パトレイバー2」より)

村木煙の特徴は一言でいえば、「ミルフィーユ」のような層です。簡略図で描いているように、基本的にたくさんの円が微妙にずれて全体のフォルムを形どる。その結果、まるでミルフィーユのように、何重にも層が映る。これが大きな特徴、今も変わらない特徴です。もう一つの特徴として、「光源重視のカゲ」です。光源をとても重視されていて望遠だとほとんどカゲは下側なのですが、近い爆煙・広角カメラのシーンだと、左画像のように上側にカゲがつくこともある。まあきわめて写実的ですね。





さて、次は鴨川浩へといこう(※ちなみに、かもがわ「ゆたか」である。そこそこファンなのに、ずっと「ひろし」と読んでいた)。

「コードギアス」で一躍有名になったエフェクトアニメーター。「舞い上がる破片(※爆発した瞬間に、破片が上に飛んでいく)」が有名だが、煙にも特徴があるので見ていこう。



<鴨川浩の煙>

鴨川浩-エフェクト-煙001
(※参照画像はすべて「新世紀エヴァンゲリオン」より)

簡略図1のように、「クルミ・ディテール(※模様を指して)」を使うことが多い。全体のフォルムがあって、そこにディテールを入れ込んでいく感じ。膨張面の表現でしょうね。これじたいは多くの人が使う。次の方が大きな特徴です。もうひとつは、彼の煙には「トゲトゲ煙」があります。簡略図1、2ともに、オレンジ部分がありますがこれです。丸っぽい煙のそばに生やされることも多い、どちらかというと付随的な煙。画像だと右ですね。これは衝撃の表現だろう。この衝撃表現は使う人が少ないなあという感じ、爆発でもよく使います。


お二人ともに、もうベテランの域ですが、まとまった文章や記事が本当に少ない。特徴や構造の整理として、自分も上げていなかったので少しまとめておく。