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足が絡まっても、踊り続けて

カテゴリ:2017年アニメ > 賭ケグルイ


「投票ジャンケン」は、その投票状況にもよりますが、最終戦で夢子がチョキを引ける確率は、約27%ぐらい。つまり、普通のじゃんけんとほぼ変わらないところまで、持ち込めた、というわけです。この確率の絶妙さには感銘しましたが、これを描写していないことで全てが台無しになっている。描写すれば、ああ、これぐらいは引いて当然とも思えるものなのに、なぜ描写していないのか。




アニメ制作スタッフに起因するのか、それとも原作から、このような仕組みなのかを知りたくて、1、2巻だけ購入しました。結論から言うと、原作がギャンブル漫画に必要な描写をしてない。

で、そもそも、ギャンブル漫画には何が必要なのか?
大雑把に以下のような描写が必要と思う。



1、ギャンブルの説明
2、最善手に迫るための伏線描写
→(a)キャラの思考
→(b)観察
→(c)行為
3、最善手のバラシ(ネタバラシ)


1は当然として、本題は2から。最善手とは「どのような手を使えば、勝てる勝算が大きくなるか」みたいなものだと思ってください。今回のケースだと、「手の偏りを知ること」ですよね。最善手に至るまでは、夢子は周りを観察していないように描写される。たとえば、投票状況を伺ったり、投票場を見つめたりする描写がない。そして、思考の描写も少ない。とうぜん、キャラの思考をすべて描くことは、ネタバラシですので、ありえません。ですが、「(敵味方どちらも)何を考えて、この手に至ったのか?」という思考を描いておかないと、3のネタバラシが効果的に働かない。夢子は「投票ジャンケン」の間、ずっと笑顔のままです。これは早乙女からすれば、やや不気味に写るはず。まあ、これぐらいは、早乙女が調子こいてたから、見過ごしたということで理解できる。ただ、夢子本人の思考が、独白や行動どちらでも、まったく描写されないのは、もはや伏線を張れていない状態と同義です。

最善手へと至る思考の過程(ミスリードにしろ)を描かない、伏線を貼らない。これは、ギャンブル漫画を放棄していると言ってもいい。同作者のドミニウム第一編のほうが、伏線をきちんと貼っている。

ドミニウム


2巻のインディアンポーカーにも言いたいことあるんですよ。2枚インディアンポーカーであった必要性はあるのかなあ。イカサマ合戦になってしまって、そもそもこの設定必要だったのか、と感じざるを得ない。イカサマ合戦じたいになるのはいいんですけど、元のゲーム性をガン無視で進行していくというのは、もうなんか、それを選んだ意味がない。

最初に言いましたけど、最後に夢子がチョキを持ってこれる確率が30%あるというのは、本当に絶妙なんですよ。そんなにないと読者も早乙女も思い込んでいますから。これが活かせないのは、もったいないとしか言いようがない。


賭ケグルイ http://kakegurui-anime.com/

5000年ぶりの各話感想。
途中棄権ならぬように祈る。

「賭ケグルイ」はまず元がWeb漫画です。「ドミニウム~極色少女賭博伝~」というタイトルで、2009年~2013年まで不定期連載。その後、ガンガンjokerへと連載場所を移し、舞台設定も学園へとガラッと変更し、「賭ケグルイ」として連載中。ドミニウムの方は、まあたぶん一生更新されないでしょう、残念ながら。

★第2弾PV






脚本・構成

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「投票じゃんけん」において最も重要なのは、「投票の状況」だと思うんですよね。投票されたカードが30枚あって、それぞれ3枚ずつ引く。これは単純な読み合いというより、場に支配されたギャンブルですよね。まず、この投票状況をバンクで済ませたことがもったいない。で、蛇喰夢子がイカサマを注視・観察している描写がないと、最後のネタバラシによる快感には繋がりにくいんですよ。極端に言うと、ただの後付なんで。


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手札に偏りがある、では投票にイカサマがあるのか、どうやってイカサマをしているのか。彼女の主観ではなくて第三者でもいいけど、それを観察している描写が欲しかった。もちろん、思考を全て描写しちゃうと、ネタバラシになるんで塩梅が難しいと思いますけど、流石にまったくないのはちょっと。野球漫画で例えると、何の描写もなくホームランを打って、後から、「いや~実はねw」とか言い出す感じなんすよ。いや、お前、それはその場で描けよと思うわけ。スライダーを読み切って打ったことに対して快感を覚えるわけであって、ホームランという結果に快感は覚えないんですよ、ギャンブル漫画って。原作から、こんな感じなら仕方ないけど。

ただ、完全にミスリードされた部分もあって、それは主人公のポチがイカサマに大きく加担していたところ。ここは最後の最後まで気付きませんでした。ポチは何度も描写されていて、バストショット、ミドル、アップすべてあったので油断していた。ここに関しては上手い。





画面設計・作画

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ギャンブル作品では、「変顔したら負け確」っていう変なイメージがあります。ゲス顔って言った方がいいかもしれない。賭ケグルイにおいては、これを全面に押して演出してくるでしょうね。

01話は、チップの崩れるCGとか良かった。その他はあまり。
特筆すべきは、やはりOPでしょう。


OPスタッフ

山本沙代コンテ
原画には田中比呂人、佐藤利幸さんなど

友人にいくつか資料を見せてもらいましたが、意外と好みの作風だった。
淡い映像がけっこう好きなんですよ。


シンメトリーの構図
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BLカゲによるハイコントラスト
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影なし作画で展開される中、このBLカゲは異色で、コントラストを強くする。キャラは明確に描かれ、まるで切り絵のようになる。


ああそうだった本編には、


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現代では数少ない、中野フラッシュもありましたね失礼した



以下蛇足

いやしかし、最初からガンガンの心理戦はやれないにしても、もう少し見せようがあったんじゃないのかな。やや性急さがあったと思う、1クールにしても。投票じゃんけんは、前述したとおり、「場に支配されるギャンブル」なんで、それを読むところまでが1セットで、読んだ上で相手にブラフる(気付きました、そして今回はもう既にカードの意図的な偏りはありませんと告げる)までが、もう1セットだと思うんですよね。運否天賦だと思わせといて、実はそうではない(袖に1枚チョキ入れとくだけでも保険となる)、みたいな感じの展開が好きなので。こればっかりは原作によると思いますが。

詰将棋みたいな感じで、「あっちいっても、こっちいってもダメ」というのが、完全な読みであり、ギャンブルのリスクをある程度下げるのがギャンブラーだと思うので。

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