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I LOVE U,I KILL U

2019年08月

今回の主人公
ゴルシOP

まて競馬だからといって逃げるな、とりあえず下の映像だけでも見ていけ。


競馬ワープ

(※最後方の14番、白い馬に注目)

こんなん最下位やがな…と思うような最後方から、内田騎手の見事なイン付きによって、全馬ごぼう抜きで勝利を収める。名馬ゴールドシップの皐月賞です。競馬実況も「あっその内からゴールドシップ上がってきた!」と、予期せぬ展開によってリアクションが遅れている。競馬ではこういう映像がときどきあります。

競馬に詳しくない人はこの「ワープ」がよく分からないと思うので少し説明する。なんでこんなことが起きるのか?というのは、つまりは「カメラが追えていない・拾えてない」というだけですから。



<ゴールドシップとレースの状況>

・2000mのレース
・ゴールドシップはレース序盤から最後方で最終コーナーを迎える
・先頭とは30~35馬身差(約120m!
・人気どころの馬(ワールドエースらは外にいた)ので、内側に目線がいかなかった

全体図
ゴルシ皐月加工
(※水色が人気馬、赤色がゴルシ)




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※ちなみにウマ娘OPのゴルシはこの皐月賞がモデルレース


<使われているカメラ>
・馬群を映すロングショット用(ロングショット・カメラ)
・コーナーを映す固定カメラ(固定PANカメラ)の2つ

★18頭もいるので、レース終盤は人気の馬に絞ってカメラは追う

・基本的にロングショット・カメラで撮っている
・最後のコーナーでいったん固定PANカメラに切り替わってから、ゴール前の直線でまたロングショット・カメラに戻る。

要するに、2つのカメラ切り替え・カメラスイッチの間に、映せない場面が発生してしまう。映せない場面で起きたことが分からないまま、次のシーンへと移動して、そこでやっと起きたことが変わる。これがワープの原因です。

(※最近では、2018年の「チャンピオンズカップ」のウェスタールンドの例あり、これもすごかった)





で、この競馬ワープと似た現象は漫画やアニメでも時々起きるんですよ
このワープによって、テンポがいきなり変わる


五頭分の花嫁(5巻144-148頁)
※五月(右下アホ毛)に注目
ワープ-五頭分の花嫁01

ここはフータローの作ったテスト問題をみんなに渡していたら、ニノだけキレているシーンです。構造はゴルシ皐月賞とまったく同じです。ニノのひどい口ぶりや行動に、三玖は苛立ちを募らせていく。そして、ついにと思ったら、実は五月だった。そこに読者はインパクトを覚えるわけです。



ロングショット=全体カメラ
PANカメラ=寄りカメラと置き換えたら、わかりやすい。さっきのレースと構造は同じです。

さっきと同じく色で囲ってみると一目瞭然


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この2つのカメラの切り替えの間には、どうしても物理的なスキが生まれてしまう。カメラが捉えきれない部分ができてしまう。その部分から、キャラクターが現れることによって、唐突さを感じる。すると、虚をつかれて理解が遅れる。ここだと、三玖が叩いたかと思ったら、という感じですよね。最終コマの五月のインパクトで決めゴマになっている。テンポ記事では何度も書きましたが、やはり「ものごとの理解が遅れる」ことは、テンポに大きく影響します。

今回の新しい発見は、カメラの切り替えの際に生じる、物理的なスキを利用したテンポ演出技術です・・・と、ここまで書いてみたはいいものの、これアニメ、ドラマ、漫画問わずにめっちゃ見ますね!もう演出技巧として確立されているんでしょう。なんかあれな感じになってしまった。

■ノートパソコンが壊れてもうた

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壊れる直前くらいに動作がとてつもなく重たく、何度か強制終了している内に、起動しなくなってしまった。まあ半年ほど前から、Chromeの方ではGIFが重く記事が書けなくなっていたので、そのためだけにブラウザをFirefoxに変えて凌いでいた。2013~2014年ごろに買った記憶があるので、ここまで5年ほどよく頑張ってくれた。岡山のときにも本当にいろいろと助けられた。ちなみに、壊れているのはHDDだけなので交換すれば使えるらしい。だから、捨てません。




■新調

とはいっても、このパソコンの動作が重かったのは事実なわけで。以前から検討していた、デスクトップの購入に踏み切ることにしました。検討で保留していたのは、やはりよく分からなかったからです(グラボ、マザボ、BTO???なんじゃそりゃ)。いや調べろよって話なんですが。配信で「わからんちお助けて」と叫び、ディスコードで泣きつきながら、なんとか購入に至りました。けっきょく、デスクトップ+モニター+作業机の3点を買って、10万以内に収めることができました。貧乏人にはありがたい。



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配信においては、主に馬の方(だんごむし、ワンサマーさん)、作の方(大匙屋、triorgan、岩川さん)にデスクトップの相談をしました。みなさんありがとうございます。特に岩川さんはノートパソコンが壊れた初期から、デスクトップの選定まで協力してもらったので、特に感謝しております。謝辞。というか、うちの配信視聴者は、みんなパソコンまわりに詳しかったです。ところどころコメント欄で盛り上がっていて、微笑ましいような羨ましいような気分でした。ありがとう!


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HDD置き忘れる痛恨のミス。HDDのデータ自体の復旧はどうなるかわからんところです。まあできればなあというところです。サルベージしたい。

「君の名は。」で大ヒットを叩き出した新海誠の最新作。余談ですが、新宿南口が(天気の子口)になっていてギョッとしました。半端ないですね。

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新海誠は「なにかの差」をテーマやモチーフとして、映画を作る監督と自分は思っています。

君の名は。→地方と都会
言の葉の庭→少年と女性教師(年齢差)
秒速→時間


今回は「貧富/犠牲」です

序盤は、家出少年・ホダカはネカフェ難民やホームレスのような生活を送っていました。そこを助けてくれたのは、ブンヤのおっさんでしたね。おっさんは衣食住を与えてホダカを保護し、ホダカはそれに応えて働いていた(ここで労基法うんぬんはナンセンスかなと思います)。就活お姉さんもいたので、3人できれいに回っていた。バランスが良かった。とりあえず、ホダカは最悪の貧困から抜け出せた。ここがとても重要です。


「晴れ女」の段になると、今度はホダカとヒナ、ヒナの弟の3人でたくましく儲けます。利益をわざわざ、現金で描写したのはそういうことだと思う。なぜかというと、序盤からスマホやタブレットが頻出しており、描写もきわめてこだわっていた(SEなど)。「晴れにします!」サイトでも、ネット上での取引が主だったはず。だから、あれは意図的な描写です。この辺で、自立してきた感じがあった。

それで自分で現金を得たはいいけれど、保護者なし3人で暮らすにはまったくとして足りなかった。児相が来て、警察も来てしまった。自立して3人でやってきたのに、貧困からは抜け出せていなかった。そういう風にホダカくんは思った。それがほっといてくれよ!という言葉につながる。

警察から逃げた後、ラブホテルにおいて、退職金をもとに備え付けのインスタントなどを買う。これがかれらにとっては、最高のぜいたくであり、わずかな時間でしたが、富豪になった。ラブホテルという舞台に逃げ込んだのも、ホームレスとは真反対のきらびやかな世界を映したかったから。


最後の決着あたり、おっさんと就活お姉さんの心境はよくわかりませんが、まあ勢い重視だったんでしょう。まあ、おっさんはよく分からない。セリフではいっさい出てきませんが、あえて言葉にしたくなかった可能性もあります。



最初に「なにかの差」を設けて、描くと述べました。その正体は、少年少女の恋愛を妨げるものです。今回は貧富・犠牲というテーマで、貧富がホダカとヒナの恋愛を妨げ、それを乗り越えていく、という物語だった。ヒナが生贄になることを拒んだ。そこの流れは分かるけれど、おっさんと就活お姉さんの立ち位置があまり良くなかった。こいつらはホダカを警察や行政から守るかどうか、みたいなとこなんだろうか。


映像的には新海誠の撮影が光っていましたね。作画や映像にかんしては、圧倒的に前作の方が素晴らしかった。そういう意味では、やや退屈なフィルムに映りました。次回作に期待したいです。


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これは石田くんが西宮に会おうとするのを、妹・結弦が妨げるシーンです。大したことないカットに思うかもしれないけど、すごく良いシークエンスでした。

簡単に整理すると、
ポン寄り+ACつなぎ→足元のカットへ

演出技術的には、なんていうことない2つの組み合わせです

やや不安なところがあったので、ポン寄りをもうちょい調べました。ポン寄りの基本原則は、ロング・ミドルショットから、クローズショットになる、ということです。つまり、ポン寄りするときに「カメラと被写体の距離に大きな差が生まれること」が重要だとおもう。

各ショットについてはこちらのサイト様を参考に
◆ ビデオ・写真撮影入門 「構図の基礎・その1」各ショットとアングル

ショットについては定義や種類がブレるので、まあ参考程度で

ロングショット:キャラ米粒くらいで、背景が画面のほとんど
(ミドルショット):キャラ全身入って、背景と半々くらい
(バストショット):キャラの胸から上くらい
クローズショット:キャラの顔が画面をほとんどを占める

キャラと背景の比率で抑えるのが客観的でいいかなあと。まあ大体でいいです、本当に



実例


[2018-MO]聲の形.mp4_snapshot_00.41.12_[2019.08.18_17.08.15]
これはロングショット



[2018-MO]聲の形.mp4_snapshot_00.59.19_[2019.08.18_17.13.33]
これはクローズショット


[2018-MO]聲の形.mp4_snapshot_00.41.35_[2019.08.18_17.12.53]
これなんかは、微妙だよね。バスト~クローズショット
キャラメインだからクローズショットと言い切ってもいいけど


[2018-MO]聲の形.mp4_snapshot_00.44.20_[2019.08.18_17.13.09]
これはミドル~バストショット



じゃあ冒頭の結弦くんのショットはというと、


[2018-MO]聲の形.mp4_snapshot_00.35.43_[2019.08.14_02.09.49]

バストショットですよね


ここからのポン寄りの典型的なパターンは、結弦くんの目元・口元に寄ったりして、最初に述べたとおり、「被写体とカメラの距離の差」を大きく出す。だけど、ここでは西宮にカメラがいくんですよ。これが珍しくて面白かった。

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なんでかっていうのは、とうぜん石田くんの主観視点だから。扉が閉まって行く中、西宮を目で追いかけてしまう。急いで追っているので、カメラは左に少しPANしてるわけです。あと、ACつなぎっていうのは、キャラの行為を切って複数のカットにして繋げることです。ここでいうと、「結弦くんがドアを閉めること」をわざと切って、2カットにしている。

とても小気味よいのは、それまでずっと石田くんの主観視点だったのに、3カット目でいきなり足元を映すところです。客観的なローポジションのカメラは日光もなくなり、拒絶されてしまった彼の心情を伝える。良いシークエンス。

2019夏アニメ、制作:david production

エフェクト作画監督は佐藤由紀さんというベテランの方
おそらく相当に色が出ているのだろうけど、それは炎炎ぜんぶ見ないとわからんちですね。


★★
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佐藤由紀作画(※推測)

03話のエフェクト・ベストカットはここかな。悪魔くんの家が燃やされている過去回想シーン、モノクロと透過光だけで、ここまでの悲惨さ・無残さを喚起する。火の周りが速く、逆に黒煙はゆっくりと立ち昇る。溶けていくように映るのは、家全体が炎でゆらめいているからですね。

煙のディテールはクリームパン系ですね。クリームパン系ってなんだよ

クリームパン系

囲った形がクリームパンに似ている、それだけ

エフェクト作画をどう捉えているのかをよく聞かれます。エフェクト作画は個人によって、ディテール(爆発表面の模様だったり、煙のカゲの形だったり)に特徴が出やすいので、そういったところを個別に分けて考えている。



ライダーキック★
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ショックコマ→着地→ショックコマ→爆発

佐藤由紀作画(※推測)

色の動きによって、フォルムや爆発の回転を表現。これが新興エフェクト(1*)作画の特徴です。だから、従来のフォルム基調よりも形の幅は広がりますね。うまい人じゃないと、途端にダメになっちゃうだろうけどなあ。新興エフェクトは、柿田・上妻作画の影響が大きい。

1*・・・近年散見される、従来のエフェクト作画とは異なる形によって写実さを表現しようとする作画の呼称。「WEB系」「系系」とかありますが、あれらは定義がややこしいので個人的に作った。

この白クロス光っぽい白とBL黒のショックコマ、もう中村豊クロスショックと名付けていいと思う。ゆたぽんクロスショックとか。現行アニメで見ない日はない。

僕のヒーローアカデミア25話」でも考えたように、こういうグラデーション・テクスチャ?はどんどん普及してきている。単色で塗り潰すと工夫・労力の割に、画面から浮いて見えてしまう。そこを改善するためのものなんでしょうね。今は爆発だけですが、そのうち煙にも使われるようになる。



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透過光→ハイライト

この辺も従来の感覚とは大きく異なっている作画。いちおうですが、語弊なきように、「良し悪し」は言ってません。最初の透過光は分かるんですが、その後にハイライトによって高温表現するのが斬新です。

この辺、ややディテール違いますが、佐藤由紀さんの修正は入っているかも。というか、2つの衝撃波と破片めちゃくちゃうまい。なんなら爆発より良い。手前のCG煙はここまで大きいと少し爆発が映えないかも、レイアウトとして。微妙なところ。




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破片の舞い方・壊れ方がいい。小さい破片と中くらいの破片の2つで動かしてますね。大きいのはあんまない。小さい破片が連なって動くのが良いんですよ。風を感じる。




─京アニ事件のあおりを受け、炎炎ノ消防隊3話はその週では自粛という運びになりました。まあ、しょうもないことです。タイミングは悪かったですが、これはフィクションですから。東日本大震災の影響によって、今でも津波を描いてはいけない風潮がある。ヱヴァ破には見事な波カットがあるのですが、放映されるときには毎回カットされる。これは簡潔に言うと、「雰囲気」による表現の規制・縮小ですからね。そんなもので表現が狭くなっていいのか。

地震そのものの悲惨さとは別に映像美は確実に存在する。だけど、地震なんて、そもそも企画にしてはいけない。原発を描いてはいかん。じゃあ、今度はそれが放火になるのか?と。それは、現実のクソ犯罪や天災に屈したことになるのではないか。現実とフィクションは、果てしなく分けて考えるものです。それが理性です。現実のイメージを塗り替え、乗り越えるのが表現と信じています。

エヴァ8話の増尾作画記事のときに、エフェクトアニメーターの村木靖、鴨川浩の特徴をそこそこ調べたので、ついでに載せておこう。



<村木靖の煙>

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(※参照画像はすべて「劇場版パトレイバー2」より)

村木煙の特徴は一言でいえば、「ミルフィーユ」のような層です。簡略図で描いているように、基本的にたくさんの円が微妙にずれて全体のフォルムを形どる。その結果、まるでミルフィーユのように、何重にも層が映る。これが大きな特徴、今も変わらない特徴です。もう一つの特徴として、「光源重視のカゲ」です。光源をとても重視されていて望遠だとほとんどカゲは下側なのですが、近い爆煙・広角カメラのシーンだと、左画像のように上側にカゲがつくこともある。まあきわめて写実的ですね。





さて、次は鴨川浩へといこう(※ちなみに、かもがわ「ゆたか」である。そこそこファンなのに、ずっと「ひろし」と読んでいた)。

「コードギアス」で一躍有名になったエフェクトアニメーター。「舞い上がる破片(※爆発した瞬間に、破片が上に飛んでいく)」が有名だが、煙にも特徴があるので見ていこう。



<鴨川浩の煙>

鴨川浩-エフェクト-煙001
(※参照画像はすべて「新世紀エヴァンゲリオン」より)

簡略図1のように、「クルミ・ディテール(※模様を指して)」を使うことが多い。全体のフォルムがあって、そこにディテールを入れ込んでいく感じ。膨張面の表現でしょうね。これじたいは多くの人が使う。次の方が大きな特徴です。もうひとつは、彼の煙には「トゲトゲ煙」があります。簡略図1、2ともに、オレンジ部分がありますがこれです。丸っぽい煙のそばに生やされることも多い、どちらかというと付随的な煙。画像だと右ですね。これは衝撃の表現だろう。この衝撃表現は使う人が少ないなあという感じ、爆発でもよく使います。


お二人ともに、もうベテランの域ですが、まとまった文章や記事が本当に少ない。特徴や構造の整理として、自分も上げていなかったので少しまとめておく。

この世界の片隅に(2016/劇場)



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片隅でいちばん印象に残ったのは、このカット。爆発から絵の具へにシームレスにマッチカットされていく。荒々しい筆の叩きつけは暴力的に映る。



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放射状に広がっていく焼夷弾


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機銃による攻撃で地面や木が抉られていく。この前後の機銃によって街が傷つけられるシーンは、その削られていくタイミングがきわめて光っていた。




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馬鈴薯だったっけ。この辺のシーンも好きですよ。楽しそうなすずさんがいい。


★★
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PVから大好きなワンシーン。まな板バイオリン。馬鈴薯から楽しくなってきているすずさんを見て、いいカットだなあと。レイアウトが良い。画面右のダブラシ煙や柱が、すずさんに目を向けさせる。つまり、画面の中で、「もうひとつの画面」を作っているというわけです。

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手前の柱やダブラシ煙はそういったために配置、レイアウトされている。




片隅といえば──

やはり、僕にとってはキャラデがすごいなあという映画でした。
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感覚的ですが、頭身が3、4頭身ぐらいしかないのに、なんかうまいこと写実的なアニメになっている。正確には言えないけど、少し頭の大きさなんかが変わっただけで、このカットは成立しない気がする。なんで、これでかわいらしい女の人に見えるんだろうね。


このキャラデも相まって、やはり家の中のレイアウトは相当に工夫されていた
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四畳半の居間に4、5人いて大変に面倒くさそうなレイアウトばかり。二枚目の俯瞰画面は特に良い。こじんまりとした感じの中でも、障子は開いているので、さほど窮屈になってない。レイアウトについては、相当に大変だったと思う。



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すずさんが泣いた理由、怒った理由は、他の人ほど分かってない気がする。すずさんは最後までやり切るつもりじゃなかったのかな。だから、ずっと笑っていたし、はるみちゃんと右腕を失って絵が書けなくなった後も何とかぎりぎりで生きていた。

つまり、よう戦争はしらんけど、こんな中途半端なら最初からやるなという風に、すずさんは思った。はるみちゃんと絵を失った時点で、「最後まで戦い抜く、だからすべてに耐えられた」というすずさんの言葉には偽りなく、そういう思いで生きてきた。たぶん、本当に自分一人になっても抵抗するつもりだった。

と思っていたら、終戦。もう戦えなくなってしまった。なんで、こんなにボロボロになって耐えてきたのか。そんな中途半端さに、激情した。




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この辺は圧倒的でした。ここまで、まったく残酷描写のなかった片隅において、きちんと毒というか、現実を最後にぶっ込んでくるところはすごい。すずさんもとりあえずは幸せになっていくんだろうみたいな最後でしたから、そういう安堵していたところに来ると余計に衝撃が走った。

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