2018年01月

クロスフィルターとは撮影効果の一つです。通常はイルミネーションだとか、夜景の美しさを表現するために使われます。あとはご飯の美味しさとかですかね。

*参考
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/product_type/201511_crosssoft.html


増尾昭一が普及させたものとして、中野フラッシュがあります。
*参考
http://sajiya.blog89.fc2.com/blog-entry-592.html



結論から先に言えば、これがクロスフィルターの発展型と組み合わさって(もしくは昇華して)、現状の表現(増尾さんが最後に関わった「エヴァQ」が顕著)になったと僕は思うんですね。


■ふしぎの海のナディア 39話(TV/1990):増尾作画
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これがもっとも純粋なクロスフィルターの表現。クロスフィルターは基本的に、何本かのクロス光を重ねるようにして入れます。キレイに入ってますよね。


ちょっと昔を見てみると、

■戦え!!イクサー1 ACT.1(OVA/1985)
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こんな感じ。これは光線の間隔が広いですね。



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白コマとクロスフィルターの組み合わせが閃光を表現している

この時代は、こういった「ビームの前に発射する前の1段階」みたいな表現は山ほどあるとおもいます。どうなんだろうね、もっとすごいのもあるかも。




■魔法少女まどか☆マギカ(TV/2011)
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これ微妙、というか回転クロス光ですね。もうちょい良いのがあると思ったんですけど、今のところ分かってなす。


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この辺もカッコイイけどね~これは金田光だなあ、円と十字で形どっているので







んで、中野フラッシュとクロスフィルターが合わさったのが次の作画なんですよ。


■ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012):庵野作画
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原画集では、クロス光はなく指示も無かったとおもう。撮影部、デジタル部、もしくは増尾特技監督によるものでしょう。これほどタイミングが素晴らしいのは、なかなか作れない。





あとは綺麗なやつも載せておこう

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グサーのところですね。遠方から近くに寄ってくる中野フラッシュが美しい。もはや、増尾フラッシュと呼称しても良いのではないかとおもう。



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まあ、ここまで読んでくれたら言うことは特にないでしょう。キレイな増尾フラッシュですね



たとえば、大張さんの光表現だとか、グレンラガンの今石作画とか、とうぜんにツッコミどころはあると思います。そこら辺はまた後日、調べたいと思っています。詳しい人はコメントしていただきたい。本当は年末に上げたかったんですが、多忙をきわめておりました。

いつもの

昨年は大変にお世話になりました。ブログは原点回帰し、エフェクト中心に扱えてよかったと思います。増尾さんの訃報は、突然でひどく驚いたことを覚えています。また、知人もお浄土に上られる方がおられまして、訃報が相次ぐ年になってしまったと思っております。

アニメーションですが、「宝石の国」は特に素晴らしかったです。漫画では、「嘘喰い」「監獄学園」が終わりを迎えましたね。どちらも楽しみにしていましたが、どちらも引き伸ばされなくてよかったという見方もできるかもしれません。「進撃の巨人」の2月号が気になります。


まあ、今年もブログでやっていくことはほぼ変わりません。エフェクト作画の楽しさ、または作画そのものの楽しさを紹介していければと思っています。少し前の更新から繁忙しておりまして、更新が途絶えていました。みなみなさま、健康にはお気をつけください。今年もよろしくお願いします。

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