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2025+1.0

2016年06月



新海誠最新作。キャラデの田中将賀は、Z会CM「クロスロード」からのご縁でしょう。作監は、ジブリ作品などで有名な安藤雅司。




・彗星来訪
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彗星には青のイメージがありますが、ここでは先端になるつれ赤色に。大気圏に突入しているということなのかな。下から3本目の彗星に注目。これだけ失速して早めに落下している。これで画面が平坦なものになるのを防止している、と同時にリアリティもある。



・工場爆破
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橋本作画(※推測)。タタキにこだわりを感じる。従来のタタキというのは、粉塵エフェクトを表すものであり画面全体に効果をかけるものでした。「君の名は。」のこのカットでは、エフェクトだけにかかっているように見える。おそらく、星空を邪魔しないための措置。

煙はまんま橋本さん(でこぼこなフォルムに楕円ディテール)だと思うけど、爆発はすごい変わってる感じがする。橋本爆発のフォルムって、煙と同じででこぼこななんだけど、タコ足煙がある、みたいなイメージだった。後、ここまでディテール少ない橋本爆発は初めて見た気もする。



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渇き。」の大平作画っぽい感じ。かすれた描写が思い出させたのかな。かすれている部分はどういう技術でやっているんだろう?普通に線画なんだろうか。気になる。


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手前に物を置きピンボケさせて、より奥側のキャラ/状況を強調。特に2枚目はレイアウトが素晴らしい。画面左下の葉っぱが画面を引き締めている。


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伸びる影の先端をボカしているのが地味ウマ。たぶんハッキリと輪郭を描写すると、夜の部屋の雰囲気って出ないんだろうなあ。



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1000年に一度の彗星来訪を巡る物語。七夕かな。キービジュアルとタイトルを見た時は、また「秒速」の頃のような無個性なキャラ2人で描くと感じて、がっくりしていた。というのも、前作「言の葉の庭」は年齢差のある恋模様を具体的なキャラクターで描いていて、今までの新海作品とは一線を画していたから。以前の方向性に戻ってしまうかもしれないのは、残念だなあと思っていた。

ただ、特報や予告が出るにしたがって、その不安は解消されていきました。主人公2人に個性がある。これだけで安心しました。安藤雅司さんの絵も良いですね、鼻が立体的に描かれてて好み。

さて、新海作品には「差/ズレ」が一貫してテーマにあります。「秒速」では”時間”が、「言の葉の庭」では”年齢”がそれぞれありました。今作は「クロスロード」で展開した、”地方と都会”というズレを使って彗星来訪の物語を描くようです。

私見ですが、「言の葉の庭」はそこそこ一般人にも受けたはず。だから、これまでで最も多くの人が期待している人と思う。公開は8/26。楽しみです。

・2012年F1 ベルギーGP決勝 オープニングラップ・クラッシュ


F1のオンボード映像(0:32~;車体のインダクションポッドという部分にカメラが付いていて、そこから撮られている映像のこと)。

これは日本人ドライバー、小林可夢偉が自身初のフロントローを取った時の決勝レースです。このクラッシュは簡単に言うと、グロージャン(黒い車体)という危険なドライバーが、ハミルトン(銀色の車体)にひどい幅寄せをしてタイヤ同士が接触。後は、コントロールを失ったグロージャンがハミルトンに押される格好になり、フェルナンド・アロンソ(赤色の車体)の上を通過するという事態に陥りました。本当に死者が出てもおかしくない危険なクラッシュ。

それで、F1とガルパンに何の関係があるかということなんですけど、ガルパンってPOV(主観視点)をすごく多用するじゃないですか。ガルパンが持つ臨場感は一体どこから来ているのかと思って考えてたんですけど、僕はF1のオンボードが一番イメージとして近いと思う。


ちょっと比較してみる。

・ベルギーGP決勝のクラッシュと、ガルパン劇場版ラストシーンの比較
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ガルパンの方はキャラ主体のPOVですね。共通するのは、車体に固定されたカメラが衝撃などをダイレクトに受けることです。激突されて車体がバウンドすると、カメラの位置も高くなる。どんなことがあっても、「カメラは固定されたまま」というのが重要なポイントっぽい。



モナコGPとかは聞いたことがある人も多いと思うんだけど、ガルパンPOV戦闘シーンの持つ気持ちよさは、まさにああいった市街地コースのオンボード映像からよく分かると思います。

・F1 2014年 モナコGP オンボード映像


狭い道をヒュンヒュンと抜けていく、危険が常に隣り合わせでハラハラするような感じですよね。ガルパンPOVというのは、やはり高速で駆け抜けるF1を参考にしている気がします。それ以上のことは今は分からん。普通のPOV/FPSとはまた違うのかなあ。


「超音速の貴公子」というセリフを自動車部が言ってましたが、あれはアイルトン・セナのことですね(正確には「音速の貴公子」)。古舘が実況で広めた。ちなみに「皇帝」というと、ミハエル・シューマッハ。後は、エリカ「スリップするのか?」カチューシャ「スリップストリームね」とかもありましたね(スリップとは、前車の後ろに付くことで空気抵抗を減らし加速する現象・技術)。そういう観点から見ても、F1は出したかった要素なんだと思う。


セナとモナコというと、やはり1992年の対マンセルが浮かびます。ノーズトゥテールの戦い。三宅さんの名実況も素晴らしい。





<参考文献>
F1マシンの概説


★6/18 「がるぱんとかいろいろ」配信について
めっちゃ楽しかった。主に喋ってたのは、大匙屋さんと岩川さんの2人だけど。あの2人は、よく緊張しねえなあ、すげえよホント。ペラめっちゃ回ってて羨ましい。自分も「これ言うどー」とか配信前は考えて臨むんだけど、いざ本番になるとなかなか上手く言葉にできない。クソザコナメクジ豆腐メンタル。

あ、コメントなかなか拾えなくてごめんね。おもろいコメント何個か拾いそびれた気がする。コメントしてくれた人もROM専だった人も、ありがとうね。また、複数人でやる機会があったら見てな!配信後は「まったく疲れてねえわ、こりゃ朝まで行けるで!」とか思ってたんですが、気付いたら10時間くらい寝ました。思ったより疲れてた。後、系統的な言及は、ぼくは興味ないし面白いと殆ど思わないので、やりたい人は自分で配信したらいいと思うよ!がんばってね!



★「ガルパンはいいぞ」に屈しながらも(その1)
金曜(記事出した時点)ではぜんぜん伸びなくて、こりゃやべえと焦った結果(ガルパンおじさんにビビリ世間にビビリ)、「ガルパンはいいぞ」という定型句に対する批判を消しちゃったのね。それはもう屈したということになると思う。大半の人にはどうでもいいんだろうけど、やっぱ、なんかその一言で終わらせて欲しくないわけよ。人に勧める時に便利なのかな。「ガルパンはいいぞ」っていうのは、「魅力が多すぎて言い切れないから、とりあえず見てみ」の換言であるとは思う。しかし、そういう意味が分かった上でもモヤモヤが晴れないので、もう少し考えてみる。


★「ガルパン」は「エヴァ破」と同じ?(その2)
当時の記憶では、「エヴァ破」も熱量のアニメだったと思う。「破」はDATの流れとか素晴らしいところはたくさんあるんだけど、ガルパンと同じくツッコミどころも多くあった。だけど、全体で見るとスゴく楽しくて面白いし、ラストは感動する。些細なツッコミ(ちょっとした作画のミスとか)どころは視聴後は、気にならないというか。終わり良ければ全て良しみたいな感じ。

「ガルパンはいいぞ」については、他の人に勧める時にすごく不利になると思っていた(だから、ガルパンオタクはあほだなあと思っていたわけ)。なぜかというと、自分がそういう強制的な空気が嫌いなので、同様に不快に感じる人の方が多くいるのでは?と。だけど、そうじゃない方向もあることに気付いた。「ガルパンはいいぞ」のように、ワンフレーズでその作品を語れるっていうのは、すなわちコピーや標語のようなものなんじゃないかなと。例えば、「ガルパンのどこが素晴らしいか」というとこを延々と語ると、興味ない人にとってノイズと同じで不快になる人もいる。「ガルパンはいいぞ」という一つのフレーズによって、話のネタバレも防げると同時に他人にお勧めもできる。意外と間違ってはいないかもなあと思い始めた。


★夏本番に向けて
割りかし忙しくない時期に入りつつも、ちょっと頑張らなきゃいけないこともあり、あまり忙しさは変わらないような気がする。気力がガルパンでちょっと回復したいんで、今のうちに少しでもやっときたいです。何とかギャザー、改め「タブー・タトゥー」はちょっと見たいかも。「Rewrite」は野中さんいるんで頑張りたいけど、流石に各話は無理だと思う。まあ、そんなとこです。とりあえず、ガルパン記事は大変に苦労して書いたので、受けて良かったです。ありがとうございます。



★庵野方式gifづくり
基地外フォルダ-01基地外フォルダ-02

また、はてなの人に怒られそう(小並感)。gifはこんな感じ、みんな同じようにやってると思ってたのでちょっと上げておく。


★DVDとBlu-rayの内容差


Blu-rayの方が特典満載というのは、価格が高いからちょっとおまけで付けてあげるということなんだろうけど、あそこまで差を付けられると少し不服ではある。Blu-rayって死に体だと思うんだけどなあ。

「ガルパン劇場版」は興収21億円も超え大ヒットしました。良いことです。先日ようやっと見ましたが、作品の内容は王道を往くものであり、なるほどこれは好評を得るのも当然と思った次第です。

さて、突然ですが「ガルパン」といえば何でしょうか?そうです、戦車です。戦車といえば、砲撃。砲撃といえば、そうエフェクトです。今回は、煙を中心に「エフェクトに含まれる意味」といったものを詳しく説明していきたいと思う。なに、たかが煙に意味なんてない?いえいえ、煙って意外と重要なんです。

戦車道には、エフェクトの大切な全てのことがつまっている。スナフキンおばさんの言葉を借りて、そう言っても過言ではありません。二部構成でエフェクトを紹介していく。(大洗女子優勝記念)エキシビションと、対大学選抜メンバー戦の2つ。特に素晴らしかったエフェクトをご紹介。まずはエキシビションから([追記]2016/09/12修正済み)。



・砲撃2発の地面への着弾
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CG+作画エフェクト(1発目がCG、2発目は作画)。
1発目の着弾は、時間が経つにつれ、煙が上昇しつつ下のほうはスーッと消えていくのが自然で上手いです。2発目は、着弾の勢いそのままに煙が発生した後、丸まって漂うのが良いですね。破片の散らばり方もグッド。



・うさぎさんチーム被弾
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ノンナによる無慈悲な砲撃。この前のシーンでギャグをやってることもあり、痛快にスパーンとぶっ飛んでいく。2カット目にぶわっと入る衝撃波が、またいい味出してますね。



・スイーッと開く店の入り口 ☆
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あんこうチームの砲撃で店のドアが開く。店の内外で煙のレイヤーが分けられていることで、煙の多層感が上手く出ています。めっちゃ上手いです。その後、砲撃により、広がっていたあんこうチームの砲煙は消え去り、代わりにプラウダ校の砲煙が店内に充満します。煙をかき消すほどの砲撃ですから、ここで「プラウダ校が優位に立っているんだ」ということが分かります。



・連続着弾
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ここは全部作画かな。注目してもらいたいのは、画面右下の煙。画面左で3つの煙が発生した後に、この煙が起こることで隅々まで攻撃しているのが伝わる。すなわち、プラウダ校は容赦無い攻撃をしているんですね。まさしく集中砲火です。



・戦車同士の衝突による爆発
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作画+波ガラス(撮影)、小澤作画(※推測)
透過光を全面に押し出しながらの大爆発。時間が経つにつれ、爆発は冷やされていきます。このカットでは、透過光の小さくなっていくスピードが上手いですね。ぶわっと広がる衝撃波や、画面の四隅が一瞬暗くなるパラフィンも良い。

(※「波ガラス」は、簡単に言うと、陽炎のような表現をするためのフィルターで、「パラフィン」は、画面の一部に影を落とすためのフィルターです)



・落石と煙
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これ地味に良かった。落石と一緒に煙が落ちていくわけですが、細かいところまで描写していると画面の写実性は増します。そして、物語にも納得しやすくなる。ここは後退命令が出ているわけですが、落石と煙がその理由になっているんですね。建物もヤバイし、まあここは退く場面だ、というのをエフェクトでも表している。知波単学園はそんなのお構いなしなんですが。




・爆発、3連続
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橋本作画[追記]。ドンドン、バーンみたいな感じで。こういうの大好き。3つ目の爆発の広がりと透過光が小さくなっていくスピードが同じなのがいいですね。こういう感じのスピードだと、爆発の後に余韻が出ます。後、1、2つ目の煙がわずかに上昇しながら漂っている感じも細かくて、写実的です。



・海の中からこんにちわ ☆
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橋本作画かも?(※推測)
吉本雅一さんのようです(情報をいただきました。ありがとうございます)

水作画ですが、素晴らしかったので紹介。海から上がる時、まず履帯周辺にあった海水が流れ落ちていき、その後戦車の上に乗っていた水が流れていく。それぞれ流れ落ちていく感じも良いですが、特にいいのが戦車前方の流水。ヨッコイショと持ち上がった水が、前方の装甲部に張り付きながら流れていく。いやあ、めちゃウマです。誰だろう。



・カモさんチームの被弾
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阿部作画かも(※推測)。被弾した後、カメラを追い越して飛んで行く。1カット目の爆発もタイミングが良くていいんですが、2カット目がもう最高ですね。戦車が飛んで行く時に煙も付随して伸びていく。そうして、止まった後には、煙はその上空で漂いながら消えていく。言うことなし。素晴らしい。



・テールランプの尾引き
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光エフェクト。尾っぽが目に見えるとやっぱりカッコイイですね。廃校を気にしていないように振る舞う自動車部の哀愁が、儚く消えていくテールランプから伝わってくるようです。





ちなみに、「ガルパン」のCGはTVシリーズからグラフィニカが担当しています。3DCGI監督は、柳野啓一郎さん。昨季ですと『楽園追放』だとか、印象的なエフェクトを作る会社です[追記修正]。エフェクト作監(作画)は阿部宗孝さん。


さて、次は対大学選抜メンバー戦を見ていきましょうか。
大きな見所は、やはりカール自走臼砲の周辺です。

・集中砲撃されるうさぎさんチーム
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集中砲撃。前後左右、全てに着弾しており逃げる場所がない。大学選抜メンバーの強さは、この森のシーン周辺で示されます。サンダース大付属の各車両は何とか戦況を把握しながらも、応戦することができません。なおさら熟練度が低い、うさぎさんチームや知波単学園なんかはレベルが違うことを思い知らされるわけです。



・カール自走臼砲その1:アブノーマルな状況
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ライティング(光の明暗)に注目。カール自走臼砲の砲弾が着弾した後、逆光になり、煙の中に覆われてしまうので戦車は暗くなってます。また、履帯や砲身にハイライトが入ることで、爆心地の状況を写実的に描写。このように異質なほどリアルにすることで、他のシーンと差異を出し「アブノーマルな状況」を演出をしている。



・カール自走臼砲その2:煙の中をすり抜ける ☆
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このカットもスゴイ。ここはプラウダ校の戦車がPOV(主観視点)で後退しているんですが、カール自走臼砲の砲撃によって生じた煙の中を通る様子をCGの煙で描写しているんですね。作画ではやや困難、可能ではあるけれどCGの戦車とは多分合わない。POVを存分に活かした、この臨場感は素晴らしいです。いやあ、このカットはグラフィニカの真骨頂ですね。



・追撃をかける大学選抜チーム ☆
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ニュッと出る砲身が何とも言えず不気味。プラウダ校(カチューシャ)に対して、大学選抜メンバーが追撃をかけるシーンです。砲身だけが煙の中から現れ、次のカットで戦車全体が煙から出てきます。煙だらけで見えづらい視野の中、臆することなく追ってくる。



・カール自走臼砲その3:砲撃
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カール自走臼砲のすさまじい砲撃。この煙の多層感(特に2カット目)は、何個かCGの煙を重ねたりしてるのかな。透かした煙を3個ほど配置して衝撃波とすることで、カールの規格外さを表現。



・マフラーの排煙 ☆
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このマフラーの排煙は、物語の「転」です。カール自走臼砲というのは、平たく言えば、チートです。プラウダ校や黒森峰といった手練でも苦しい戦いを余儀なくされている。そういった重苦しい空気を振り払うために、小気味良く振動しながらのマフラーの排煙があるわけです。再始動みたいな感じ。



・カール自走臼砲その4:マンガな動きとリアルな煙
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爆発が良いのは言わずもがな。ここはタイミングに注目。最初のカールの砲弾は少し溜めてから、向こう側に飛んで着弾しています(※これを作画で「先ヅメ」と言ったりします)。それから煙が2つあると思います、どーんと後ろに広がる煙と、前に押し寄せてくる煙。後ろの煙はじんわりですが、前の煙は素早いので、タイミングに差があるんですね。このギャップによって臨場感が増します。

このカット、背景以外は全てCGです。スゴイ。



・カール自走臼砲その5:カール討ち取ったり
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トリプルアクション。作画エフェクト。
とてつもない破壊力を持つ、カール自走臼砲を倒すということは、この試合で大きな意味を持ちます。それを強調するために、3回映してるんですね。じんわりと発生して漂う大きな衝撃波は、カメさんチームの砲撃の破壊力、ひいてはこの試合におけるファインプレーを表現しています。




・超重戦車T-28の登場 ☆
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T-28の初登場シーン。ただ煙の中を砲身が通っているだけなのに、まるでオーラのごとく煙が砲身を包む。この1カットだけで、「この戦車は強い・ヤバイ」というのが伝わってくる。



・避けて、当たって、もう片足走行さ
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危険を察知したダージリンの警告で、すぐさま引き返すローズヒップ車両。T-28の砲撃を寸前のところで交わしたが、衝撃波を受け壁に叩きつけられる。地面を這うように起きる衝撃波の煙が上手い。砲弾に追随するような衝撃波の起き方で、マッハの描写みたい。



・T-28、再登場
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T-28は超重戦車で、スペックが高い戦車です。装甲も厚く、中々普通の攻撃では倒せない…というようなことを逐一言葉で説明していてはダサくなる。そこで、このように砲撃後に大きな煙の中から出て来させるんですね。「T-28はとんでもない戦車」というのを言葉ではなく、画で語っているわけです。



・観覧車の崩壊 ☆
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観覧車と土台を繋ぐ部分の破片が良いです。あと、観覧車のフレームが地面に落っこちた後、その反動でゴンドラのガラスが割れてキラキラと光っているのも細かくて素晴らしい。フレームが落ちた後、煙が発生してますが、これは観覧車のスケールを表すのに効果的ですね。滞留する煙も上手い。

CG破片はこのシーンに限らずよく出てきますが、作画のエフェクトと合わせても違和感がなくて驚きました。多分すごく試行錯誤してますよ、あの破片は。





・アリスとのラストバトルその1:アトラクション破壊
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爆煙と破壊。煙の中に入り込んでいく破片が良いです。アリス(大学選抜メンバー隊長)とのラストバトルでは、このように大きな爆発が散見されました。たった一手でも間違えれば、即座に白旗が上がってしまう。そんなレベルの高い攻防が繰り広げられていることが、エフェクトから伺えます。



・アリスとのラストバトルその2:アトラクションへの砲撃と揺れ
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CG+作画エフェクト。よく見ると、二度爆発してますね。アトラクションに着弾した後に一度爆発し、それを押して動かす時にもう一回爆発した、という感じでしょうか。



・アリスとのラストバトルその3:大スケールの爆発 ☆
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作画エフェクト+CG破片。
遮蔽物を挟んでの大爆発。大スケール。2色の影により、まるでティラミスのように多層的で立体的な煙になっている。各方向へ伸びていく煙も見事です。後は、アトラクションの一部がラストで手前に寄ってくることで臨場感がさらに出てますね。はらりと落ちていくCG破片も良い。





いかがでしたでしょうか。他にも良いエフェクトがあったんですが、これぐらいで…。エフェクトも意外と奥深いことが分かると思います。何より楽しいものです。エフェクトとは、いわば、ガルパン劇場版における遊園地のような存在です。どのようにでも楽しめる。また、ガルパンのように爆発や煙がたくさん出てくるアニメでは、エフェクトが持つ意味はさらに大きなものとなります。

ガルパン劇場版は大変楽しかったです。ガルパンを通じて、エフェクトの楽しさも伝われば、これ以上のことはありません。

金田さんとの比較。本題とは少し内容的にズレるので、こちらに掲載。

金田伊功と田中宏紀の比較
作画項目金田 伊功田中 宏紀
  特徴的な動き金田ポーズ滑らかな間接可動 
   光金田光回転クロス光
特徴的な爆発/煙金田爆発気流エフェクト
  パース金田パース広角パース


金田ポーズは間接可動の滑らかな動きへ、金田爆発は気流エフェクトへと、それぞれ置き換わって流行したように思う。光エフェクトについてはちょっと微妙。金田光が、十字と丸を基調したものでピカピカとフラッシュのように入るのに対し、田中クロス光は十字に重点を置いて回転するのが顕著。田中さんの光はかっこ良ければ、どんな形にでもなる気はする。

まったくの妄想だけど、田中宏紀がこういった着想を得たのは、戦闘機のマッハやドッグファイトからかもしれない。飛行機雲とか、サーカスとか、高速で動く戦闘機の描写から来てるのかも(”ベイパーコーン(参照)”)。ただ、エフェクトの形や勢いが似ているというだけで、根拠は乏しいので断定はできない。この辺は探求したい。というか、衝撃波・気流の変遷を一度整理したい。

タイミングは難しい。田中さんってもっとこう中無しでバッバッドーンみたいな(「ストパン」とか)イメージだったんですけど、枚数多く使ってじんわりとやる時(「GOGOプリキュア」「ペルソナ」とか)もあるし、よく分からん。どっちもやる感じでいいのかな。2コマの感覚も掴めないです。やっぱ、アクション苦手なので、びしびし突っ込んでもらえるとありがたいです。

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