師走も終わりですね、もう
そういえば、ドウデュースという馬が最近強いらしいです。


*[UMA]朝日杯回顧/この男を、この馬を、この馬主を、軽んじていた
https://royal2627.ldblog.jp/archives/58825815.html

おおよそこのブログの読み物は面白いなあと自画自賛して読み直すのですが、これはちょっとくどいですね。知識バイアスによる偏重の怖さについて2度言及しているところがくどい。

それはそうと、2年前に武豊に朝日杯をもたらしたウマがここまでの存在になるとは思ってもみませんでした。やはりハーツクライ産駒は5歳で進化しますね。



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…というところまで書いて一時保存をしていました。
ワクワクしてたときですよね、この書き方は。

1枠2番ドウデュース
(https://tospo-keiba.jp/breaking_news/53182から引用)


ボクはニュースの第一報を友人からLINEで聞きました。「ドウデュース!」とだけ送られたメッセージで十分だったんでしょう。暇さえあれば見ている競馬サイトを開くと、そこには出走回避の文字がありました。久しぶりにショッキングな感情を持ってしまいました。久々ですね本当に。


いろんな意見を見ましたが、どれも理屈は分かるが、ボクの主張とはいっさい異なりました。
反吐が出ますね。表層的な子どもみたいな感想だけ。
他人からの目線しか考えていないのではないか。


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競走馬とは、「レースで早く走るために、人間が勝手に配合を考え作り出した経済動物」です。地球上において、生物のトップに立った人類は他の動物を家畜化しましたよね。であるならば、そのすべての家畜について責任を取るべきです。つまるところ、好き勝手に振る舞えば良い

例えば、畜産において特殊な個体が発生したとしても、それを「特別だから」といった理由で屠殺しないわけはないんですよ。過剰な数になれば何十匹とヒヨコをミキサーにかけるし、病気で手遅れになった個体には安楽死などの措置を取り出荷しません。現場の無念さはいかほどのものか。


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(2022年北九州記念:研屋助手 / 梅田厩舎)


経済動物である競走馬はこのような馬産という観点では、少し異なるかもしれませんが、おおよその理屈は構造として同じはずです。極端なことを言うと、どのレースに出しても、そこで予後不良になる可能性はあるんですよ

競争能力喪失になる可能性もある。
どんなに繊細に扱っても、サラブレッドの脚はガラスです。
例えるならば、人間の頭がクツになっていると思えば良い。
そういう状態で走っています。


グレートマジシャン
(2022年関越S)


何が言いたいか。ここで出走させないなら、3歳でダービーを取ったときに引退させればいいじゃないですか。これ以上は、予後の可能性は高まるばかり。レースに出る以上は、どんなことがあるかわからない。不良馬場であった凱旋門賞を、3歳という若駒で走った方がよっぽど馬の心体にはリスキーです。

これは明け4歳時のドウデュースに価値が少ないって言ってるのと同じなんですよ。京都記念勝っただけの馬で、ドバイターフは跛行と球節炎で取り消し。ここで引退させなかったのは、陣営側もファンも、「まだ走れる」と思ったからですよね?「まだタイトルが欲しかったから」ですよね?

秋の始動戦は秋天、JC、ともにイクイノックスの前に惜敗。武豊と再び組んだ有馬記念でタイトルホルダーを交わして勝ち。



ここでも引退のチャンスはありますよ。種馬としての価値は高い。
2歳:朝日杯
3歳:日本ダービー
4歳:有馬記念

十分な実績です。これ以上のタイトルはなくても良い。
でも陣営側は走らせました。「まだ走れるから」ですよね?ドバイターフは2着、宝塚は惨敗。繰り返しますが、跛行(歩様に乱れが見られること)がなくとも、競走馬は常に故障とのリスクの戦いです。レースに出る以上、他馬との接触リスクも落馬危機もある。なんなら走らなくても簡単に死にますからね。


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(2019年ダービー勝ち馬:ロジャーバローズ)


最初から、「早期引退」の主張であれば納得いくんです。ヨーロッパでは散見されますが、英ダービーと凱旋門賞(もしくはキングジョージ)を勝って引退する馬はナンボでもいます。ほとんどの名馬は4歳、遅くとも5歳で引退します。それがつまらないから、ボクはレースに出るリスクを取る日本競馬が好きなんです。

でも事情が変わったんでしょ?もちろん、理解してますよ
秋天勝って、JCも勝ちきった。そうなると、今までにありえないくらいの価値になってしまった。もはやドウデュースは、友道調教師、馬主で扱える存在ではなくなってしまった。社台SS、ノーザンファームという大牧場、大生産者によって、馬産として、種馬として、経済動物として、高度に政治的な存在になってしまった。かれはもう背負っている金額の桁が違いますからね、11桁以上。それが今回の出走回避の真相だと考えています。

だから武豊j、友道調教師も「仕方がない」と言う他ない。理解はできますけど、もうどうしようもない。イクイノックスのような引退が世間として認められるのであれば、早期引退が流行れば、レースを使わない競走馬が増えれば、「生きているだけで素晴らしい」という理解もしてない言説が流行ってしまえば、それだけ日本競馬にしかない価値は確実に大きく減少します。無念です。