積みネタ。
黒田結花というアニメーターに最近注目しています。
この人は大変にエフェクトが上手いです。
アクションも上手いんだろうけど、そこら辺は分からん。
(佐々木)政勝らしく、線を煙の中で動かすのが特徴的で面白い。
※パートはすべて推測です。
・「ソードアート・オンライン(TV/2013)」 17話

こういった感じの作画をされます。
線がどういう風に移動するかによって、煙の動きを表現する。
煙内のディテールはほとんどない。
だから、線(カゲ)だけで煙の移動や大きさの変化を表現している。
・「ブラック・ブレッド(TV/2014)」 11話

ブラブレでは特にキーアニメーターとして活躍。
煙の発生から、その場に留まる煙の感じのタメが上手い。
ディテールはそんなに多くないんだけど、とっても写実的で良い。
そんで、最近すごかったのがこれ。
・「七つの大罪(TV/2015)」 18話

踏んづけから発生するダブラシ煙。じわあと広がっていって、残るのが上手い。
この人は、その場にとどまる、煙のタメを描くのが上手いです。

立ち上る煙。カゲの移動だけで、煙の上昇を表現している。
ここは、ナウシカ庵野に匹敵するくらい煙に粘っこさがありますね。

ここはカゲ2色でより立体的に。
そうですそうです、ディテール少なめなのに立体感が上手く出ているところもスゴイ。
後は後半、右下煙の膨らみが上手い。

圧巻のエフェクト作画。
透過光で爆発のインパクトを出した後、カゲ一色の煙になることで、表面温度の表現している。
大抵は色で(赤から黒へ)という風にやるんだけど、
この透過光の使い方は新しいと自分は感じます。素晴らしいです。
ちょっと急ぎ足ですが、こんな感じで。
わずかなディテール(カゲ)を入れることだけでも、写実性を発現させていて面白いです。
これは青山、本谷さんを思い出します。とにかく上手い。
最近は橋本系と田中系の派手なエフェクト作画が多くて食傷気味で、
こういった第三勢力じゃないですけど、
地味なエフェクトもきちんと評価してあげるべきではないかと思ったりしています。
黒田結花というアニメーターに最近注目しています。
この人は大変にエフェクトが上手いです。
アクションも上手いんだろうけど、そこら辺は分からん。
(佐々木)政勝らしく、線を煙の中で動かすのが特徴的で面白い。
※パートはすべて推測です。
・「ソードアート・オンライン(TV/2013)」 17話

こういった感じの作画をされます。
線がどういう風に移動するかによって、煙の動きを表現する。
煙内のディテールはほとんどない。
だから、線(カゲ)だけで煙の移動や大きさの変化を表現している。
・「ブラック・ブレッド(TV/2014)」 11話

ブラブレでは特にキーアニメーターとして活躍。
煙の発生から、その場に留まる煙の感じのタメが上手い。
ディテールはそんなに多くないんだけど、とっても写実的で良い。
そんで、最近すごかったのがこれ。
・「七つの大罪(TV/2015)」 18話

踏んづけから発生するダブラシ煙。じわあと広がっていって、残るのが上手い。
この人は、その場にとどまる、煙のタメを描くのが上手いです。

立ち上る煙。カゲの移動だけで、煙の上昇を表現している。
ここは、ナウシカ庵野に匹敵するくらい煙に粘っこさがありますね。

ここはカゲ2色でより立体的に。
そうですそうです、ディテール少なめなのに立体感が上手く出ているところもスゴイ。
後は後半、右下煙の膨らみが上手い。

圧巻のエフェクト作画。
透過光で爆発のインパクトを出した後、カゲ一色の煙になることで、表面温度の表現している。
大抵は色で(赤から黒へ)という風にやるんだけど、
この透過光の使い方は新しいと自分は感じます。素晴らしいです。
ちょっと急ぎ足ですが、こんな感じで。
わずかなディテール(カゲ)を入れることだけでも、写実性を発現させていて面白いです。
これは青山、本谷さんを思い出します。とにかく上手い。
最近は橋本系と田中系の派手なエフェクト作画が多くて食傷気味で、
こういった第三勢力じゃないですけど、
地味なエフェクトもきちんと評価してあげるべきではないかと思ったりしています。
「AKIRA」以前の本谷利明作画(3) 「北斗の拳」他
今回は、本谷利明の「AKIRA以前(1984~88)」の作画をもう少し分析していく。
多分、AKIRA以前の参加作品についての言及は、ひとまずこれが最後。
復習になりますが、「AKIRA以前」は違ったベクトルで作画しています。「AKIRA」が煙自体の綿密な1コマ作画であるのに対し、「AKIRA以前」では『メガゾーン23』が代表的で、周辺建造物の動き(破壊や飛ばされ)による爆風の表現、カゲのアトランダムなリピート、透過光の全面使用や尖った線での使い方で写実的なエフェクトを表現していました。
つまり、この頃の本谷さんは「周囲環境がどのような影響を受けるのか」を表現することによってエフェクト作画の写実性を発現させているのでは、という推測です。
詳しくは以下のリンクを参照に。
1、「AKIRA」以前の本谷利明の作画(1) 「オーガス」
2、「AKIRA」以前の本谷利明の作画(2) 「マチコ先生」とか
前回までは代表的な作品ばかりを見てきましたので、今回は少しマイナーな作品についての本谷利明作画を検証していく試み。パートは毎度のことながら推測です(※今回は特に絞り込めなかった。アクション分かんない・・・)。
・「ウォナビーズ(OVA/1986)」
「ウォナビーズ」についてはアホみたいに見たんですけど、結局あんまり分からず。この時代は本谷さんが、ちょうど板野主催スタジオの『D.A.S.T』に在籍していた頃です。原画には石田敦子、よしもときんじ、戸倉紀元さんがクレジットされていたり。
ドロップキック

同スロー

エレベーターボタン破壊

本谷さんのアクションそこそこ見たんですけど、未だにあまり分かっていないです。アクション的な部分は、先ヅメで突然眼前に来るような動きを出したり、動きにタメがあるのかなあという程度。後、感覚的には動きが重たい感じがある。
「ドロップキック」のシーンでは先ヅメが効いてて、後からぐわっとキャラが倒れこんでくるので、画面に押し寄せてきてますよね。「エレベーターボタン破壊」については、この時代ショックコマを使っていた、というだけで判断しました。なんという。この前後のアクションもやってるかも。でも破片の散り方キレイですよね。
・「ミスター味っ子(TV/1987-89)」 33話

33話についてはおそらくこの水しぶきだろうと。こういった決め方はあまり良くないかもなんですが、『オーガス』や『メガゾーン23』でエフェクトをあれだけの分量担当していると、こういった所を任されるんじゃないのかなあと。
2カット目の波とかめっちゃ上手いですよね。タタキもいい感じに入っているし、水しぶきの消え方もカッコイイ。
・「吸血姫 美夕(OVA/1988-1989)」 01話
畳に彫刻

これはもう透過光のやり方だけで判断。これは「オーガス」の作画(透過光)とよく似ていて、太い線と細い線を混じらせて、カクカク折れ線グラフみたいにやってる。同作品には本橋、菊池、松尾さん始め、上手いアニメーター多し。じっさい作画めっさいいです、この作品。化け物が出てくるところとか、うにょうにょする動きがめっさ上手い。
・「世紀末救世主伝説 北斗の拳(TV/1985)」
板野作監。結城さんとの二人原画。結城さんがおそらく前半の美麗なトキやらキャラを描かれていて、本谷さんが後半のアクションメインではないかと。
雑魚を片付けてから、ラオウとの戦闘①

ラオウとの戦闘②

際立つのは破片の細かさ。この時代の本谷さん特有の「周囲環境の変化による写実性の発現」は、この破片の作画が一番わかりやすいです。表現すべき物体・事象そのものではなく、むしろ影響を受けた周囲環境の変化を作画で表現している。ここでは、地面とかケンシロウの血とか。
吹っ飛ぶ雑魚モブたち

同スロー

ここがまさしく、「AKIRA以前」の本谷利明作画です。爆発、煙というものを直接表現するのではなく、雑魚が吹っ飛ぶ、ガラスを突き破る、そのガラスが爆風で横に飛び散る、壁に埋まりこむなどの表現によって、エフェクトを間接的に表現している。
だから、この時代は「間接的な写実エフェクト」を目指していると総括しても良さそうです。「AKIRA」からは一転、直接的なエフェクト作画へと移行していきますが、この時代は特に周辺の環境・物体を動かしてあげることで、現象そのものを間接的に表現しています。
この方向性は後年のAKIRAにおいても重要な要素です。本谷作画の整理記事を増尾さんみたいにまた1つ書く予定なので、またそこで説明できたらと思ってます。
多分、AKIRA以前の参加作品についての言及は、ひとまずこれが最後。
復習になりますが、「AKIRA以前」は違ったベクトルで作画しています。「AKIRA」が煙自体の綿密な1コマ作画であるのに対し、「AKIRA以前」では『メガゾーン23』が代表的で、周辺建造物の動き(破壊や飛ばされ)による爆風の表現、カゲのアトランダムなリピート、透過光の全面使用や尖った線での使い方で写実的なエフェクトを表現していました。
つまり、この頃の本谷さんは「周囲環境がどのような影響を受けるのか」を表現することによってエフェクト作画の写実性を発現させているのでは、という推測です。
詳しくは以下のリンクを参照に。
1、「AKIRA」以前の本谷利明の作画(1) 「オーガス」
2、「AKIRA」以前の本谷利明の作画(2) 「マチコ先生」とか
前回までは代表的な作品ばかりを見てきましたので、今回は少しマイナーな作品についての本谷利明作画を検証していく試み。パートは毎度のことながら推測です(※今回は特に絞り込めなかった。アクション分かんない・・・)。
・「ウォナビーズ(OVA/1986)」
「ウォナビーズ」についてはアホみたいに見たんですけど、結局あんまり分からず。この時代は本谷さんが、ちょうど板野主催スタジオの『D.A.S.T』に在籍していた頃です。原画には石田敦子、よしもときんじ、戸倉紀元さんがクレジットされていたり。
ドロップキック

同スロー

エレベーターボタン破壊

本谷さんのアクションそこそこ見たんですけど、未だにあまり分かっていないです。アクション的な部分は、先ヅメで突然眼前に来るような動きを出したり、動きにタメがあるのかなあという程度。後、感覚的には動きが重たい感じがある。
「ドロップキック」のシーンでは先ヅメが効いてて、後からぐわっとキャラが倒れこんでくるので、画面に押し寄せてきてますよね。「エレベーターボタン破壊」については、この時代ショックコマを使っていた、というだけで判断しました。なんという。この前後のアクションもやってるかも。でも破片の散り方キレイですよね。
・「ミスター味っ子(TV/1987-89)」 33話

33話についてはおそらくこの水しぶきだろうと。こういった決め方はあまり良くないかもなんですが、『オーガス』や『メガゾーン23』でエフェクトをあれだけの分量担当していると、こういった所を任されるんじゃないのかなあと。
2カット目の波とかめっちゃ上手いですよね。タタキもいい感じに入っているし、水しぶきの消え方もカッコイイ。
・「吸血姫 美夕(OVA/1988-1989)」 01話
畳に彫刻

これはもう透過光のやり方だけで判断。これは「オーガス」の作画(透過光)とよく似ていて、太い線と細い線を混じらせて、カクカク折れ線グラフみたいにやってる。同作品には本橋、菊池、松尾さん始め、上手いアニメーター多し。じっさい作画めっさいいです、この作品。化け物が出てくるところとか、うにょうにょする動きがめっさ上手い。
・「世紀末救世主伝説 北斗の拳(TV/1985)」
板野作監。結城さんとの二人原画。結城さんがおそらく前半の美麗なトキやらキャラを描かれていて、本谷さんが後半のアクションメインではないかと。
雑魚を片付けてから、ラオウとの戦闘①

ラオウとの戦闘②

際立つのは破片の細かさ。この時代の本谷さん特有の「周囲環境の変化による写実性の発現」は、この破片の作画が一番わかりやすいです。表現すべき物体・事象そのものではなく、むしろ影響を受けた周囲環境の変化を作画で表現している。ここでは、地面とかケンシロウの血とか。
吹っ飛ぶ雑魚モブたち

同スロー

ここがまさしく、「AKIRA以前」の本谷利明作画です。爆発、煙というものを直接表現するのではなく、雑魚が吹っ飛ぶ、ガラスを突き破る、そのガラスが爆風で横に飛び散る、壁に埋まりこむなどの表現によって、エフェクトを間接的に表現している。
だから、この時代は「間接的な写実エフェクト」を目指していると総括しても良さそうです。「AKIRA」からは一転、直接的なエフェクト作画へと移行していきますが、この時代は特に周辺の環境・物体を動かしてあげることで、現象そのものを間接的に表現しています。
この方向性は後年のAKIRAにおいても重要な要素です。本谷作画の整理記事を増尾さんみたいにまた1つ書く予定なので、またそこで説明できたらと思ってます。
「終わりのセラフ」、「パンチライン」1話のエフェクト作画
おっしゃエフェクト作画の時間やで。
■「終わりのセラフ」
制作:WITStudio
監督:徳士大介(「亡念のザムド」ED演出)
キャラデ・総作監:門脇聡(「フルメタル・パニック!」原画 「進撃の巨人」キャラクター設定協力、総作画監督)
「進撃の巨人」で一躍有名になった「WITStudio」作品。原作は漫画らしい。
<01話感想 - 概要>
アバン爆発かっこよく、小澤和則さんかも(※いつも通り多分違うので、真に受けずにねw)。01話で一番良かったのは、ユウくんが「わらわら集まんな」っていうシーン。これは現実に敷衍してもおかしくないぐらい自然だった。めんどくさそうなんだけど、愛情はあるというか、そういう曖昧な感情表現に成功している。それから、カメラが序盤面白かった。これは「パンチライン」にも言えることだけど、なんかカメラワークがティルトアップ、ダウンという感じでなく、クレーンでやってるみたいでとても滑らか。面白い。
<お話>
ベルモンド家の誰かが来て、1話で吸血鬼フルボッコにしてた。嘘ですごめんなさい。

お話の方は、とても良い復讐劇の1話だと思う。主人公が、どうして吸血鬼を滅ぼそうと思ったのかについての動機が明確に示されている。若干説得力に欠けてしまう部分はあるかもしれない。1話ですぐに孤児院の仲間は死んでしまったので。ただ、たった1話、それも5分程度しか描いてないのに、彼らの交流について想像までできている時点で多分そういった心配は杞憂なんだろうと思いますが。
<作画>
アバンのエフェクトとても良かったです。
飛行機落下からの爆発

これ小澤さんっぽいなあ。柳さんだったら、もっとシャキシャキと線を入れると思う。「SAO」見る限りだけど。 小澤さんって「楽園追放」でもそうだったんだけど、こうブクブク浮き上がるように描くんだよね。膨張して分裂するというか。それから、触手煙の感じは非常に「オーガス」の本谷さんっぽい。リアルなスピードでシュンっと落ちていってる。最近の触手煙って、やや空中に留まる時間が長いのが多いので、これは非常に写実な感じです。いやあ、どっちか分かんないですが、どちらにしろ上手いです。
【追記】やっぱ柳作画っぽいかも。まあ全然分かりません。でも良いよなあ。
■「パンチライン」
制作:MAPPA
監督:上村泰(「ダンタリアンの書架」監督 GAINAX出身)
キャラデ:岩崎将大(「キルラキル」作監)
<お話>
女の子に興奮したら爆発して、小惑星が落っこちて地球滅亡。ただし、霊体化しているので時を操れるらしい。くぎゅううして楽しんでた。なんていう俺得アニメ。絶対爆発いっぱいあるやん。ギャグ漫画っぽくていいよね、1話の終わりが爆発オチっていうのは。
<作画>
主人公キャラデとても良い。スッキリしているけど、特徴が出ていてわかりやすい。「ズヴィズダー」でキャラデやった佐々木啓悟さんみたいな。絵の方向性は違うと思うけど。Aパート終わりの爆発は独特だけど、面白かった。
主人公によって破壊される都市部

画面に迫ってくる感じ、そうして爆発がフェードして画面外にも殴りかかっていく感じ。いいっすね。小林さんかも(※例のごとく(ry)。これレイアウトがいいよね、奥行きあるようにしといて、奥から爆発が進行してくるんだから。後は時々入るタタキも粉塵を上手く演出してる。1コマ2コマ程度だけど。楕円だけで、輪郭線や内部の線がない感じはとても珍しい。色も単色に近いんだけど、ただこの楕円の使い方がめちゃくちゃ上手い。温度表現をこれ1つと透過光で殆どやってる。内部からブクブクと新しい爆発が湧き出てくる感じがとても良い。こんなディテールの付け方みたの初めてかもしれない。
ビルの間に起こる爆発と煙

これグラフィニカのCGっぽい作画(果たして通じるのか)。煙がドドドンと生えてくる感じがすごい似てる。とてもベーシックな煙だと思うんですけど、じんわり残る感じがいいんですよね。後は前述した通り、いきなり生える感じが最高です。手前のカワイイ女の子と上手く対比されて、やわらかみも出てるのかも。
とりあえずはこんなとこです。どっちも楽しみ。
■「終わりのセラフ」
制作:WITStudio
監督:徳士大介(「亡念のザムド」ED演出)
キャラデ・総作監:門脇聡(「フルメタル・パニック!」原画 「進撃の巨人」キャラクター設定協力、総作画監督)
「進撃の巨人」で一躍有名になった「WITStudio」作品。原作は漫画らしい。
<01話感想 - 概要>
アバン爆発かっこよく、小澤和則さんかも(※いつも通り多分違うので、真に受けずにねw)。01話で一番良かったのは、ユウくんが「わらわら集まんな」っていうシーン。これは現実に敷衍してもおかしくないぐらい自然だった。めんどくさそうなんだけど、愛情はあるというか、そういう曖昧な感情表現に成功している。それから、カメラが序盤面白かった。これは「パンチライン」にも言えることだけど、なんかカメラワークがティルトアップ、ダウンという感じでなく、クレーンでやってるみたいでとても滑らか。面白い。
<お話>
ベルモンド家の誰かが来て、1話で吸血鬼フルボッコにしてた。

お話の方は、とても良い復讐劇の1話だと思う。主人公が、どうして吸血鬼を滅ぼそうと思ったのかについての動機が明確に示されている。若干説得力に欠けてしまう部分はあるかもしれない。1話ですぐに孤児院の仲間は死んでしまったので。ただ、たった1話、それも5分程度しか描いてないのに、彼らの交流について想像までできている時点で多分そういった心配は杞憂なんだろうと思いますが。
<作画>
アバンのエフェクトとても良かったです。
飛行機落下からの爆発

これ小澤さんっぽいなあ。柳さんだったら、もっとシャキシャキと線を入れると思う。「SAO」見る限りだけど。 小澤さんって「楽園追放」でもそうだったんだけど、こうブクブク浮き上がるように描くんだよね。膨張して分裂するというか。それから、触手煙の感じは非常に「オーガス」の本谷さんっぽい。リアルなスピードでシュンっと落ちていってる。最近の触手煙って、やや空中に留まる時間が長いのが多いので、これは非常に写実な感じです。いやあ、どっちか分かんないですが、どちらにしろ上手いです。
【追記】やっぱ柳作画っぽいかも。まあ全然分かりません。でも良いよなあ。
■「パンチライン」
制作:MAPPA
監督:上村泰(「ダンタリアンの書架」監督 GAINAX出身)
キャラデ:岩崎将大(「キルラキル」作監)
<お話>
女の子に興奮したら爆発して、小惑星が落っこちて地球滅亡。ただし、霊体化しているので時を操れるらしい。くぎゅううして楽しんでた。なんていう俺得アニメ。絶対爆発いっぱいあるやん。ギャグ漫画っぽくていいよね、1話の終わりが爆発オチっていうのは。
<作画>
主人公キャラデとても良い。スッキリしているけど、特徴が出ていてわかりやすい。「ズヴィズダー」でキャラデやった佐々木啓悟さんみたいな。絵の方向性は違うと思うけど。Aパート終わりの爆発は独特だけど、面白かった。
主人公によって破壊される都市部

画面に迫ってくる感じ、そうして爆発がフェードして画面外にも殴りかかっていく感じ。いいっすね。小林さんかも(※例のごとく(ry)。これレイアウトがいいよね、奥行きあるようにしといて、奥から爆発が進行してくるんだから。後は時々入るタタキも粉塵を上手く演出してる。1コマ2コマ程度だけど。楕円だけで、輪郭線や内部の線がない感じはとても珍しい。色も単色に近いんだけど、ただこの楕円の使い方がめちゃくちゃ上手い。温度表現をこれ1つと透過光で殆どやってる。内部からブクブクと新しい爆発が湧き出てくる感じがとても良い。こんなディテールの付け方みたの初めてかもしれない。
ビルの間に起こる爆発と煙

これグラフィニカのCGっぽい作画(果たして通じるのか)。煙がドドドンと生えてくる感じがすごい似てる。とてもベーシックな煙だと思うんですけど、じんわり残る感じがいいんですよね。後は前述した通り、いきなり生える感じが最高です。手前のカワイイ女の子と上手く対比されて、やわらかみも出てるのかも。
とりあえずはこんなとこです。どっちも楽しみ。
最近グッと来た爆発(2-3月編)と、「メトロポリス」の村木靖作画
お久しぶりのエフェクト記事です。
・「咲-Saki-全国編(TV/2014)」 13話

佐々木政勝作画。画面を覆ってからの炎の消滅が美しい。昔はもうちょっとゆっくり目に消えていっていたんだけれど、新ドラ辺りからややタイミングが早くなったような。「咲-Saki-」や「ドラえもんズ」での政勝さんの仕事はいつか取り上げたいところ。
・「ソードアート・オンラインⅡ(TV/2014)」 21話

柳作画かも(※推測)。クロス光からの、爆煙作画。このカットでは流線的に影のディテール(ギザギザした奴)が入っているんですが、これが煙に立体感を出していて上手い。あとは影2色使って、全体のフォルム丸ごと動かしてるところで写実性を補っている。

これは誰だか分かんないけども、すごく良い残存煙。1カット目、奥になるほど煙は濃くなってる所や影の付け方にとても説得力がある。少なめのディテールなんだけど、立体感や写実性が出ていて最近のお気に入り。全体をじわっと動かしてる所がいいのかなあ。本当に上手い。
・「四月は君の嘘(TV/2015)」 後期OP

もこもこ雲。普段は背景的な存在である雲をセルで描くことで、雲にやわらかさを出している。またメルヘンチックなシーンに合うような、爽やかな色彩もまた素晴らしい。
・「ブラック・ブレッド(TV/2014)」 11話

黒田作画(※推測)。 湧き上がるような煙の発生や、その場に留まる残存煙がじわあと広がっていくのが上手い。特に中央の煙は後ろ(画面右方向)に流れながら広がっていくことによって、煙自体が持つ動くエネルギーと、気流を表現しているのが良い。
さて、「メトロポリス」というのは2001年に公開されたアニメ映画です。りんたろう監督作品。大友克洋が脚本を、名倉靖博が総作画監督を務めました。自分はお話から映像まで大変好きでして、特に気に入っているのがラストに都市が崩壊していくシーン。この爆発、煙、破片はまあ見事です。
・「メトロポリス(劇場/2001)」

密度が高い爆煙作画。最初は熱を持っているので、爆煙は透過光から始まり、だんだんと外気によって冷やされていくに従って、オレンジから濃い灰色へと変化していきます。ホイップクリームが押し出されるかのように、展開していく煙の動きが上手い。触手煙も空気の抵抗を感じさせながら落下していく。

細かい破片と、一挙に画面全体に広がる煙が魅力的なシーン。カットの最後で重そうな破片が落ちて、煙がぶわあっと広がる。後ヅメ(参照)がとても効いている作画。また奥の煙がパッパッと瞬間的に広がっていった後、じんわりと留まるのもまた上手い。

ここはまずレイアウトの奥行きさが良い。そして、奥からドドドンとこちらに向かってくる炎の横を、地面をえぐりながら広がる爆発と破片がいいんですよねえ。爆風によって後ろにはじかれる破片と、前に押し出される破片とがあり、とてもリアル。この爆発と破片が迫ってくる同時進行さが、臨場感を増していて素晴らしい。

落下するビルのパーツと、それによって発生する煙。煙にいくつかの層があり、その層ごとに影をつけているのが特徴的で、キノコ雲(核爆発)のようなリアルさがあります。また、細かく散乱する水しぶきのような煙の発生と消滅が美しい。

地上でモクモクと煙が広がりながら、上から大量の破片が降ってくるシーン。モクモクと広がっている煙の奥で、いきなり発生する爆煙がいいです。また、大量の破片と煙とで、画面の密度は非常に高いシーンになってますが、画面の奥に破片の大部分を降り注がせ、手前には少しだけ散らすという情報量の制御がまた上手い。

これまた大量の破片と煙のシーン。中央の煙が広がる前に、地上で衝撃波が起きているのが上手い。煙の展開による空気の流れが分かるし、煙がまさにこれから広がるという前兆・予兆にもなっているのが良いです。そして、やはりその場で残存している煙のじんわりした描き方が素晴らしい。
これらのエフェクトシーンを描いたのが、村木靖という人なんですが、まあ「村木サーカス」の存在で知っている人も多いと思います。彼のエフェクトはとても写実的で好きなんですが、サーカスばかり話題になってしまって、触れられてないかなあと思い、今回少しだけですが取り上げました。村木エフェクトは、特に煙がいいです。決してディテールは多くないのに、リアルなとこがいい。
・「咲-Saki-全国編(TV/2014)」 13話

佐々木政勝作画。画面を覆ってからの炎の消滅が美しい。昔はもうちょっとゆっくり目に消えていっていたんだけれど、新ドラ辺りからややタイミングが早くなったような。「咲-Saki-」や「ドラえもんズ」での政勝さんの仕事はいつか取り上げたいところ。
・「ソードアート・オンラインⅡ(TV/2014)」 21話

柳作画かも(※推測)。クロス光からの、爆煙作画。このカットでは流線的に影のディテール(ギザギザした奴)が入っているんですが、これが煙に立体感を出していて上手い。あとは影2色使って、全体のフォルム丸ごと動かしてるところで写実性を補っている。

これは誰だか分かんないけども、すごく良い残存煙。1カット目、奥になるほど煙は濃くなってる所や影の付け方にとても説得力がある。少なめのディテールなんだけど、立体感や写実性が出ていて最近のお気に入り。全体をじわっと動かしてる所がいいのかなあ。本当に上手い。
・「四月は君の嘘(TV/2015)」 後期OP

もこもこ雲。普段は背景的な存在である雲をセルで描くことで、雲にやわらかさを出している。またメルヘンチックなシーンに合うような、爽やかな色彩もまた素晴らしい。
・「ブラック・ブレッド(TV/2014)」 11話

黒田作画(※推測)。 湧き上がるような煙の発生や、その場に留まる残存煙がじわあと広がっていくのが上手い。特に中央の煙は後ろ(画面右方向)に流れながら広がっていくことによって、煙自体が持つ動くエネルギーと、気流を表現しているのが良い。
さて、「メトロポリス」というのは2001年に公開されたアニメ映画です。りんたろう監督作品。大友克洋が脚本を、名倉靖博が総作画監督を務めました。自分はお話から映像まで大変好きでして、特に気に入っているのがラストに都市が崩壊していくシーン。この爆発、煙、破片はまあ見事です。
・「メトロポリス(劇場/2001)」

密度が高い爆煙作画。最初は熱を持っているので、爆煙は透過光から始まり、だんだんと外気によって冷やされていくに従って、オレンジから濃い灰色へと変化していきます。ホイップクリームが押し出されるかのように、展開していく煙の動きが上手い。触手煙も空気の抵抗を感じさせながら落下していく。

細かい破片と、一挙に画面全体に広がる煙が魅力的なシーン。カットの最後で重そうな破片が落ちて、煙がぶわあっと広がる。後ヅメ(参照)がとても効いている作画。また奥の煙がパッパッと瞬間的に広がっていった後、じんわりと留まるのもまた上手い。

ここはまずレイアウトの奥行きさが良い。そして、奥からドドドンとこちらに向かってくる炎の横を、地面をえぐりながら広がる爆発と破片がいいんですよねえ。爆風によって後ろにはじかれる破片と、前に押し出される破片とがあり、とてもリアル。この爆発と破片が迫ってくる同時進行さが、臨場感を増していて素晴らしい。

落下するビルのパーツと、それによって発生する煙。煙にいくつかの層があり、その層ごとに影をつけているのが特徴的で、キノコ雲(核爆発)のようなリアルさがあります。また、細かく散乱する水しぶきのような煙の発生と消滅が美しい。

地上でモクモクと煙が広がりながら、上から大量の破片が降ってくるシーン。モクモクと広がっている煙の奥で、いきなり発生する爆煙がいいです。また、大量の破片と煙とで、画面の密度は非常に高いシーンになってますが、画面の奥に破片の大部分を降り注がせ、手前には少しだけ散らすという情報量の制御がまた上手い。

これまた大量の破片と煙のシーン。中央の煙が広がる前に、地上で衝撃波が起きているのが上手い。煙の展開による空気の流れが分かるし、煙がまさにこれから広がるという前兆・予兆にもなっているのが良いです。そして、やはりその場で残存している煙のじんわりした描き方が素晴らしい。
これらのエフェクトシーンを描いたのが、村木靖という人なんですが、まあ「村木サーカス」の存在で知っている人も多いと思います。彼のエフェクトはとても写実的で好きなんですが、サーカスばかり話題になってしまって、触れられてないかなあと思い、今回少しだけですが取り上げました。村木エフェクトは、特に煙がいいです。決してディテールは多くないのに、リアルなとこがいい。
2015年冬アニメから眺め見る、マップ兵器表現
まずマップ兵器表現とは、なんぞやという方のために少し。
・「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日(1992-98)」

今川監督作。アルベルトのビーム。このように、「狙い撃つぜ!」というよりは、「全方位に向けてミサイル発射!」みたいな感じですね。網羅的に敵を殲滅する描写の表現です。これは光球爆発同士がつながることで、攻撃範囲の大きさを描写してる。後、放射状のラインは光のピカっとする感じを表してますね。かっちょいい。
今回は、深夜アニメ3本に何ともタイムリーに「マップ兵器表現」が使用されていたので、ちょっと取り上げます。それぞれの工夫に注目されたし。
・「アルドノアゼロ(2015)」 21話

ゼブリンによる雷撃。これはマップ兵器表現の光球爆発ではないバージョン。記号化されずに、煙の柱がドドドンと展開されていく。アトランダムな爆発の発生も魅力的。
・「ローリング☆ガールズ(2015)」 08話

これカッコ良かった。ショックコマ(全面黒とか全面白)をはさみながらの、マップ兵器表現。その上、光球爆発は板野一郎発明の円→三日月→円のリピート光球。表現をいくつも使って、挑戦してる感じが出てていいですね。

こちらは円周的に展開されていく、マップ兵器表現。「エヴァ序」とも似てるけど、こちらのほうはやや展開されていくスピードが早い。ここに光球爆発の縮小・拡大や光球の大小さが追加されると。さらに気持ちいいものになると思う。ちょっと惜しい。
・「蒼穹のファフナー EXODUS(2015)」 09話


実にオーソドックスなマップ兵器表現。クロス光から球体が生成されていく過程が美しい。gif2個目はPANの感じがいいです。ばばーんと敵を倒していく爽快感みたいなのが描写されてるなあと。厳密には光球じゃないんですけど、形は球体ですので、これもマップ兵器表現でいいかなと思います。
定義に関しては、前回も言ったとおり曖昧なままです。言葉の選び方がどうのこうのとか、用語(マップ兵器)の使い方が正しくないとかいろんな所で散見されて言いたいことは分かるんだけど、そこは的外れというか。本質ではないというか。まあ上手く言えないので、ちょっととある方のツイートを引用。
まさしくこの人の仰るとおりで。ある1つの映像表現に対して、一対一で対応する用語ができると理解や認識がすごく深まるんですよ。それこそ、バレットタイムが代表的な例ですよね。ネオが弾を避けるというシーンをみんな知ってる。けれど、バレットタイムという用語を当てはめることで、さらに表現についての考えや理解が深まる。スチルカメラいっぱい使って取ってるんだ、とか。これは高速度撮影の一種なんだ、とか。つまり、共通の認識ができることで、その表現に対しての理解や考え方が深まるということなんですね。
ということが言いたかった。定義とかどうでもいいってことはないんですけど、そこを目的化しちゃうと、表現に関する理解は広がらないので、みんなで楽しく「マップ兵器表現」について話をすることができない。そうなると、何かどうでもいいことにばっかりお話が発展していっちゃう。結果、どうでもいいお話に終始してしまいます。これって、すごく意味ないですよね。
・「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日(1992-98)」

今川監督作。アルベルトのビーム。このように、「狙い撃つぜ!」というよりは、「全方位に向けてミサイル発射!」みたいな感じですね。網羅的に敵を殲滅する描写の表現です。これは光球爆発同士がつながることで、攻撃範囲の大きさを描写してる。後、放射状のラインは光のピカっとする感じを表してますね。かっちょいい。
今回は、深夜アニメ3本に何ともタイムリーに「マップ兵器表現」が使用されていたので、ちょっと取り上げます。それぞれの工夫に注目されたし。
・「アルドノアゼロ(2015)」 21話

ゼブリンによる雷撃。これはマップ兵器表現の光球爆発ではないバージョン。記号化されずに、煙の柱がドドドンと展開されていく。アトランダムな爆発の発生も魅力的。
・「ローリング☆ガールズ(2015)」 08話

これカッコ良かった。ショックコマ(全面黒とか全面白)をはさみながらの、マップ兵器表現。その上、光球爆発は板野一郎発明の円→三日月→円のリピート光球。表現をいくつも使って、挑戦してる感じが出てていいですね。

こちらは円周的に展開されていく、マップ兵器表現。「エヴァ序」とも似てるけど、こちらのほうはやや展開されていくスピードが早い。ここに光球爆発の縮小・拡大や光球の大小さが追加されると。さらに気持ちいいものになると思う。ちょっと惜しい。
・「蒼穹のファフナー EXODUS(2015)」 09話


実にオーソドックスなマップ兵器表現。クロス光から球体が生成されていく過程が美しい。gif2個目はPANの感じがいいです。ばばーんと敵を倒していく爽快感みたいなのが描写されてるなあと。厳密には光球じゃないんですけど、形は球体ですので、これもマップ兵器表現でいいかなと思います。
定義に関しては、前回も言ったとおり曖昧なままです。言葉の選び方がどうのこうのとか、用語(マップ兵器)の使い方が正しくないとかいろんな所で散見されて言いたいことは分かるんだけど、そこは的外れというか。本質ではないというか。まあ上手く言えないので、ちょっととある方のツイートを引用。
「マップ兵器」でまとめたアニメ記事、名づけの強さをすごく感じて好き。この名づけがアニメ界では標準なのかな?名づけによって、その技法が深化しやすくなると思う。すばらしい。
— ネコプロトコル (@nekoprotocol) 2015, 2月 26
まさしくこの人の仰るとおりで。ある1つの映像表現に対して、一対一で対応する用語ができると理解や認識がすごく深まるんですよ。それこそ、バレットタイムが代表的な例ですよね。ネオが弾を避けるというシーンをみんな知ってる。けれど、バレットタイムという用語を当てはめることで、さらに表現についての考えや理解が深まる。スチルカメラいっぱい使って取ってるんだ、とか。これは高速度撮影の一種なんだ、とか。つまり、共通の認識ができることで、その表現に対しての理解や考え方が深まるということなんですね。
ということが言いたかった。定義とかどうでもいいってことはないんですけど、そこを目的化しちゃうと、表現に関する理解は広がらないので、みんなで楽しく「マップ兵器表現」について話をすることができない。そうなると、何かどうでもいいことにばっかりお話が発展していっちゃう。結果、どうでもいいお話に終始してしまいます。これって、すごく意味ないですよね。
最近の「マップ兵器」表現と、”記号的”に対する大事な考え方
先日書いた記事があまりに評判で、びっくりです。たくさんの方に見ていただいたのでお礼記事も兼ねて、今回は満員御礼みたいな感じで、「マップ兵器」的な表現をもう少しgifで紹介したいと思います。
まず、その前に「マップ兵器」という呼称について。これには多様な意見がありました。先日の記事、及びこの記事においては、分かりやすさを優先しこの呼称にしています。一本線ビームと、大量ミサイル、反応兵器など、多種多様な兵器群はあくまで「兵器」であり、その結果として描写される、複数の光球爆発が「マップ兵器(的)表現」と整理しています。「兵器群」について一対一対応で分類して定義するのは、非常に複雑になりますし、そもそもこの定義は元々それなりに曖昧なものでありますので、その「曖昧さ」を含んだ上で定義していいという風に判断しています。
簡単にわかりやすく説明するならば、マップ兵器表現とは、「個別にロックオンして狙うのではなく、多数の兵器や網羅的な攻撃範囲の兵器によって、その場所にいる敵を見境なく倒す表現」という感じですね。
・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(劇場/2007)」
樋口コンテ。増尾特技監督。ラミエルたんのなぎ払いビーム。ここのカットは本当にレイアウトがよく出来てて、光球爆発の大小もあるんだけど、奥から手前に描写することで、画面全体の立体感と臨場感を出している。
・「コードギアス 反逆のルルーシュR2(TV/2008)」
光球爆発を半分透過させてのマップ兵器表現。紅蓮の羽根を通って見える光球爆発の描写は、紅蓮自体の大きさや強さといったものを演出している。光球爆発と紅蓮が対比されていて、奥行きあるレイアウトになっている。
・「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-(劇場/2010)」
これはマップ兵器表現と呼んでいいか微妙なんだけども、光球爆発が絡んでいるので。PANで勢いをつけてから、急停止させ慣性を感じさせるカメラワークは見事。どことなくガンダム00は、「トップをねらえ!」リスペクトを随所に感じる。ELSの大群とか。
同作品。こっちはマップ兵器表現と呼んでいいだろう。光球爆発の消滅描写が特に良い。昔のゲームに出てくる爆発のリピート描写のように、球体に沿った線が残ることで、光球の消滅に立体感をもたらしている。
・「シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜(TV/2012)」 11話
カメラワークと素材の動かしでの簡易的なマップ兵器表現。2カット目のジグザグカメラワーク、3カット目の光球爆発のスライドによって表現してますね。簡易的ではありますが、しっかりと表現されている。そして、ラストの爆発によって、それまでの記号的なマップ兵器表現に意味がもたらされているように感じる。(※描写は省略してるけど、各地でもこんな爆発が発生してるといった感じの意味。)
・「イナズマイレブンGO クロノ・ストーン(TV/2012-13)」 49話
クロスフィルターっぽいものを散りばめてからのマップ兵器表現。光球爆発がアトランダム的で、写実さを発現させている。キラキラは現象(マップ兵器表現)の予兆になっている。
・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012)」
増尾特技監督。(質量兵器の)マップ兵器表現。中野フラッシュからのCGで光球爆発を描く。ここでは、奥行きよりも臨場感を優先していて、あたかも眼前で起こっているかのようにインパクトのある画にしている。
そして、これは「POPCHASER(OVA/1985)」における、増尾作画にとても印象が似ている。
・「POPCHASER(OVA/1985)」
増尾作画。タイミングとショックコマの使い方が何ともそっくりだ。特にタイミングの方が大きい。ショックコマ(黒コマ、白コマ)の使用によって画面にメリハリを出すのは、やはり増尾が大変に得意とするところと感じる。
・「機動戦士ガンダムAGE(TV/2013)」 31話
ぶったぎりビームからの光球爆発。ここで、光球爆発は右から左にテンポよく発生していき、最後には光球の光が拡散していき爆発へと繋がる。この一連の流れがスムーズで、印象的になっている。
・「蒼き鋼のアルペジオ(TV/2013)」 11話
これは光球爆発を使っていない、マップ兵器表現。サンジゲンCG。軽巡ナガラを攻撃し、煙の柱がドドドンと立っていくのをフォローで映した後、俯瞰アングルから全体を見せるカット割り。
・「革命機ヴァルヴレイヴ(TV/2013)」 11話
ダブルアクション的なマップ兵器の表現。光球爆発の間々に、中野フラッシュが所々挿入されていて、印象的にさせようという工夫を感じる。各地戦闘の描写である他の光球との差別化のために、マップ兵器表現の方は、光球自体が爆発した後も消滅せずに描写されている。
これらのgifも合わせて見ると、記号的になった「マップ兵器」の表現に対し、新たな解釈、新たな工夫がなされていることが分かります。ただの模倣に留まるだけでなく、どうすればより魅力的になるかをしっかりと考えている。つまり、記号化された表現の再解釈です。これこそが、「記号的な表現」を新たに表現する際に最も大事なことです。模倣も必要ではありますが、それよりも元の表現に対する深い理解と自分なりの解釈の方が必要不可欠と考えます。それらが、表現を豊かにし、発展させていきます。
この考え方は、「記号的な表現」においてのみだけではなく、アニメーションそのものに対しても言えると思います。例えば、模倣の対象となるアニメーターの元の画が、どれほど魅力的なものであっても、その模倣が必ずしも魅力的になるとは限りません。それどころか、元の画に対する理解や解釈もせずに、表面的な部分だけをなぞり、とんちんかんな画を作ってしまう場合の方が多い印象です。試行錯誤、創意工夫、自分なりの解釈、これらがアニメーションを発展させていくために必要なのは間違いないことだと考えています。
まず、その前に「マップ兵器」という呼称について。これには多様な意見がありました。先日の記事、及びこの記事においては、分かりやすさを優先しこの呼称にしています。一本線ビームと、大量ミサイル、反応兵器など、多種多様な兵器群はあくまで「兵器」であり、その結果として描写される、複数の光球爆発が「マップ兵器(的)表現」と整理しています。「兵器群」について一対一対応で分類して定義するのは、非常に複雑になりますし、そもそもこの定義は元々それなりに曖昧なものでありますので、その「曖昧さ」を含んだ上で定義していいという風に判断しています。
簡単にわかりやすく説明するならば、マップ兵器表現とは、「個別にロックオンして狙うのではなく、多数の兵器や網羅的な攻撃範囲の兵器によって、その場所にいる敵を見境なく倒す表現」という感じですね。
・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(劇場/2007)」
樋口コンテ。増尾特技監督。ラミエルたんのなぎ払いビーム。ここのカットは本当にレイアウトがよく出来てて、光球爆発の大小もあるんだけど、奥から手前に描写することで、画面全体の立体感と臨場感を出している。
・「コードギアス 反逆のルルーシュR2(TV/2008)」
光球爆発を半分透過させてのマップ兵器表現。紅蓮の羽根を通って見える光球爆発の描写は、紅蓮自体の大きさや強さといったものを演出している。光球爆発と紅蓮が対比されていて、奥行きあるレイアウトになっている。
・「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-(劇場/2010)」
これはマップ兵器表現と呼んでいいか微妙なんだけども、光球爆発が絡んでいるので。PANで勢いをつけてから、急停止させ慣性を感じさせるカメラワークは見事。どことなくガンダム00は、「トップをねらえ!」リスペクトを随所に感じる。ELSの大群とか。
同作品。こっちはマップ兵器表現と呼んでいいだろう。光球爆発の消滅描写が特に良い。昔のゲームに出てくる爆発のリピート描写のように、球体に沿った線が残ることで、光球の消滅に立体感をもたらしている。
・「シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜(TV/2012)」 11話
カメラワークと素材の動かしでの簡易的なマップ兵器表現。2カット目のジグザグカメラワーク、3カット目の光球爆発のスライドによって表現してますね。簡易的ではありますが、しっかりと表現されている。そして、ラストの爆発によって、それまでの記号的なマップ兵器表現に意味がもたらされているように感じる。(※描写は省略してるけど、各地でもこんな爆発が発生してるといった感じの意味。)
・「イナズマイレブンGO クロノ・ストーン(TV/2012-13)」 49話
クロスフィルターっぽいものを散りばめてからのマップ兵器表現。光球爆発がアトランダム的で、写実さを発現させている。キラキラは現象(マップ兵器表現)の予兆になっている。
・「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(劇場/2012)」
増尾特技監督。(質量兵器の)マップ兵器表現。中野フラッシュからのCGで光球爆発を描く。ここでは、奥行きよりも臨場感を優先していて、あたかも眼前で起こっているかのようにインパクトのある画にしている。
そして、これは「POPCHASER(OVA/1985)」における、増尾作画にとても印象が似ている。
・「POPCHASER(OVA/1985)」
増尾作画。タイミングとショックコマの使い方が何ともそっくりだ。特にタイミングの方が大きい。ショックコマ(黒コマ、白コマ)の使用によって画面にメリハリを出すのは、やはり増尾が大変に得意とするところと感じる。
・「機動戦士ガンダムAGE(TV/2013)」 31話
ぶったぎりビームからの光球爆発。ここで、光球爆発は右から左にテンポよく発生していき、最後には光球の光が拡散していき爆発へと繋がる。この一連の流れがスムーズで、印象的になっている。
・「蒼き鋼のアルペジオ(TV/2013)」 11話
これは光球爆発を使っていない、マップ兵器表現。サンジゲンCG。軽巡ナガラを攻撃し、煙の柱がドドドンと立っていくのをフォローで映した後、俯瞰アングルから全体を見せるカット割り。
・「革命機ヴァルヴレイヴ(TV/2013)」 11話
ダブルアクション的なマップ兵器の表現。光球爆発の間々に、中野フラッシュが所々挿入されていて、印象的にさせようという工夫を感じる。各地戦闘の描写である他の光球との差別化のために、マップ兵器表現の方は、光球自体が爆発した後も消滅せずに描写されている。
これらのgifも合わせて見ると、記号的になった「マップ兵器」の表現に対し、新たな解釈、新たな工夫がなされていることが分かります。ただの模倣に留まるだけでなく、どうすればより魅力的になるかをしっかりと考えている。つまり、記号化された表現の再解釈です。これこそが、「記号的な表現」を新たに表現する際に最も大事なことです。模倣も必要ではありますが、それよりも元の表現に対する深い理解と自分なりの解釈の方が必要不可欠と考えます。それらが、表現を豊かにし、発展させていきます。
この考え方は、「記号的な表現」においてのみだけではなく、アニメーションそのものに対しても言えると思います。例えば、模倣の対象となるアニメーターの元の画が、どれほど魅力的なものであっても、その模倣が必ずしも魅力的になるとは限りません。それどころか、元の画に対する理解や解釈もせずに、表面的な部分だけをなぞり、とんちんかんな画を作ってしまう場合の方が多い印象です。試行錯誤、創意工夫、自分なりの解釈、これらがアニメーションを発展させていくために必要なのは間違いないことだと考えています。
3人のアニメーターが完成させた、「マップ兵器」表現の変遷とその影響
マップ兵器というのは、いわゆる「個々に対してではなく、広範囲を全体的に攻撃する兵器」の総称で、スパロボ等SRPGで使われる事が多い言葉です。具体例を挙げると、核兵器や水素爆弾であったり、アニメで言えば、ホーミングレーザー(「トップをねらえ!」)や相転移砲(「機動戦艦ナデシコ」)ですね。大雑把にわかりやすく言ってしまえば、「薙ぎ払え!」ということですね。
具体例を見てもらったほうがわかりやすいと思うので2つほど。
・「魔法少女リリカルなのはStrikerS(07/TV)」 26話
なのはSTSにおける、マップ兵器表現。光球が拡大と縮小を繰り返しながら、横にPANすることで、「広範囲に渡って敵を殲滅している」という描写になっています。これは単純に言うと、「圧倒的な強さ」の表現ですね。
・「米韓合同軍事演習(資料映像)」
(NHKニュースより引用)
これは先日見つけた、米韓合同軍事演習の資料映像における1シーンです。個々の船艦や航空機を狙うのではなく、全体を網羅的に攻撃していることがわかると思います。[追記]これは、発煙筒で煙幕を張っているようですね(参考:在日米海兵隊さんのTweet)。こういった現実における兵器の表現が、アニメではどういう風に発展されていったのかについて、少し自分の考えを説明したいと思います。
<1、80年代初期の光球爆発の表現>
まず最初に、70年代後半~80年代初期における、たくさんの光球爆発が下地としてあります。これは簡単にいうと、宇宙戦闘において、敵との攻防を記号的に示すための表現であり、またリピート作画にして作画負担を軽くしつつ、戦闘を見せるという表現ですね。具体的な作品で言えば、「伝説巨神イデオン(80)」などの時代です。
・「伝説巨神イデオン(TV/80)」 14話
明滅する光球爆発の描写。単純な球形を用いて、リピート的に戦闘の描写をしています。これはマップ兵器というよりも、宇宙空間における各地戦闘の基本的な形です。
・「機動戦士ガンダム(TV/79)」 35話
こちらも光球爆発による明滅表現の一種。明滅の仕方や、カメラワークによって多数の戦闘が各地において起こっている事が描写されています。
・「超時空要塞マクロス(TV/82)」 06話
ダイダロスアタックの後、機体の表面が膨張していく様子。この膨張の仕方やカメラのPANの仕方は、マップ兵器の表現の基礎となっていて、後年に活かされることになります。
<2、「マップ兵器」表現の2つの方向性 - 庵野秀明と増尾昭一>
その後(1970年代~80年代前半)、マップ兵器の表現が記号的に完成される以前においては、「A:波動砲(宇宙戦艦ヤマト)の相似表現」と「B:核爆発の描写再現」の2方向があったと推測しています。前者は、「宇宙戦艦ヤマト」の流れを引き継いだ、波動の相似表現であり、ズガーンと多数の敵を吹き飛ばすような表現です。後者は、それとは対極的に、写実的な方向性を持って、あくまでも忠実な再現に務めるという表現でした。このように、デフォルメ的にアニメの流れを引き継ぐ方向性と写実的な方向性の2つがあったと考えています。実際に、その2方向を見て行きたいと思う。
A:波動砲の相似的表現の具体例
・「超時空世紀オーガス(TV/83-84)」 09話
増尾作画。ズドーンと一本線のビームが走り、色んなものを破壊している描写。「宇宙戦艦ヤマト」における、波動砲を真似した大砲的な表現、全てをなぎ払い、爽快感をもたらすビーム表現が80年代には多く見られました。この波動砲の相似表現は、のちに「マップ兵器」が表現として完成される時に、カメラワークとレイアウトの基礎となります。
B:核爆発などのリアルの描写を再現している具体例
・「DAICON Ⅳ Opening Animation(自主制作/83)」
庵野作画。核爆発の有名な作画で、爆縮や吹き戻しの描写が見られる。極めて写実的な表現であり、庵野作画において最もベストな作画の1つと個人的には思ってる。
・「風の谷のナウシカ(劇場/84)」
庵野作画。これまた有名な巨神兵ビームの作画です。ディテールは少なく、しかし高密度さを保っている作画は30年経った今でも素晴らしいと感じる。やはりこちらも煙の押し潰される描写など、とてもフォトリアル。
これらの2方向がアニメにおける、マップ兵器の本格的な始まりだと考えています。そうして、これらのマップ兵器表現がどうやって発展していったか。まずは、庵野秀明、増尾昭一、両者の作画スタイルからおさらいしましょう。
庵野は、「風の谷のナウシカ(劇場/84)」「王立宇宙軍 オネアミスの翼(劇場/87)」と写実黄金期で、とにかく「写実性」にこだわっている時期です。一方増尾は、「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(劇場/84)」「プロジェクトA子(OVA/86-)」など、山下系(※デフォルメ調の爆発)から板野系な爆発(※まん丸なフォルムで描かれる、ディテール少なめの爆発)へと移る転換期であります。
ここで、彼らにはある共通点が浮かんできます。その共通点は、板野一郎という存在です。そもそも、庵野と増尾、2人が出会ったのは、板野一郎が作監を務めた「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の制作においてでして(参1)。板野一郎が庵野の師匠であるというのは有名な話ですが、増尾も当時「超時空要塞マクロス」に参加できないために在籍していたスタジオを抜けたという逸話もあったり、その逸話を抜きにしても、その劇場版である「愛・おぼ」に作監補として参加したり、後続作品の「超時空世紀オーガス」に参加して獅子奮迅の活躍を見せています。そういった点で、板野一郎やマクロスに惹かれるものがあったんだろうと感じます。こういうわけで、両者ともに作画面はもとよりレイアウトにも、多大な影響を受けているのは間違いないと思います。
また、板野一郎のエフェクト作画と言えば、シンプルなフォルムでタイミングを重視した写実的な作画です。この前、日本アニメ(ーター)見本市において、安彦良和とともに原撮集が映像として公開されていましたが、基本的に板野一郎と言えば「板野サーカスの人」という認識が強く、エフェクト作画にはさほど触れない場合が多いです。ということで、そもそも板野作画を未見である人が多いと思いますので、まずは「メガゾーン23(OVA/85)」と「超時空要塞マクロス 09話(TV/82)」における、板野作画をご覧いただきたい。
・「メガゾーン23(OVA/85)」
(※ごめん、これサーカスだ。まあシンプルな球形描写という点では、分かってもらえると思う。)
・「超時空要塞マクロス(TV/82)」 09話
球形オンリーという、実にシンプルなフォルムのエフェクト。ディテールは少ないですが、タイミングの巧さによって写実性を発現させています。繰り返しますが、板野作画は庵野、増尾の作画の源流であります。影響を受けた2人のアニメーターが、板野作画や考え方を取り入れ、「マップ兵器」の表現を完成させていきます。では、板野一郎が目指した、エフェクトアニメーションの考え方とはどういったものなのか。
感覚的ではなく、計算的なエフェクトアニメーションの試行錯誤や、リピートによって簡略化しながらも迫力を残そうと追求しています。これが板野さんのエフェクトに対する当時(「伝説巨神イデオン」等)の考え方でした。こういった考え方を庵野、増尾は吸収し、自分たちの作画に取り入れ、昇華させていきます。そんな2人が監督、演出という立場で参加したある作品が、マップ兵器という表現においてはエポックであると考えます。
<3、マップ兵器の記号的表現の完成>
・「トップをねらえ!(OVA/88-89)」 05話
そうです、その作品とはSF美少女ロボアニメの金字塔「トップをねらえ!」です。この2つについては、増尾作画(※推測)かと。ここで、マップ兵器について初めての記号的な表現が完成しました。ちなみに、これは板野系からフォルム重視系の作画に転換した際に増尾昭一が残したであろう、板野系の名残だと考えていたり。とにかく、この「マップ兵器」の表現については、板野一郎から影響を受けたと思われる部分が散見されます。
ます、このマップ兵器表現は、板野爆発(光球作画も含めて)を極めて簡略化した上で、タイミングとカメラワーク(レイアウト含む)を重視して作られていると感じます。テンポ良く展開されていく光球爆発の描写、その光球爆発に大きさとタイミングをつけることによって奥行きの感じられるレイアウトになり、PANにより画面に勢いと疾走感をつけるカメラワークなどが特徴的です。これらは、「トップをねらえ!」から20年以上経った今でも非常に魅力的です。だとするならば、当時の演出家たちが心打たれないはずがない。
<4、「トップ05話」のマップ兵器の表現のオマージュと発展>
心打たれた演出家たちは、先程見ました「トップ05話」に出てきたマップ兵器の表現を取り入れて、発展させていきます。ほとんどの部分は、「トップ05話」で完成しているんですが、それぞれに自分の個性を追加して、より独自性を出し、魅力的にしている。
・「フォトン(OVA/96)」 06話
橋本作画。球形の大きさに差をつけることで、宇宙空間の広大さを演出し、奥行きある画面作りになっています。右にフォローしていくカメラワークも、「トップ05話」からの影響が見られる。
光球爆発を右から左へと展開させることにより、敵の殲滅具合に対し時間差を感じ取れ、リアルさが増す。また手前の爆発と奥の光球爆発のタイミングに差があり、ここでも画面に奥行きを出してる。つまり、時間と物体による、二重構造の奥行きの演出になっています。
・「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(劇場/99)」
橋本作画。細田守作品。前述した「トップをねらえ!」05話のカット割り(※おそらく、ホーミングレーザーやバスタービームのシーン等)に似ている。カメラのPANの仕方にやや差はありますが、とても似てます。ここで、アニメスタイルのインタビュー記事から少し引用します。
おそらく、これがそのシーンです。
・「トップをねらえ!(OVA/88-89)」 05話
増尾作画。このように比べてみると、本当似ていることが分かります。ドドドンと画面奥から手前へと爆発が押し寄せてる。(ホーミングレーザーのカットはここ載せていませんが)、ガンバスターの挙動も含め、細田守が「トップをねらえ!」を意識してコンテを描いたことや、その影響力の大きさを改めて感じます。
・「劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇(劇場/09)」
今石監督作。サンジゲンCG。グレンブーメランを投げて、ムガンを殲滅していくシーンです。フォローで追っかけていって、最後に少し画面が寄ります。光球爆発の大小さによる、画面の奥行きが見事。さて、ここでアニメスタイルのインタビューでこのシーンについて、今石監督が述べているインタビューがあるので、そちらを少し紹介。
光球が爆発した後、奥から手前に流れてきているのが分かると思います。無論このシーンだけではないでしょうが、これを中心にサンジゲンは「トップをねらえ!」の05話を踏襲し、グレンラガンのあの描写を完成させたというのが上記の引用とgifで理解できると思います。
・「はたらく魔王さま!(TV/13)」 05、13話
爆発内部から、広がるような作画要素が追加されていることが分かる。光球の大きさも大中小と工夫されていて、非常に洗練された形のマップ兵器の描写。
たくさんの光球爆発とカメラPAN。さらには、画面下にもう一列足すことによって、画面の迫力を増している。下部の方が、大きい光球なのもいい味を出している。
・「ガンダムビルドファイターズ(TV/13-14)」 25話

奥で展開される球形爆発が、ドドドンと迫り上がるように手前に広がってくる。これはタイミングが凄く上手い。まさしく臨場感を増すように、光球爆発が大きくなっているんですよね。「ガンダムビルドファイターズ25話」においては、この他にもマップ兵器的な表現が多数見られたりもします。
・「キルラキル(TV/13-14)」 10話
球形爆発の拡大縮小によって画面に奥行きを出しています。これも「トップ05話」と通じるところが多いですね。ちなみにこれもサンジゲンCG。増尾作画は、CGに対しての影響力が大きいですね。本人がデジタルに対して強いというのも関係しているんでしょうか。
このような感じで、細田守作品、親子が劇場で見るようなアニメ作品から、深夜の魔法少女モノ、フルCG作品、さらには近年のガンダム作品や、人気を博したヤングガイナの作品にまで、板野から始まり増尾と庵野が完成させた「マップ兵器」の表現が登場する。これが何を意味するか。まずは、「トップをねらえ!」という作品のアニメ業界に与えた影響の大きさです。これだけ多くのところで意識されている時点で、その影響力の大きさは言うまでもないかもしれませんが、やはり影響力は思っているより大きい。もう1つとしては、そういった表現を作ったアニメーターたちの作画を間接的に見ているということです。板野一郎、庵野秀明はともかくとして、増尾昭一の名前を知っているという一般の方は少ないです。これは増尾の役回りを考えれば当然かもしれませんが、アニメファンでもおそらく名前を知っているだけとか、直接的には作画を見たことない人が多いかもしれない。
しかし、前述した通り、これだけ幅広い層のアニメで「マップ兵器の表現」は使われていますので、間接的には多くの人が板野一郎や増尾昭一の作画や関連した作画を見ていると言っても決して言い過ぎではないと思うんです。板野一郎が土台を作り、庵野と増尾ペアによって完成へと至った「マップ兵器の記号的表現」から分かることは、「トップをねらえ!」と増尾昭一の偉大性です。1つのアニメ的な表現、それもよく使われる記号的表現を完成させたことは、アニメーションの表現の広がりに寄与していると感じます。
<参考文献>
・アニメの作画を語ろう animator interview 板野一郎(1)
・アニメの作画を語ろう animator interview 橋本敬史(1)情熱で始めたアニメーターの仕事
・第50回 石黒昇、板野一郎、庵野秀明、三世代そろった『超時空要塞マクロス』の現場
・第48回 『超時空要塞マクロス』の石黒昇監督、ご逝去を悼む
そんで、本題は、劇中に出てくる「エフェクト」です。ええ、ここからはアンジェラちゃんがどうのこうのとかそういう話は一切しません。お尻にも触れません。徹頭徹尾、「エフェクト」のお話しかしません。煙、爆煙、砂埃、爆発。CG、作画を問わずにまとめて紹介したいと思う。
(「楽園追放」において、演出を務められた京田さんから色々と指摘をいただいたので、一部訂正しました。雑でごめんなさいね。そーす→1、2、3、4。京田さん、ありがとうございます。)
さて大きな見どころとしては、やはり終盤。フロンティアセッターによって解放されたアンジェラがド派手に暴れまくるところから、ラストの打ち上げまで。カットごとに、少しずつ見て行きましょう。
・最新アーハンとサポートシステムを奪取するところ
姿勢制御スラスターを使い、回頭しているシーン。ここのスラスターが細かく描くことにより、この映像が実際に存在するかのように感じられる。つまりリアルさがある。
・保安局防空隊(赤メカ)の攻撃を交わしているシーン
ここはフルCG。戦闘機や板野サーカスの動きというのは、実に数学的でCGでもやりやすいと思うんだけど、ここでは爆発も素晴らしい。コマ送りしないとCGと分からないし、実際はもっと映像のスピードは速く、それに合った爆発とその煙の残し方(画面からフェードしていく感じ)が良い。
雪の結晶のように展開される爆発がグラフィニカではメインのような気がします。これって「宇宙戦艦ヤマト」であったり、結構古めな爆発なフォルムの気もする。CGにどういうのが適当なのかがイマイチ分からないけど、結構ハマってますよね、コレ見ると。
ここではCGと作画の両方で、爆発シークエンスを楽しむことができる。画面奥では、CGによる爆発があり、手前では中鶴さんの作画(※訂正)による手書き爆発が見て取れる。CGは基本的に画の粒子(ピクセルみたいな)が細かいことが、CG爆発に違和感が発生する原因だと思うんだけど、今回は意図的に粒子数を減らしているような気がする。
橋本作画。ワンカット目のクロス光の多用も印象的で、爆発自体のディテールも細かい。これはそこそこ時間かけたと思う。2カット目も透過光の広がりと消滅、そして触手煙を中心とした消え行く煙(画面左から中央)が上手い。まるで、演技を終えた役者が舞台から自然と去っていく感じ。
電撃エフェクト。刺々しい電撃の合間にタタキのような小さいパーティクルも存在していることが分かりますね。実際の電撃というものをあまり見たことがないからアレですけど、このタタキはディテールアップのためだと思う。ただリアルを写しとってアニメに落としこむだけではなくて、こういった変換的な追加も必要なんだと思います。
・サーカスからの爆煙
全面CG煙。ここがCGの煙では一番良かったように思う。粒子数を減らしセルに色合いを近づけながら、タイミングもしっかりとこだわっているのがわかる。カット終盤の覆いかぶさってくるような、ダブラシ煙がいい味出してるんですよねえ。
ここは誰か分かんないけど、上手かった。吉岡さんによる作画(※訂正)。ジャミングスモークがその場に留まっている状態から、ミサイルがそれを突き破るという状況なんだけど、煙が破られるタイミングが特に良かった。多くの場合は早いタイミング(ミサイルがまだ来ていない状態)で空いてしまうんだけど、ここではミサイルが通った後に、そのミサイルの動きに合わせるかのようなタイミングで煙を突き破っている。戦闘機における、マッハの描写みたいな感じ。ちゃんと考えてアニメートしていることが分かる。
ここは、レイアウトとタイミングの勝利。奥行きのある画面を用意し、そして奥から連続爆発。しかも爆発が手前側になるにつれ、徐々に速くなってきているのがわかる。これによって、ことさら爆発の臨場感は増すし、同時にリアルさも増す。また連続爆発なんだけど、爆発と爆発の間のテンポは一定ではなく、ゆらぎがあるのがまたいい。多分タイミングは相当凝ったはず。これは考えてやってる。それもとんでもなく。
・市街地における爆発集
グラフィニカらしいフォトリアルな爆発。ズドドンと植物が生えるように展開されるフォルムは美しい。そして、画面手前(左)の爆発と画面奥(右)の爆発とでタイミングが異なっているのがとてもいいなあと感じた。せっかくレイヤーを分けているのに、タイミングは何故か全て同じということがCG爆発では多いので、こういったCG爆発に(セル時代の)知恵や感性を持ち込んでいるのが良かった。
PANしながらの連続爆発3つ。これもまた透過光も上手いし、触手煙も上手い。瞬間的な広がり方から、じんわりとしたその場での留まる煙の感じ、そうして動くべきところ(触手煙)は動かしてる、これが良いです。
透過光は前述した通り、発生と消滅も素晴らしいんだけど、ここでは触手煙の飛び方がいい。触手煙のタイミング、そのまま残っている煙との対比でぴょーんと飛んで行く感じがすごい良いですね。
・倒壊シーンと高架橋の崩壊
おそらく橋本作画。CGではないと思う多分。ここまでくると、レイヤーの氾濫ですよね。何層にも重なって、臨場感と立体感を出そうとしてる。いいなあ。破片もまた別セルでしょうけど、細かく描かれていて、ディテールアップに貢献してる。
【追記 2015/02/14】
Twitterで情報を頂きました(ありがとうございます)。
・ロケット打ち上げシーン
ラスト打ち上げ。小澤さんによる作画(※訂正)。もこもこした煙と、そのしっかりとした動かし方は見事。2カット目で少し留まる大気・煙がここでは一番良くて、写実性を高めている。これにはフロンティアセッターも唖然とするしかない。
少し雑かもですが、「楽園追放」のエフェクト、CG・手書き問わずに紹介しました。CGによる爆発作画も進化を遂げていて、まさしくグラフィニカすげえなって感じです。今までのアニメ作品では必ずと言っていいほど、見所となるシーンには手書きでの爆発作画だったんですが、「楽園追放」では違っています。見せ場にCGを持ってくることも多々あるし、普通のシーンに作画を使う場合もある。それぞれの長所を活かして採用している印象を受けました。とにもかくにも、エフェクト好きとしては大変楽しめました。いやあ、CG爆発もいいもんですね。
具体例を見てもらったほうがわかりやすいと思うので2つほど。
・「魔法少女リリカルなのはStrikerS(07/TV)」 26話
なのはSTSにおける、マップ兵器表現。光球が拡大と縮小を繰り返しながら、横にPANすることで、「広範囲に渡って敵を殲滅している」という描写になっています。これは単純に言うと、「圧倒的な強さ」の表現ですね。
・「米韓合同軍事演習(資料映像)」
(NHKニュースより引用)
これは先日見つけた、米韓合同軍事演習の資料映像における1シーンです。個々の船艦や航空機を狙うのではなく、全体を網羅的に攻撃していることがわかると思います。[追記]これは、発煙筒で煙幕を張っているようですね(参考:在日米海兵隊さんのTweet)。こういった現実における兵器の表現が、アニメではどういう風に発展されていったのかについて、少し自分の考えを説明したいと思います。
<1、80年代初期の光球爆発の表現>
まず最初に、70年代後半~80年代初期における、たくさんの光球爆発が下地としてあります。これは簡単にいうと、宇宙戦闘において、敵との攻防を記号的に示すための表現であり、またリピート作画にして作画負担を軽くしつつ、戦闘を見せるという表現ですね。具体的な作品で言えば、「伝説巨神イデオン(80)」などの時代です。
・「伝説巨神イデオン(TV/80)」 14話
明滅する光球爆発の描写。単純な球形を用いて、リピート的に戦闘の描写をしています。これはマップ兵器というよりも、宇宙空間における各地戦闘の基本的な形です。
・「機動戦士ガンダム(TV/79)」 35話
こちらも光球爆発による明滅表現の一種。明滅の仕方や、カメラワークによって多数の戦闘が各地において起こっている事が描写されています。
・「超時空要塞マクロス(TV/82)」 06話
ダイダロスアタックの後、機体の表面が膨張していく様子。この膨張の仕方やカメラのPANの仕方は、マップ兵器の表現の基礎となっていて、後年に活かされることになります。
<2、「マップ兵器」表現の2つの方向性 - 庵野秀明と増尾昭一>
その後(1970年代~80年代前半)、マップ兵器の表現が記号的に完成される以前においては、「A:波動砲(宇宙戦艦ヤマト)の相似表現」と「B:核爆発の描写再現」の2方向があったと推測しています。前者は、「宇宙戦艦ヤマト」の流れを引き継いだ、波動の相似表現であり、ズガーンと多数の敵を吹き飛ばすような表現です。後者は、それとは対極的に、写実的な方向性を持って、あくまでも忠実な再現に務めるという表現でした。このように、デフォルメ的にアニメの流れを引き継ぐ方向性と写実的な方向性の2つがあったと考えています。実際に、その2方向を見て行きたいと思う。
A:波動砲の相似的表現の具体例
・「超時空世紀オーガス(TV/83-84)」 09話
増尾作画。ズドーンと一本線のビームが走り、色んなものを破壊している描写。「宇宙戦艦ヤマト」における、波動砲を真似した大砲的な表現、全てをなぎ払い、爽快感をもたらすビーム表現が80年代には多く見られました。この波動砲の相似表現は、のちに「マップ兵器」が表現として完成される時に、カメラワークとレイアウトの基礎となります。
B:核爆発などのリアルの描写を再現している具体例
・「DAICON Ⅳ Opening Animation(自主制作/83)」
庵野作画。核爆発の有名な作画で、爆縮や吹き戻しの描写が見られる。極めて写実的な表現であり、庵野作画において最もベストな作画の1つと個人的には思ってる。
・「風の谷のナウシカ(劇場/84)」
庵野作画。これまた有名な巨神兵ビームの作画です。ディテールは少なく、しかし高密度さを保っている作画は30年経った今でも素晴らしいと感じる。やはりこちらも煙の押し潰される描写など、とてもフォトリアル。
これらの2方向がアニメにおける、マップ兵器の本格的な始まりだと考えています。そうして、これらのマップ兵器表現がどうやって発展していったか。まずは、庵野秀明、増尾昭一、両者の作画スタイルからおさらいしましょう。
庵野は、「風の谷のナウシカ(劇場/84)」「王立宇宙軍 オネアミスの翼(劇場/87)」と写実黄金期で、とにかく「写実性」にこだわっている時期です。一方増尾は、「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(劇場/84)」「プロジェクトA子(OVA/86-)」など、山下系(※デフォルメ調の爆発)から板野系な爆発(※まん丸なフォルムで描かれる、ディテール少なめの爆発)へと移る転換期であります。
ここで、彼らにはある共通点が浮かんできます。その共通点は、板野一郎という存在です。そもそも、庵野と増尾、2人が出会ったのは、板野一郎が作監を務めた「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の制作においてでして(参1)。板野一郎が庵野の師匠であるというのは有名な話ですが、増尾も当時「超時空要塞マクロス」に参加できないために在籍していたスタジオを抜けたという逸話もあったり、その逸話を抜きにしても、その劇場版である「愛・おぼ」に作監補として参加したり、後続作品の「超時空世紀オーガス」に参加して獅子奮迅の活躍を見せています。そういった点で、板野一郎やマクロスに惹かれるものがあったんだろうと感じます。こういうわけで、両者ともに作画面はもとよりレイアウトにも、多大な影響を受けているのは間違いないと思います。
また、板野一郎のエフェクト作画と言えば、シンプルなフォルムでタイミングを重視した写実的な作画です。この前、日本アニメ(ーター)見本市において、安彦良和とともに原撮集が映像として公開されていましたが、基本的に板野一郎と言えば「板野サーカスの人」という認識が強く、エフェクト作画にはさほど触れない場合が多いです。ということで、そもそも板野作画を未見である人が多いと思いますので、まずは「メガゾーン23(OVA/85)」と「超時空要塞マクロス 09話(TV/82)」における、板野作画をご覧いただきたい。
・「メガゾーン23(OVA/85)」
(※ごめん、これサーカスだ。まあシンプルな球形描写という点では、分かってもらえると思う。)
・「超時空要塞マクロス(TV/82)」 09話
球形オンリーという、実にシンプルなフォルムのエフェクト。ディテールは少ないですが、タイミングの巧さによって写実性を発現させています。繰り返しますが、板野作画は庵野、増尾の作画の源流であります。影響を受けた2人のアニメーターが、板野作画や考え方を取り入れ、「マップ兵器」の表現を完成させていきます。では、板野一郎が目指した、エフェクトアニメーションの考え方とはどういったものなのか。
板野 で、僕はやっぱり金田さんのセンス的な爆発じゃなくて、そうじゃないものをどうにかして(作り出したかった)。(中略)それまでの煙は(フォルムのパターンとして)丸、ちっちゃい丸、おっきい丸とあって、それが中3枚のリピートで、平面的に移動するのが多かった。でも本当は、巻き込んで、回転して、しかも同じ大きさじゃなくて、広がったり形を変えて枝葉に分かれていく形になる。(当時は)『ヤマト』のヒトデ爆発とか、パターンがみんな決まってたじゃないですか。小黒 四方に広がっていくやつですね(笑)。板野 そのパターンにはめるのが嫌だったんです。TVでも、ループにしたりして簡略化しながらも、見栄えがしてかっこいいと思えるものはないか、っていうところで、立体感をつけたり、空間を一所懸命意識したりして。だから、それが上手くいってるのが、『イデオン』のアディゴとかで、だんだん……。(引用元:animator interview 板野一郎(2) )
感覚的ではなく、計算的なエフェクトアニメーションの試行錯誤や、リピートによって簡略化しながらも迫力を残そうと追求しています。これが板野さんのエフェクトに対する当時(「伝説巨神イデオン」等)の考え方でした。こういった考え方を庵野、増尾は吸収し、自分たちの作画に取り入れ、昇華させていきます。そんな2人が監督、演出という立場で参加したある作品が、マップ兵器という表現においてはエポックであると考えます。
<3、マップ兵器の記号的表現の完成>
・「トップをねらえ!(OVA/88-89)」 05話
そうです、その作品とはSF美少女ロボアニメの金字塔「トップをねらえ!」です。この2つについては、増尾作画(※推測)かと。ここで、マップ兵器について初めての記号的な表現が完成しました。ちなみに、これは板野系からフォルム重視系の作画に転換した際に増尾昭一が残したであろう、板野系の名残だと考えていたり。とにかく、この「マップ兵器」の表現については、板野一郎から影響を受けたと思われる部分が散見されます。
ます、このマップ兵器表現は、板野爆発(光球作画も含めて)を極めて簡略化した上で、タイミングとカメラワーク(レイアウト含む)を重視して作られていると感じます。テンポ良く展開されていく光球爆発の描写、その光球爆発に大きさとタイミングをつけることによって奥行きの感じられるレイアウトになり、PANにより画面に勢いと疾走感をつけるカメラワークなどが特徴的です。これらは、「トップをねらえ!」から20年以上経った今でも非常に魅力的です。だとするならば、当時の演出家たちが心打たれないはずがない。
<4、「トップ05話」のマップ兵器の表現のオマージュと発展>
心打たれた演出家たちは、先程見ました「トップ05話」に出てきたマップ兵器の表現を取り入れて、発展させていきます。ほとんどの部分は、「トップ05話」で完成しているんですが、それぞれに自分の個性を追加して、より独自性を出し、魅力的にしている。
・「フォトン(OVA/96)」 06話
橋本作画。球形の大きさに差をつけることで、宇宙空間の広大さを演出し、奥行きある画面作りになっています。右にフォローしていくカメラワークも、「トップ05話」からの影響が見られる。
光球爆発を右から左へと展開させることにより、敵の殲滅具合に対し時間差を感じ取れ、リアルさが増す。また手前の爆発と奥の光球爆発のタイミングに差があり、ここでも画面に奥行きを出してる。つまり、時間と物体による、二重構造の奥行きの演出になっています。
・「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(劇場/99)」
橋本作画。細田守作品。前述した「トップをねらえ!」05話のカット割り(※おそらく、ホーミングレーザーやバスタービームのシーン等)に似ている。カメラのPANの仕方にやや差はありますが、とても似てます。ここで、アニメスタイルのインタビュー記事から少し引用します。
小黒 あの、ダダダダッと爆発していくあたりは、『トップをねらえ!(Gun Buster)』を意識してるんですか?橋本 だって、コンテがそうじゃないですか。小黒 あれはコンテのせいなんですか(笑)。橋本 そうですよ。最初に振られたのが、確か伊東伸高君がやってる、電脳世界ですれ違いながら……みたいなところだったんですよ。それで多分「あんまりやりたくないなあ」とか言ったんですよね。それで「どんなのがやりたいの?」って言われたので、「爆発が描きたい」と。そしたら「じゃあ、そういうコンテにしてあげる」と言われて、2〜3週後に描き直したコンテを渡されたんですよ。見たら「えーっ、『トップをねらえ!』と同じじゃん! カット割りまで似てるじゃん!」とか言ったんだけど(笑)。まあ、それでも細田さんの頼みなので。
おそらく、これがそのシーンです。
・「トップをねらえ!(OVA/88-89)」 05話
増尾作画。このように比べてみると、本当似ていることが分かります。ドドドンと画面奥から手前へと爆発が押し寄せてる。(ホーミングレーザーのカットはここ載せていませんが)、ガンバスターの挙動も含め、細田守が「トップをねらえ!」を意識してコンテを描いたことや、その影響力の大きさを改めて感じます。
・「劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇(劇場/09)」
今石監督作。サンジゲンCG。グレンブーメランを投げて、ムガンを殲滅していくシーンです。フォローで追っかけていって、最後に少し画面が寄ります。光球爆発の大小さによる、画面の奥行きが見事。さて、ここでアニメスタイルのインタビューでこのシーンについて、今石監督が述べているインタビューがあるので、そちらを少し紹介。
「サンジゲンによるこのCGは、実に「トップをねらえ!」を意識したものになっていて、この奥から手前に流れてくる爆発は、完全に当時の増尾昭一のタイミングを踏まえている」との事。これは具体的にどのシーンかというと、ノリコが「コーチの心がこもってるんだからー!」と叫んだ後の爆発。つまりこれです。今石 (中略)CGでは他にも、ムガンの大群との戦いの中で、グレンラガンがグレンブーメランを投げて、ムガンをなぎ倒すという長回しの横フォローのカットがあるんですけど、そこもやってもらいました。「フル3Dでお願いします」と言ったら、作画みたいな3Dが上がってきて(笑)。コマ送りしても、なんか作画に見えるんですけど、みたいな。
今石 うん、あれはちょっと見どころでしたね。2つのブーメランが併走しながら、丸爆発がボンボン送られていって、途中1回カーンとぶつかって、また画面いっぱいになって、今度はフォローからTUに切り替わって、奥からまたドドドッと爆発が手前に流れてくる。その、奥から手前に流れてくる爆発が、完全に『トップをねらえ!』の増尾(昭一)爆発のタイミングを踏襲してるんですよ!── へえー。引用元:『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』制作秘話!! 第2部 総集編映画を作る苦労と旨味
光球が爆発した後、奥から手前に流れてきているのが分かると思います。無論このシーンだけではないでしょうが、これを中心にサンジゲンは「トップをねらえ!」の05話を踏襲し、グレンラガンのあの描写を完成させたというのが上記の引用とgifで理解できると思います。
・「はたらく魔王さま!(TV/13)」 05、13話
爆発内部から、広がるような作画要素が追加されていることが分かる。光球の大きさも大中小と工夫されていて、非常に洗練された形のマップ兵器の描写。
たくさんの光球爆発とカメラPAN。さらには、画面下にもう一列足すことによって、画面の迫力を増している。下部の方が、大きい光球なのもいい味を出している。
・「ガンダムビルドファイターズ(TV/13-14)」 25話

奥で展開される球形爆発が、ドドドンと迫り上がるように手前に広がってくる。これはタイミングが凄く上手い。まさしく臨場感を増すように、光球爆発が大きくなっているんですよね。「ガンダムビルドファイターズ25話」においては、この他にもマップ兵器的な表現が多数見られたりもします。
・「キルラキル(TV/13-14)」 10話
球形爆発の拡大縮小によって画面に奥行きを出しています。これも「トップ05話」と通じるところが多いですね。ちなみにこれもサンジゲンCG。増尾作画は、CGに対しての影響力が大きいですね。本人がデジタルに対して強いというのも関係しているんでしょうか。
このような感じで、細田守作品、親子が劇場で見るようなアニメ作品から、深夜の魔法少女モノ、フルCG作品、さらには近年のガンダム作品や、人気を博したヤングガイナの作品にまで、板野から始まり増尾と庵野が完成させた「マップ兵器」の表現が登場する。これが何を意味するか。まずは、「トップをねらえ!」という作品のアニメ業界に与えた影響の大きさです。これだけ多くのところで意識されている時点で、その影響力の大きさは言うまでもないかもしれませんが、やはり影響力は思っているより大きい。もう1つとしては、そういった表現を作ったアニメーターたちの作画を間接的に見ているということです。板野一郎、庵野秀明はともかくとして、増尾昭一の名前を知っているという一般の方は少ないです。これは増尾の役回りを考えれば当然かもしれませんが、アニメファンでもおそらく名前を知っているだけとか、直接的には作画を見たことない人が多いかもしれない。
しかし、前述した通り、これだけ幅広い層のアニメで「マップ兵器の表現」は使われていますので、間接的には多くの人が板野一郎や増尾昭一の作画や関連した作画を見ていると言っても決して言い過ぎではないと思うんです。板野一郎が土台を作り、庵野と増尾ペアによって完成へと至った「マップ兵器の記号的表現」から分かることは、「トップをねらえ!」と増尾昭一の偉大性です。1つのアニメ的な表現、それもよく使われる記号的表現を完成させたことは、アニメーションの表現の広がりに寄与していると感じます。
<参考文献>
・アニメの作画を語ろう animator interview 板野一郎(1)
・アニメの作画を語ろう animator interview 橋本敬史(1)情熱で始めたアニメーターの仕事
・第50回 石黒昇、板野一郎、庵野秀明、三世代そろった『超時空要塞マクロス』の現場
・第48回 『超時空要塞マクロス』の石黒昇監督、ご逝去を悼む
「楽園追放」のエフェクト作画から見る、CGと手描きの差異とその見所
「楽園追放」とはグラフィニカによって制作された、SF作品です(劇場公開)。キャラから爆発まで、ほぼすべてCG。いやあグラフィニカの絵作りって凄いですね。公開されてから、ずっと色んなところで絶賛の嵐だったので、そんなにすごいのかという感じで猜疑的だったんですが、百聞は一見に如かずという感じで。実際に見てみると、確かにこれは一定の評価はされるなあと。
そんで、本題は、劇中に出てくる「エフェクト」です。ええ、ここからはアンジェラちゃんがどうのこうのとかそういう話は一切しません。お尻にも触れません。徹頭徹尾、「エフェクト」のお話しかしません。煙、爆煙、砂埃、爆発。CG、作画を問わずにまとめて紹介したいと思う。
(「楽園追放」において、演出を務められた京田さんから色々と指摘をいただいたので、一部訂正しました。雑でごめんなさいね。そーす→1、2、3、4。京田さん、ありがとうございます。)
さて大きな見どころとしては、やはり終盤。フロンティアセッターによって解放されたアンジェラがド派手に暴れまくるところから、ラストの打ち上げまで。カットごとに、少しずつ見て行きましょう。
・最新アーハンとサポートシステムを奪取するところ
姿勢制御スラスターを使い、回頭しているシーン。ここのスラスターが細かく描くことにより、この映像が実際に存在するかのように感じられる。つまりリアルさがある。
・保安局防空隊(赤メカ)の攻撃を交わしているシーン
ここはフルCG。戦闘機や板野サーカスの動きというのは、実に数学的でCGでもやりやすいと思うんだけど、ここでは爆発も素晴らしい。コマ送りしないとCGと分からないし、実際はもっと映像のスピードは速く、それに合った爆発とその煙の残し方(画面からフェードしていく感じ)が良い。
雪の結晶のように展開される爆発がグラフィニカではメインのような気がします。これって「宇宙戦艦ヤマト」であったり、結構古めな爆発なフォルムの気もする。CGにどういうのが適当なのかがイマイチ分からないけど、結構ハマってますよね、コレ見ると。
ここではCGと作画の両方で、爆発シークエンスを楽しむことができる。画面奥では、CGによる爆発があり、手前では中鶴さんの作画(※訂正)による手書き爆発が見て取れる。CGは基本的に画の粒子(ピクセルみたいな)が細かいことが、CG爆発に違和感が発生する原因だと思うんだけど、今回は意図的に粒子数を減らしているような気がする。
橋本作画。ワンカット目のクロス光の多用も印象的で、爆発自体のディテールも細かい。これはそこそこ時間かけたと思う。2カット目も透過光の広がりと消滅、そして触手煙を中心とした消え行く煙(画面左から中央)が上手い。まるで、演技を終えた役者が舞台から自然と去っていく感じ。
電撃エフェクト。刺々しい電撃の合間にタタキのような小さいパーティクルも存在していることが分かりますね。実際の電撃というものをあまり見たことがないからアレですけど、このタタキはディテールアップのためだと思う。ただリアルを写しとってアニメに落としこむだけではなくて、こういった変換的な追加も必要なんだと思います。
・サーカスからの爆煙
全面CG煙。ここがCGの煙では一番良かったように思う。粒子数を減らしセルに色合いを近づけながら、タイミングもしっかりとこだわっているのがわかる。カット終盤の覆いかぶさってくるような、ダブラシ煙がいい味出してるんですよねえ。
ここは誰か分かんないけど、上手かった。吉岡さんによる作画(※訂正)。ジャミングスモークがその場に留まっている状態から、ミサイルがそれを突き破るという状況なんだけど、煙が破られるタイミングが特に良かった。多くの場合は早いタイミング(ミサイルがまだ来ていない状態)で空いてしまうんだけど、ここではミサイルが通った後に、そのミサイルの動きに合わせるかのようなタイミングで煙を突き破っている。戦闘機における、マッハの描写みたいな感じ。ちゃんと考えてアニメートしていることが分かる。
ここは、レイアウトとタイミングの勝利。奥行きのある画面を用意し、そして奥から連続爆発。しかも爆発が手前側になるにつれ、徐々に速くなってきているのがわかる。これによって、ことさら爆発の臨場感は増すし、同時にリアルさも増す。また連続爆発なんだけど、爆発と爆発の間のテンポは一定ではなく、ゆらぎがあるのがまたいい。多分タイミングは相当凝ったはず。これは考えてやってる。それもとんでもなく。
・市街地における爆発集
グラフィニカらしいフォトリアルな爆発。ズドドンと植物が生えるように展開されるフォルムは美しい。そして、画面手前(左)の爆発と画面奥(右)の爆発とでタイミングが異なっているのがとてもいいなあと感じた。せっかくレイヤーを分けているのに、タイミングは何故か全て同じということがCG爆発では多いので、こういったCG爆発に(セル時代の)知恵や感性を持ち込んでいるのが良かった。
PANしながらの連続爆発3つ。これもまた透過光も上手いし、触手煙も上手い。瞬間的な広がり方から、じんわりとしたその場での留まる煙の感じ、そうして動くべきところ(触手煙)は動かしてる、これが良いです。
透過光は前述した通り、発生と消滅も素晴らしいんだけど、ここでは触手煙の飛び方がいい。触手煙のタイミング、そのまま残っている煙との対比でぴょーんと飛んで行く感じがすごい良いですね。
・倒壊シーンと高架橋の崩壊
おそらく橋本作画。CGではないと思う多分。ここまでくると、レイヤーの氾濫ですよね。何層にも重なって、臨場感と立体感を出そうとしてる。いいなあ。破片もまた別セルでしょうけど、細かく描かれていて、ディテールアップに貢献してる。
【追記 2015/02/14】
Twitterで情報を頂きました(ありがとうございます)。
やや違和感(CGっぽいけど手書きにも見える)があったのは、これが理由かもしれないですね。ビイ @wuokb 20時間前@iqyu2627 監督の生コメンタリーで作画素材をCGアニメーターが組み合わせてコンポジットしてると言ってましたね
・ロケット打ち上げシーン
ラスト打ち上げ。小澤さんによる作画(※訂正)。もこもこした煙と、そのしっかりとした動かし方は見事。2カット目で少し留まる大気・煙がここでは一番良くて、写実性を高めている。これにはフロンティアセッターも唖然とするしかない。
少し雑かもですが、「楽園追放」のエフェクト、CG・手書き問わずに紹介しました。CGによる爆発作画も進化を遂げていて、まさしくグラフィニカすげえなって感じです。今までのアニメ作品では必ずと言っていいほど、見所となるシーンには手書きでの爆発作画だったんですが、「楽園追放」では違っています。見せ場にCGを持ってくることも多々あるし、普通のシーンに作画を使う場合もある。それぞれの長所を活かして採用している印象を受けました。とにもかくにも、エフェクト好きとしては大変楽しめました。いやあ、CG爆発もいいもんですね。
最近グッと来た煙と爆発(1月編)と、「夜ノヤッターマン」爆発作画
(全然最近じゃないヤツもあるが)気にするな!
■「敵は海賊~猫たちの饗宴~(1989)」 01話/OVA


重田敦司作画。重田さんというと、葉脈のような細かいディテールを入れてカゲやハイライトを入れて爆発を描かれます。後は煙、爆発の展開の仕方が特徴的かなあ。爆発した球体から、ランダムに派生して爆発球体が増えていく。とどのつまり、ボールが煙の中で転がるように展開していく。これは煙・爆発の基礎的な部分でもありますが、まさにその応用で素晴らしいエフェクトとなっている。
![40]](https://livedoor.blogimg.jp/ouritu_dora/imgs/b/2/b2f5cf57-s.jpg)
![42]](https://livedoor.blogimg.jp/ouritu_dora/imgs/a/a/aae4bfe4-s.jpg)
そんでこの重田さんはエフェクト作画において、多大な影響を与えているということで。板野一郎や金田伊功、磯光雄と並ぶくらい偉大なんですが、僕自身把握しきれていない部分が多いので、そういうお話はまた今度。できたらやる。やれたらやる。
■「グリザイアの果実(PC/2011)」

橋本作画。これはゲームの方の「グリザイアの果実」OPでクレジット確認できなかったんですが、もうこの煙のフォルムとタイミングと衝撃波はいかにも橋本作画らしい。煙のフォルムの無作為・ランダム(要するにデコボコということ)な点や、衝撃波の流線的な部分がそれらしさを存分に醸し出している。橋本作画をあまり知らない人のために、以下少し比較画像で説明。
<「ワンピースOP15」との比較-エフェクトフォルム>

フォルムの比較。デコボコフォルムに楕円形のディテールは橋本系とカテゴライズしてもいいほど、特徴付いている。これが橋本作画においての一番の大きな要素である。
■「白詰草話(PC/2002)」 OP

こちらもエロゲOPですが、クオリティ高い煙が見られたので(ミサイルの煙はそんな良くないけど)。これ中盤の白コマもいいんですけど、ラスト弾丸射出シーン後の煙が現象としてリアルさがあった。

このエフェクトの有無で、シーン全体の印象は大きく変わると思う。決してこのエフェクト作画がずば抜けている、というわけではないんだけど、理に適っていて、説得力が増す。後述の「夜ノヤッターマン」とは対照的に、拙いながらもしっかりとした思考を通って描いている感じがある。
■「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998)」 劇場

シャッタープシューのシーン。ナデシコ劇場版は、やはりブラックサレナと夜天光(北辰が乗ってるヤツ)の戦闘がカッコイイわけですが、細かいところも光っていて良い。この煙は特に好み。ここに至るまでに「長い期間封印されている場所がある」というのが説明されているんですが、ピンと来ないわけですよ。この扉が解放され、古い空気や埃が混じった煙がじわあっと出てくるヴィジュアル的なインパクトで、初めてしっくりくるんですよね。百聞は一見に如かず。
■「四月は君の嘘」 11話/TV

小島作画かも。アバン。一連のシークエンスを眺めるに、アクションが素晴らしく良かったので、エフェクトがあんまり触れられてない様子。いや、このオモチみたいなエフェクトいいですね。最後に、ちょっと持ち上がるんですけど、それがいい。後ヅメがまさしく効果的に働いているんだと思う。
そんで、「夜ノヤッターマン」03話についての爆発作画について。
■「夜ノヤッターマン」 03話/TV

【追記 2015/02/09】訂正と補足記事出しました。http://royal2627.ldblog.jp/archives/43288496.html
「爆発カッコイイ!」と聞いていた割に、あまり良くなかった。様式美に近いデフォルメ調の爆発をやりたいのか、それともリアルな爆発をやりたいのかどうかが分からなかった。これが、当該作画を魅力的に感じない原因の主な部分だと思う。つまり、中途半端すぎる。単色を否定するわけではないけど、流石にハイライト無しはやりすぎではないだろうか。後はカゲも。左から光が入っているのに、完全に無視されて爆発だけが独立している。
僕が感じたのは、この作画は自分の好きな形・作画でしかアニメートされておらず、最初からリアルの現象の考慮などは一切されていないということ。極端に単純化していえば、何も考えずに脳みそに入ってる「いい作画リスト」から引っ張りだしてコピペしてるだけと感じる。誤解を招きたくないので言っておくけれど、模倣が悪いと言っているわけではない。模倣に対しては、昇華(自分なりの発展性)が必要不可欠であるのにも関わらず、この作画には昇華の要素が感じられず、これではトレスどころか、単なるgifアニメにしか過ぎない。それがこの作画に対する印象であり、魅力の無さの発現元でもあると思う。
最近の若手アニメーターは、作画に対してアクション志向が強く、エフェクトは二の次になっている場合が多い。そのため、煙や爆発などを作画するときにアクション作画と同様の思考をしてしまい、タイミングで押す場合が非常に多い。つまり、ゴリ押しになっている場合が多い。そのことによって、ディテールや細部はぞんざいな扱いを受ける。
ここらへんは、自分の憶測すぎたので訂正。
こう感じると同時に、誰が描いたかは分かんないんだけど、大変にモッタイナイと思う。爆発を描けるだけの画力はおそらく持っているだろうに、使っていない。使えば、注目浴びること間違いなしの爆発作画になるはずなのに、全力を出し切っていない。やはり中途半端に感じる。モッタイナイ。
■「敵は海賊~猫たちの饗宴~(1989)」 01話/OVA


重田敦司作画。重田さんというと、葉脈のような細かいディテールを入れてカゲやハイライトを入れて爆発を描かれます。後は煙、爆発の展開の仕方が特徴的かなあ。爆発した球体から、ランダムに派生して爆発球体が増えていく。とどのつまり、ボールが煙の中で転がるように展開していく。これは煙・爆発の基礎的な部分でもありますが、まさにその応用で素晴らしいエフェクトとなっている。
![40]](https://livedoor.blogimg.jp/ouritu_dora/imgs/b/2/b2f5cf57-s.jpg)
![42]](https://livedoor.blogimg.jp/ouritu_dora/imgs/a/a/aae4bfe4-s.jpg)
そんでこの重田さんはエフェクト作画において、多大な影響を与えているということで。板野一郎や金田伊功、磯光雄と並ぶくらい偉大なんですが、僕自身把握しきれていない部分が多いので、そういうお話はまた今度。できたらやる。やれたらやる。
■「グリザイアの果実(PC/2011)」

橋本作画。これはゲームの方の「グリザイアの果実」OPでクレジット確認できなかったんですが、もうこの煙のフォルムとタイミングと衝撃波はいかにも橋本作画らしい。煙のフォルムの無作為・ランダム(要するにデコボコということ)な点や、衝撃波の流線的な部分がそれらしさを存分に醸し出している。橋本作画をあまり知らない人のために、以下少し比較画像で説明。
<「ワンピースOP15」との比較-エフェクトフォルム>

フォルムの比較。デコボコフォルムに楕円形のディテールは橋本系とカテゴライズしてもいいほど、特徴付いている。これが橋本作画においての一番の大きな要素である。
■「白詰草話(PC/2002)」 OP

こちらもエロゲOPですが、クオリティ高い煙が見られたので(ミサイルの煙はそんな良くないけど)。これ中盤の白コマもいいんですけど、ラスト弾丸射出シーン後の煙が現象としてリアルさがあった。

このエフェクトの有無で、シーン全体の印象は大きく変わると思う。決してこのエフェクト作画がずば抜けている、というわけではないんだけど、理に適っていて、説得力が増す。後述の「夜ノヤッターマン」とは対照的に、拙いながらもしっかりとした思考を通って描いている感じがある。
■「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998)」 劇場

シャッタープシューのシーン。ナデシコ劇場版は、やはりブラックサレナと夜天光(北辰が乗ってるヤツ)の戦闘がカッコイイわけですが、細かいところも光っていて良い。この煙は特に好み。ここに至るまでに「長い期間封印されている場所がある」というのが説明されているんですが、ピンと来ないわけですよ。この扉が解放され、古い空気や埃が混じった煙がじわあっと出てくるヴィジュアル的なインパクトで、初めてしっくりくるんですよね。百聞は一見に如かず。
■「四月は君の嘘」 11話/TV

小島作画かも。アバン。一連のシークエンスを眺めるに、アクションが素晴らしく良かったので、エフェクトがあんまり触れられてない様子。いや、このオモチみたいなエフェクトいいですね。最後に、ちょっと持ち上がるんですけど、それがいい。後ヅメがまさしく効果的に働いているんだと思う。
そんで、「夜ノヤッターマン」03話についての爆発作画について。
■「夜ノヤッターマン」 03話/TV

【追記 2015/02/09】訂正と補足記事出しました。http://royal2627.ldblog.jp/archives/43288496.html
「爆発カッコイイ!」と聞いていた割に、あまり良くなかった。様式美に近いデフォルメ調の爆発をやりたいのか、それともリアルな爆発をやりたいのかどうかが分からなかった。これが、当該作画を魅力的に感じない原因の主な部分だと思う。つまり、中途半端すぎる。単色を否定するわけではないけど、流石にハイライト無しはやりすぎではないだろうか。後はカゲも。左から光が入っているのに、完全に無視されて爆発だけが独立している。
僕が感じたのは、この作画は自分の好きな形・作画でしかアニメートされておらず、最初からリアルの現象の考慮などは一切されていないということ。極端に単純化していえば、何も考えずに脳みそに入ってる「いい作画リスト」から引っ張りだしてコピペしてるだけと感じる。誤解を招きたくないので言っておくけれど、模倣が悪いと言っているわけではない。模倣に対しては、昇華(自分なりの発展性)が必要不可欠であるのにも関わらず、この作画には昇華の要素が感じられず、これではトレスどころか、単なるgifアニメにしか過ぎない。それがこの作画に対する印象であり、魅力の無さの発現元でもあると思う。
ここらへんは、自分の憶測すぎたので訂正。
こう感じると同時に、誰が描いたかは分かんないんだけど、大変にモッタイナイと思う。爆発を描けるだけの画力はおそらく持っているだろうに、使っていない。使えば、注目浴びること間違いなしの爆発作画になるはずなのに、全力を出し切っていない。やはり中途半端に感じる。モッタイナイ。
橋本敬史さんの水エフェクト作画について少し
前々回、セシルの波について少し言及したんですけど、そういや橋本さんのエフェクトについて整理したような記事を書いてないなあと思い出しまして、今回ご紹介をしようと思います。タイトル通り、今回は水エフェクトについてのみ触れます。(※爆発・煙も素晴らしいんですが、それはまた次の機会に)
■「ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル(2014)」 04話

まずは前回のおさらいから。セシルの波作画は前回言及したように、橋本敬史作画っぽいと少し感じていました。その要因は、水柱のフォルム(形)にあります。上記の「セシル04話」においては、水柱自体はそれぞれが独立せずに、全体で波を構成していますよね。そうした水柱が立ち、丸まって重力に従い落ちていく。これが基本的な橋本水エフェクトの要素だと考えています。付け加えて言うならば、衝撃波の作画にとても特徴があります。それはこれから説明していきたいと思います。
■「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島(2004)」 劇場

まずは水柱の作画を一つ。最初に龍が倒れてから、まず水柱が立つ。そうして重力に従い(画面には映っていませんが)、ゆっくりと落ちていく。衝撃波についてですが、波が一回ぶわっとこちらに押し寄せた後、放射状に尖ったものが画面に迫ってくるように作画されていることが分かると思います。僕はこれを、「橋本衝撃波」とかそんな感じに勝手に呼んでます。
■「宇宙戦艦ヤマト2199(2012)」 01話

ここは波よりも、衝撃波の表現に注目してもらいたい。これも橋本作画なんですが、微妙な違いはあれど橋本衝撃波はどの作品においても似ている点があります。押し寄せてくる波は、やはり鋭く放射状に尖り、画面に迫ってくる。最後は、その衝撃波の真ん中が画面となり、まるで吸い込まれるようにカットが終わる。
■「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012)」 劇場

これも同じく、衝撃波がメインで描写されているシーン。1カット目は分かりやすいと思う。どっひゃーんという感じで迫ってきてますよね。2カット目に関しては、色が被って少しみにくいと思いますが、レイヤーを2つ重ねて作画されています。波が尖って丸まっていく描写と、衝撃波の描写と2つある。少しスローで見てみましょう。

大体、こんな感じ。手前側に衝撃波が存在しているのが分かると思います。橋本衝撃波は(水に限らず、爆発でも)ラストに4~6枚ほど使って、衝撃波のカオス感(ごちゃごちゃ感)を出しているんですが、これ増尾昭一の作画から来てんじゃねーのかなあなんてふと考えとります。まあ、それもまた今度。
で、セシルの波のフォルム自体にクリソツなのは、実は爆煙作画で一つあるんです。
■「サマーウォーズ(2009)」 劇場

サマヲのラストシーン。橋本作画、特に爆煙、爆発、煙の作画は、あんまり尖らせることなく、全体的には丸いフォルムで作画されることが多いと思うんですが、サマヲだけは異なっていて、むしろ水エフェクト(特に衝撃波)に近い描写になっている。小惑星探査機が物凄いスピードで落ちてくるのは、やはり普通の爆煙描写ではダメで、衝撃波でないと橋本さんは納得できなかったと思うんですよね。だから、こういうフォルムになっている。
普段はこういう煙なんですよね。
■「キルミーベイベー(2012)」 OP

こういう「煙全体が繋がっている」感じの柔らかいフォルムで普段は描くことが多いです。というか爆発や煙に関しては殆どこういった作画だと思う。爆発の基点として最初に尖ることも少なく、最初から丸いフォルムでどーんと爆発することが多い。後、キルミーベイベーは神。
次(橋本作画に触れる時)は、橋本さんの爆発や煙作画についても少し触れたいかなあと思ってます。そういや、橋本敬史作画触れてこなかったなあと。まあ、やっぱりエフェクトっていいもんですね。
■「ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル(2014)」 04話

まずは前回のおさらいから。セシルの波作画は前回言及したように、橋本敬史作画っぽいと少し感じていました。その要因は、水柱のフォルム(形)にあります。上記の「セシル04話」においては、水柱自体はそれぞれが独立せずに、全体で波を構成していますよね。そうした水柱が立ち、丸まって重力に従い落ちていく。これが基本的な橋本水エフェクトの要素だと考えています。付け加えて言うならば、衝撃波の作画にとても特徴があります。それはこれから説明していきたいと思います。
■「犬夜叉 紅蓮の蓬莱島(2004)」 劇場

まずは水柱の作画を一つ。最初に龍が倒れてから、まず水柱が立つ。そうして重力に従い(画面には映っていませんが)、ゆっくりと落ちていく。衝撃波についてですが、波が一回ぶわっとこちらに押し寄せた後、放射状に尖ったものが画面に迫ってくるように作画されていることが分かると思います。僕はこれを、「橋本衝撃波」とかそんな感じに勝手に呼んでます。
■「宇宙戦艦ヤマト2199(2012)」 01話

ここは波よりも、衝撃波の表現に注目してもらいたい。これも橋本作画なんですが、微妙な違いはあれど橋本衝撃波はどの作品においても似ている点があります。押し寄せてくる波は、やはり鋭く放射状に尖り、画面に迫ってくる。最後は、その衝撃波の真ん中が画面となり、まるで吸い込まれるようにカットが終わる。
■「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012)」 劇場

これも同じく、衝撃波がメインで描写されているシーン。1カット目は分かりやすいと思う。どっひゃーんという感じで迫ってきてますよね。2カット目に関しては、色が被って少しみにくいと思いますが、レイヤーを2つ重ねて作画されています。波が尖って丸まっていく描写と、衝撃波の描写と2つある。少しスローで見てみましょう。

大体、こんな感じ。手前側に衝撃波が存在しているのが分かると思います。橋本衝撃波は(水に限らず、爆発でも)ラストに4~6枚ほど使って、衝撃波のカオス感(ごちゃごちゃ感)を出しているんですが、これ増尾昭一の作画から来てんじゃねーのかなあなんてふと考えとります。まあ、それもまた今度。
で、セシルの波のフォルム自体にクリソツなのは、実は爆煙作画で一つあるんです。
■「サマーウォーズ(2009)」 劇場

サマヲのラストシーン。橋本作画、特に爆煙、爆発、煙の作画は、あんまり尖らせることなく、全体的には丸いフォルムで作画されることが多いと思うんですが、サマヲだけは異なっていて、むしろ水エフェクト(特に衝撃波)に近い描写になっている。小惑星探査機が物凄いスピードで落ちてくるのは、やはり普通の爆煙描写ではダメで、衝撃波でないと橋本さんは納得できなかったと思うんですよね。だから、こういうフォルムになっている。
普段はこういう煙なんですよね。
■「キルミーベイベー(2012)」 OP

こういう「煙全体が繋がっている」感じの柔らかいフォルムで普段は描くことが多いです。というか爆発や煙に関しては殆どこういった作画だと思う。爆発の基点として最初に尖ることも少なく、最初から丸いフォルムでどーんと爆発することが多い。後、キルミーベイベーは神。
次(橋本作画に触れる時)は、橋本さんの爆発や煙作画についても少し触れたいかなあと思ってます。そういや、橋本敬史作画触れてこなかったなあと。まあ、やっぱりエフェクトっていいもんですね。
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