今回は自分が大好きなアニメ映画の感想やらを一つ。
0、はじめに
元々「メトロポリス」とは、手塚治虫による漫画作品であり、氏の初期3大SF作品の一つでもあります。
人工生命を研究していたロートン博士は、太陽の黒点から放出される放射線により、人造タンパク質に生命の片鱗が見えたことに大喜びしますが、レッド党のボス「レッド公」に目をつけられ、人造人間「ミッチィ」の制作を命じられます。
ある時、レッド公の悪巧みに気付いたロートン博士は家に火を放ち、一旦はミッチィと共に逃げることに成功します。
しかし、数カ月後、ひょんなことからレッド公に見つかり、ロートン博士は殺害されてしまいます。
それから、ミッチィはレッド公の元で育てられますが、ロートン博士の遺言を聞いた「ヒゲオヤジ」によって救出され甥である「ケンイチ」と同じ学校に通わせます。ケンイチとミッチィは親友も同然の関係となっていきます。
しかし両親の事が気になり、求める一心で外国船に乗り込みますが、運悪くその船はレッド公所有のモノであり、レッド公に捕まってしまうと同時に、自分がロボットであることを冷酷に突きつけられます。
その事により、ミッチィは怒りのあまり暴走を始め、他のロボット達と共に「メトロポリス」へと進行。
親友であったケンイチの制止も聞かず、時計塔の頂上で決闘を始めます。
最後には、命の源であった黒点の消失に伴い、火に包まれて落ちていきます。
病院を訪れたケンイチが見たものは、変わり果てたミッチィの姿でありました。
そして、メタ的な視点から読者へと問いかけが出されます。いずれ発達した科学が我々の身を滅ぼしていくのではないかと・・・。
元々はこんなお話です。アニメにおいて「ロック」が出てきたり、色んなところが変わっております。だから、手塚治虫「原作」というよりは、「原案」程度で見たほうがいいような気もします。
1、アニメにおける概要
制作はマッドハウス、監督・絵コンテは「りんたろう」、脚本は「大友克洋」が務めました。
また総作画監督、キャラクターデザインには「名倉靖博」が起用され、フルアニメーションかと見まごうぐらいのスゴい作画となっております。
原画陣も大勢が参加し、「沖浦啓之」「安藤真祐」「村木靖」など敏腕メーターも参加しています。

原作との主な変更点は、先程も言ったように多すぎて挙げられません。
基本的な軸、人間だと思っていた少女がロボットであると告げられて困惑する点などは変わっていません。
2、演出的な感想
いきなりぶっ飛んで最後の方の感想を。
まず「ティマ」は結局最後(ロックに撃たれるまで)自分は、「ケンイチ」と同じ人間だと願っています。
しかし、ロックに撃たれて機械部分が露出したことにより、ティマは困惑し動揺します。


そして、ティマの心臓部分で謎の装置(おそらく感情などの人間らしさを切る装置)が作動し、「超人の椅子」に向かいます。
そして、ロボット映画ではありがちですが、「人間が不必要」という結果がスーパーコンピュータとなったティマから出され、ポンコッツ博士やレッド公は止めるためコントロール・ルームに戻ります。
ここでティマを救いたい一心で、ケンイチは超人の椅子へ向かい、ティマを椅子から引剥がそうとします。ここの部分で、今の今まで人間であったティマにロートン博士のようなメカニック的な目が付いたり、顔の一部が剥げたりします。
つまりは、ティマが完全にロボットになってしまったことを描写しています。上手い。
引剥がした後、ティマはケンイチを殺そうとジグラットから空中へ放り投げたりします。それでも、信じて呼びかけるケンイチ。3回目辺りでようやく、先程の謎の装置が停止しますが、ティマとケンイチは両方共空へと投げ出されます。


基盤がスキマに引っかかりそこから伸びるコードで何とかぶら下がってるティマをケンイチは助けようとしますが、ティマの人工頭脳も再起動中で上手く動きません。最終的には、「違うよ、君は自分のことは『ワタシ』っていうんだ」という凄く初期の部分までリセットされます。

その結果、「ケンイチ・・・!ワタシはダレ」と残し、手を掴むことはできず、落ちていきます。
ここの描写は先にケンイチ視点を見せておいた後で、ティマ視点も見せていて凄く上手い演出だと思います。




またこのカットはティマの無感情さ、無知さ、白紙感がとてもよく表されています。

ロボットのアイデンティティということで、同時期の「AI」とも比較対象されがちらしいですが、「AI」の方は怖いですね。とても怖い。そしてとても悲しい。
もちろん、このメトロポリスも幾分にも悲しいわけですが、何というか上手く言えません。
ラストはケンイチがメトロポリスに残り、雑貨屋のようなモノをしてます(エンドクレジット)。一案としては、これがラストシーンでもあったんですが、最終的にはラジオの方が選ばれたようです。
3、映像的な感想
最近、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」「RE:サイボーグ009」「進撃の巨人」やらで背景CG使うようになってきたなあと思っていたのですが、もしかしたら大規模的なCG背景と普通の作画のコンポジットはこれが初かもしれないですね。
ジグラット始め、車などには積極的にCG採用しています。その代わり、セル(動く奴)の方がスゴい。人の作画に至っては、シーンによってはZセルまで重ねるとかいうマジキチっぷり。そりゃ製作費10億もかかります。
またティマが屋根の上で、天使みたい・・・と言われてる部分は、1k作画+DFで凄く綺麗で、神秘的ですね。まさに天使らしさを全面に出したシークエンスです。

他の作画にも色々言及したいですが、何処をとっても大抵一級品ですので選別が大変です。
村木靖によるラストの崩壊シーンの煙や、バクハツはトコトン上手いです。
こんな立体的な煙描ける人は今いるんですかねえ・・・



沖浦啓之による、自転車での滑走シークエンスは破片がまさに沖浦さんの仕事という感じで上手い。



ちょっと足早ですが、ざっとこんな感じのアニメです。
見たことない人は、是非ご覧ください。とてもいい作品です。
0、はじめに
元々「メトロポリス」とは、手塚治虫による漫画作品であり、氏の初期3大SF作品の一つでもあります。
人工生命を研究していたロートン博士は、太陽の黒点から放出される放射線により、人造タンパク質に生命の片鱗が見えたことに大喜びしますが、レッド党のボス「レッド公」に目をつけられ、人造人間「ミッチィ」の制作を命じられます。
ある時、レッド公の悪巧みに気付いたロートン博士は家に火を放ち、一旦はミッチィと共に逃げることに成功します。
しかし、数カ月後、ひょんなことからレッド公に見つかり、ロートン博士は殺害されてしまいます。
それから、ミッチィはレッド公の元で育てられますが、ロートン博士の遺言を聞いた「ヒゲオヤジ」によって救出され甥である「ケンイチ」と同じ学校に通わせます。ケンイチとミッチィは親友も同然の関係となっていきます。
しかし両親の事が気になり、求める一心で外国船に乗り込みますが、運悪くその船はレッド公所有のモノであり、レッド公に捕まってしまうと同時に、自分がロボットであることを冷酷に突きつけられます。
その事により、ミッチィは怒りのあまり暴走を始め、他のロボット達と共に「メトロポリス」へと進行。
親友であったケンイチの制止も聞かず、時計塔の頂上で決闘を始めます。
最後には、命の源であった黒点の消失に伴い、火に包まれて落ちていきます。
病院を訪れたケンイチが見たものは、変わり果てたミッチィの姿でありました。
そして、メタ的な視点から読者へと問いかけが出されます。いずれ発達した科学が我々の身を滅ぼしていくのではないかと・・・。
元々はこんなお話です。アニメにおいて「ロック」が出てきたり、色んなところが変わっております。だから、手塚治虫「原作」というよりは、「原案」程度で見たほうがいいような気もします。
1、アニメにおける概要
制作はマッドハウス、監督・絵コンテは「りんたろう」、脚本は「大友克洋」が務めました。
また総作画監督、キャラクターデザインには「名倉靖博」が起用され、フルアニメーションかと見まごうぐらいのスゴい作画となっております。
原画陣も大勢が参加し、「沖浦啓之」「安藤真祐」「村木靖」など敏腕メーターも参加しています。

原作との主な変更点は、先程も言ったように多すぎて挙げられません。
基本的な軸、人間だと思っていた少女がロボットであると告げられて困惑する点などは変わっていません。
2、演出的な感想
いきなりぶっ飛んで最後の方の感想を。
まず「ティマ」は結局最後(ロックに撃たれるまで)自分は、「ケンイチ」と同じ人間だと願っています。
しかし、ロックに撃たれて機械部分が露出したことにより、ティマは困惑し動揺します。


そして、ティマの心臓部分で謎の装置(おそらく感情などの人間らしさを切る装置)が作動し、「超人の椅子」に向かいます。
そして、ロボット映画ではありがちですが、「人間が不必要」という結果がスーパーコンピュータとなったティマから出され、ポンコッツ博士やレッド公は止めるためコントロール・ルームに戻ります。
ここでティマを救いたい一心で、ケンイチは超人の椅子へ向かい、ティマを椅子から引剥がそうとします。ここの部分で、今の今まで人間であったティマにロートン博士のようなメカニック的な目が付いたり、顔の一部が剥げたりします。
つまりは、ティマが完全にロボットになってしまったことを描写しています。上手い。
引剥がした後、ティマはケンイチを殺そうとジグラットから空中へ放り投げたりします。それでも、信じて呼びかけるケンイチ。3回目辺りでようやく、先程の謎の装置が停止しますが、ティマとケンイチは両方共空へと投げ出されます。


基盤がスキマに引っかかりそこから伸びるコードで何とかぶら下がってるティマをケンイチは助けようとしますが、ティマの人工頭脳も再起動中で上手く動きません。最終的には、「違うよ、君は自分のことは『ワタシ』っていうんだ」という凄く初期の部分までリセットされます。

その結果、「ケンイチ・・・!ワタシはダレ」と残し、手を掴むことはできず、落ちていきます。
ここの描写は先にケンイチ視点を見せておいた後で、ティマ視点も見せていて凄く上手い演出だと思います。




またこのカットはティマの無感情さ、無知さ、白紙感がとてもよく表されています。

ロボットのアイデンティティということで、同時期の「AI」とも比較対象されがちらしいですが、「AI」の方は怖いですね。とても怖い。そしてとても悲しい。
もちろん、このメトロポリスも幾分にも悲しいわけですが、何というか上手く言えません。
ラストはケンイチがメトロポリスに残り、雑貨屋のようなモノをしてます(エンドクレジット)。一案としては、これがラストシーンでもあったんですが、最終的にはラジオの方が選ばれたようです。
3、映像的な感想
最近、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」「RE:サイボーグ009」「進撃の巨人」やらで背景CG使うようになってきたなあと思っていたのですが、もしかしたら大規模的なCG背景と普通の作画のコンポジットはこれが初かもしれないですね。
ジグラット始め、車などには積極的にCG採用しています。その代わり、セル(動く奴)の方がスゴい。人の作画に至っては、シーンによってはZセルまで重ねるとかいうマジキチっぷり。そりゃ製作費10億もかかります。
またティマが屋根の上で、天使みたい・・・と言われてる部分は、1k作画+DFで凄く綺麗で、神秘的ですね。まさに天使らしさを全面に出したシークエンスです。

他の作画にも色々言及したいですが、何処をとっても大抵一級品ですので選別が大変です。
村木靖によるラストの崩壊シーンの煙や、バクハツはトコトン上手いです。
こんな立体的な煙描ける人は今いるんですかねえ・・・



沖浦啓之による、自転車での滑走シークエンスは破片がまさに沖浦さんの仕事という感じで上手い。



ちょっと足早ですが、ざっとこんな感じのアニメです。
見たことない人は、是非ご覧ください。とてもいい作品です。