
小黒 1話のガルドのミサイル避けですが、あれは手で描いてるんですか。板野 手で描いてますよ。小黒 別にCGとか3Dとかを使ったりは?板野 いや、手ですよ。小黒 あれ、前後のカットが3Dじゃないですか。板野 だから手で描いてるんですよ。小黒 まるで3Dでシミュレーションして描いたかのように見える、完璧な原画ですよね。板野 ちゃんと、奥3コマ・真ん中2コマ・手前1コマと、タイミングを全部計算してやってますから。
これ前々から気にはなっていたんですが、放置していたので、ネタないし、いい機会だと思ってちょっと考えてみました。まずはgifで当該作画を確認してみよう。
■マクロスプラス 板野サーカス

(*´∀`)…( ゚д゚)ハッ!
カッコイイけど、これじゃ何にも分からん!
同スロー

お( ^ω^)何だか分かってきたような気がするぞ。
2コマ打ち、3コマ打ちという言葉があります。 1k作画とかは、作画に興味がない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。まあ要するにですね、同じ一枚の絵が24コマ中2コマ、3コマ流れてたら、2コマ、3コマ作画となるわけです。同じように、一枚の絵が1コマだけ流れていれば、1k作画となるわけです。
言葉で伝えるのは難しい。百聞は一見に如かず。1k作画の具体例をご紹介。
■「メトロポリス」 ティマの髪の作画


DF(デュフュージョン)とともに、髪のなびく様子を作画することで、ティマの持つ神々しさや官能性、スピリチュアルな感じを表現しています。このシーンは、名倉靖博さんという方が作画されています。名倉さんは、枚数をふんだんに使うことを得意にしてるアニメーターで、このメトロポリスの総作監も務めています。
ぬるっと動くと思ったら、たいてい1k作画。 1k作画は、当然1コマにつき一枚の絵なので24コマ全部動く。ということで、ディズニーなんかのフルアニメーションは全部そういう作画なんですね。
■「ルパン走り」による2コマ、3コマ解説
特徴的な走りから魅力的な動きを学ぶ
これはよく出来ていますが、余計な混乱を招きそうです。結局どういうこっちゃ?となる人が多いと思う。2コマの方が動きが早くなるのはわかるし、テンポも生まれる。でも2コマと3コマの違いを知りたい人には、ちょっと良くないんじゃないんでしょうか。
まず大前提として、1秒間に24コマで今のアニメーションは描かれています。(30コマの時もあったそうですが…何だったかなあ) そして、この24コマの中で2コマ同じセルを映すか、3コマ同じセルを映すかということなのです。A、B、C、D、Eという5枚のセル(走りリピート作画)があったとします。3コマではAAABBBCCCDDDEEE(1)-AAABBBCCCという感じになります。1秒間の間に動きは1周半しか入りません。
次に、2コマの場合。AABBCCDDEE(1)-AABBCCDDEE(2)-AABBという感じになります。こちらは、1秒間の間に走る一連のシーンは、2周ちょっと入ります。つまり、2コマの方が情報量を多く感じるというわけです。別に、絵を増やしているわけでもないのに、1周半と2周半弱では大きな差を僕らは感じます。
これがリピートでない場合。つまり、EまでいってもAに戻らず、Fに進む場合。簡単にですが、3コマの方はAAABBBCCCDDDEEEFFFGGGHHH(A-H)で、2コマの方はAABBCCDDEEFFGGHHIIJJKKLLMM(A-M)まで一秒間に絵が流れます。リピートで無い方が、2コマの情報量の多さは分かりやすいかもしれません。
2コマ、3コマ作画の基本がわかったところで、マクロスプラスに戻りましょう。板野さんは、「ちゃんと、奥3コマ・真ん中2コマ・手前1コマと、タイミングを全部計算してやってますから。」という風に言っています。これはどういうことか。上記のgifを見ても、奥の方は同じ絵を3コマでやってるわけでもない。というかサーカスだから、基本的には24コマ全部動いてる。
ここでもう一度スローの方をよーく見てみましょう。

そうなんです、奥の方も動いてはいるんですが、変化が小さいんです。つまり、奥の方はほとんど同じ絵ということ。 対して手前の方は、変化量が大きい。ミサイルは飛び出したら、もう向こうに行って見えなくなる。煙もすぐに流れていく。こういう事なんです。物体の移動する変化量の大小によって、3コマと1コマを使い分けていたということなんですね。スゴイ。
これらのタイミングやらを計算して、板野さんは「マクロスプラス」を作画したということに結論付きました。(※僕の出した結論なので、当然板野さんの主張してることとは違ってる可能性もあるよ!)というかサーカスの基礎でもあったりするんですかね…僕が知らないだけで。
これらの事を踏まえた上で、「マクロスプラス」のもう一個の方の板野サーカスを見てみましょう。
■マクロスプラス 板野サーカス2

同スロー

真ん中2コマの感覚も100回ぐらい見れば、理解できるようになるかもしれません。でも、1コマ、3コマはすごく分かりやすいですね。すごく頭使わないと、キレイなサーカスは描けないということが今回よくわかったのではないでしょうか。キャプアスの村木サーカスを載っけて終わりにします。
■キャプテンアース ED 村木サーカス

■マクロスプラス 板野サーカス

(*´∀`)…( ゚д゚)ハッ!
カッコイイけど、これじゃ何にも分からん!
同スロー

お( ^ω^)何だか分かってきたような気がするぞ。
2コマ打ち、3コマ打ちという言葉があります。 1k作画とかは、作画に興味がない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。まあ要するにですね、同じ一枚の絵が24コマ中2コマ、3コマ流れてたら、2コマ、3コマ作画となるわけです。同じように、一枚の絵が1コマだけ流れていれば、1k作画となるわけです。
言葉で伝えるのは難しい。百聞は一見に如かず。1k作画の具体例をご紹介。
■「メトロポリス」 ティマの髪の作画


DF(デュフュージョン)とともに、髪のなびく様子を作画することで、ティマの持つ神々しさや官能性、スピリチュアルな感じを表現しています。このシーンは、名倉靖博さんという方が作画されています。名倉さんは、枚数をふんだんに使うことを得意にしてるアニメーターで、このメトロポリスの総作監も務めています。
ぬるっと動くと思ったら、たいてい1k作画。 1k作画は、当然1コマにつき一枚の絵なので24コマ全部動く。ということで、ディズニーなんかのフルアニメーションは全部そういう作画なんですね。
■「ルパン走り」による2コマ、3コマ解説
特徴的な走りから魅力的な動きを学ぶ
これはよく出来ていますが、余計な混乱を招きそうです。結局どういうこっちゃ?となる人が多いと思う。2コマの方が動きが早くなるのはわかるし、テンポも生まれる。でも2コマと3コマの違いを知りたい人には、ちょっと良くないんじゃないんでしょうか。
まず大前提として、1秒間に24コマで今のアニメーションは描かれています。(30コマの時もあったそうですが…何だったかなあ) そして、この24コマの中で2コマ同じセルを映すか、3コマ同じセルを映すかということなのです。A、B、C、D、Eという5枚のセル(走りリピート作画)があったとします。3コマではAAABBBCCCDDDEEE(1)-AAABBBCCCという感じになります。1秒間の間に動きは1周半しか入りません。
次に、2コマの場合。AABBCCDDEE(1)-AABBCCDDEE(2)-AABBという感じになります。こちらは、1秒間の間に走る一連のシーンは、2周ちょっと入ります。つまり、2コマの方が情報量を多く感じるというわけです。別に、絵を増やしているわけでもないのに、1周半と2周半弱では大きな差を僕らは感じます。
これがリピートでない場合。つまり、EまでいってもAに戻らず、Fに進む場合。簡単にですが、3コマの方はAAABBBCCCDDDEEEFFFGGGHHH(A-H)で、2コマの方はAABBCCDDEEFFGGHHIIJJKKLLMM(A-M)まで一秒間に絵が流れます。リピートで無い方が、2コマの情報量の多さは分かりやすいかもしれません。
2コマ、3コマ作画の基本がわかったところで、マクロスプラスに戻りましょう。板野さんは、「ちゃんと、奥3コマ・真ん中2コマ・手前1コマと、タイミングを全部計算してやってますから。」という風に言っています。これはどういうことか。上記のgifを見ても、奥の方は同じ絵を3コマでやってるわけでもない。というかサーカスだから、基本的には24コマ全部動いてる。
ここでもう一度スローの方をよーく見てみましょう。

そうなんです、奥の方も動いてはいるんですが、変化が小さいんです。つまり、奥の方はほとんど同じ絵ということ。 対して手前の方は、変化量が大きい。ミサイルは飛び出したら、もう向こうに行って見えなくなる。煙もすぐに流れていく。こういう事なんです。物体の移動する変化量の大小によって、3コマと1コマを使い分けていたということなんですね。スゴイ。
これらのタイミングやらを計算して、板野さんは「マクロスプラス」を作画したということに結論付きました。(※僕の出した結論なので、当然板野さんの主張してることとは違ってる可能性もあるよ!)というかサーカスの基礎でもあったりするんですかね…僕が知らないだけで。
これらの事を踏まえた上で、「マクロスプラス」のもう一個の方の板野サーカスを見てみましょう。
■マクロスプラス 板野サーカス2

同スロー

真ん中2コマの感覚も100回ぐらい見れば、理解できるようになるかもしれません。でも、1コマ、3コマはすごく分かりやすいですね。すごく頭使わないと、キレイなサーカスは描けないということが今回よくわかったのではないでしょうか。キャプアスの村木サーカスを載っけて終わりにします。
■キャプテンアース ED 村木サーカス

A子2
■プロジェクトA子2 原画(※担当パートは推測)
gifは後で。ちょっと自分用に作成。
gifは後で。ちょっと自分用に作成。
本谷と庵野の交流について
「老人Z」の監督などで、有名な北久保さんのaskで興味深い発言がありました。

http://ask.fm/LawofGreen/answer/108172670159
王立が1987で、AKIRAが1988なので可能性としてはある。
けど、庵野さんと本谷さんの交流って聞いたことないなあと。
ここで少し整理してみます。
■庵野サイド
ダイコンフィルム(1981-1984)→ガイナックス(1984-2006)→カラー(2006-)
→グラビトン(?)
■本谷サイド
日アニ(1982-1984?)→アートランドⅢ(-1986?)→AIC(1987-1989)→GONZO(-1991?)
→D.A.S.T(?) →ゲーム業界
■両者参加作品
・「メガゾーン23(OVA/1985)」
・「真魔神伝バトルロイヤルハイスクール(OVA/1987)」
・「王立宇宙軍 オネアミスの翼(劇場/1987)」
・「紅狼 HONG LANG(OVA/1993)」
これぐらい。
あんまり接点がないように感じます。しかし、「遺言」や「のーてんき通信」を読まれた人だとご存知だと思いますが、ガイナックスは一時期パソゲーの方に力を入れていたこともあるのです。(トップ以後とか)
まあ、これも両者の交流を証明するものではないので、なんとも言えませんが…
(※というか、そもそも交流が無くても、技法を確かめることはできるか…)
とりあえずは、「王立宇宙軍」の本谷パートでも探してみようかなあとか思ってます。
シロツグのバイクシーンだとか、列車の煙だとか色々候補はありますが、どれも確定には至ってないです。もうちょっと、特徴と照らし合わせてみます。
実際問題、Twitter始めてるんだし、本人に聞けば一番早いんでしょうけどね。
ナイーブな問題のような気がして、失礼じゃねえのかなあと。
後、ボク超小心者なので…

http://ask.fm/LawofGreen/answer/108172670159
王立が1987で、AKIRAが1988なので可能性としてはある。
けど、庵野さんと本谷さんの交流って聞いたことないなあと。
ここで少し整理してみます。
■庵野サイド
ダイコンフィルム(1981-1984)→ガイナックス(1984-2006)→カラー(2006-)
→グラビトン(?)
■本谷サイド
日アニ(1982-1984?)→アートランドⅢ(-1986?)→AIC(1987-1989)→GONZO(-1991?)
→D.A.S.T(?) →ゲーム業界
■両者参加作品
・「メガゾーン23(OVA/1985)」
・「真魔神伝バトルロイヤルハイスクール(OVA/1987)」
・「王立宇宙軍 オネアミスの翼(劇場/1987)」
・「紅狼 HONG LANG(OVA/1993)」
これぐらい。
あんまり接点がないように感じます。しかし、「遺言」や「のーてんき通信」を読まれた人だとご存知だと思いますが、ガイナックスは一時期パソゲーの方に力を入れていたこともあるのです。(トップ以後とか)
まあ、これも両者の交流を証明するものではないので、なんとも言えませんが…
(※というか、そもそも交流が無くても、技法を確かめることはできるか…)
とりあえずは、「王立宇宙軍」の本谷パートでも探してみようかなあとか思ってます。
シロツグのバイクシーンだとか、列車の煙だとか色々候補はありますが、どれも確定には至ってないです。もうちょっと、特徴と照らし合わせてみます。
実際問題、Twitter始めてるんだし、本人に聞けば一番早いんでしょうけどね。
ナイーブな問題のような気がして、失礼じゃねえのかなあと。
後、ボク超小心者なので…
野中正幸さんについて少し
エフェクトには興味を持つ人が少ないようなので、アクションの方を取り上げる作戦。
最近すごく話題なアニメーターの一人。
「ゆるゆり」 「きんいろモザイク」で、脚光を浴びる。
動画工房かと思ったら、JC出身で現在は不明という(フリーランスかも)。
基本的に、アクションアニメーター。
中割が少ないのに、何故かぬるっとリアルな感じを表現したり、
ツメ方をきつくすることで、タイミングを誇張したり、画全体にダイナミックさを出したりしてる。
…と色々特徴を探しましたが、よく分かってない。
独特のタイミングを持っていて、どんなアニメーターか掴むのが難しいです。
完璧に金田系というタイミングの作画でもないし、どうだろうなあ。
後、野中正幸を調べる中で、この方のブログ記事が非常に興味深かったです。
スカスカした感じ - Mal d’archive
作画に直接関係するわけではないですが、こういう見方もできるんだなあと。
アニメ作画と、全く違う他の文化を比べるってのは面白いもんですね。
■「問題児たちが異世界から来るそうですよ?(2013)」 #6
カメラを追い越していく、大胆な登場シーン

中割り自体も少なく、ツメ方が効いている作画。
このツメによって、大胆に登場シーンを演出する。
待ちきれない様子と首振り

髪の毛と、スカートの振れ方で慣性を表現。
ツメ方普通、もしくは若干後のような気が。
髪の毛の行って帰ってが、すごく上手い。
ぶん投げるぜ

そこそこきつめのツメ方。
投げられる人が、どーんといきなり来る感じで画面に迫力が増す。
■「未確認で進行形(TV/2014)」 OP
黒板シーン1

ここも中割り少なく。
その代わりに、行動が終わった後の動き(慣性による動き)を上手く描いてる。
特に後半のこの2枚が、上手い。


黒板シーン2

ふるふる手首の動きが上手い。
この2枚が、画面全体をまとめている感じ。


今回はこれまで。
野中さんは、髪のリアクションとか、微細な表情の変化とか、服の揺れ方で、慣性を表現してるんじゃないのかなあと今は思ってます。だから、実は枚数を使わずリアルにやるという点では、うつのみやさんに近かったりするのかもしれない。
まあ、アクション作画に関しては、個人的にまだまだ不勉強なところが多いので、誰か突っ込んでくれたら嬉しいなあと思ったりしとります。アクションムズイ。
最近すごく話題なアニメーターの一人。
「ゆるゆり」 「きんいろモザイク」で、脚光を浴びる。
動画工房かと思ったら、JC出身で現在は不明という(フリーランスかも)。
基本的に、アクションアニメーター。
中割が少ないのに、何故かぬるっとリアルな感じを表現したり、
ツメ方をきつくすることで、タイミングを誇張したり、画全体にダイナミックさを出したりしてる。
…と色々特徴を探しましたが、よく分かってない。
独特のタイミングを持っていて、どんなアニメーターか掴むのが難しいです。
完璧に金田系というタイミングの作画でもないし、どうだろうなあ。
後、野中正幸を調べる中で、この方のブログ記事が非常に興味深かったです。
スカスカした感じ - Mal d’archive
作画に直接関係するわけではないですが、こういう見方もできるんだなあと。
アニメ作画と、全く違う他の文化を比べるってのは面白いもんですね。
■「問題児たちが異世界から来るそうですよ?(2013)」 #6
カメラを追い越していく、大胆な登場シーン

中割り自体も少なく、ツメ方が効いている作画。
このツメによって、大胆に登場シーンを演出する。
待ちきれない様子と首振り

髪の毛と、スカートの振れ方で慣性を表現。
ツメ方普通、もしくは若干後のような気が。
髪の毛の行って帰ってが、すごく上手い。
ぶん投げるぜ

そこそこきつめのツメ方。
投げられる人が、どーんといきなり来る感じで画面に迫力が増す。
■「未確認で進行形(TV/2014)」 OP
黒板シーン1

ここも中割り少なく。
その代わりに、行動が終わった後の動き(慣性による動き)を上手く描いてる。
特に後半のこの2枚が、上手い。


黒板シーン2

ふるふる手首の動きが上手い。
この2枚が、画面全体をまとめている感じ。


今回はこれまで。
野中さんは、髪のリアクションとか、微細な表情の変化とか、服の揺れ方で、慣性を表現してるんじゃないのかなあと今は思ってます。だから、実は枚数を使わずリアルにやるという点では、うつのみやさんに近かったりするのかもしれない。
まあ、アクション作画に関しては、個人的にまだまだ不勉強なところが多いので、誰か突っ込んでくれたら嬉しいなあと思ったりしとります。アクションムズイ。
本谷作画 続き
まだまだ調べ中ですが。
ちょっと他にも、gifがあるので貼っとく。
破片と煙(AKIRAより)

パイプの細かな動きと、破片の落ち方がいい。
大きな破片は早く、細かな破片はゆっくりと。
「王立」の打ち上げシーンを思い出すような、破片の動き。
割れるガラスの様子がこっちのガラスに映る(メガゾーンより)

何か珍しいカットですよね。
ただガラスが割れる作画なら、「マクロスプラス」とかでもあったんですけど。
対面のガラスに、それが映るのは珍しい感じが。
風圧で割れるガラス(マクロスプラスより)
本谷作画ではありませんが。
これまじまじ見ると、途中までYF-21を鏡像で描いて、次にはパッと実物で描いてる。




これ面白いなあ。
こういう風にやっても違和感ないので、アニメならではの表現ではないかと思います。
後ここから、AKIRA本谷の原画の一部を見つけたので紹介。
ドーム崩壊のシーン

影の付け方が美しい。
これ手前の方の煙は、分けて描いてないんですかね。
てっきり、セル別にして描いてると思ってた。
ちょっと他にも、gifがあるので貼っとく。
破片と煙(AKIRAより)

パイプの細かな動きと、破片の落ち方がいい。
大きな破片は早く、細かな破片はゆっくりと。
「王立」の打ち上げシーンを思い出すような、破片の動き。
割れるガラスの様子がこっちのガラスに映る(メガゾーンより)

何か珍しいカットですよね。
ただガラスが割れる作画なら、「マクロスプラス」とかでもあったんですけど。
対面のガラスに、それが映るのは珍しい感じが。
風圧で割れるガラス(マクロスプラスより)
本谷作画ではありませんが。
これまじまじ見ると、途中までYF-21を鏡像で描いて、次にはパッと実物で描いてる。




これ面白いなあ。
こういう風にやっても違和感ないので、アニメならではの表現ではないかと思います。
後ここから、AKIRA本谷の原画の一部を見つけたので紹介。
ドーム崩壊のシーン

影の付け方が美しい。
これ手前の方の煙は、分けて描いてないんですかね。
てっきり、セル別にして描いてると思ってた。
本谷利明さんについて少し
本谷さんがまさかまさかのTwitter開始ということで、少し紹介。
板野、庵野、増尾、村木などが、写実系エフェクターであるのはご存知だろう。このブログでも再三にわたって取り上げてきた。本谷さんも、そのカテゴリーに入る。しかも、煙に関しては、最も写実的で他の追随を許さない綿密、緻密なエフェクトアニメーションをするのが、本谷利明である。あくまで持論ですけど。
「AKIRA(劇場/1988)」の煙を見た時の驚きといったら、もう言葉では言い表せないぐらい。ゆったりとわずかながら動きつづける煙、煙の圧力で外れたパイプが暴れる様は、この上なく感動した。写実を極めたアニメーターだと思っている。しかし、「AKIRA」以降は、「グランディア(1997)」 など、ゲーム業界で活躍することが多くなり、アニメにはほとんど参加しなくなっていた。AKIRA組には、こういった人が多く、本谷さんも例に漏れず参加作品は少ない。しかし、「ゼクスイグニッション(TV/2014)」で、久々にTVアニメで原画を4話も担当し、往年のファンを驚かせた。主な代表作は、「AKIRA」「王立宇宙軍」「真魔神伝」。
クリエーターズファイル第123回 野田弘一
http://web.archive.org/web/20080102163818/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_123.htm
これは本谷さんのインタビューではなく、 「グランディア」の設定デザイン等を務めた野田弘一さんのインタビュー記事。数年前には、本谷さんの記事も見れていたが、今はすでに消されてる様子。せめてキャッシュが残っていればなあ…
<ついき 2014/04/21>(大匙屋さん提供。アリガトウ。)
クリエーターズファイル第122回 本谷利明
http://web.archive.org/web/20040304051934/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_122.htm
というわけで、本谷さんのインタビュー記事。
プログラムに興味があるというのは、凄く意外な印象を受ける。
さて、本題の本谷作画を時系列で見ていこう。
■「メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い(OVA/1985)」
爆発とぶわっと煙

ここはタイミングも優れているばかりでなく、その後の煙の動かし方もいい。
爆風の流れに沿って、動いている。
また、爆風によって散らかる紙片、破壊される看板の細かさ、飛び散るガラスの破片。
これらのディテールによって、画面の写実性はますます高まる。
爆風からの建物破壊

街路樹と手前の自転車の動きで、爆風を描写し、後から煙がついてくる。
「さくらや」の看板の崩れ方も、ぐしゃあと崩れていき非常にリアル。
倒れる信号機もまた、ここでは爆風の表現に効果的だ。
■「ヘル・ターゲット(OVA/1987)」
衛星ビームからの本谷爆発1

透過光が少し主張しすぎて、肝心の爆発が見えづらい。
爆発のリアルな回転が、上手い。
爆発本体のディテールは少なめ。ギザギザの影のようなものを入れることが多い。
本谷爆発2

画面が右に動きながらの爆発。難しいカット。
動画は、なめらかな感じ。そこまでタイミングは誇張してない。
要所要所に透過光を入れて、リアリティを高めている。
本谷爆発3&煙

ゆっくりと爆発している様子。核爆発を望遠で眺めた感じ。
やっぱ、「ナウシカ庵野爆発」を思い出してしまう。
当時、本谷さんと庵野さんの交流はあったんでしょうか。
消え行く衛星描写
ここは確定ではないけど、多分本谷さんだと思う。
これが、また核爆発っぽい。
煙を出しつつ、壊れていくのが核爆発の現象として見られます。
参考資料(リファレンス):核実験の映像集
■「AKIRA(劇場/1988)」
ドーム出現の煙

本谷煙の基本は、2色で煙はゆっくりと滑らかに広がる。
この場合は、少し尖りつつ広がっているのが分かる。
ドーム出現時の崩壊シーン

地面の崩壊スピードと破片がリアル。
画面右側の装甲車の動きが、崩れる地面と合わさってすごい。
AKIRAドーム出現前のパイプ煙1

AKIRA本谷といえば、やはりパイプが外せない。
押し出された煙によって暴れるパイプの挙動が、自然でリアル。
また手前のチューブや、土台が崩れるのも細かく描かれる。
ちなみに、AKIRA本谷パート全般に言えることがある。
後ろに描かれる煙はbookではなく、わずかながら形を変え動いている。
パイプ煙2

煙の圧力に耐え切れず、外れるパイプ。
この煙の密度は、どう表現していいものか分からない。
とにかく緻密、綿密なほぼ1k作画である。
ドームからのビームによる誘発連続爆発

透過光を使いながら、上手く連続爆発を描写。
ここでは、タイミングのセンスが光る。
また、触手がいっぱい伸びたりするのも本谷爆発の特徴の一つ。
本谷さんは、大体こんな感じ。
言い方がアレですけど、煙に関しては基地外レベルでうまい。
リアル系の極地!青山さんが若干似ているかなあ。
あの本谷さんが、テレビアニメに帰ってくるとは思っていませんでした。
これから、撮りためてある「ゼクスイグニッション」早く観たいと思います。
板野、庵野、増尾、村木などが、写実系エフェクターであるのはご存知だろう。このブログでも再三にわたって取り上げてきた。本谷さんも、そのカテゴリーに入る。しかも、煙に関しては、最も写実的で他の追随を許さない綿密、緻密なエフェクトアニメーションをするのが、本谷利明である。あくまで持論ですけど。
「AKIRA(劇場/1988)」の煙を見た時の驚きといったら、もう言葉では言い表せないぐらい。ゆったりとわずかながら動きつづける煙、煙の圧力で外れたパイプが暴れる様は、この上なく感動した。写実を極めたアニメーターだと思っている。しかし、「AKIRA」以降は、「グランディア(1997)」 など、ゲーム業界で活躍することが多くなり、アニメにはほとんど参加しなくなっていた。AKIRA組には、こういった人が多く、本谷さんも例に漏れず参加作品は少ない。しかし、「ゼクスイグニッション(TV/2014)」で、久々にTVアニメで原画を4話も担当し、往年のファンを驚かせた。主な代表作は、「AKIRA」「王立宇宙軍」「真魔神伝」。
クリエーターズファイル第123回 野田弘一
http://web.archive.org/web/20080102163818/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_123.htm
これは本谷さんのインタビューではなく、 「グランディア」の設定デザイン等を務めた野田弘一さんのインタビュー記事。数年前には、本谷さんの記事も見れていたが、今はすでに消されてる様子。せめてキャッシュが残っていればなあ…
<ついき 2014/04/21>(大匙屋さん提供。アリガトウ。)
クリエーターズファイル第122回 本谷利明
http://web.archive.org/web/20040304051934/http://www.gpara.com/contents/creator/bn_122.htm
というわけで、本谷さんのインタビュー記事。
プログラムに興味があるというのは、凄く意外な印象を受ける。
さて、本題の本谷作画を時系列で見ていこう。
■「メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い(OVA/1985)」
爆発とぶわっと煙

ここはタイミングも優れているばかりでなく、その後の煙の動かし方もいい。
爆風の流れに沿って、動いている。
また、爆風によって散らかる紙片、破壊される看板の細かさ、飛び散るガラスの破片。
これらのディテールによって、画面の写実性はますます高まる。
爆風からの建物破壊

街路樹と手前の自転車の動きで、爆風を描写し、後から煙がついてくる。
「さくらや」の看板の崩れ方も、ぐしゃあと崩れていき非常にリアル。
倒れる信号機もまた、ここでは爆風の表現に効果的だ。
■「ヘル・ターゲット(OVA/1987)」
衛星ビームからの本谷爆発1

透過光が少し主張しすぎて、肝心の爆発が見えづらい。
爆発のリアルな回転が、上手い。
爆発本体のディテールは少なめ。ギザギザの影のようなものを入れることが多い。
本谷爆発2

画面が右に動きながらの爆発。難しいカット。
動画は、なめらかな感じ。そこまでタイミングは誇張してない。
要所要所に透過光を入れて、リアリティを高めている。
本谷爆発3&煙

ゆっくりと爆発している様子。核爆発を望遠で眺めた感じ。
やっぱ、「ナウシカ庵野爆発」を思い出してしまう。
当時、本谷さんと庵野さんの交流はあったんでしょうか。
消え行く衛星描写
ここは確定ではないけど、多分本谷さんだと思う。
これが、また核爆発っぽい。
煙を出しつつ、壊れていくのが核爆発の現象として見られます。
参考資料(リファレンス):核実験の映像集
■「AKIRA(劇場/1988)」
ドーム出現の煙

本谷煙の基本は、2色で煙はゆっくりと滑らかに広がる。
この場合は、少し尖りつつ広がっているのが分かる。
ドーム出現時の崩壊シーン

地面の崩壊スピードと破片がリアル。
画面右側の装甲車の動きが、崩れる地面と合わさってすごい。
AKIRAドーム出現前のパイプ煙1

AKIRA本谷といえば、やはりパイプが外せない。
押し出された煙によって暴れるパイプの挙動が、自然でリアル。
また手前のチューブや、土台が崩れるのも細かく描かれる。
ちなみに、AKIRA本谷パート全般に言えることがある。
後ろに描かれる煙はbookではなく、わずかながら形を変え動いている。
パイプ煙2

煙の圧力に耐え切れず、外れるパイプ。
この煙の密度は、どう表現していいものか分からない。
とにかく緻密、綿密なほぼ1k作画である。
ドームからのビームによる誘発連続爆発

透過光を使いながら、上手く連続爆発を描写。
ここでは、タイミングのセンスが光る。
また、触手がいっぱい伸びたりするのも本谷爆発の特徴の一つ。
本谷さんは、大体こんな感じ。
言い方がアレですけど、煙に関しては基地外レベルでうまい。
リアル系の極地!青山さんが若干似ているかなあ。
あの本谷さんが、テレビアニメに帰ってくるとは思っていませんでした。
これから、撮りためてある「ゼクスイグニッション」早く観たいと思います。
庵野爆発・増尾爆発の続きと「うる星サーカス」の話
さて、「うる星サーカス」から大分経ちましたが、ようやくあのパートの結論が出せそうです。ホロホロさんコメントで色々と教えてもらって、本当にありがたかったです。A子とかイクサーとかナンジャラホイって感じだったので。この場を借りてお礼を。
まあ、もう本当に大分経ってしまって申し訳ないですが…
リンクも一応貼っておきます。
1、「うる星」庵野サーカス
2、増尾爆発と庵野爆発について
3、増尾パートを色々探検してきた 80年代編
まずは、「A子」の増尾パートを見ていくとします。
■「A子」増尾サーカス
増尾爆発。まん丸球形の爆発+破片の細かさが際立っています。ペプシが飛んでたりしますが、今回は、関係ないので置いとく。ここでまずは、「POP」「イクサー」と比較して、増尾さんの特徴を画像で簡単に紹介。
増尾爆発の作画特徴集

破片は細かく少なめ、独立した球体を描かない。これら2つは、前回の記事でも触れましたね。前回は、こっちの言葉足らずで、増尾爆発のフォルムの特徴の一つ「カエルの水かき」というのが分からなかったと思う。今回はバッチシ画像も用意したので、きちんと説明します。
増尾爆発の外のラインの描き方

こういう感じです。なんとなく分かるかなあ。
爆発の外のラインを1色で繋げたがるのが、増尾爆発(85-87)の特徴だと僕は感じる。外のラインを一色でつなぐエフェクトを全く描かないアニメーターはいないだろうけど、この時期の増尾さんは、この手法を頻繁に使ってるので特徴になります。
今回新しく発見したのは、爆発の球体の内側に、三日月状のカールしてる線(※以下、ムーンライン)があるということです。庵野さんも時々その線を描く時があるんですが、ちょっと違う。ホロホロさんのコメントの太さ細さもそうですけど、もっと根本的な違いがあります。
ムーンライン(増尾さんの場合)




上下で連動してるので、見比べてみてね。
ムーンラインを描く時は、三日月ドーナツ(参照:図2)か、細長い三日月カール(参照:図3)を入れる。(※もしくは、その両方を使って描く)
ムーンラインの具体例




増尾さんは、こんな感じに描きます。
ムーンライン(庵野さんの場合)


庵野さんは、さほど爆発にムーンラインみたいなディテールを加える人ではない、というのがまず最初にあります。描くとしても三日月ドーナツ(図2)の方であり、細長いムーンライン(図3)の方に関しては、ほとんど爆発の中に入れません。
もう一つの大きな違いとして、庵野さんが、ドーナツ三日月(図2)でムーンラインを描くときに、時々短くクワガタ状になるというものです。要するに、爆発の球体の中で、一部分だけにムーンラインを描くということです。(参照:図4)
庵野特有のムーンライン


■「メガゾーン」庵野爆発
また、このクワガタ三日月は、増尾さんのムーンラインと違い、爆発の中で動き回ります。
逆に言うと、こんな作画を増尾さんは絶対しません。ムーンラインを描くなら描くで、きちんと細長いヤツ(図3)を入れてきます。
■「A子」戦闘機の増尾爆発
上のgifから抜き出した金田調のエフェクトカット


そんでイクサーを調べている時は微妙だった、金田調のエフェクトカットについて。「POP」「イクサー」「A子」と3つの増尾さん初期参加作品で、ここまで多く見られると、この時期(85-87)増尾さんが金田系のカットインをエフェクトに使っていたことは確定のようです。
増尾爆発の金田調エフェクトカット集


(「イクサーⅠ」より)


(「イクサーⅢ」より)


(「POP」より)
増尾、庵野爆発の個数比較

また、この時期の増尾さんは、比較的爆発を描いても、球形の個数が少ないのも特徴です。
庵野さんが6、7個平気で描くのに対し、増尾さんは3個が一番多い印象があります。
以上の事を踏まえて、もう一度問題となった作画を見てみましょう。
■「うる星156話」サーカスと連続爆発


問題の作画です。結局このパートは誰が描いたのか?
結論から言うと、庵野秀明だと思います。
当時、庵野さんは板野一郎の影響を受けて、リアルに傾倒していた時期です。とにかくリアルに、写実的な作画を目指していました。目指す途中で、細長いムーンライン(図2)みたいなものは、描きたくなかったのではと思います。その証拠に、「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」や「風の谷のナウシカ」の中で、庵野さんは爆発にディテール(ムーンライン等)を殆ど加えていません。
庵野作画 爆発集




これは僕の推測ですが、写実性を目指す中で一体どんな風に描けばいいのだろうかと、試行錯誤の時期だったように感じます。副産物として、大量の破片の描き込み、タイミングのセンス等が磨かれました。
■「メガゾーン23」庵野爆発

■「風の谷のナウシカ」庵野爆発
「王立」の時期になると、庵野爆発の写実は黄金期を迎え、爆発は細かくリアルに描かれています。 余計なディテールは、爆発をむしろデフォルメにしてしまうので、それを避けたかったのではないのかなあと。
つまり、「うる星サーカス」が描かれた1983.4年当時は、庵野爆発はまだ未完成であり、しかも写実にこだわったので、爆発を細かく描けなかった(※爆発に余計なディテールを足すことが出来なかった)時期だと思うんです。そういう理由で、このサーカスと連続爆発は、庵野秀明の作画だと思います。

増尾さんだったら、この爆発内部にムーンラインを少なくとも一本は入れるだろうし、それをしないのならばドーナツ三日月をすると思う。こんだけ、中身スカスカにして描かない。

後は、やはり破片の大きさですね。
こんなに大きな破片を、増尾さんが描くとは思えない。
Q、あの「金田っぽい」カットインは何だったのか?


完全なる推測で申し訳ないんですが、これって作監とか演出の人が足したんじゃないのかなあと思います。(そういうことは、ありえるんですかね?)前回の記事で、この2枚を抜いても違和感無くみれることは明らかでしたね。80年代後半~90年代は、やっぱり金田作画イケイケの時代だったと思うんですよ。だから、演出の人が「この爆発は、金田さん(もしくは山下)みたいなカットにしろ」 とか言って、ああなったんじゃないのかなあと。全部推測ですよ!
今回ほぼゼロから増尾作画を調べて、スゴい苦労しました。(※gif作っちゃ見て確認、お仕事他に無いか確認、スクショしたのをWFVで見て確認とか…動研の人はすげえなあと改めて思ったよ…)けど、「お!なんだかこの人の作画の特徴が分かってきた!」 みたいな快感を得られるのが楽しくてですね、やってよかったなあと(*´∀`) 庵野爆発についても、分かりきってる感じだったんですが、全然知らないことばっかりで、むしろ覚えた方の事が多いですね。
こんな過疎作画ブログですけど、30人くらいは見てくれてるということで、この「うる星サーカス」一連記事については、お疲れ様でした。途中で、gifのサイズ変更とかで見難い箇所もあったかと思いますけど、そこは勘弁を。いろいろと試してるので…まあ本当にお疲れ様でした。
まあ、もう本当に大分経ってしまって申し訳ないですが…
リンクも一応貼っておきます。
1、「うる星」庵野サーカス
2、増尾爆発と庵野爆発について
3、増尾パートを色々探検してきた 80年代編
まずは、「A子」の増尾パートを見ていくとします。
■「A子」増尾サーカス
増尾爆発。まん丸球形の爆発+破片の細かさが際立っています。ペプシが飛んでたりしますが、今回は、関係ないので置いとく。ここでまずは、「POP」「イクサー」と比較して、増尾さんの特徴を画像で簡単に紹介。
増尾爆発の作画特徴集

破片は細かく少なめ、独立した球体を描かない。これら2つは、前回の記事でも触れましたね。前回は、こっちの言葉足らずで、増尾爆発のフォルムの特徴の一つ「カエルの水かき」というのが分からなかったと思う。今回はバッチシ画像も用意したので、きちんと説明します。
増尾爆発の外のラインの描き方

こういう感じです。なんとなく分かるかなあ。
爆発の外のラインを1色で繋げたがるのが、増尾爆発(85-87)の特徴だと僕は感じる。外のラインを一色でつなぐエフェクトを全く描かないアニメーターはいないだろうけど、この時期の増尾さんは、この手法を頻繁に使ってるので特徴になります。
今回新しく発見したのは、爆発の球体の内側に、三日月状のカールしてる線(※以下、ムーンライン)があるということです。庵野さんも時々その線を描く時があるんですが、ちょっと違う。ホロホロさんのコメントの太さ細さもそうですけど、もっと根本的な違いがあります。
ムーンライン(増尾さんの場合)




上下で連動してるので、見比べてみてね。
ムーンラインを描く時は、三日月ドーナツ(参照:図2)か、細長い三日月カール(参照:図3)を入れる。(※もしくは、その両方を使って描く)
ムーンラインの具体例




増尾さんは、こんな感じに描きます。
ムーンライン(庵野さんの場合)


庵野さんは、さほど爆発にムーンラインみたいなディテールを加える人ではない、というのがまず最初にあります。描くとしても三日月ドーナツ(図2)の方であり、細長いムーンライン(図3)の方に関しては、ほとんど爆発の中に入れません。
もう一つの大きな違いとして、庵野さんが、ドーナツ三日月(図2)でムーンラインを描くときに、時々短くクワガタ状になるというものです。要するに、爆発の球体の中で、一部分だけにムーンラインを描くということです。(参照:図4)
庵野特有のムーンライン


■「メガゾーン」庵野爆発
また、このクワガタ三日月は、増尾さんのムーンラインと違い、爆発の中で動き回ります。
逆に言うと、こんな作画を増尾さんは絶対しません。ムーンラインを描くなら描くで、きちんと細長いヤツ(図3)を入れてきます。
■「A子」戦闘機の増尾爆発
上のgifから抜き出した金田調のエフェクトカット


そんでイクサーを調べている時は微妙だった、金田調のエフェクトカットについて。「POP」「イクサー」「A子」と3つの増尾さん初期参加作品で、ここまで多く見られると、この時期(85-87)増尾さんが金田系のカットインをエフェクトに使っていたことは確定のようです。
増尾爆発の金田調エフェクトカット集


(「イクサーⅠ」より)


(「イクサーⅢ」より)


(「POP」より)
増尾、庵野爆発の個数比較

また、この時期の増尾さんは、比較的爆発を描いても、球形の個数が少ないのも特徴です。
庵野さんが6、7個平気で描くのに対し、増尾さんは3個が一番多い印象があります。
以上の事を踏まえて、もう一度問題となった作画を見てみましょう。
■「うる星156話」サーカスと連続爆発


問題の作画です。結局このパートは誰が描いたのか?
結論から言うと、庵野秀明だと思います。
当時、庵野さんは板野一郎の影響を受けて、リアルに傾倒していた時期です。とにかくリアルに、写実的な作画を目指していました。目指す途中で、細長いムーンライン(図2)みたいなものは、描きたくなかったのではと思います。その証拠に、「超時空要塞マクロス」「メガゾーン23」や「風の谷のナウシカ」の中で、庵野さんは爆発にディテール(ムーンライン等)を殆ど加えていません。
庵野作画 爆発集




これは僕の推測ですが、写実性を目指す中で一体どんな風に描けばいいのだろうかと、試行錯誤の時期だったように感じます。副産物として、大量の破片の描き込み、タイミングのセンス等が磨かれました。
■「メガゾーン23」庵野爆発

■「風の谷のナウシカ」庵野爆発
「王立」の時期になると、庵野爆発の写実は黄金期を迎え、爆発は細かくリアルに描かれています。 余計なディテールは、爆発をむしろデフォルメにしてしまうので、それを避けたかったのではないのかなあと。
つまり、「うる星サーカス」が描かれた1983.4年当時は、庵野爆発はまだ未完成であり、しかも写実にこだわったので、爆発を細かく描けなかった(※爆発に余計なディテールを足すことが出来なかった)時期だと思うんです。そういう理由で、このサーカスと連続爆発は、庵野秀明の作画だと思います。

増尾さんだったら、この爆発内部にムーンラインを少なくとも一本は入れるだろうし、それをしないのならばドーナツ三日月をすると思う。こんだけ、中身スカスカにして描かない。

後は、やはり破片の大きさですね。
こんなに大きな破片を、増尾さんが描くとは思えない。
Q、あの「金田っぽい」カットインは何だったのか?


完全なる推測で申し訳ないんですが、これって作監とか演出の人が足したんじゃないのかなあと思います。(そういうことは、ありえるんですかね?)前回の記事で、この2枚を抜いても違和感無くみれることは明らかでしたね。80年代後半~90年代は、やっぱり金田作画イケイケの時代だったと思うんですよ。だから、演出の人が「この爆発は、金田さん(もしくは山下)みたいなカットにしろ」 とか言って、ああなったんじゃないのかなあと。全部推測ですよ!
今回ほぼゼロから増尾作画を調べて、スゴい苦労しました。(※gif作っちゃ見て確認、お仕事他に無いか確認、スクショしたのをWFVで見て確認とか…動研の人はすげえなあと改めて思ったよ…)けど、「お!なんだかこの人の作画の特徴が分かってきた!」 みたいな快感を得られるのが楽しくてですね、やってよかったなあと(*´∀`) 庵野爆発についても、分かりきってる感じだったんですが、全然知らないことばっかりで、むしろ覚えた方の事が多いですね。
こんな過疎作画ブログですけど、30人くらいは見てくれてるということで、この「うる星サーカス」一連記事については、お疲れ様でした。途中で、gifのサイズ変更とかで見難い箇所もあったかと思いますけど、そこは勘弁を。いろいろと試してるので…まあ本当にお疲れ様でした。
増尾昭一の重要性とガイナ前身についての話
もうすぐ、「うる星サーカス」に関係する記事を出します。
その前に改めて、増尾さんについて少し整理をしたいと思ったのがこの記事です。
まずは、80年代後半(85~87)の増尾・庵野両者のワークスを再確認。
★両方とも参加
・「POPCHASER(OVA/1985) 原画」
・「メガゾード23(OVA/1985) 原画」
・「うる星やつら(TV/156話) 原画」
・「王立宇宙軍(劇場/1987)」
→庵野は、スペシャルエフェクトアーチスト、作画監督(共同)、原画
→増尾は、助監督、原画
★増尾昭一のみ参加
・「戦え!!イクサー1 Act.Ⅰ、Ⅲ(OVA/1985)」
・「プロジェクトA子(劇場/1986)」
★庵野秀明のみ参加
・「バース(OVA/1984)」(※ナウシカ、愛・おぼと同じ年)
・ 「風の谷のナウシカ(劇場/1984)」
・「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(劇場/1984)」
という感じ。
増尾さんは、スタジオジャイアンツ出身。
このスタジオには、摩砂雪や鈴木俊二も同じく在籍していました。
増尾昭一は、庵野とくらべて、キャリアのスタートは少し早いです。庵野が、大阪芸大で自主制作をしている頃には、「六神合体ゴッドマーズ(TV/1981)」などに、既に参加してたりします。
写実系のエフェクト・メカの作画を得意としている印象ですが、初期には金田調のカットインも目にすることもできます。
「愛・おぼ(劇場/1984)」で、庵野秀明と出会います。そして、大きな転機となったのは、おそらく「グラビトン」設立のとき。このスタジオの設立参加に、庵野を誘いました。同じ時期に庵野は、摩砂雪・大月P・樋口真嗣らと出会っているので、後の作品への影響を考えると、「グラビトン」は重要なスタジオなわけです。
ガイナックスの前身はよく、「DAICON FILM」と言われますが、実際には、グラビトンも大きく関与してると思います。アマチュアからの流れが、「DAICON FILM」だとすると、「グラビトン」は、プロ側の流れではないのかなあと。
(※とすると、スタジオジャイアンツはもっと重要なわけですが、キリがないので)
2000年以降は、デジタル・エフェクトの第一人者として、庵野監督を支えています。
というか、増尾昭一がいないと「新劇」はできていません。
それぐらい、重要な人物です。
その前に改めて、増尾さんについて少し整理をしたいと思ったのがこの記事です。
まずは、80年代後半(85~87)の増尾・庵野両者のワークスを再確認。
★両方とも参加
・「POPCHASER(OVA/1985) 原画」
・「メガゾード23(OVA/1985) 原画」
・「うる星やつら(TV/156話) 原画」
・「王立宇宙軍(劇場/1987)」
→庵野は、スペシャルエフェクトアーチスト、作画監督(共同)、原画
→増尾は、助監督、原画
★増尾昭一のみ参加
・「戦え!!イクサー1 Act.Ⅰ、Ⅲ(OVA/1985)」
・「プロジェクトA子(劇場/1986)」
★庵野秀明のみ参加
・「バース(OVA/1984)」(※ナウシカ、愛・おぼと同じ年)
・ 「風の谷のナウシカ(劇場/1984)」
・「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(劇場/1984)」
という感じ。
増尾さんは、スタジオジャイアンツ出身。
このスタジオには、摩砂雪や鈴木俊二も同じく在籍していました。
増尾昭一は、庵野とくらべて、キャリアのスタートは少し早いです。庵野が、大阪芸大で自主制作をしている頃には、「六神合体ゴッドマーズ(TV/1981)」などに、既に参加してたりします。
写実系のエフェクト・メカの作画を得意としている印象ですが、初期には金田調のカットインも目にすることもできます。
「愛・おぼ(劇場/1984)」で、庵野秀明と出会います。そして、大きな転機となったのは、おそらく「グラビトン」設立のとき。このスタジオの設立参加に、庵野を誘いました。同じ時期に庵野は、摩砂雪・大月P・樋口真嗣らと出会っているので、後の作品への影響を考えると、「グラビトン」は重要なスタジオなわけです。
ガイナックスの前身はよく、「DAICON FILM」と言われますが、実際には、グラビトンも大きく関与してると思います。アマチュアからの流れが、「DAICON FILM」だとすると、「グラビトン」は、プロ側の流れではないのかなあと。
(※とすると、スタジオジャイアンツはもっと重要なわけですが、キリがないので)
2000年以降は、デジタル・エフェクトの第一人者として、庵野監督を支えています。
というか、増尾昭一がいないと「新劇」はできていません。
それぐらい、重要な人物です。
「CANAAN」OP 佐藤雅弘パートについて
★「CANAAN」 OP 佐藤雅弘パート
佐藤雅弘さん、確定ではないかもですが。
まあ誰にしろ、上手いっす。
gifで見るとちょっと早過ぎるように感じますが、これぐらいのスピードです。
※やっぱ早すぎて目が疲れるので、少し遅いのに差し替えました。
下の方に少し遅いバージョンのgifもあるので、ご安心を。
ちなみに安藤真裕コンテ。
きのこ原案、安藤監督ということで、埋もれた名作の可能性もあり。
余裕があったら見たいですね。
佐藤雅弘さん担当は、全部で4カット。





ワンカットずつ細かく見ていく。
(※PC閲覧の人は、Zの順で画像見てください)
★C-1




ジャンプして避けるのと同時に、相手の持つ銃も弾き飛ばす。
そして、空中で体ねじり二回転。ここは、中割りが殆ど無いです。
足が一本になるのは、機械体操の基礎でもあります。
そういう意味で、現実の体操をすごく参考にされているように感じる。
★C-2




着地の衝撃で、前にグッと重心が傾く。
髪が遅れて動くので、重心の移動が分かりやすい。
さっき弾き飛ばした銃を背面で掴んで、時計回りに体を捻って相手の方へと向く。
次カットで回し蹴りに繋がってくるので、ここでの身体の捻りは重要。
★C-3




分かりやすいように、敵を一番左からA(紫)、B(緑)、C(青)とします。
ここも中割りが少なめで、ハキハキとした格闘と髪のなびきに注目。
Cを倒す時に、髪が横にブレるので、
身体が移動する描写が少なくても、どういう風に動こうとしてるかが分かる。
と、言葉だけでは分かりづらいだろうから、
このカットだけのスローバージョンを作ったので見て欲しい。
こんな感じに、髪の動きで重心移動、どっちに移動しようとするのかを表現する。
また、腕とおしりの微妙な動きでも、重心の移動は見て取れる。
★C-4




前カットで右手の銃を手放し、自分の銃を取り出し、一番左の敵へと向けて発砲の流れ。
ここでは、C-3が重要な役割を果たしてきます。
Cを倒した後、懐から銃を取り出して、そのままの勢いで次のカットに進む。
こんな感じ。
勢いそのままで、C-4に入ってくるので、アクションにスピード感が増す。
今までの事を踏まえて、全体を通してスローでもう一回。
たった4つのカットですが、
コンテ、原画、撮影それぞれに工夫が散りばめられていることが分かると思います。
いやーもう本当に上手い。
上手すぎて感動した、というのは比喩ではありません。
心にグッと来ました。
ああ、これがアニメだよなあと。
最後に、普通のスピードでもう一度。
コンテも繋がりが考えられてて、まとまってる。
流石、安藤さんと言ったところでしょうか。
エフェクト以外で、こんなにグッと来たのは正直久しぶりです。
すごいなあ、佐藤雅弘。注目していきたいです。
佐藤雅弘さん、確定ではないかもですが。
まあ誰にしろ、上手いっす。
gifで見るとちょっと早過ぎるように感じますが、これぐらいのスピードです。
※やっぱ早すぎて目が疲れるので、少し遅いのに差し替えました。
下の方に少し遅いバージョンのgifもあるので、ご安心を。
ちなみに安藤真裕コンテ。
きのこ原案、安藤監督ということで、埋もれた名作の可能性もあり。
余裕があったら見たいですね。
佐藤雅弘さん担当は、全部で4カット。





ワンカットずつ細かく見ていく。
(※PC閲覧の人は、Zの順で画像見てください)
★C-1




ジャンプして避けるのと同時に、相手の持つ銃も弾き飛ばす。
そして、空中で体ねじり二回転。ここは、中割りが殆ど無いです。
足が一本になるのは、機械体操の基礎でもあります。
そういう意味で、現実の体操をすごく参考にされているように感じる。
★C-2




着地の衝撃で、前にグッと重心が傾く。
髪が遅れて動くので、重心の移動が分かりやすい。
さっき弾き飛ばした銃を背面で掴んで、時計回りに体を捻って相手の方へと向く。
次カットで回し蹴りに繋がってくるので、ここでの身体の捻りは重要。
★C-3




分かりやすいように、敵を一番左からA(紫)、B(緑)、C(青)とします。
ここも中割りが少なめで、ハキハキとした格闘と髪のなびきに注目。
Cを倒す時に、髪が横にブレるので、
身体が移動する描写が少なくても、どういう風に動こうとしてるかが分かる。
と、言葉だけでは分かりづらいだろうから、
このカットだけのスローバージョンを作ったので見て欲しい。
こんな感じに、髪の動きで重心移動、どっちに移動しようとするのかを表現する。
また、腕とおしりの微妙な動きでも、重心の移動は見て取れる。
★C-4




前カットで右手の銃を手放し、自分の銃を取り出し、一番左の敵へと向けて発砲の流れ。
ここでは、C-3が重要な役割を果たしてきます。
Cを倒した後、懐から銃を取り出して、そのままの勢いで次のカットに進む。
こんな感じ。
勢いそのままで、C-4に入ってくるので、アクションにスピード感が増す。
今までの事を踏まえて、全体を通してスローでもう一回。
たった4つのカットですが、
コンテ、原画、撮影それぞれに工夫が散りばめられていることが分かると思います。
いやーもう本当に上手い。
上手すぎて感動した、というのは比喩ではありません。
心にグッと来ました。
ああ、これがアニメだよなあと。
最後に、普通のスピードでもう一度。
コンテも繋がりが考えられてて、まとまってる。
流石、安藤さんと言ったところでしょうか。
エフェクト以外で、こんなにグッと来たのは正直久しぶりです。
すごいなあ、佐藤雅弘。注目していきたいです。
超時空要塞マクロス OP+27話 作画gif
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