GOMISTATION.Re0325

本気でいく

カテゴリ: 原画マン

増尾爆発の最も天才的な部分、秀でた部分を上げるとするならば、それはタイミングである。増尾のタイミング、原画の流れといえば、白コマによって成り立っているように思う。


■「ふしぎの海のナディア」39話:増尾作画
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クロスフィルター(十字光)→爆発


白コマがダダダッと入り、爆発がそれに合わせて展開していく。じっさい、これで伝わっていると思っていたが、思いの外、増尾作画のタイミングは伝わっていないようだ。今回はいい機会と思い、丁寧に説明することにした。



同スロー
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まず、増尾の白コマには2種類ある。「閃光」の役割を果たす白コマと、「爆発の立体感」を出す白コマの2つである。

時代にもよるが、爆発した瞬間の白コマ(白コマAとする)は、おそらく「閃光」の役割として、2~3枚ほど入る。その後、爆発が広がっていく際にも、白コマ(白コマBとする)は見られる。この白コマBは爆発の間に入っていくが、これによって、あたかも一瞬で、目の前に迫りくるような爆発となる。つまり、白コマBは、「爆発の奥行・立体感」を示すためにあるのだ。




さて、ここからは、増尾作画の変遷の話になる。メンドウという人は、読み飛ばされたい。

「最初期の増尾爆発にあった金田系の要素は、ショックコマへと引き継がれた」という結論を2年ほど前に出した。この結論は変わらないままだが、もしかすると、金田系の中抜きによる爽快さを、ショックコマによって、増尾は発展させようと試みたのではないか。つまり、中抜きの発展(※つまり金田系の発展、今石作画みたいな)とは別系統で、ショックコマによる金田系の発展は増尾が行ったのではないか?今は、そのように考えている。


閑話休題。増尾氏が急逝してから、いろいろ見直した。中でもとりわけすごかったのは、「ふしぎの海のナディア」の39話である。この作品で増尾は”メカニック作画監督”というクレジットではあるが、増尾作画のエフェクトも多い。いや、ほぼ全てのエフェクト作画が増尾によるものであると言い切っても過言ではない。それくらい、ナディア39話は増尾密度の高いフィルムだった。

増尾作画に触れたいという人にとって、ナディアはうってつけの作品となるだろうと思う。

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(■僕のヒーローアカデミア[2017/TV/25話])

田中宏紀作画(※推測)

1カット目では立体的なフォルムで規模を伝える。2カット目はフィールドが高温になっていることを描写。だから、2カット目は(爆発そのものを誇張しすぎないように)、平面的になっている。


同一部スロー:赤味の変化
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んで、この爆発は、巻き込みも、タイミングもすげえ良いんだけど、それと同じくらい、赤色部分の処理もいいんですよ。だって、爆発表面の温度って様々ですから、単色で表すのは困難なのは明らか。赤色の中で、グラデつけることで、細かい温度が表現できる。その上、カゲの代わりにもなる(なんと、黄色の部分はカゲがない!なのに立体的に見える!やばい!)。これ考えたなーと思う。



田中宏紀って平面的な爆発・煙が多いじゃないですか、単色も多い。ただ、クソうまいから、立体的に書こうと思えば、1カット目みたいに書けるんですよ。だから、平面的な爆発が多いのは、意図的だということが分かる。なんで、田中宏紀って平面的に書くんだろう?と前から思ってた。

アニメの中で重要なのは、立体です。そうじゃなかったら、奥行を作るために、アホみたいにでかいマルチプレーンカメラなんか作らんだろうし、アニメなんて全てDLEで良いはず。平面的な単色煙が多い、田中宏紀もそれは同じと思う。たぶん、これで立体を表現したいんですよ。すげえ緻密に線を描き分けて、カゲつけて、ハイライトつけて、みたいなのも絶対できる。それだけの技量をもったアニメーターですから。

だけど、そういった方向とは違う、エフェクトを目指している。平面的な爆発の中でも、立体感は出せる。影やハイライトを極力使わない方向で、具体的にいうと、少ないディテールで立体的なエフェクトを描きたいと考えているのではないかと思う。だから、こういった処理になったと思うんですよね。赤色単色だと流石に浮いてしまうけど、線も入れたくない。じゃあ、撮影処理でグラデかけようと思ったのではないか。線の描き込みや色トレス以外の方法で、カゲを描いて温度を描き、立体を表現しようとしている。そう感じる。

増尾昭一さんが先日、7月24日に急逝された。

訃報 株式会社カラー
http://www.khara.co.jp/2017/07/26/15601/

関係者でもないヤロウが追悼するなど、どこかおこがましいと感じた。しかし、増尾作画に感動した事実があり、氏の作画や作品に没頭した日々は否定できない。誰よりも詳しいとは思わないが、この世で誰よりも増尾作画が好きではあると思う。僭越ながら、追悼する。

爆発にここまで興味を持ったのは、増尾さんがいたから、増尾作画が燦々と輝いていたからだ。エフェクトに没頭することなどなかった。言い出せばキリがないが、特に「銀色の髪のアギト」における作画は、素晴らしい。画面の前で、ただただ圧倒されるだけであった。増尾作画を見るたびに、様々な工夫や実験が垣間見れた。今のエフェクト作画の土台を築いた、と言っても過言ではないと思う。

そして、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」では特技監督を務められ、”エヴァ”の世界を支えた。特技監督としての増尾さんは、作画から撮影、CGと多岐に渡り、画面のクオリティアップをなされた。増尾特技監督抜きで、ヱヴァの画面は語れない。素晴らしいものをありがとうございました。

残念です。57年間に及ぶ人生、大変にお疲れ様でした。この個人の言葉は、余計な荷物とはせず、大事なものだけ抱えて、彼岸へとお旅立ちください。

こっちから移動しました。まあ、見事に思い込みと勢いで、年表まで作った。作ってしまったものは仕方ない、ええいままよ。何かの役に立てば幸い。たぶん漏れもある、改善していく。
(※1.情報はアニメスタッフデータベース様から引用、※2.福島「善」晴名義は漏れアリ、※3.太字は個人的に重要な作品、※4.特に断りなければ「原画」参加、※5.適宜追加と更新予定)

[追記]
福島喜晴-作画wiki
https://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/1959.html

ファンの方がwikiを作成されたようです。すごい情熱だ。やっぱり福島喜晴さんってめっちゃ上手い人だろうし、重要な人じゃないかなと思います。この記事意味ないなあ、どうしよう笑

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1980年 
火の鳥2772 愛のコスモゾーン 制作進行(キャリアスタート?)
1981年 
のび太の宇宙開拓史 動画 
1982年 
ゴールドライタン 18話
1983年 
プラレス3四郎 原画 14.37話 作監 08.14.20.26話
(※14話は福島さん含め2人原画、作監回。極めて重要)

1984年 
北斗の拳 05話 作監
特装機兵ドルバック 激闘!パワードアーマー(オマケOVA)
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
星銃士ビスマルク 原画 02話  作監 08.12.50話
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

1985年 
魔法のスターマジカルエミ 作監 04.12.22話
戦え!!イクサー1 ACT.1
戦え!!イクサー1 Act.II イクサーΣの挑戦
夢次元ハンターファンドラ PartⅢファントス編 メインアニメーター
魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞
GU-GUガンモ 劇場版
幻夢戦記レダ アニメーター
メガゾーン23

1986年
プロジェクトA子
超獣機神ダンクーガ 失われた者たちへの鎮魂歌(OVA)

1988年
孔雀王 OVA 01話
めぞん一刻 完結篇(劇場版)原画
燃える!お兄さん 04話
赤い光弾ジリオン 01.04話

1989年
ファイブスター物語(劇場版)原画
らんま1/2熱闘編 20.21.22.29.33.37.41.44.47.52.64.67.72.75話

1990年
冒険!イクサー3 02.05話
1+2=パラダイス(OVA)01話

1991年
ここはグリーン・ウッド(OVA)03.04話
チエちゃん奮闘記 じゃりン子チエ 01話
シティハンター‘91 02話

1992年 
YAWARA! 122話
創世機士ガイアース 01.03巻 原画

1994年 
無責任艦長タイラー 特別編 ひとりぼっちの戦争
ダーティペア FLASH 01.03.05話
幽☆遊☆白書 01.06.14.27.36.62.65.67.75.77.90.96.103.108.112話

1995年
ジャイアントロボ OVA 鉄腕GinRei EPISODE:23〜禁断の果実を奪還せよ極楽大作戦!!
鬼神童子ZENKI 07.11.181.23.29.35.43.47話
NINKU -忍空- 02.08.14.22話
天地無用! TV/25話
神秘の世界エルハザード 06話
ジャイアントロボ THE ANIMATION 外伝 原画

1996年
ルパン三世 トワイライトジェミニの秘密(TVSP)
新海底軍艦 02話
赤ちゃんと僕 04.07.13.18.29話
小鉄の大冒険 02話
シティーハンター ザ・シークレット・サービス(TVSP1)
銀河英雄伝説 OVA第4期 106話

1997年
みすて・ないでデイジー 01.06話
スーパーフィッシング グランダー武蔵 26.31.36話
吸血鬼美夕 10話
逮捕しちゃうぞ 15話
ネクスト戦記EHRGEIZ 03話
HAUNTEDじゃんくしょん 01.03.06.10話
新・天地無用! 07.13.20話
シティーハンター グッド・バイ・マイ・スイート・ハート(TVSP2)原画

1998年
SHADOW SKILL -影技- 01話
セイバーマリオネットJ to X 21話
ブレンパワード 01.03.09話
銀河英雄伝説 OVA外伝第1期 千億の星、千億の光 06話

1999年
ゴクドーくん漫遊記 26話
BLUE GENDER 12話
天使になるもんっ! 15話
デビルマンレディー 24話
カードキャプターさくら 40話

2000年
タイムボカン2000 怪盗きらめきマン 05話
ラブひな 13話
サクラ大戦 TV 12話

2001年
学園戦記ムリョウ 18.26話
チャンス〜トライアングルセッション〜 08話

2002年
ポケットモンスター(金銀編)117/ 234話
シャーマンキング 56話
バロム・1 05話 作監

2003年
ロックマンエグゼAXESS 28話
人間交差点 HUMAN SCRAMBLE 01話
京極夏彦 巷説百物語 02.07.12話

2004年
蒼穹のファフナー 23話
新暗行御史(劇場版) 原画

2005年
灼眼のシャナ 03.07.18話
極上生徒会 21話
ガラスの仮面(2005年版)01.03.08.13.22.35.36.42.47話
スターシップ・オペレーターズ 02話 原画 03.05.07.12話 作監

2006年
天保異聞 妖奇士 02話
スパイダーライダーズ 〜オラクルの勇者たち〜 04.16.20.24話
吟遊黙示録マイネリーベwieder 05話
D.Gray-man 01.08.15.19.27.33話
.hack//Roots 02話
エア・ギア 黒の羽と眠りの森 -Break on the sky- 03話 第二原画

2007年
ゼロの使い魔 ~双月の騎士~ 07話
灼眼のシャナⅡ 03.20話
スパイダーライダーズ ~よみがえる太陽~ 02話
キミキス pure rouge 09.10.17話

2008年
ゼロの使い魔 三美姫の輪舞 01話
とある魔術の禁書目録 23話
ToLOVEる 10話
シゴフミ 12話
北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王 01話 作画協力
隠の王 18話
とらドラ! 13話

2009年 
黒神 The Animation 06.10.21話
ドルアーガの塔 〜the Sword of URUK〜 06.10話

2012年
夏色キセキ 09話
DOGDAYS””(2期) 04話

2013年
バトルスピリッツ ソードアイズ 50話
ゴールデンタイム 18.23話
ローゼンメイデン(2013年版)11話

2014年トリニティセブン 07話
幕末Rock 03話 第二原画

2016年
D.Gray-man HALLOW 08話

2017年
うらら迷路帖 07話
バンドリ
進撃の巨人2 35話

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ああ、思い込みで物事をやってはいけません。まあ、塞翁が馬、災い転じて福となす、という言葉もあるということで…そういえば、福島喜晴さんもそうなんだけど、エヴァTV版なんかに参加された福岡英典さんのエフェクトとかも気になる。

追記・修正・訂正済み(2017-07-28)
失礼しました


■超獣機神ダンクーガ(1985/TV)01.02話

爆発1
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[01.02話の回想に使われていた(5話以降もあるかも)]


爆発2★★
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[追記その2]
「爆発2」「爆発3」あたりは、鶴山修(つるやまおさむ)さんらしい。
(※Twitter上で新井淳さんからご指摘ありました。ありがとうございます)

このシーンが圧巻。高温、強光の中心部において、画面がモノクロになる。ビームがその場全体を押しつぶしていく、戦車がぐしゃあと壊れていく。ミサイル打つ所は上に剥がれていくし、タイヤはわずかに地面にめり込む。緻密だなあ。そして球形の爆発へと繋がる。いやあ、このカットはマジでスゴイ。
上妻晋作 S Kozuma‏ @kozuma_           
@arasansan @iguchi190 1話で戦車が吹き飛ぶ所を鶴山くんが一コマ作画でやった影響かな…密度の濃さにラッシュで観てた人間が「おおっ!」となった。

新井淳 @arasansan              
@kozuma_ @iguchi190 凄いですよね~ 1話の超リアルで細かいメカ描写。ああいうのは鶴山修さんが現代兵器の写真集買い込んで作画されたらしいですね。1話は3ヵ月かかったとか?
ダンクーガ - togetterまとめ より一部引用。新井、上妻さんらの会話の一部)

上下2シーンは、ダンクーガにおいて特殊・異質だと思う。なぜかというと、本編や回想の他のシーンでは、もっぱらに爆発は金田系エフェクト中心だったから。ここまで球形爆発を全面に持ち込んだものは、この時代ではあまり見られないと思う。球形爆発は、マクロスに代表される、板野一郎がおそらく生み出したもので、その他は庵野秀明、増尾昭一がこういった作画をした。他にもいるかも。



金田系、金田調(もしくは山下系)っていうのは下記のような作画(同01話)
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「へ」の字型のような煙や、直線ばった形の煙が多くある。あとは、まあタイミングが、球形爆発のようにじんわりとした感じではない。ガッガッがという感じで、止まっては進んでを繰り返す感じ。



爆発3★
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戦闘機が壊れて爆発と上がっていく。写実的


回想以外だと1話では他にも。


爆発4★
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こういった作画も見受けられた。ひしゃげていく戦闘機、ビームによって分解されるパーツの破片描写が美しい。そして、ここでも爆発は球形。


53]

2話以降も金田系じゃないエフェクトは見受けられますが、だいたいが劇画タッチなエフェクトで、1話のような写実カットは少ないと思う。1話クレジットでは、福島喜晴らが参加。ぶっちゃけ、福島さんしか分からん。福島さんも名前知っている程度だしで、知人に尋ねたところ、この時期の福島さんはバリバリの金田系らしい。なんでか聞くまでは根拠もないのに、「これが福島作画か!」って勝手に思い込んでたんご。

[追記]
01話の敵の奇襲シーンは羽原信義さんらしい(情報いだたきました)、失礼しました。羽原さんって金田エフェクト描くイメージだった。(誤解を招くといけないんで、福島喜晴さんの年表は別記事に移動じゃー)。とにかく、ここの爆発めっちゃ良くない?カッチョええ。

思い込みには気をつけよう!


[追記その2]
上記で一応、訂正しましたが再度
「爆発2」「爆発3」は、羽原信義さんではなく、鶴山修(つるやまおさむ)さんです。今度はたぶん大丈夫だと思います。何度も間違えてすいません。ちょっと情報の精査が甘かったかなと思います。何か不備などありましたら、指摘してくださると助かります。

繰り返し見ましたが、ぶっちゃけ分かんない。
ここ野中じゃねえぞゴラァほか指摘あったらコメントとかでドゾー

野中作画といえば、フォロースルーが強調されたものが多い。身体がよじれた後、髪の毛が遅れてついていく、走った後に急制動をかけると身体が前のめりになる。そういったフォロースルーを、強調して描くのが、野中作画の最大の特徴であり魅力です。細かい特徴は、関節の柔らかい感じとか、少し中を抜いた感じのタイミング、とかですかね、ココらへんもいい。


以下、野中作画(※推測)と解説


地団駄
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若干ゃおばけもあり。揺れる浴衣の袖のリアクションに注目

地団駄を踏むときに手も一緒に下ろし、それが、袖の動きへと繋がる。手が下に振り下ろされた後に、袖が遅れてついてくる、これがフォロースルー。



デコピーン
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デコピンされて、顔が一回後ろに倒れ込み、戻ってくる。この辺の流れ とあとは、デコピンされた額の部分を擦る際に、肩甲骨がグニッと浮き出ているのが面白い。野中作画なら、反動で戻ってくるときに、もうちょっと大げさに、顔面が沈み込んでも良さそうではある。




宣言
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「デレデレしません!」と宣言するところ、この辺は「偽物語08話」の野中作画とやや似ている。発声するときに、口だけじゃなく、それと連動して首や肩(あとは胸)も一緒に動く。顔や口だけではなく身体全体が揺れて描かれる。野中なら、もうちょい揺らすかも?ここはちょっと微妙ですが、「実際に喋ったらこうなるかも」というのが、野中作画の面白いところ。下記のgif参照。

参考)「偽物語」#08
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(これ何回も引用してんなあ)


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まとまらないなー。まあ、野中作画、久々にじっくりと見た気がします。彼の作画で素晴らしいのは、(喋るときに口単体だけが動くのではなく)身体が連動して動くことによって、キャラクターが活き活きとすること。過剰な点もあるかもしれないけれど、「現実でも、こうなるかもしれないなあ」と受け手側に感じさせるのが魅力的。今回は以上です。

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』公式サイト
http://doraeiga.com/2017/ 


カチコチといえば、嫌なことを思い出しますが、とにもかくにも映画ドラえもん最新作です。そんで、けっこうコレが面白そう。のび太たちが南極で遊んでいると、(当時人が住んでいなかったはずなのに)古代遺跡があって、物語が始まっていく。そんな感じです。詳しくは公式サイトで。


dm2017wp1_pc

今までの映画とは少しテイストの違うポスター
イメージボードをそのまま出すことで、ラフな印象をもたせる

公園で日向ぼっこしてる有名な油絵(※情報ありがとうございます→ジョルジュ・スーラの代表作らしい) があったと思うんですが、あれと印象が似ている
あえて緻密な画にしないことで、冒険の内容を自然と想像させる。
これからどんな冒険が始まるんだろうと、ワクワクする。


下記リンクのポスターも魅力的ですね。コピーも良い。
◆「映画ドラえもん」新ポスター6種類を公開 新宿地下に期間限定で掲出
http://animeanime.jp/article/img/2017/02/27/32718/106105.html 



エフェクトもPVを見る限り良さそう。というか、めっちゃ良い。

遺跡崩れ
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氷崩れ
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一つ目は微妙ですけど、氷が崩れていく辺りは桝田さんじゃないかなー
影の付け方とか破片のこだわりがちょっと桝田作画っぽい
 



まあ少し気になる点もあって

25]
 
屈折表現や水の透明感が見事。
誰が描いているかは分からないけれど、上手い人が描いているのは分かる。

ただ、ドラえもんの表情が気になった。口がちょっと開いてしまっていて、「本当にこいつ助けた方がいいのか?(1人でも大丈夫じゃないのか)」みたいに思ってしまう。少しもったいない。ブリキや雲の王国でドラえもんが機能停止するときって、本当にもう真顔(もしくはとち狂った顔)なんですよ。だから、そういったドラえもんを見ると、「こいつは助けないとダメだ」って思うんですが、あまりにもアホ顔だと、勝手に蘇生しそうで緊張感が薄れてしまう。


とにもかくにも、完全新作のドラえもん映画では、久々にワクワクしております。大人の自分がPVだけで胸躍るんですから、子供はもっと楽しめる。そんな作品だと思います。監督は「劇場版 青の祓魔師」などを監督された、高橋敦史さん。劇場版ドラえもんでは初監督。公開は3/4。楽しみです。 

なんか今度は幼女が戦うらしい。しかも軍人で、しかもドイツ。2017年アニメはまだ自分には早いように感じます。まあ、エフェクトだけは踏ん張りたいものです。

そんで、エフェクト作監が橋本敬史なので、公開前から期待されていた方も多かったみたい。
さっそく見ていきましょうか。


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爆発の中心は温度も高いですが、光の輝度もまた強い
強い光を受けているのを表現するのに、煙の輪郭線に透過光を使っているのが芸コマ
これけっこう画期的だとおもう


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ショックコマ(白黒)→爆発した後、煙へ
上から下へほぼいっぺんに色を変えて温度表現をしているんですが、
さいごに立体感はちゃんと復活していて、地味にすごい

ゲス顔もきれいにマッチングしてますね




そんで、ぶっ飛んでラストの橋本(敬史)爆発のお話になるんですが、
まったく違った、小澤和則さんでした(ソース)。失礼しました。

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なるほど、だからディテールが違っていたのか納得。見た瞬間、「これは橋本さんやな」だと思い込んでました。よく見ると、衝撃波のタイミングが小澤さんっぽい(gif1個目)。ダブラシ衝撃波は、「このすば」1期OPでもやってましたね。

内部への巻き込み方とかええなあ。明るい部分は透過光と薄いオレンジと濃いオレンジの、計3個で温度表現している。これどうやって描いてんだろ、手前と奥でレイヤー分けてんのかな。

3話のエフェクトは見せ場しかなかった。話題になっていないのが不思議です。

 
・迫りくる爆発
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画面奥で、2つの煙作画(白と灰色)を交互に使って多層感を出す。
中央の爆発から終わりまでは、タイミングが特に素晴らしい。

少し間を置いて左から爆発させた後、間髪入れずに右から閃光と破片を描写する。
このように、タイミングは遠近感を上手く利用したものになっている。
(※参考として「ジャイアントロボ」の増尾作画が手触りとして最も近いと思う)



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地面に着弾した後に起こる、煙の発生と消滅。消え方が面白い動きですね。



・立ち上る黒煙CG ☆
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ここはCGかな。3コマで動かしてました。
高音部(オレンジ色)の動きが良い。あとは火花のパーティクルもいい味出してる

イゼッタでのCGはオレンジ
エフェクトCGアニメーターは、飯沼卓也さんという人



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砲撃の際の煙。膨らみ方とカゲの落とし方が良い。


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初見でギョッとしました。砲弾に貫かれた煙は、輪っか状に。



・爆弾の狙撃+戦闘機の爆発 ☆☆
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前回記事から何度も言ってるんで耳タコだと思いますが、
爆発表面の線の動かし方が良いんすよ!


41]

20161027180745

爆煙の回転と膨張の表現の仕方がポイントです。
細いカゲ(赤で囲った部分)と太いカゲ(青で囲った部分)の2つで表現する。
特に注目されたいのは、細いカゲです。これで煙の回転する様子や大きさを描く。




・戦闘機墜落と爆発
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戦闘機が墜落する前に、画面手前にダブラシ煙が迫りくる。

墜落後は、戦車が地面に突っ込むんで、いったん煙が発生する。その後、戦闘機が爆発。
内側から湧き出るように爆発するのは、墜落の衝撃と強い爆風を表現するためかな
手前の煙もかき消しているんで、相当強い爆風なんだなあというのが分かる。



・クロワッサン煙 ☆☆
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こういう立体感あふれる煙ほんと好き。
右下に伸びる煙がクロワッサンみたいだったんで、そう命名しました。
地味にカゲ2色ですね、カメラから遠い部分は濃灰色にしてる。



・戦車持ち上げてドン
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滞留煙+浮かぶ立法破片
(キャラのアクションも上手い)


とりあえず、急いで記事にしました。爆発や戦闘シーンがなかった2話メンツと比較すると、3話では(1話と同じく)亜細亜堂の人が参加されていましたので、おそらくその内の誰かだと思います。個人的な最有力候補は、永田亜美さん(「ドラえもんのび太の宇宙英雄記」で似たような煙を見ましたので、薄い根拠ですが)。もちろん、このエフェクト全部ではないですが。

また、追記すると思います。

ドラ映画35周年記念作品。お話が残念極まりなかったが、画は素晴らしいので紹介。
(作画パートは全て推測)


・のび太ふっ飛ばされ後の煙
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桝田浩史作画。最近、ようやく桝田煙が分かってきました。桝田煙は、線の動かし方(「瓦」みたいな線のディテールを動かしたりするの)が特徴的かな。あとは、楕円を何個もくっつけた感じの影を動かして、煙の膨張や展開を表したりするのもよくやる。ただ、試行錯誤される方なので、影の入れ方とかは変わることが多い印象です。

03]04]
07]08]

立方体の破片を大小さまざまに入れるのも特徴。この破片が重力を受けて落ちていくんのがめっちゃリアル。これほど良いと思った破片は、本当に久しぶりじゃないかなあ。村木以来と言っても過言ではない。良くも悪くも、「方形破片を描く」という文化はシルエットの流行と撮影(コンポジット)の発達で廃れてしまったので、描く人が少なくなった。ああ悲しい。



・しずかちゃんの水ビーム
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弾ける感じの水作画。ここはレイアウトがいいっすねえ。弾ける水が全方向に。



・のび太落下後の波★★
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桝田作画(※推測)。いやあ圧巻です。

落水した後、水の流れが2つに分けて描かれてますね。その場で打ち上がる水と、手前に押し寄せる波の2つ。波が伝わるスピードとか、遅れてついてくるのび太たちに合わせて動く波とか、すごく良く出来ている。のび太が水に落下してから、地下の秘密施設に辿り着くまでの一連は桝田さんかなーと思います。


[橋本作画との比較]
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(セシル04話:橋本敬史パート)

個人的には橋本作画と迷ったんですが、その迷ったポイントは

(1)持ち上がった水が再度落水する時のタイミング
(2)水内部のカゲの付け方

この2つが似ているので、大分悩みました。今でもよく分かってない。ただ、違うなあと感じた部分は、「落水するときのフォルム」ですね。橋本さんはまとまった塊で落下させるんですが、桝田さんは何個かの部分に分けて落下させていると思う。後は、桝田さんの方がややデフォルメ寄りなのもある。



・敵キャラドッスン
20160724203056

割りかしハッキリとしたエフェクトが多いドラ映画では、珍しく粘土みたいな煙。破片の広がり方は空気の流れに合わせた感じで、意外と計算されている。青山浩行さんみたいな煙だなあ。


知らない方のために補足としてカッコイイMADを。

・青山浩行 爆発作画集


有名ドコロでは、「時をかける少女」「サマーウォーズ」なんかの作監をしています。アクションも上手いらしい、そこはよく知らん。日本でリアルな炎と煙を書かせたら、この人の右に出る人はいない、そういう私見がある。



・ビーム発射
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バシュンとビーム。広がる輪っかのタイミングも上手いなあ。タイミングと内部のディテールは政勝さんっぽい、後は全セルの中での、流線のディテールとか。うまく言えねー、もうちょい具体的に言えると思う。




新ドラになってから必ずと言っていいほどエフェクトの見せ場があったんだけど、今回は爆発や煙が少なく個人的には残念。政勝爆発や橋本煙が好きなんだけどなあ、あまり見れなかった。まあ、そんなとこです。そろそろ、「新・日本誕生」もレンタルできるので、そっちも見たいと思う。

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