GOMISTATION.Re0325

本気でいく

2015年01月

■明けましておめでとうございますん

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今年もメインはエフェクトだろうと思います。時々、自分が曖昧にしてる部分(レイアウトと構図の違いとか)を記事にしていくだけでしょうかね。後は野球のこととか、こういった雑記とか。それくらいだと思う。まあ、それなりによろしくお願いします。後、情報やテキストに致命的な間違いがあったら、遠慮なくコメントで怒鳴って頂けるとありがたいです。嘘です。なるたけ優しく諭してください。



■年末の魔物と「話数単位で選ぶ」

年末に書いたエフェクト記事がバカ受けしたようで。300ブクマ、400ツイートとかいくようなもんじゃないと思うんですが。まあ売れるものは売れるという感じで。橋本敬史さんとか北久保さんにまで波及してしまったようで恐縮です。

あの記事を書くきっかけは、主にブロガーの間で2010年頃から流行ってる「話数単位で選ぶ、年間アニメ何とか」があまり好きでは無かったからです(直接のキッカケではありませんが、遠因ですね)。

みんなで同じことやって、同じような内容の記事書いて、何の広がりも実りもないんですよ。じゃあ何のためにやってんだろうと色々考えたんです。その結果、普段は色々なことやってる人たちが、年末だけは同じことやってその多様性を見る、ということが主な目的なんだと思いましたが、それでも僕としては了解できなかった。実際問題として、多様性がなく画一的で魅力的でない。もしくは「統計を取る」というのが目的だったら、Twitterでやった方がリソースが確実に多いんだから、そっちでやればいいと感じてた。

まず、この「話数単位」はとても閉鎖的です。なぜかというと、あの記事を読むためには今年のアニメを相当数見ているという前提が必要だからです。そんな人沢山いるわきゃない(※ましてや話数単位で覚えている人など皆無)。だから、これはブロガー間でのお遊び、アクセスしてくれる人をわざわざ除いての「自己満足」なんだなと結論付きました。じゃあブログでやる必要性はなくね、と思ってしまう。アニメと同じで、見る人がいるからブログというのは成立している。そうじゃなかったら、メモ帳にでも書いていればいい。オンラインにわざわざ載せる必要がない。見る人の存在を無視して、内輪でやってるのが非常に気色悪い、というのが実直な感想だった。

「話数単位で選ぶ」こと自体そんなにいいなあとは感じませんが、これは個人の嗜好なので、置いといて。それを集団でやるということに何の実りがあるのか分からなかった。みんな自由に自分の好きなように年間のまとめをすればいいのに、と感じていた。 だから、アンチテーゼのつもりで、大晦日にヒイヒイ言いながら年間エフェクト記事を書いたんですよ。ここまでじゃないけど、受ける公算はあったし、そうあるべきだと思ってました。

何が言いたいかというと、気持ちの悪い閉鎖性を伴った馴れ合いは僕は好きではないということです。「話数単位で選ぶ」をやった人の中で、アニメの面白さを知ってもらおう、こんな見方もあるんだよということをわずかばかりでも伝えようとしている人は、残念ながら某氏(1名)しか居なかったように感じます。ウェブログの一番の特権である「自由」や「多様性」を捨ててまで、あんなことをする人たちの気持ちが僕には理解できません。

ついでに推測として言及しておくと、これはオタクの悪い部分が出ていると思うんですよ。知識だけで推し進めていく、「知識の優位性」、これは、「所有の優位性」と言い換えることができます。俺たちはこれだけアニメを見ているんだよ。これだけ、演出家、アニメーターの名前を知っている。演出技法を知っている。何か業界人しか知らないことを知ってる。そういう人でないと論評してはならないし、そうでないヤツの論評を許すなんてことはできない。そう言っているように感じるんです。それが、閉鎖性を増すということに気付けないというのが何とも悪いとこだなあと。アングラな趣味であるのならば、この考えはむしろ正しいんですが。



■CGエフェクトのこれからと、アニメ艦これ1話

参考資料が少なくてアレなんですが、「CANAAN」から、「ブラック・ブレッド」「楽園追放」までで大分進化した感じがある。たった5年なんですが、凄いなあと。「ブラック・ブレッド」1話のクオリティなら、ええとこまでいけるんちゃうんかと。あれCGなら本当すごいと思うんですよ。オレンジすげえなって。「亡国のアキト」は1章しか見てないんですが、あんな煙あったかなあと(見直さないと…)。あっちはメカの方がすごかったから、あんな面白く動くんだと当時は結構驚いてた。

そんで昨日から、「アニメ艦これ」が始まったわけですが。あれの作画ではないエフェクトは、セルにAEとかでテクスチャ載せてるんですかね。もしくは、CGなのかなあ。混合だったような気がします。ただ、いいエフェクト作画にボカシが乗っかってるのはちょっとなあと…。あのボカシは何のためでしょうね、分からん。魅力半減してる気しかしない。ただ単にボカしたからといって、写実的になってるわけでもないし。

言っても変わらないんですが、やっぱり艦に変身してもらいたかったなあと個人的には思ってます。水に飛び込むと、女の子が艦船に変わるんですよ。らんま1/2で良いんですよ。そんで、アルペジオみたくメンタルモデルにすれば良かったと凄い思う。そしたら、増尾昭一も嬉々として参加したはずなのに。陸に上がったら、女の子に戻って日常風景を描けばいいじゃないですか。Win-Winですよ(意味不明)。まあ、増尾昭一は見本市に期待します。

前々回、セシルの波について少し言及したんですけど、そういや橋本さんのエフェクトについて整理したような記事を書いてないなあと思い出しまして、今回ご紹介をしようと思います。タイトル通り、今回は水エフェクトについてのみ触れます。(※爆発・煙も素晴らしいんですが、それはまた次の機会に) 


■「ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル(2014)」 04話
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まずは前回のおさらいから。セシルの波作画は前回言及したように、橋本敬史作画っぽいと少し感じていました。その要因は、水柱のフォルム(形)にあります。上記の「セシル04話」においては、水柱自体はそれぞれが独立せずに、全体で波を構成していますよね。そうした水柱が立ち、丸まって重力に従い落ちていく。これが基本的な橋本水エフェクトの要素だと考えています。付け加えて言うならば、衝撃波の作画にとても特徴があります。それはこれから説明していきたいと思います。



■「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島(2004)」 劇場
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まずは水柱の作画を一つ。最初に龍が倒れてから、まず水柱が立つ。そうして重力に従い(画面には映っていませんが)、ゆっくりと落ちていく。衝撃波についてですが、波が一回ぶわっとこちらに押し寄せた後、放射状に尖ったものが画面に迫ってくるように作画されていることが分かると思います。僕はこれを、「橋本衝撃波」とかそんな感じに勝手に呼んでます。



■「宇宙戦艦ヤマト2199(2012)」 01話
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ここは波よりも、衝撃波の表現に注目してもらいたい。これも橋本作画なんですが、微妙な違いはあれど橋本衝撃波はどの作品においても似ている点があります。押し寄せてくる波は、やはり鋭く放射状に尖り、画面に迫ってくる。最後は、その衝撃波の真ん中が画面となり、まるで吸い込まれるようにカットが終わる。



■「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012)」 劇場
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これも同じく、衝撃波がメインで描写されているシーン。1カット目は分かりやすいと思う。どっひゃーんという感じで迫ってきてますよね。2カット目に関しては、色が被って少しみにくいと思いますが、レイヤーを2つ重ねて作画されています。波が尖って丸まっていく描写と、衝撃波の描写と2つある。少しスローで見てみましょう。


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大体、こんな感じ。手前側に衝撃波が存在しているのが分かると思います。橋本衝撃波は(水に限らず、爆発でも)ラストに4~6枚ほど使って、衝撃波のカオス感(ごちゃごちゃ感)を出しているんですが、これ増尾昭一の作画から来てんじゃねーのかなあなんてふと考えとります。まあ、それもまた今度。



で、セシルの波のフォルム自体にクリソツなのは、実は爆煙作画で一つあるんです。


■「サマーウォーズ(2009)」 劇場
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サマヲのラストシーン。橋本作画、特に爆煙、爆発、煙の作画は、あんまり尖らせることなく、全体的には丸いフォルムで作画されることが多いと思うんですが、サマヲだけは異なっていて、むしろ水エフェクト(特に衝撃波)に近い描写になっている。小惑星探査機が物凄いスピードで落ちてくるのは、やはり普通の爆煙描写ではダメで、衝撃波でないと橋本さんは納得できなかったと思うんですよね。だから、こういうフォルムになっている。




普段はこういう煙なんですよね。

■「キルミーベイベー(2012)」 OP
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こういう「煙全体が繋がっている」感じの柔らかいフォルムで普段は描くことが多いです。というか爆発や煙に関しては殆どこういった作画だと思う。爆発の基点として最初に尖ることも少なく、最初から丸いフォルムでどーんと爆発することが多い。後、キルミーベイベーは神。

次(橋本作画に触れる時)は、橋本さんの爆発や煙作画についても少し触れたいかなあと思ってます。そういや、橋本敬史作画触れてこなかったなあと。まあ、やっぱりエフェクトっていいもんですね。

今確認してみると、再生1200ということで、ありがとうございます(*´∀`)
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(※画像クリックで(ry)


何か、前記事のやけに評判が良かったので、紹介しきれなかったエフェクト作画をここで。
同じく順不同。


1、 「ブラック・ブレッド」 01話
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未だにCGか作画か分かってないんですが、CGベース吉成兄作画かも。1カット目のぶわっとした動き、そして破片のインパクト。2カット目の煙の膨張感たるや、すごいものがあります。ぶわあと写実的に広がっていくんですよね。丁寧な仕事で、なおかつCGくさくないのが素晴らしい。



2、「機動戦士ガンダムUC」 ep.7
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伊藤秀次作画かも。交差する光線の描写とともに、じんわりと広がり立つ煙が良い。そして、その後の爆発作画。これがまた良い。光線が通ってタメた後に、ズドドンと二回閃光のコマを入れて爆発させることで衝撃が増してる。破片の浮遊感もいいですね。後は、最初に右で爆発させといて、左に小さい爆発入れてるおかげで、画面がまとまってると思う。



3、「Fate/stay night UBW」 OP
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阿部望作画。サーカスしながらの連続爆発。TV作品のため、少し明度が下げられているのがファッキンティーヴィといった感じなんですが。それを差し置いても、タイミングの巧さが存分に感じられる。サーカスにおける、ビームのタイミングが本当上手いですね、カッコイイ。爆発のタイミングもしっかりサーカスに合わせたもので、ディテールはほぼ透過光オンリーだと思うんですが、目にきちんと残りますよね。すげえ。



4、「結城友奈は勇者である」  01話
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ここらへんも野中正幸作画かも(この後は確定なんですが)。まずは爆煙に包まれてしまう描写が良いのと、その後、東郷さん(黒髪の女の子)が爆風を受けていると分かる、芝居(ある種のエフェクト)作画が素晴らしい。髪のなびきと首の動きで表現してるんですね。後は、爆煙から抜けた後のカット。もうカッコイイしか言えない。



5、「未確認で進行形」 07話 
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踊り場でのニコちゃんダッシュエフェクト。今風な流行りのエフェクトで、らっぱるさんとかこういうのよく描きますよね。セゾンのあれにしても。個人的には吉成爆発の系譜というモノで、やっぱり吉成エフェクトの模倣と再解釈なのかなあと。煙が立つ時に尖っていて、それから急速的に柔らかくなっていく感じがいいんですよね。



6、「ロボットガールズZ」 02話
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黒田結花作画。散々に触れてきたけど、やはり影の付け方が立体的で上手い。影をつけていない部分が、気球のように張っているのが分かるように作画している。後は破片の動きと大きさ。画面奥から、手前へと大きさに差をつけて、臨場感ある画面にしている。




7、「キャプテンアース」 22話
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反転黒コマショックの後に大爆発。上手いなあ。これもディテール少なめなんですけど、きちんと影を二段階に分けてつけていて、それぞれの爆発がお互いに立体的になっている。後、ここまで来たら破片は言わずもがな。散り方が美しい。村木さんの特技監督修正なんでしょうかね。



8、「ソードアート・オンライン」 19話
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柳隆太作画。最近、あまり見ない、ドンドンと連続爆発する(他の爆発を押しつぶす感じの)シーン。透過光に加えて、色もいいっすねえ。この赤は色指定だろうけど、影の入れ方がいい。描き込みの線は少なく、ど真ん中には透過光のみという潔さがカッコ良さを生み出している。後は手前の炎も合わさって、画面全体が「熱」を持っているのがいいです。



9、「世界征服~謀略のズヴィズダー~」 10話
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濱口明作画かも。マンホールから飛び出した煙が、柔らかさを保ちながら展開されていく描写がいい。右にぴょんと素早く飛んで行く、触手煙が画面全体のスピード感を増している。後は、地味に中央の方にもう一つ深い影が描かれているのもシーン全体の煙の立体性を補完している。



10、「キルラキル」 23話
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水エフェクト作画。橋本敬史さんのようにフォルム全体で魅せる人もいれば、こういう風にきめの細かい作画(波全体でフォルムが決まっておらず、無作為)で水を表現をする人もいる。緻密なディテールに合わせ、海の波というリアルさもある作画。バシバシ動く波しぶきもいいんだけど、画面手前にやってくる波が良い。これによって、画面のスケール感を増している。



11、「機動戦士ガンダムUC」  ep.7
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おそらく橋本敬史作画。表面のディテールが細かい。楕円形のディテールが細部まで盛り込まれており、爆発の広がり方もじんわりと動きにタメがあって、良い。2カット目の煙も、温度が下がっていくのが分かるし(濃い灰色から普通の灰色へ)、煙から登場する所のスッとした感じ(タイミングの巧さ)が素晴らしい。



12、「クロスロード」 CM
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新海誠作品。Z会のCMで、合格発表を見に来ているシーンなんですが、お互いぶつかりイチャイチャしてるんですね。その中での吐息描写が素晴らしい。これは作画と撮影のコラボレーション。ダブラシの感じが凄くいいです。後は吐く息がすごいフォトリアルですよね、自然なスピードで瞬間的に消えていく。



何かあまりにも前回の記事を読んでくれた方が多かったので、追加で紹介しました。ちょっと追加なので、雑な部分もありますが…これを機にエフェクト作画を好きになってくれる人が増えるといいなと、それだけ思ってます。


後!

日本アニメ(ーター)見本市OPを集団制作しました。疲れました。
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※画像クリックで、動画へと飛べます。
もしくはこちらのリンクからでも動画へと飛べます。7人の全力が込めていますので、是非見て頂ければ幸いです。

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