緊張感あって、良い回だったと思う。

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09話「共鳴」 
コンテ:神戸守 演出:黒木美幸

アバン:井川の過去
A:井川演奏と有馬の演奏前(緊張感あった)
B:有馬演奏


脚本・構成

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毎報コンクールにおける、有馬の演奏回。前回のコンクールは殆ど宮園に引っ張られる格好であったけど、今回は有馬の決意がある所が異なる点であり、重要な点でもあります。未だピアノの音は聞こえないわけですが、それでもステージへと向かっていく。失敗やミスの不安は、08話において描写されており、それを自覚した上での演奏です。つまり、非凡であった有馬が凡人の思考を辿っているんですね。今まではただ譜面しか気にしていなかったけど、「音が聞こえなくなった」ということを転換点に、必死にもがいている中で見えてきた風景であるわけです。


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その必死にもがいている最中に、再び不安が襲いかかる。これまでの話数では、母親や小学生時代は抽象的なイメージが多かったですが、今回はダイレクトに映像で示されています。虐待とも呼べる母親のレッスン、容赦の無い嫉妬、母親の死。「音が聞こえなくなった」のは必然だということが伝わってきます。これを有馬は罪である(母親に対する酷い言葉に対して)と、合理化してピアノを弾かない理由にしている。そんで、有馬曰くの「罪」が襲いかかってくる。


これは本当に勝手な推測なんだけど、有馬は母親の死を認めたくないのではと思う。嫌なのイメージ・思い出を繰り返し顧みると、その人物の死は自分にとって些細なことであり、大したことではないと言い聞かせているような感じ。死んでしまった人に対し楽しかったイメージを持つと、死んだことを認めてしまうような気がするんですよね。まだ彼の中に、母親は生きているし、やはりまだ生きていて欲しいと願っている様子。





作画・レイアウト

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作見としては、やはりアバンのジャングルジム井川でしょうね。ここが大変に上手かった。滑り落ちる感じ、危うい感じ、「銀河鉄道999劇場版」における金田パートのような、「ああっ!」と声が出てしまうほどリアルな描写。上手かった。


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これは、相座兄とレイアウトまんま同じで僕はあんま好みではないです。変化が欲しいですね。井川であるなら、有馬に対して強い感情を持っているのだから、それをぶつけるようなレイアウトにして欲しかった。極端に言えば、口元・手元アップだけでも十二分にその感情は表現できると思う。


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スクワッシュ&ストレッチの表現。元になっている物体をAとすると、スクワッシュしたAダッシュは輪郭線がびよーんと伸びます。ディズニーでお馴染みの誇張表現ですね。後、ここらへんの母親の喋る作画良かった。すげー嫌なオバサンな感じがバンバン出てますよね。


09]16]

抜けていく鍵盤。鍵が外れたピアノとかピアニカってスゴイ不気味ですよね、それと綺麗な桜のミスマッチ感が上手く表現されてた。ここはCGと撮影が特に力を入れたと思う。これ大変ですよね。


08]11]

01話の流血描写があるからこそ引き立つ、この一滴の血の表現。ドバドバ出てたら大変とかそういうことじゃないんだよね。この一滴には、小学生有馬の今までの思いが全て詰まってる。だから、やっぱり01話の流血描写は必要ですし、オカシクもない。




09話に関しては、こんなとこです。