もうはや3年、御命日には間に合わず
今年は、増尾さんの白コマのタイミングについて
なので、今度は図解を交えて説明する
ジャイアント・ロボ[1992/OVA]01話
これなんてことないポリゴンショックに見えるよね。いやあこれがね、すごいんだわ。この白コマを理解すると、増尾作画はもっと深く理解できる。なぜかというと、増尾さんの白コマは、他アニメーターの使い方とハッキリと異なっているので、増尾作画のカットを理解する”手がかり”であり、増尾作画における”技巧”の一つでもあるから。
ショックコマは多岐に渡り、全てについて説明しようとすると煩雑になりそうだなと思った。ですので、今回は白コマに限って説明します。
まずは、「白コマ」そのものについて軽く。
大きく分ければ、白コマには2種類あります。
・白コマ
画面全部が白になっている。これを閃光や衝撃の表現として作画の途中にインサートする。
・重ね白コマ
もう一つは白コマを重ねて(特殊効果のエフェクト特殊効果として)使ったもの。
元となる絵があり、そこに特殊効果として白コマを重ねる。今風に言えば、レイヤーを元絵と白コマ、2枚重ねている感覚に近いと思う。
今回はこの2つを同じものとして扱います( ^ω^)
というか、自分はふだんからこの2つをあまり分けていません。さて、じっさいの例を見ていこうぞよ。
エヴァンゲリオン新劇場版:序[2006/劇場]
結論から言うと、増尾白コマでは「どこかのタイミングで、大きく一拍置く」。けっして、ランダムに、適当に白コマを入れ続けているわけではない。パターンがあるんです。これがもっとも大きな増尾ショックの特徴です・・・と以前言ったけれど、うまく説明できなかった。
はい( ^ω^)
ここまでが、今までの「考えるな、感じろ」のおさらいです。
今回はもっと踏み込んで、分かりやすい図表を用意しました。ただ、理屈的になりすぎてもアレなので、感覚も大事に一緒に見ていってね。
例1)一発入れて、「一拍」置いての白コマ
一つ目の白コマ(閃光)の後、じゃっかん間があるのが分かるだろうか。リズムで言えば、ドン(一拍おいて)ドドドン、みたいな感じだ。ここでは一拍の感覚を掴んで欲しい。
( ^ω^)図表じゃぞ
※便宜上、2秒間を48コマに分けています。
水色・・・白コマ
青色・・・黒コマ、白コマ、混合
パープル色(枠)・・・ショックコマの1セット
黄色・・・一拍の区間
参考表を見ながら、GIFを見てクレイー
12~16コマ(だいたいでいい)に注目。白コマによる閃光表現が何回も入る中で、増尾白コマでは、こういう大きな間(つまり、一拍!)がある。カメラのシャッターが切られる瞬間が白コマとすれば、切られてない時間が一拍置いてる感じ。
ここで分からなくても大丈夫、ワシの増尾白コマGIFはたくさんあるぞよ
例2)連続する白コマの中で
ジャイアント・ロボ[1992/OVA]01話-02
黄色の区間のコマとGIFをよく見て欲しい。これ分かりやすい。
一見、白コマが連続して入っているように見えるけれど、じっさいはそうじゃないというのが明確に伝わると思う。これは分類としては白コマが連射される中で「一拍」置くやつ。
例3)「一拍」を2回入れる
ふしぎの海のナディア[1991/TV]39話
これは34~41コマの方が「一拍」としては分かりやすいかな。
一拍を2回入れているのが注目ポイント。このパターン、けっこう増尾さんやります。
例4)デジタル表現での白コマ・閃光表現
エヴァンゲリオン新劇場版:Q[2012/劇場]
白コマを挟んだ2回の一拍に注目
ここまで来ると「一拍」もだいぶ分かってきたと思う( ^ω^)後半31-32、39-41の白コマがタイミング的には特徴的ですね。たぶん増尾さんの仕事だと思うけど、カラーデジタル部、CG部だけでやってたら逆に驚く。
CGになると、白コマというよりは、部分的な発光になってますね。
周りの物体や空間に陰影を付けることができるので、立体的な白コマとも呼べそう。これが増尾さんにとっての、デジタルとの融合を含めた閃光表現だと思う。上妻さんがおっしゃるとおり、増尾さんの1コマのタイミングの面白さとか凄さとかあるんだけれど、今回は白コマの説明でいっぱいになってしまった。まあ今回は、増尾ショックのタイミングをわかってもらえたら、これ以上はない。
今年は、増尾さんの白コマのタイミングについて
上妻晋作 S Kozuma@kozuma_増尾さんの白コマ、重ねた白コマの処理などの巧さについて、アニメーター・上妻晋作さんが呟いておられた。感覚的なものっぽかったので、以前ぼくは動画に説明を託しましたが、あまり理解されていない感じ。自分の中でも消化不良だった。増尾さんの1番優れた所は、1コマの使い方。
2019/10/31 16:52:17
弾道の処理、エフェクトの重ねがめちゃ上手かった。
それを本人に言う機会が無かったのが残念で、悲しい。
なので、今度は図解を交えて説明する
ジャイアント・ロボ[1992/OVA]01話
これなんてことないポリゴンショックに見えるよね。いやあこれがね、すごいんだわ。この白コマを理解すると、増尾作画はもっと深く理解できる。なぜかというと、増尾さんの白コマは、他アニメーターの使い方とハッキリと異なっているので、増尾作画のカットを理解する”手がかり”であり、増尾作画における”技巧”の一つでもあるから。
ショックコマは多岐に渡り、全てについて説明しようとすると煩雑になりそうだなと思った。ですので、今回は白コマに限って説明します。
まずは、「白コマ」そのものについて軽く。
大きく分ければ、白コマには2種類あります。
・白コマ
画面全部が白になっている。これを閃光や衝撃の表現として作画の途中にインサートする。
・重ね白コマ
もう一つは白コマを重ねて(特殊効果のエフェクト特殊効果として)使ったもの。
元となる絵があり、そこに特殊効果として白コマを重ねる。今風に言えば、レイヤーを元絵と白コマ、2枚重ねている感覚に近いと思う。
今回はこの2つを同じものとして扱います( ^ω^)
というか、自分はふだんからこの2つをあまり分けていません。さて、じっさいの例を見ていこうぞよ。
エヴァンゲリオン新劇場版:序[2006/劇場]
結論から言うと、増尾白コマでは「どこかのタイミングで、大きく一拍置く」。けっして、ランダムに、適当に白コマを入れ続けているわけではない。パターンがあるんです。これがもっとも大きな増尾ショックの特徴です・・・と以前言ったけれど、うまく説明できなかった。
はい( ^ω^)
ここまでが、今までの「考えるな、感じろ」のおさらいです。
今回はもっと踏み込んで、分かりやすい図表を用意しました。ただ、理屈的になりすぎてもアレなので、感覚も大事に一緒に見ていってね。
例1)一発入れて、「一拍」置いての白コマ
一つ目の白コマ(閃光)の後、じゃっかん間があるのが分かるだろうか。リズムで言えば、ドン(一拍おいて)ドドドン、みたいな感じだ。ここでは一拍の感覚を掴んで欲しい。
( ^ω^)図表じゃぞ
※便宜上、2秒間を48コマに分けています。
水色・・・白コマ
青色・・・黒コマ、白コマ、混合
パープル色(枠)・・・ショックコマの1セット
黄色・・・一拍の区間
参考表を見ながら、GIFを見てクレイー
12~16コマ(だいたいでいい)に注目。白コマによる閃光表現が何回も入る中で、増尾白コマでは、こういう大きな間(つまり、一拍!)がある。カメラのシャッターが切られる瞬間が白コマとすれば、切られてない時間が一拍置いてる感じ。
ここで分からなくても大丈夫、ワシの増尾白コマGIFはたくさんあるぞよ
例2)連続する白コマの中で
ジャイアント・ロボ[1992/OVA]01話-02
黄色の区間のコマとGIFをよく見て欲しい。これ分かりやすい。
一見、白コマが連続して入っているように見えるけれど、じっさいはそうじゃないというのが明確に伝わると思う。これは分類としては白コマが連射される中で「一拍」置くやつ。
例3)「一拍」を2回入れる
ふしぎの海のナディア[1991/TV]39話
これは34~41コマの方が「一拍」としては分かりやすいかな。
一拍を2回入れているのが注目ポイント。このパターン、けっこう増尾さんやります。
例4)デジタル表現での白コマ・閃光表現
エヴァンゲリオン新劇場版:Q[2012/劇場]
白コマを挟んだ2回の一拍に注目
ここまで来ると「一拍」もだいぶ分かってきたと思う( ^ω^)後半31-32、39-41の白コマがタイミング的には特徴的ですね。たぶん増尾さんの仕事だと思うけど、カラーデジタル部、CG部だけでやってたら逆に驚く。
CGになると、白コマというよりは、部分的な発光になってますね。
周りの物体や空間に陰影を付けることができるので、立体的な白コマとも呼べそう。これが増尾さんにとっての、デジタルとの融合を含めた閃光表現だと思う。上妻さんがおっしゃるとおり、増尾さんの1コマのタイミングの面白さとか凄さとかあるんだけれど、今回は白コマの説明でいっぱいになってしまった。まあ今回は、増尾ショックのタイミングをわかってもらえたら、これ以上はない。