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2025-1

カテゴリ:エフェクト作画 > 新興エフェクト

◆中国アニメ「武塾」PV
http://www.bilibili.com/video/av9523138/


※詳細は以下サイト様より
中国のアニメスタジオ緑怪研による拳法学園アニメPV 「武塾」
(※中国アニメブログ ちゃにめ!様から参照・引用)

(※なんか話題になってますが、こちらのページは「中国アニメブログ ちゃにめ!」様の記事から、エフェクト作画だけを抽出した、すなわち、便乗しただけのゴミクズ記事なんで、SNS等で等で共有する際は、こちらではなく、上記サイト様の元記事の方をシェアしてください。心が助かります)




・キック後の煙
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煙の膨らみ、ハイライトも良いのですが、このPVでもっと面白いのは、煙の中のシルエットですね。


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煙の中にキャラがいる。そのキャラのカゲを、全身のシルエットとして映すのではなく、身体の右半分、とくに右肩から右腕あたりまでを濃く描くことで、煙が流れていく様子を丁寧に表現する。煙は、画面左から右へと、流れていく。ここで、やや右肩に引っ張られる形で、シルエットのカゲが移り変わっていく。こうすると、キャラの存在感は出るし、流れる煙じたいの爽快さも強くなる。


このシルエットの使い方は、別のカットでも見られました。


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これは机のシルエット。こういうの考えるのってたぶん、クソめんどいんですよ。煙の中にある、物体に対して、どういったカゲが付くのか、それを真摯に考えて、描いて挑戦している。


・急制動で煙ぶわあ
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[追記]原画:光学核心

キャラ作画(CGガイド)+エフェクト作画

キャラが速いスピードで入り込み、急制動。その結果として、煙が2つ発生している。最初の煙がブレーキの煙で、その後に、キャラクターを通過する煙が急制動のために起こった煙かな。ここの肝は、なんといっても、ダブラシの使い方。


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煙が手前にあるときは、ダブラシておいて、


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奥側に行った途端に、ダブラシはなくなっている。これで、はっきりと、「煙が身体を通過した」と分かるわけです。だいたいは、こういう場面って全部ダブラシでやっちゃうんですけど、明確な意図を感じますよね。この煙は、身体を通過してんだぞ、と。物体的じゃないんだぞ、と。

袖に引っかかってる煙も細かくていい。ディテールとは、単純にハイライトやカゲのような装飾だけではなく、こういった細部の丁寧さもあるんでしょうね。


この通過煙はスゴく良い。たぶん、新興エフェクトの理想の一つじゃないかなあ。煙を物体として描くことよりも、”現象”としての煙をもっと全面に出したい、そういうのが新興エフェクトを描く人たちの考えだと自分は思っていますが、これは巧みに現象をアニメに落とし込んでいる。


<参照・引用文献>
中国のアニメスタジオ緑怪研による拳法学園アニメPV 「武塾」

今回は、2016秋アニメの「フリップフラッパーズ」のエフェクトについて。8話はオマージュ満天の回でしたが、良エフェクトも多かった印象。


やや新し目のエフェクト(以下、新興エフェクト)が目立ったかなあ
例えば、これ↓


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どこが新し目かというと、色の使い方です。
これまでは、フォルムで主に煙の動きを示し、温度表現は色に任せてたんですが、
ご覧の通り、こっちは色主体で煙の動き+温度表現をするんですね。
そこら辺が新し目な感じ。効率重視。


以下、類似エフェクト群

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(中野昭慶フラッシュも見どころ)


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表面のディテールの動きによって、温度の移り変わり+爆発の動きを表す
こういった新興エフェクトでは、ディテールの形やフォルムよりも、動きやタイミングに重点が置かれている。なので、タイミングのセンスに、爆発のクオリティが依存するわけですね。



あとはなんだろう・・・こういった新興エフェクトを書いている人たちは、アニメ的なデフォルメされきった線やフォルムから脱却して、別方向のリアルを目指しているのかもしれない。これらのエフェクトの注目すべきポイントは、フォルムなしで爆発を表現している点。

定形をもたないので、フォルムはその場に応じて変化させられる。ディテールも同じで、「このような形」というものが存在しないので、どのようなシーンでも汎用性が高く柔軟に対応させられる…という辺りが新興エフェクトの強みだと思います。短所としては、やや平面的でのっぺりとした画面になりがちな所。(定形フォルムやディテールをもたないまま)立体的に描写できるかどうかが、鍵だと思う。

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