アイドルを志していた、さくらは玄関先でトラックとぶつかり死亡した後、巽によって、ゾンビとして復活する。巽の目的は「佐賀を盛り上げる、アイドルとして活躍してもらう」というものであった。5話まで見ましたが、よくできていたのは1~2話ですね。
とくに1話のさくらと巽の掛け合いが良かった、終始笑いっぱなしでしたよ。
「なんで私ゾンビに…?」→「(ゾンビ映画の)あんな感じです」
「なんでアイドルに…?」→「佐賀を救うためじゃあん」
「(たえちゃんに)なんかもっとこうないんですか」→「伝説の中身なきゃいかんのかーい!」
即答キッパリというのがいいんですよ。
自分がゾンビとして蘇った経緯や、アイドルになる目的を巽から聞かされるわけですが、主人公さくらは素直に受け入れているわけではない。自分がゾンビになってしまったこと、そして、警官に撃たれてしまったこと。この2点による動揺で、否応なく巽に丸め込まれる。
さくらが巽に従ったのは、警官の発砲に因るところが大きい。発砲にビビって屋敷に戻る構造は2話の(愛・純子ちゃんコンビ)でもありましたよね。
それに加え、意識があるゾンビは自分のみ、話せる相手は巽一人だけとあっては他に選択肢がなく。「アイドルしないといけないこと」に対する説得力が上手く出てる。このシーンのレイアウトは圧迫的なものが多くていいですね。さくらの不安さがにじみ出る。
練習もせず、意思疎通もできない他ゾンビといきなり初ライブという状況に。ここがとくに良かったなあ、はっきりと「無理」と言い切るさくら。そうだよね~普通ゾンビになったばっかりなのにアイドルなんてできないよね。威勢よく発破をかけるだけの巽が面白い。宮野真守の熱演も光る。
1話ラストで山田たえちゃんを除き、みんな復活しました。3話で元アイドルが参加した時点で、この物語は終わった感じがします。だってたぶん、どうやっても「アイドル」は上手くいくじゃないですか。みんな意識が戻って、元最強アイドルもいちおう参加をした。失敗する方が難しい。
山田たえちゃんが何者なのか、というのがキーなんでしょう。巽が濁した2点(「どうやってさくらはゾンビになったのか」「たえちゃんだけ二つ名がないこと」)に大きく関わるキャラクター。この子がいちばん最初に意識が戻ってても、(誰にも分からないので)おかしくないですよね。もしかしたら、ゾンビじゃないかもしれない。もしかしたら、みんなをゾンビにした張本人かもしれない。みたいな。