[2017-12-06 追記]一部カットについての情報の修正
これに関しては、少しだけ述べておこうと思いまして。概要に関しては、アニメーターの橋口さんがaskで答えていらっしゃいました。
(引用元:http://ask.fm/TorahArc/answer/110566648498)
橋口さんが仰るとおり、次の牌をツモろうと手が入るカット、つまり、「手と牌だけが映っているカット」。これらは全て3DCG(※以下CG)です。手元より上、バストアップ(胸より上を映すフレームのこと)のカット等では、手書きの作画であったり、CGと作画が混在していたりします。(※この記事では、「作画」という言葉を「手書きの動画」の意味合いで使用します。「CG」については、背景であっても動画であっても、「CG」という意味で言葉を使用しています。)
橋口さんのaskを引用させていただくと、「咲-Saki-」における、CGと作画の使い分けの定義はこんな感じになります。
この定義は既にシンプルなので、少しだけ一般的なものにします。制作側が想定しているであろう使い分けの区分定義みたいなモンは、「①手と牌のみが映るカットはCG+②それ以外は場合による」と言い換えることができます。
実際に、「咲-Saki-シリーズ」の一作目にあたる「咲-Saki-(2009)」での1話でそれらについて少し見て行きましょう。
(0)「咲-Saki-」における麻雀描写の実例
咲さんがまだ文学少女だった頃の映像です。それから京太郎もいますね、何もかも皆懐かしい…。ここでは、何となしにCGと作画混じってんなあぐらいに思ってもらえれば大丈夫です。これから詳しく説明をしていく。ちなみに、CG制作会社はサンジゲンです。
(1)CGによって描かれるカット
ツモ(1.2枚目)、カン、ポン、打牌(3.4枚目)など「手と牌が同じ画面に入った上での動作・行為」に関しては、このように原則としてCGによって描かれます。バストアップのように、キャラクターの顔が入ってしまうと(※腕はCGで、顔は作画でという風に)映像処理できなくなるからです。可能だったとしても、相当に面倒くさそう。
(1+α)CGと作画の画面
例外として、こういう画面も存在します。ここでは、タコス、和、京太郎はセルで描かれており、「咲さんの手」だけがCGになっているのが分かると思う。麻雀牌、卓は原則どおりですが、別に咲さんの手は作画で描いていてもおかしくないですよね。こういうのを見ると、キャラの顔が画面に入るかどうかというのは、非常に重要な点なんだと思います。
(2)作画によって描かれるカット
これは前述したとおり、バストアップのカット(1.2.3枚目)で多く使われます。さらに、卓全体の俯瞰アングルのカット(4.5枚目)や、キャラクターの上半身を収めたフレームのカット(6枚目)でも作画によって描写されます。作画によるカットの多くは、キャラの顔が真正面or若干斜めからのアングルで描かれます。つまり、作画はキャラクター重視。これは、後述の「アカギ」でも同じです。
ここまでで、「咲-Saki-」における原則的な「CGと作画の使い分け」については大体理解してもらえたと思います。次は、実践として映像ではどんな風になっているかを分解して見て行きます。
(3)実際の映像(CG・作画の混在)を分解
※これ以降のgifでは、左上の文字が青色の場合は作画で、赤色の場合はCGであることを表しています。
まずは和がツモ和了りするシーン。1カット目は腕を上方へと挙げていき、2カット目で打牌しています。意外と省略されている動作が多いことが分かりますよね。「腕を振り下ろす」という動作は、オミット(省略)されています。
こちらは、咲が自分の手牌からわざとタコスに振り込むシーン。カットごとに追っていくと、①CG→②作画→③CGとなっていることが分かる。2カット目では、麻雀牌も作画で描かれている(※というか、ここの作画めっさ上手い…)。「牌を持ち上げる動作」や「打牌の途中動作」が存在してないのに、シーンとしては絶妙に繋がって見えますよね。
次は、和の打牌シーン。1カット目は作画で描かれ、2カット目はフルCG。これも、手先にカメラが寄るような格好(ポン寄りのような感じ)でCGへと移り変わってる。でもこれらのシークエンスに対する違和感あんまり無いんですよね。咲-Saki-シリーズでは、こういった「動作をオミットして、作画とCGを繋げる」といったパターンがほとんどなのに。
今まで説明してきた、「動作が省略されているのにも関わらず、きれいに繋がって見えてしまう」、この現象を、実は映像用語で「カッティング・イン・アクション」、よく使われる言葉では「アクションつなぎ(ACつなぎ)」と言います。定義としては、「ある一つの動作が始まってから終わるまでの複数のカット割りの2カット目以降」を指します。昔からある手法です。誰が発明したのかは、調べたんですけど判明せず。ハリウッド映画において発明されたようですが。いつ頃からあるんでしょうかね。ともかく、「咲-Saki-」においてはこの「ACつなぎ」を多用しています。
若干ですが、折角なので阿知賀編や全国編との比較もしておきましょう。
まずは、16話。全国準決勝の大将戦オーラスで、大星淡が山へと手を伸ばすシーン。これは、第一期でも見られた、名付けて「こいつが最強なんやで」描写です。咲さんも第一話目から、こんなのかっ飛ばしてましたね。カット毎に見ていくと、作画→CG→作画という風に往来してテンポが良い。しかもやはり違和感が皆無。
[追記 2017-12-06]
上記ツイートを受けて確認。おそらくこのカットのことだと思うんですが
あわあわ牌手伸ばし
素人目には、腕のカゲが直線なのでCGに見える。すごく微妙なところ。でも確かに、橋口さんのツイートどおり、オーラは作画ですね。ここは見過ごしていた。腕以外は作画なのかなあ。腕がどっちなのか気になる。
同スロー
うーん、どうなんだろう。わからん!橋口さんのツイートどおり、作画だという感じもするんですよね。というか担当の方ですから、それ以上のソースはないわけで。ただ、正直に言うと、腕だけ疑問で、手首から先は作画だと思う。咲-Saki-だけに。( ^ω^)…(^ω^)テヘッ
またちょっと調べてみます。続報入ったら、また追記します。
同じく16話。「阿知賀編」からは、こういった「煽りアングルで、牌をなめてキャラの顔が映り込む」といった描写が多くなっているような気がします。これいいですよね。対戦相手が相手の手牌に対して鋭い思考を放っているのが分かって良い。一期では見た記憶がない。(※「なめて」とは画面手前に大きな物体が置かれたアングルを意味する)
こちら全国編の11話。作画→CG+作画→CG。末原さんが姫様の異変をやや察知して打牌しているシーン。これも上記の「阿知賀編16話」と同じく、手前の河牌をなめて咲さんが映り込んでいる。これ本当いいアングルです。2カット目では、打牌する咲さんの手が細かく作画されている。(※これ頑張ったら、手前の牌で隠せるから手の作画しなくてもいいよね。)
ラストは、同じく全国編11話での咲さんのツモ。CG→作画へ。これすごい丁寧なアクションつなぎだと思うんですよ。作画に入る時、難しいアングルじゃないですか。それをしっかりと下からインする形で描けているのは見事だなあと。
後、変態動画を見つけました。
この動画作成者は変態です。言い切れます。何か参考になるかもしれないので、興味がある方は見てみたらどうでしょうか。僕は見れる気がしません。(※だって17分だぜ…)
(5)「闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜(2005)」のCG麻雀描写
もうお疲れの方も多いでしょう、僕も疲れてます。そろそろ終わりたいんですが、麻雀CGアニメの草分け的存在、「アカギ」を語らずして終わりというのは少し寂しい感じがありますので。打牌の感じも良かったんですが、個人的には、このシーンが一番魅力的だった。
20話。鷲巣麻雀2回戦のアカギの手牌を右にPANする形で描写。パースが効いてて良いカットです(やはり、麻雀漫画・アニメといえば、パースをきつめに効かしているのがカッコイイ)。鷲巣麻雀での使う牌は、1種類につき3つが透明牌です。そこで起きる、この透明感の描写。凄まじいのは、鷲巣の部下鈴木の服の映り込み方。ラストで最も明確になるんですが、きちんと屈折してるんですよ。
すげえこれ。CGだけじゃなくて、撮影も相当に頑張って作業したに違いない。このディテールによって、もっとリアルさが増加します。
18話。煽りから俯瞰アングルへの転換。こういった立体的なカメラワークが多用されるのが、「アカギ」における麻雀描写の魅力の一端であると思う。対面のアカギや鷲巣の手は作画で、それ以外はCG。この立体的カメラワーキングによって、臨場感と麻雀が分からない人にも伝わる「何か良い手が来た」という状況説明になっているんですよね。本当、こういうカメラワークが多用されます。透明感はさっき説明したように、同様に素晴らしい。
これエンドクレジット見ても、「COXAI ANIMATION STUDIO」とかすんごい曖昧な感じなんですけど、何処がやったんでしょうか。最初オレンジと勘違いしてたんですが。「メトロポリス」みたいにマッドハウス内部なんでしょうかね。これ10年前にやってんの本当すごいと思う。
(N)麻雀CG表現
個人的に「咲-Saki-」よりも「アカギ」の麻雀描写の方が好みなんですが、どこらへんが良いのか具体的に分かってない。ただ何となく、重い感じが「アカギ」CGにはあるなあという程度で(後は、やはりカメラワークでしょうか)。次回は、その辺りを詳しく説明できたらなと思っています。「勝負師伝説 哲也(2000-01)」とかも麻雀アニメではありますが、あっちの麻雀描写はほとんど作画ですので、さわり程度にしか触れないと思います。「哭きの竜(1988-90)」に至っては見たことがないです。まあ、どちらにもアニメにおける「麻雀描写の基本」みたいなモンはあると思います。
カン!(続く)
<参考文献>
・2-2-3 <アクションつなぎとジャンプショット>-映像の読み書きについて考える
・アニメにおけるマッチカットの実例-大匙屋@セミリタイア
・アニメ用語、絵コンテ用語、映像用語、井上ジェットのカメラワーク大辞典
・ジャンプカット-Wikipedia
・<ジャンプ・カット手法>-テアトル十瑠
・蓮實重彦×青山真治-怠惰なひな菊
これに関しては、少しだけ述べておこうと思いまして。概要に関しては、アニメーターの橋口さんがaskで答えていらっしゃいました。
(引用元:http://ask.fm/TorahArc/answer/110566648498)
橋口さんが仰るとおり、次の牌をツモろうと手が入るカット、つまり、「手と牌だけが映っているカット」。これらは全て3DCG(※以下CG)です。手元より上、バストアップ(胸より上を映すフレームのこと)のカット等では、手書きの作画であったり、CGと作画が混在していたりします。(※この記事では、「作画」という言葉を「手書きの動画」の意味合いで使用します。「CG」については、背景であっても動画であっても、「CG」という意味で言葉を使用しています。)
橋口さんのaskを引用させていただくと、「咲-Saki-」における、CGと作画の使い分けの定義はこんな感じになります。
[咲-Saki- CGと作画の使い分け定義]
(A)手と牌のみが映るカットはCGで描かれる
(B)それ以外は、作画のみか、作画とCGが混在しているかのどちらか
この定義は既にシンプルなので、少しだけ一般的なものにします。制作側が想定しているであろう使い分けの区分定義みたいなモンは、「①手と牌のみが映るカットはCG+②それ以外は場合による」と言い換えることができます。
実際に、「咲-Saki-シリーズ」の一作目にあたる「咲-Saki-(2009)」での1話でそれらについて少し見て行きましょう。
(0)「咲-Saki-」における麻雀描写の実例
咲さんがまだ文学少女だった頃の映像です。それから京太郎もいますね、何もかも皆懐かしい…。ここでは、何となしにCGと作画混じってんなあぐらいに思ってもらえれば大丈夫です。これから詳しく説明をしていく。ちなみに、CG制作会社はサンジゲンです。
(1)CGによって描かれるカット
ツモ(1.2枚目)、カン、ポン、打牌(3.4枚目)など「手と牌が同じ画面に入った上での動作・行為」に関しては、このように原則としてCGによって描かれます。バストアップのように、キャラクターの顔が入ってしまうと(※腕はCGで、顔は作画でという風に)映像処理できなくなるからです。可能だったとしても、相当に面倒くさそう。
(1+α)CGと作画の画面
例外として、こういう画面も存在します。ここでは、タコス、和、京太郎はセルで描かれており、「咲さんの手」だけがCGになっているのが分かると思う。麻雀牌、卓は原則どおりですが、別に咲さんの手は作画で描いていてもおかしくないですよね。こういうのを見ると、キャラの顔が画面に入るかどうかというのは、非常に重要な点なんだと思います。
(2)作画によって描かれるカット
これは前述したとおり、バストアップのカット(1.2.3枚目)で多く使われます。さらに、卓全体の俯瞰アングルのカット(4.5枚目)や、キャラクターの上半身を収めたフレームのカット(6枚目)でも作画によって描写されます。作画によるカットの多くは、キャラの顔が真正面or若干斜めからのアングルで描かれます。つまり、作画はキャラクター重視。これは、後述の「アカギ」でも同じです。
ここまでで、「咲-Saki-」における原則的な「CGと作画の使い分け」については大体理解してもらえたと思います。次は、実践として映像ではどんな風になっているかを分解して見て行きます。
(3)実際の映像(CG・作画の混在)を分解
※これ以降のgifでは、左上の文字が青色の場合は作画で、赤色の場合はCGであることを表しています。
まずは和がツモ和了りするシーン。1カット目は腕を上方へと挙げていき、2カット目で打牌しています。意外と省略されている動作が多いことが分かりますよね。「腕を振り下ろす」という動作は、オミット(省略)されています。
こちらは、咲が自分の手牌からわざとタコスに振り込むシーン。カットごとに追っていくと、①CG→②作画→③CGとなっていることが分かる。2カット目では、麻雀牌も作画で描かれている(※というか、ここの作画めっさ上手い…)。「牌を持ち上げる動作」や「打牌の途中動作」が存在してないのに、シーンとしては絶妙に繋がって見えますよね。
次は、和の打牌シーン。1カット目は作画で描かれ、2カット目はフルCG。これも、手先にカメラが寄るような格好(ポン寄りのような感じ)でCGへと移り変わってる。でもこれらのシークエンスに対する違和感あんまり無いんですよね。咲-Saki-シリーズでは、こういった「動作をオミットして、作画とCGを繋げる」といったパターンがほとんどなのに。
今まで説明してきた、「動作が省略されているのにも関わらず、きれいに繋がって見えてしまう」、この現象を、実は映像用語で「カッティング・イン・アクション」、よく使われる言葉では「アクションつなぎ(ACつなぎ)」と言います。定義としては、「ある一つの動作が始まってから終わるまでの複数のカット割りの2カット目以降」を指します。昔からある手法です。誰が発明したのかは、調べたんですけど判明せず。ハリウッド映画において発明されたようですが。いつ頃からあるんでしょうかね。ともかく、「咲-Saki-」においてはこの「ACつなぎ」を多用しています。
(4)「阿知賀編(2012)」「全国編(2014)」との比較
若干ですが、折角なので阿知賀編や全国編との比較もしておきましょう。
まずは、16話。全国準決勝の大将戦オーラスで、大星淡が山へと手を伸ばすシーン。これは、第一期でも見られた、名付けて「こいつが最強なんやで」描写です。咲さんも第一話目から、こんなのかっ飛ばしてましたね。カット毎に見ていくと、作画→CG→作画という風に往来してテンポが良い。しかもやはり違和感が皆無。
[追記 2017-12-06]
橋口隼人@3日目東ノ10b@TorahArc淡ちゃんが山に取りに行くやつは確か作画でやっていたと思う(自分の範囲だったと思うので)あれは手の周りのオーラに撮影処理がかかるのとオーラは作画でやっているので重なりで作画とCGにわけると手間がかかる為。後は牌をばっと掴むタイミングで上手描いて牌のCGとの絡みも無くしています。
2017/12/06 11:29:45
上記ツイートを受けて確認。おそらくこのカットのことだと思うんですが
あわあわ牌手伸ばし
素人目には、腕のカゲが直線なのでCGに見える。すごく微妙なところ。でも確かに、橋口さんのツイートどおり、オーラは作画ですね。ここは見過ごしていた。腕以外は作画なのかなあ。腕がどっちなのか気になる。
同スロー
うーん、どうなんだろう。わからん!橋口さんのツイートどおり、作画だという感じもするんですよね。というか担当の方ですから、それ以上のソースはないわけで。ただ、正直に言うと、腕だけ疑問で、手首から先は作画だと思う。咲-Saki-だけに。( ^ω^)…(^ω^)テヘッ
またちょっと調べてみます。続報入ったら、また追記します。
同じく16話。「阿知賀編」からは、こういった「煽りアングルで、牌をなめてキャラの顔が映り込む」といった描写が多くなっているような気がします。これいいですよね。対戦相手が相手の手牌に対して鋭い思考を放っているのが分かって良い。一期では見た記憶がない。(※「なめて」とは画面手前に大きな物体が置かれたアングルを意味する)
こちら全国編の11話。作画→CG+作画→CG。末原さんが姫様の異変をやや察知して打牌しているシーン。これも上記の「阿知賀編16話」と同じく、手前の河牌をなめて咲さんが映り込んでいる。これ本当いいアングルです。2カット目では、打牌する咲さんの手が細かく作画されている。(※
ラストは、同じく全国編11話での咲さんのツモ。CG→作画へ。これすごい丁寧なアクションつなぎだと思うんですよ。作画に入る時、難しいアングルじゃないですか。それをしっかりと下からインする形で描けているのは見事だなあと。
後、変態動画を見つけました。
この動画作成者は変態です。言い切れます。何か参考になるかもしれないので、興味がある方は見てみたらどうでしょうか。僕は見れる気がしません。(※だって17分だぜ…)
(5)「闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜(2005)」のCG麻雀描写
もうお疲れの方も多いでしょう、僕も疲れてます。そろそろ終わりたいんですが、麻雀CGアニメの草分け的存在、「アカギ」を語らずして終わりというのは少し寂しい感じがありますので。打牌の感じも良かったんですが、個人的には、このシーンが一番魅力的だった。
20話。鷲巣麻雀2回戦のアカギの手牌を右にPANする形で描写。パースが効いてて良いカットです(やはり、麻雀漫画・アニメといえば、パースをきつめに効かしているのがカッコイイ)。鷲巣麻雀での使う牌は、1種類につき3つが透明牌です。そこで起きる、この透明感の描写。凄まじいのは、鷲巣の部下鈴木の服の映り込み方。ラストで最も明確になるんですが、きちんと屈折してるんですよ。
すげえこれ。CGだけじゃなくて、撮影も相当に頑張って作業したに違いない。このディテールによって、もっとリアルさが増加します。
18話。煽りから俯瞰アングルへの転換。こういった立体的なカメラワークが多用されるのが、「アカギ」における麻雀描写の魅力の一端であると思う。対面のアカギや鷲巣の手は作画で、それ以外はCG。この立体的カメラワーキングによって、臨場感と麻雀が分からない人にも伝わる「何か良い手が来た」という状況説明になっているんですよね。本当、こういうカメラワークが多用されます。透明感はさっき説明したように、同様に素晴らしい。
これエンドクレジット見ても、「COXAI ANIMATION STUDIO」とかすんごい曖昧な感じなんですけど、何処がやったんでしょうか。最初オレンジと勘違いしてたんですが。「メトロポリス」みたいにマッドハウス内部なんでしょうかね。これ10年前にやってんの本当すごいと思う。
(N)麻雀CG表現
個人的に「咲-Saki-」よりも「アカギ」の麻雀描写の方が好みなんですが、どこらへんが良いのか具体的に分かってない。ただ何となく、重い感じが「アカギ」CGにはあるなあという程度で(後は、やはりカメラワークでしょうか)。次回は、その辺りを詳しく説明できたらなと思っています。「勝負師伝説 哲也(2000-01)」とかも麻雀アニメではありますが、あっちの麻雀描写はほとんど作画ですので、さわり程度にしか触れないと思います。「哭きの竜(1988-90)」に至っては見たことがないです。まあ、どちらにもアニメにおける「麻雀描写の基本」みたいなモンはあると思います。
カン!(続く)
<参考文献>
・2-2-3 <アクションつなぎとジャンプショット>-映像の読み書きについて考える
・アニメにおけるマッチカットの実例-大匙屋@セミリタイア
・アニメ用語、絵コンテ用語、映像用語、井上ジェットのカメラワーク大辞典
・ジャンプカット-Wikipedia
・<ジャンプ・カット手法>-テアトル十瑠
・蓮實重彦×青山真治-怠惰なひな菊