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2025-1

カテゴリ:2017年アニメ > この素晴らしい世界に祝福を!

もういいよ…もうどうせ…そう思う度、奮闘できるのは、「このすば」EDのダクネスの優しさに触れることができるからだ。


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(「この素晴らしい世界に祝福を!」1期ED)

子どもの目線に合わせて話を聞き、笑顔を浮かべる。今はクルセイダーである中で、領民への気遣いを忘れない。これを優しいと呼ばず、なんと呼ぶのだ。優しさの概念だ。


25]
 (「この素晴らしい世界に祝福を!2」ED)

他のキャラクターが日常を平穏に過ごす中、ダクネスは1人、領民を気遣っている。それが彼女のもつ領主としての矜持であり、優しさだ。優しさと強さは表裏一体だ。強さは、力ばかりではない。


「戦っても、どうせ、負けてしまう」そんな時に戦う、ヒーロー像がある。まさしく、ダクネスはそうではないか。このすばにおけるヒーローはダクネスである。攻撃が当たらずとも、負けようとも、領民を守るのだ。その気概こそが、ダクネスを形どっている。

映像における”テンポ”という言葉は、たびたび物議を醸す。極端な人は使うなとまでも言う。しかし、実際にテンポはあると思う。


・アクアじゃんけん
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(「この素晴らしい世界に祝福を!2」 07話)

2期07話のこのシーンは、非常にテンポが良いと感じた。どうだろうか。

アクアがブレッシングで運を上げた後、カズマは卑怯だと言い、じゃんけんへと移る。じゃんけんへと移った後、アクアは負けている。そして、なんでよ~と理不尽さを嘆きカズマにすがる。


この内容だが、本編では、すさまじく省略されている。

このすばセリフ流れ07-01
じゃんけんをする時には2人の姿はなく、声のみ(OFF状態)の画面となっている。代わりに馬車のおっさんのあくびが映る。すなわち、彼らがどのようにじゃんけんをしたかは一切描写されていない。


このすばセリフ流れ07-02
そして結果すら示されない。示されるのは「アクアの泣き顔」であり、アクアの理不尽な訴えである。これだけだが、「アクアが負けた」と素直に分かる。

1~4カット目の流れと省略(カッコ赤文字部分)をまとめると以下のようになる。


じゃんけんするぞ!準備中:1カット目

じゃんけんの合図:2カット目

(じゃんけんの様子)

(じゃんけんの結果、負けた手など)

アクアの泣き顔:3カット目

アクアの嘆き、カズマのドヤ顔:4カット目


こういう感じである。つまり、なんと、じゃんけんがメインのシーンなのに、それについては一切描写されていない。どんな手を出したかの結果すら(カズマはチョキっぽいが)描写せずに、「アクアの泣き顔」でじゃんけんの全てを語る。まあ言ってしまえば、単純な省略コンテかもしれない。しかし、この「省略」にこそ、テンポは隠れていると思う。



「このすば」の中で、テンポと関連して際立っていたのが次のシーン

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(「この素晴らしい世界に祝福を!」1期04話)

マッチカット+Lカット
これは少し特殊なつなぎ方

マッチカット(似たものでカットをつなぐ、ここではアクアの髪の輪っか)で場面をつないだ上に、音声がそのまま次のカットに続く。後者の繋ぎ方を「Lカット」と呼んだりする。詳しくは下記参照。
スプリット編集とは何か-大匙屋) 

このすばセリフ流れ07-03

このすばセリフ流れ07-04
このように、馬小屋からギルドへと、ある場所からまったく別の場所へと、スムーズに場面転換を行う。ああ、ここの流れは何度見ても美しいです。「アクアじゃんけん」では時間が省略されたが、ここでは、時間(夜から昼へ)と場所(馬小屋からギルドへ)の移動が省略されている。


つまり、

穀潰しが!

アクア泣く:1カット目

カズマ「回復魔法はよ」、アクア「それだけはイヤ!」:2カット目

(馬小屋でのすったもんだ) 

(とりあえず寝て起きて、ギルドへ到着)

存在意義を奪わないでくれとアクア懇願:3カット目

ダクネスめぐみんに、回復魔法の件を再び説明:4カット目


という感じ。4カット目も、やや省略気味。「ダクネスめぐみんの2人に、アクアが再び説明している状況」を省略している。仮定だけど、わざわざ、めぐみんダクネスを呼んだり、状況を示唆するカットを挟むと、やや冗長になってしまうかもしれない。

ここのカット割りは天才的、というか天才


1つ目の例では、「時間」を省略し、2つ目の例では、「時間」と「場所の移動」と「状況」の3つを省略している。映像における”省略”といえば、何かと「時間」ですが、それ以外にも色々とあることが分かると思う。


さて、

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(SDダクネスもカワイイ)


「省略するとテンポがよくなる」では、あまりに飛躍した結論です
そこで、「そもそも、何かしらを省略すると、映像はどうなるのか?」という事を考えたい

省略をすることによって、何が生まれるかですが、まず、予測できる状況の説明を省いて、映像の流れがスムーズになる。アクアじゃんけんでは、「まあ、アクアは負けるだろう」、と視聴者は既に予測をしていて、この分かりきった状況を、わざわざ長ったらしく演出すると冗長になる。これがまずあるだろうと。そんで、もう一つあるのは、見てる側が情報の速度に付いていこう、とする点だ。2つ目の例で、僕らに映像の意味が分かるのは、最終カットに来てから。つまり、展開を予測できずに、僕らは遅れを取り、映像に追いつこうと努力する。それゆえ、没入感が生まれる。

この2つから探るに、大事なキーワードは、「予測」と「省略」で、
これらの関係が、テンポの良さ・悪さを生み出している主な原因だろうと、僕は推測する。



<参考文献>
『四月は君の嘘』20話の演出を語る - OTACTURE 
・スプリット編集とは何か-大匙屋

55]38]
いいか、ダクネスは変態だ。それはまず認める。モノ扱いされるのも、物理的に縛られたりするのも、責められたりするのも、実際好きなんだろう。その変態さは否定しない。ただ、ダクネスの変態さは表面的、上っ面だ。ダクネスの本質ではない。本当のダクネス、アニメで描かれるダクネスは、彼女の一部にしか過ぎない。

28]42]
ダクネスは常に変態的な行動をとっているわけではない。真面目な夜戦のシーン、バニルの死を悼む時、彼女は変態ではなかった。むしろ、常識人ではなかったか。そこから、高貴な生まれ、お嬢様な一面が分かるだろう。と考えていくとだ、本当のダクネスは、変態ではない。

表面的な変態プレイを好んでいるように見えるが、実のところダクネスは変態ではない。いわば、ファッションだ。「キクリンかっこいい~♪」などとインスタグラムに自撮り写メを上げている、カープ女子が野球をファッションとして身に着けるように、ダクネスもまた変態を着ているのだ。まあその程度は、大分違ってるな。ドM変態羞恥的プレイガチ勢だけど、やはりファッションだ。


18]22]

本当のダクネスが顕著に現れたのは、1期09話でのシャワーシーンだ。いざそういった場面になるとキョドっていた。あのシーンには、「背中流し」「強引な男」「流されるままに」やらの、普段のダクネスならば、すぐさまに受け入れる羞恥的プレイがあった。しかし、実際は違った。キョドったまま、「今日のカズマは変だ」と言い続け、羞恥的プレイは拒み、「ぶっ殺してやるぅ!」と、サキュバスをぶっ潰す気マンマンで風呂から上がった。

では、本当のダクネスとは何か。ダクネスは何を求めているか。ダクネス・フォード・ララティーナは、世間知らずのお嬢様であり、人付き合いが苦手である。よって、羞恥的なプレイは彼女の表層にしかすぎない。あれはダクネス自身を守るための盾なのだ。彼女は純愛を求めている、おれには分かる。


04]
もう一度言うぞ、本当のダクネスは、純愛を求めている。少しずつ前進していく、恋愛を求めている。手をつなぐことさえ、ダクネスはきっと、段階を踏まねばなるまい。それくらい、ダクネスは固い。クルセイダーとしてだけではなく、異性に対しても固かったのだ。

そうして、カズマとベッドインするに至っても、きっとダクネスは頬を紅潮させ、ためらうだろう。同時にカズマも心臓をバクバクさせながら、二人一緒に抱き合ったところまではいいが、そのままお互いに眠れず、目も合わせられず、朝を迎えるのだ…

そして、目の下にできたクマを隠しつつ、「羞恥プレイでないと興奮できない」とかわいく言い訳をする。

これがダクネスだ。
お前らちょっとは学んでおけ。

くぁわいい

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嫉妬するんだ…ダクネスも嫉妬するんや。ああ、こういう、普段は頭がおかしいキャラクターの素の部分が垣間見えると、良いですね。ギャップ萌えとはちょっと違う。ギャップ萌えはツンデレみたいな感じじゃん。ダクネスの可愛さとは違う。そんなジャンルでダクネスを縛るんじゃない。

素が出てしまうというのは、その人に対して、油断しているという証拠。油断しているということは、それだけの好意を持っているということ。すなわち、素が出ることは、好意が溢れ出てしまったということ、ではないか。普段の変態加減はそれを隠すためのもの…、ああララティーナ最高です。 

51]
お嬢様にも関わらず、変態だろまず。そんでもって、羞恥心の欠片もねえなあと思ったら、家柄には羞恥を覚える常識あるキャラでもある。ギャップがやばい。おっぱいも良いしモブの名前もしっかりと覚えている騎士っぽい真摯さもある。ああよく分からんが、最期のときはダクネスに抱かれて死にたい。

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